How to チェロ(チェロの総合解説サイト:チェロ奏者水口貴裕)


How to チェロ (チェロの総合解説サイト:チェロ奏者水口貴裕)

(2024年11月10日更新)

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バッハ無伴奏チェロ組曲第1番演奏
2018年11月23日
於:聖アンセルモ教会(東京目黒)
使用チェロ:フランチェスコ・ルジェリ、1675年、クレモナ


チェロの総合解説サイト:チェロ奏者水口貴裕


























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電話:03-3717-4693
p


◆月例レクチャー・コンサート(会場&Zoom配信)
「チェロ名曲を銘器(F.ルジェリ/D.テヒラ―/F.X.トルテ弓)で楽しむ」(第1週土曜)~解説と演奏(水口貴裕)~
12月7日(土)レクチャ-コンサート(7:00PM開始)、ショパン作曲 チェロソナタ ト短調 作品65他

1.日時:毎月第1土曜日、夜7時
2.会場:目黒学園カルチャースクール本校
(JR、東京メトロ南北線、東急目黒線 目黒駅直結)
JR目黒駅ビル:東京都品川区上大崎3-1-1アトレ目黒2 2階
TEL:03-6417-0031 FAX:03-6417-0032
3.内容:楽器、作曲家、チェロ曲の解説と演奏、講師 水口貴裕
4.料金:3回7,590円(税込)、1回のみ3,630円(税込)、当日申込可能
5.お問合せ・申込み:目黒学園カルチャースクール 電話:03-6417-0031 

使用チェロ:フランチェスコ・ルジェリ、1675年、クレモナ
       ダビッド・テヒラー、1730年、ローマ 他
使用弓   :フランソワ・グザビエ・トルテ1830年、パリ
       フランソワ・ペカット1840年、パリ


       <2024年演奏予定曲>

1月6日(土)
・バッハ作曲無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調      
・無伴奏チェロ組曲第4番 変ホ長調 プレリュード他
2月3日(土)
・ベートーヴェン作曲チェロ・ソナタ第3番イ長調
ベートーヴェン作曲 「マカベウスのユダの主題」12の変奏曲ト長調他
3月2日(土)
・ブラームス作曲チェロソナタ第2番ヘ長調 作品99
・シューマン作曲「幻想小曲集」作品12他
4月6日(土)
・モーツァルト作曲チェロ(バイオリン)ソナタ第18番
・チェロ(ファゴット)協奏曲第2楽章他
5月4日(土)
・ラロ作曲チェロ・ソナタ イ短調
・ラロ作曲コンチェルト「ラッセル」他
6月1日(土)
・ボッケリーニ作曲チェロ協奏曲変ロ長調
・ヴィバルディ作曲チェロソナタ第5番ホ短調他
7月6日(土)
・シューベルト作曲ソナチネ第2番イ短調 作品137の2
・シューマン作曲「アダージョ&アレグロ」作品 706
8月3日(土)
・ハイドン作曲チェロ協奏曲第2番ニ長調 作品101
・シューマン作曲「5つの民謡風小品」作品102他
9月7日(土)
・フォーレ作曲チェロ・ソナタ第1番ニ短調作品109
・フォーレ作曲「エレジー」作品24他
10月5日(土)
・メンデルスゾーン作曲チェロソナタ第1番 変ロ長調作品45
・チェロソナタ第2番 ニ長調 作品58より「アダージオ」他
11月2日(土)
・ショスタコヴィッチ作曲チェロ協奏曲第1番より
・チェロソナタ ニ短調作品40他
12月7日(土)
・ショパン作曲 チェロソナタ ト短調 作品65
・ドヴォルザーク「森の静けさ」作品18-5他
        
     *日程、曲目は変更になる場合があります。




●「ピアノの詩人」ショパンのチェロ音楽(使用楽器:F.ルジェリ、目黒学園カルチャースクール
チェロの総合解説サイト:チェロ奏者水口貴裕
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<これまでの演奏曲目>

【あ】

アーベル作曲無伴奏ガンバ・ソナタ1
アルビノーニの「アダージオ」
ウエーバー作曲 「アダージオとロンド」J. 115
ヴィエニアフスキー作曲チェロソナタ ホ短調作品26
ヴィヴァルディ作曲チェロ・ソナタ第5番 ホ長調
エルガー作曲「愛の挨拶」
エルガー作曲チェロ協奏曲ホ短調 作品85
エルガー作曲「ロマンス」作品62
エルガー作曲「牧歌」作品4-1
オッフェンバック作曲「ジャクリーヌの涙」
オネゲル作曲チェロソナタ
オルティス作曲無伴奏ガンバのためのレセルカーダ第2

【か】

カサド作曲「愛の言葉」
カザルス編曲「鳥の歌」
ガブリエリ作曲無伴奏チェロのためのレセルカーダ1番
クライスラー作曲「アンダンティ―ノ」
クライスラー作曲「愛の喜び」
クライスラー作曲「愛の悲しみ」
クライスラー作曲「美しきロスマリン」
グラズノフ2つの小品作品20「スペインの舞曲」
グラズノフ2つの小品作品20「メロディ」
グラズノフ作曲「吟遊詩人の歌」作品71
グラナドス作曲スペイン舞曲2番「オリエンタル」
グリーク作曲 アレグレット作品45
グリーク作曲 チェロソナタ イ短調 作品36
グリーク作曲 間奏曲 イ短調作品115
グリンカ作曲「ノクターン(別れ)」
グルック作曲「メロディ」
ゴダール作曲「ジョスランの子守歌」
コレルリ作曲チェロソナタ ニ短調作品5-8

【さ】

サラサーテ作曲「ザパネド」作品23-2
サンサーンス作曲チェロソナタ第1番ハ短調 作品32
サンサーンス作曲チェロソナタ第2番 ヘ長調作品123
サンサーンス作曲チェロ・ソナタ第3番ニ長調 遺作
サンサーンス作曲チェロ組曲作品16
サンサーンス作曲「アレグロ・アパーショナート」作品43
サンサーンス作曲「ロマンス」作品36
サンサーンス作曲「祈り」作品158
サンサーンス作曲「白鳥」
シューベルト作曲 「アルペジオーネ」ソナタイ短調 D821
シューベルト作曲ソナチネ第1番ニ長調作品1371D.384
シューベルト作曲「セレナード」D.957
シューマン作曲チェロ協奏曲イ短調作品129
シューマン作曲「アダージョとアレグロ」変イ長調作品70
シューマン作曲「トロイメライ」
シューマン作曲「民謡風の5つの小品」 作品.102
シューマン作曲「幻想小曲集」作品73
ショスタコーヴィチ作曲チェロ・ソナタ ニ短調 作品.40
ショスタコビッチ作曲チェロ協奏曲第1番変ホ長調作品107
ショスタコビッチ作曲「モデラート」
ショスタコビッチ作曲チェロソナタ ニ短調作品40
ショパン作曲 チェロソナタ ト短調 作品65
ショパン作曲(グラズノフ編曲)「エチュード」作品.25-7
ショパン作曲「ラルゴ」
ショパン作曲「序奏と華麗なるポロネーズ」ハ長調作品3
ストラビンスキー「イタリア組曲」
スクリャービン作曲「ロマンス」

【た】

ダヴィドフ作曲 「泉のほとりで」作品.20-2
チャイコフスキー作曲6つの小品 作品.51「感傷的なワルツ」 
チャイコフスキー作曲「ロココの主題による変奏曲」作品33
チャイコフスキー作曲「小奇想曲」
チャイコフスキー作曲「ノクターン」 作品19-4 
テレマン作曲無伴奏ガンバソナタより第1楽章
ディリアス作曲 チェロソナタト短調
ドビュッシー作曲チェロソナタニ短調L.135
ドビュッシー作曲「ロマンス」
ドボルザーク作曲チェロ協奏曲ロ短調 作品104
ドボルザーク作曲「森の静けさ 」作品68-5
ドヴォルザーク作曲「4つのロマンティックな小品」作品75
ドヴォルザーク作曲「ロンド」
ドヴォルザーク作曲「母に捧げる歌」
ドヴォルザーク作曲「ユーモレスク」
ドヴォルザーク作曲ソナチネ ト長調作品100

【は】

ハイドン作曲チェロ協奏曲第1番ハ長調
ハイドン作曲チェロ協奏曲第2番ニ長調 作品101
ハイドン作曲「メヌエット」
バーンスタイン作曲ミサ曲から「3つの瞑想曲」
バッハ作曲無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV.1007
バッハ作曲無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調 BWV1008
バッハ作曲無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調BWV1009
バッハ作曲無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調 BWV1010
バッハ作曲無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調 BWV1011
バッハ作曲無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調 BWV1012
バッハ作曲「アリオーソ」
バッハ作曲「アダージオ」
バレンティーニ作曲 チェロ・ソナタ ニ長調
パガニーニ:「モーゼ」の主題による変奏曲
パレディス作曲「シシリエンヌ」
バラギレフ作曲「ROMANZA

【ひ】

ビラ・ロボス作曲「黒鳥の歌」
ヴィバルディ作曲チェロソナタ第5番ホ短調作品14
プーランク作曲チェロ・ソナタFP143
フォーレ作曲チェロソナタ第1番ニ短調作品109
フォーレ作曲チェロ・ソナタ 第2番ト短調 作品117
フォーレ「エレジー」作品24
フォーレ作曲「シシリエンヌ」作品78
フォーレ作曲「セレナーデ」作品98
フォーレ作曲「ロマンス」作品69
フォーレ作曲「蝶々」作品.77
フォーレ作曲「夢の後に」作品71
フランク作曲 チェロソナタ イ長調
ブラームス作曲 チェロソナタ第1番 ホ短調 作品38
ブラームス作曲 チェロソナタ第2番ヘ長調 作品99
ブラームス作曲チェロ・ソナタ ニ長調 作品78「雨の歌」
ブリッジ作曲 「春の歌」
ブルッフ作曲「コルニドライ」作品47
ブロッホ作曲ヘブライ狂詩曲「シェロモ」
ブロッホ作曲ユダヤ人の生活より - 「祈り」
ブロッホ作曲無伴奏チェロ組曲第3
プーランク作曲チェロ・ソナタFP143
プロコフィエフ作曲 「三つのオレンジへの恋」よりマーチ
プロコフィエフ作曲 チェロソナタハ長調作品119
フンメル作曲チェロソナタ作品104
ヘンデル作曲「ラルゴ」
ベートーヴェン作曲「魔笛の主題による12の変奏曲」ヘ長調 作品66
ベートーヴェン作曲「マカベウスのユダの主題による12の変奏曲」ト長調
ベートーヴェン作曲チェロ・ソナタ第1番ヘ長調 作品5-1
ベートーヴェン作曲チェロ・ソナタ第2番ト短調作品.5-2
ベートーヴェン作曲チェロ・ソナタ第3番イ長調 作品69
ベートーヴェン作曲チェロ・ソナタ第4番 ハ長調作品102-1
ベートーヴェン作曲チェロ・ソナタ第5番ニ長調作品1022
ベートーヴェン作曲チェロ・ソナタヘ長調(ホルン・ソナタ)」作品17
ベートーヴェン作曲チェロ・ソナタヘ長調作品64
ベートーヴェン作曲「メヌエット」
ボッケリーニ作曲チェロ・ソナタ第6番 イ長調 G. 4
ボッケリーニ作曲チェロ協奏曲変ロ長調
ボッケリーニ作曲「メヌエット」
ボロディン作曲 チェロソナタ ヘ長調作品6
ボロディン作曲「ノクターン」
ポッパー作曲「コンチェルト・ポロネーズ」ニ短調作品14

【ま】

マスネ作曲「タイスの瞑想曲」
マルチェロ作曲 チェロソナタ第1番 ヘ長調
ミヨー作曲チェロソナタ作品377
ミヨー作曲「エレジー」
メンデルスゾーン作曲チェロソナタ第1番 変ロ長調作品45
メンデルスゾーン作曲チェロソナタ第2番 ニ長調作品58
メンデルスゾーン作曲協奏的変奏曲 ニ長調作品17
メンデルスゾーン作曲 チェロソナタ(バイオリンソナタ)ヘ短調作品4
メンデルスゾーン作曲「無言歌」ニ長調 作品.109
メンデルスゾーン作曲「歌の翼に」作品342
メンデルスゾーン作曲「アッサイトランクゥイロ」 
モーツァルト作曲「アベベルムコルプス」
モーツァルト作曲バイオリン・ソナタ第18KV301
モーツァルト作曲チェロ(ファゴット)協奏曲 変ロ長調 K. 191
モーツアルト作曲「アンダンティーノ」 変ホ長調,KVAnh.46
モーツアルト作曲「アンダンテ カンタービレ」

【や】

ヨハン・シュトラウス作曲「ロマンス第2番」作品25

【ら】

ラフマニノフ作曲チェロ ・ソナタ ト短調 作品19
ラフマニノフ作曲 「パガニーニの主題によるラプソディー」変奏曲作品43-18
ラフマニノフ作曲「プレリュード」作品2-1
ラフマニノフ作曲チ「東洋風舞曲」作品2-2
ラフマニノフ作曲「メロディ」作品.3-3
ラフマニノフ作曲「リート」ヘ短調
ラフマニノフ作曲「ロマンス」ヘ短調
ラフマニノフ作曲「ヴォカリーズ」作品34-14
ラロ作曲チェロソナタト短調作品65
ラロ作曲チェロ協奏曲ニ短調
ラロ作曲コンチェルト「ラッセル」
ラロ作曲「村人の歌」
ラロ作曲「セレナーデ」
ラロ作曲「ウオッカ・ワルツ」
ラヴェル作曲「ハバネラ形式の小品」
リスト作曲「エレジー」第1 S130
リスト作曲「愛の夢」3番変イ長調 S.541
リスト作曲「忘れられたロマンス」 S132
リヒャルト・シュトラウス作曲チェロソナタ ヘ長調作品6
リヒャルト・シュトラウス作曲「ロマンス]作品AV.75
ルビンシュタイン作曲チェロ・ソナタ第1番 ニ長調作品18
ルビンシュタイン作曲「へ調のメロディ」
レスピーギ作曲チェロと管弦楽のための「アダージョと変奏」
レスピーギ作曲リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲「シチリアーノ」


<連リンク>

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チェロ音楽の楽しみ方(チェロ・ミシュラン)
チェロ名曲の解説と演奏難易度ランキング。

■水口貴裕チェロ・リサイタル

2012年1月8日(日)東京文化会館小ホール ピアノ:三谷 温(昭和音楽大学准教授
<チェロ・リサイタル演映像>
◇ブラームス・チェロ・ソナタ第1番第1楽章より  使用楽器:ダビット・テヒラー(1730-1740年頃、ローマで製作

◇サンサーンス「白鳥」、カザルス「鳥の歌」
   使用楽器:ガエタノ・キオッキ(1860、イタリア・ベネチア派

■コンクールに入賞するために

音楽コンクール審査員の視点からコンクールのポイント、採点項目等を解説、主なチェロ・コンクール等
■音楽大学チェロ受験のために
音楽大学合格者の指導経験からチェロ実技受験のポイント等を解説、チェロ受験を目指す方必見
■チェロ教則本について(ウエルナーはやめよう)
主なチェロ教則本と特徴を解説。広く使われているウエルナーの教則の問題点等
■ヴィオラ・ダ・ガンバのすべて
ヴィオラ・ダ・ガンバの歴史、奏法、主な楽曲を解説
■バロック・チェロ奏法解説
バロック・チェロの奏法を解説
■チェロレッスンDVD
チェロの演奏技術を確実にボウイング、左手の技術、ビブラート等

★CD:シャコンヌ/水口貴裕~魅惑のチェロ小品集」(Beltaレコード)

国内外で活躍しているソリスト、水口貴裕の1stアルバム。「万里の長城杯国際音楽コンクール」での最高位入賞など、
着実にキャリアを重ねた水口の実力が存分に発揮された小品集だ。雄々しく骨太な.チェロの音色が魅力的。 「CDジャーナル」誌評論

 チェロ:水口貴裕
 ピアノ:三谷 温(昭和音楽大学准教授)


チェロの総合解説サイト:チェロ奏者水口貴裕
収録曲:
【1】バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 プレリュード
【2】フォーレ:「ロマンス」作品69
【3】グラズノフ:「吟遊詩人の歌」
【4】エルガー:「愛の挨拶」
【5】ショパン:「序奏と華麗なポロネーズ」作品3  
【6】バッハ:アダージョ(トッカータ BWV.564より)
【7】バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番 サラバンド  
【8】モーツァルト:アンダンテ・カンタービレ(オリジナルチェロ曲) 
【9】ベートーヴェン:「魔笛」の主題による7つの変奏曲作品46  
【10】サン・サーンス:「白鳥」            
【11】ラヴェル:「ハバネラ形式の小品」       
【12】メンデルスゾーン「協奏的変奏曲」作品17 
【13】ラフマニノフ:「プレリュード」
【15】ヴィターリ:シャコンヌ(原曲バイオリン)     
【16】カザルス:「鳥の歌」      
 

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Albert Roman
友人Alnert Roman氏(スイスのチェリスト)のページ:英語・仏語・独語

水 口 貴裕 (みずぐちたかひろ) Takahiro Mizuguchi
チェロの総合解説サイト:チェロ奏者水口貴裕

(略 歴)
東京に生まれる
勝田聡一氏に師事。 ニューヨークにてバーバラ・マロウ氏(コープランド音楽院教授、ニューヨーク チェロ協会副会長)の下で研鑽を積む。
ニューヨーク・マネス音楽院修了。チェロをピーター・プロッサー氏に室内楽をナンシ ー・ガーネー氏に学ぶ。ビオラ・ダ・ガンバを品川聖氏に師事。
Bergen Philharmonic Orchestra(米国ニュージャージー州)のチェロ副首席奏者を勤め、ニューヨークを中心にソロ、室内楽活動を行う。
1994年にニューヨーク・デビュー・チェロ・リサイタルを開催、 日本国内における演奏活動としては2005年、2007年、2009年および2012
東京文化会館におけるチェロ・リサイタルなど多数のリサイタルを開催するなどソリストとして幅広く活躍。 海外における演奏活動としては、
フランス(パリ)、チェコ(プラハ)、 ポーランド(ワルシャワ)、ドイツ(ミュンヘン)、ベルギー(ブリュセル) などヨーロッパ主要都市、
アジアでは中国などにおける演奏会でソリストとして幅広く活躍。国際音楽祭にもソリストとして出演、国内外のオーケストラと共演。
万里の長城杯国際音楽コンクール、日本クラシック音楽コンクール弦楽器部門、 長江杯国際音楽コンクール、および全日本ジュニアクラシック音楽コンクール審査員。
文化庁派遣事業協力芸術家。
その演奏は「高いレベルの音楽を生み上げる心意気に好感...」(音楽の友誌)など美しい音色と洗練された音楽により高い評価を得ている。
現在、東京を拠点としてソリスト、室内楽奏者として活躍する一方、チェロの普及・ 指導に努めている。ラジオ放送(渋谷クロスMF)に出演。2017年1月より毎月レクチャー・コンサート「チェロ名曲を銘器で楽しむ」(目黒学園カルチャーセンター)開催
リサイタルでは、日本ではほとんど演奏されない優れたチェロ曲を意欲的にとりあげ紹介している。
◇コンクール入賞歴: 「万里の長城杯」国際音楽コンクール・弦楽器部門最高位入賞(1位なし第2位)
ベストプレイヤーズ・コンクール入賞(審査賞)他
◇CD:チェロ小品集「シャコンヌ」」ベルタレコード ◇ 著作等: 「愛の挨拶」KMP他

使用楽器:フランチェスコ・ルジェリ(Cremon1675年頃)
★Franchesco Ruggeriについて
ダビッド・テヒラー(Rome、1730年頃)
★David Tecchlarについて
                            使用弓:F.X.トルテ、F.ペカット



リサイタルでは、日本ではほとんど演奏されないが、優れたチェロ曲を毎回積極的にとりあげ紹介している。
◇ショスタコーヴィチ:チェロソナタ
◇プロコフィエフ:チェロソナタ
◇サンサーンス:チェロソナタ1番
◇サンサーンス:チェロソナタ2番
◇メンデルスゾーン:チェロソナタ1番
◇メンデルスゾーン:チェロソナタ2番
◇フォーレ:チェロソナタ1番
◇フォーレ:チェロソナタ2番
◇ショパン:チェロ・ソナタ、「悪魔ロベール」の主題による大二重奏曲
◇バーバー:チェロソナタ
◇ドビュシー:チェロソナタ
◇ルビンシュタイン:チェロソナタ1番
◇バッハ:ビオラ・ダ・ガンバソナタ
◇ドホナーニ:チェロソナタ
◇シベリウス:マリンコニア
◇ピアソラ:ル・グランタンゴ
◇ビターリ:「シャコンヌ」(ルイジ・シルバ編曲)
◇カサド:無伴奏チェロ組曲
◇イザイ:無伴奏チェロソナタ 作品28


Takahiro Mizuguchi is a recitalist and chamber
musician. He was born in Tokyo.
He studied cello both in Japan and U.S.A.
His teacher included Soich Katsuta, Barbara Mallow, Peter Proccer.
He learned cello and chamber music at Maness School of Music in New York City.
He had been an Assistant Principal of the Bargen Philharmonic Orchestra of New Jersey in U.S.A.
He had a debut recital in New York in September, 1994.
He had recitals including Tokyo-Bunkakaikan in Tokyo in 1996, 1998 ,
2005 and 2007.
His solo performance were including in Paris, Warsaw, Prague,Brussels and Munch.
He won Grate Wall International music competition and many other competitions.

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チェロ教室


象:初心者~プロをめざす方まで(子供も可)
教授方法:個人レッスン
ユニークな教授方法を行っている。全く初めての方でも、エチュードと曲をすぐに併用して教授。
半年で「白鳥」(第8ポジションまで使用)をビブラートをかけて弾けることを目標に指導。
確実な演奏技術と音楽表現を楽しみながら習得。
また、チェロに行き詰まった方、演奏の大きな飛躍をしたい方等も歓迎。

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演奏依頼
協奏曲演奏(アマチュアオケ可)、リサイタル、小品演奏等のご依頼、ご相談につきましては下記のメールアドレスまでご連絡ください。
cellists@aol.com(PC)
cellosjptokyo58@gmail.com(PC)
tmizuguchi@docomo.ne.jp(スマホ・携帯の方)
お問い合わせは、 ここをクリックし、メールを送信できます。

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長江杯国際音楽コンクール本選審査
2018日年8月5日(日):代々木オリンピック記念青少年総合センターにて
審査員各氏:左より
原ひとみ(サクソホン、洗足学園大学講師)
水口貴裕
森垣桂一(作曲家・指揮者、国立音楽大学教授)
立川和夫(フルート、元国立音楽大学教授、日本フィルハーモニー交響楽団首席奏者)
長岡 輝(ピアノ、武蔵野音楽大学教授)
野村真澄(バイオリン、元東京交響楽団)
李子祥(中国音楽理事会 理事長)


万里の長城杯国際音楽コンクール本選審査
2017年3月18日(土):代々木オリンピック記念青少年総合センターにて
審査員各氏:左より
水口貴裕
菅井春恵(フルート、洗足学園音楽大学講師)
天野佳和(打楽器、元東京交響楽団首席奏者)
司馬節子(ピアノ、元南京音楽学院教授)
遠藤雅夫(作曲家、日本作曲家協会副会長)
野村 眞理(バイオリン、元東京芸術大学講師)
李子祥(中国音楽理事会 理事長)




渋谷クロスFM (88.5Mhz) レギュラー出演
http://shibuyacrossfm.jp/
渋谷クロスFMサテライトスタジオ(東京都渋谷区神南1-12-13)にて
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<これまでの放送/演奏曲目>
ラロ・チェロソナタより第2楽章、グラナドス「オリエンタル」、パラディス「シシリエンヌ」、ベートーヴェン・チェロソナタ、第1楽章ラフマニノフ・チェロソナタ第1楽章、ヨハン・シュトラウス「ロマンス」2番、フォーレ「シシリエンヌ」、サンサーンス「白鳥」、ブルッフ「コルニドライ」、バッハ無伴奏チェロ組曲第1番プレリュード、第2番プレリュード、アルマンド、サラバンド、第3番サラバンド、エルガー「愛の挨拶」、グラズノフ「吟遊詩人の歌」、ショパン「チェロ・ソナタよりラルゴ」、ラフマニノフ「ヴォカリーズ」、フォーレ「夢の後に」、グリーク「インテルメッツォ」、フォーレ「エレジー」、ドヴォルザーク「4つのロマンティックな小品」より、エルガー「チェロ協奏曲」第1楽章、シューマン「トロイメライ」
ビオラ・ダ・ガンバ独奏:テレマン「忠実な音楽の師-無伴奏ソナタ」、オルティス「装飾変奏法」無伴奏レセルカーダ第2番

日本クラシック音楽コンクール審査員
埼玉地区本選審査(彩の国さいたま芸術劇場大ホールにて)
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東京地区予選審査(パルテノン多摩にて
恵谷真紀子氏(ビオラ奏者、武蔵野音楽大学講師、土肥 敬氏(チェロ奏者)とともに
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レコーディング風景 三谷温氏(昭和音楽大学教授)と岩舟コスモスホールにて

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中国(南京)での演奏 2009年11月

 南京師範大学音楽学院(音楽大学)にて
チェロの総合解説サイト:チェロ奏者水口貴裕
チェロの総合解説サイト:チェロ奏者水口貴裕


















水口貴裕チェロリサイタル
<これまでの主なリサイタル>

■2012年1月8日(日) 東京文化会館小ホール
ピアノ:三谷 温(昭和音楽大学教授)
曲 目 :
◇ショパン チェロソナタ ト短調Op.65
◇ブラームス チェロソナタ 第1番 ホ短調 作品38
◇ショスタコーヴィチ チェロソナタ 作品40
◇バッハ チェロ「ビオラ・ダ・ガンバ」ソナタ 第3番

2009年1月9日(金) 東京文化会館小ホール
ピアノ:栃木典子(昭和音楽大学講師)
曲 目 :

◇L.ボッケリーニ チェロ・ソナタ第6番 イ長調
◇F.
シューベルト チェロ・ソナタ「アルペジョーネ」 イ短調D.821
G.フォーレ チェロ・ソナタ第1番 ニ短調 作品109
J.ブラームス チェロ・ソナタ第2番 へ長調 作品99


2007年1月6日(土) 東京文化会館小ホール
ピアノ:栃木典子(昭和音楽大学講師)
曲 目 :
◇ベートーベン:チェロソナタ第3番 イ調長 作品69
ルビンシュタイン
:チェロソナタ第1番 ニ長調
◇ドビシー:チェロソナタ ニ短調
◇ドホナーニ:チェロソナタ 変ロ短調 作品8


チェロの総合解説サイト:チェロ奏者水口貴裕





























リサイタルの詳細


2005年1月8日(土) 東京文化会館小ホール
ピアノ:江澤聖子
(桐朋学園大学講師、国立音楽大学教授、日本音楽コンクール、イタリア・カントウ国際ピアノコンクール1位)
曲 目 :
◇ラフマニノフ:チェロソナタ ト短調
◇サンサーンス:チェロソナタ第1番ハ短調
◇メンデルスゾーン:チェロソナタ第1番変ロ長調
◇バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調















































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★チェコ(プラハ)での演奏

2005年10月20日(日) <芸術家の家>スーク・ホール
ピアノ:栃木典子
(前昭和音楽大学講師)
曲 目 :
◇ベートーベン:チェロ・ソナタ第3番 イ長調 作品69
◇ドビッシー:チェロ・ソナタ
  他

<楽屋にて>
左より 栃木典子氏、水口貴裕                             <芸術家の家>
クビータ・ビリンスカヤ氏                                 大ホール(ドボルザーク・ホール)
(クーベリック・トリオ、プラハ芸術アカデミー教授:ピアニスト)      小ホール(スーク・ホール)があり、
カレル・フィアラ氏                                     チェコ・フィルの本拠地、
(クーベリック・トリオ:チェリスト)                          「プラハの春音楽祭」会場となる
                                          左はドボルザーク像






























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エルガー「愛のあいさつ」発売中(KMP刊、チェロ・水口貴裕校訂)
<演奏方法解説、ピアノ、バイオリン版付、定価 〔本体500円+税〕
KMPホームページ

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■はじめに


ここでは、チェロをこれからはじめたいと思う方から、プロをめざす方までを対象に、アドバイス及び 有益な情報を提供し、チェロを愛好する方のお役にたつことにより、底辺の広がりつつある日本のチェロ界の底上げに少しでも貢献できれば幸いである。

■目 次

第1章 チェロを始めたい方へ

第2章 誰も教えてくれないチェロ、弓、付属品の入手と手入れ

2.1 誰も教えてくれないチェロの入手及び楽器選びのポイント

・良い楽器とは
・ 入門者の楽器の購入のポイント
・チェロのサイズについて
・イタリア製新作楽器
・ プロ用楽器の入手方法
・ オークション
・ 日本国内・海外で楽器店を探す
・ チェロの試し弾き
・ オールド楽器と新作/中古楽器
・ オールド楽器の見分け方のヒント
・ 楽器の材質

2.2 誰も教えてくれないチェロ弓選びと入手のポイント

2.3 チェロ・ケースについて

2.4 駒について

・フランス駒とベルギー駒
・ 日本の気候と駒
・ 駒の正しい位置と調整

2.5 魂柱について

2.6 最良の状態の指板とは

2.7 ウルフ音とウルフキラー

2.8 誰も教えてくれないチェロの弦の選択と毛換えのポイント

・弦の選択
・交換のポイント

2.9 チェロの手入れ

・毎日の手入れ
・演奏会時の手入れ
・ クリーニング液の使用
・ 内部のほこりの除去
・ひび割れまたは、板のはがれのチェック方法
・修理

2.10 弓の手入れ

・日常の手入れ
・修理
・毛換えのポイント

第3章 誰も教えてくれないインターネット・チェロ講座(演奏技術編)

3.1 ベからず集(やってはならないこと) 

3.2 誰も教えてくれないチェロの構え方

3.3 誰も教えてくれない音の出し方の基本

・ チェロの本来の音を出そう
・ 大きな音を出そう
・ 「とおり」の良い音を出そう

3.4 誰も教えてくれない正しいビブラートの基本

・チェロとバイオリンのビブラートは異なる
・ とおりの良いビブラート
・ 適切なビブラートの振幅と周期
・ビブラートの使い分け
・ ビブラートの練習は早く始めた方が良い

3.5  音色の変化について

3.6 疲れない演奏法とは

3.7 楽器を鳴らすための秘密(音が出ないときの原因)

3.8 バイオリン経験者の陥り易い諸問題

3.9 バッハの無伴奏チェロ組曲を弾くための技術

第4章 誰も教えてくれないインターネット・チェロ講座(音楽編)

4.1 音楽の創り方の基本

4.1.1  音符どおり、正確に弾けたと喜んでいないだろうか。
4.1.2  フレージングとアクセントを常に意識して演奏しているだろうか。
4.1.3  3回繰り返すと馬鹿の一つ覚え
4.1.4  音楽の答えは1つではない。答えは自分で見つけよう。
4.1.5  音楽様式の尊重

4.2 ピアノとあわせよう

第5章 誰も教えてくれないインターネット・チェロ講座(実践編)

5.1 サンサーンス「白鳥」
5.1.1 曲の構造
5.1.2 音色とアクセント
5.1.3 フレーズの表現方法
5.1.4 音楽的な演奏方法の詳細

第6章チェロ練習の近道

6.1 マンション等におけるチェロの練習とサイレント・チェロ

6.2 無駄な練習「骨折り損のくたびれ儲け」をしないために

第7章チェロの教則本と教育メソッドについて

7.1 世界の潮流から取り残された時代遅れの「ウェルナー」

7.2 教則本の使い方と教育メソッド

第8章 とっておきの話

8.1 とっておきの話(1)「フォイヤマンの弟子の先生」
8.2 とっておきの話(2)「レディ―ファースト」
8.3 とっておきの話(3)「ポートレート」



第1章 チェロを始めたい方へ
チェロを始める場合には、以下のステップをお勧めします。
(ステップ1)
あなたの最終ゴールを決める。最終ゴールにより、選ぶ先生、選ぶ楽器、練習方法が異なる。
1) アマチュア・オーケストラで弾けるようになりたい。
2) 自分だけで楽しみたい。
3) 仲間で室内樂を楽しみたい
4) プロのオーケストラで弾けるようになりたい。
5) ソリストになりたい。
(ステップ2)
先生を探す。先生が非常に重要な鍵となる。まちがっても、バイオリンの先生にチェロは習わないように。(自動車学校の先生に、軽飛行機の操縦を習うようなものです。)
1) 音楽大学の先生
2) ソリスト(1)を兼ねている場合もある。)
3) プロ・オーケストラ奏者(2)を兼ねている場合もある。)
4) レッスン・プロ(テニスやゴルフでもありますね。)
5) 音楽大学生
6) その他
この中で、1)~5)が良いと思われる。
ソリストを目指す方は1)または2)がベスト。
ちなみにソロを弾く場合と、オーケストラでは弾きかた(例:ソロは音量、音の通りが重要です。)が違う。

第2章 誰も教えてくれないチェロ、弓、付属品の入手と手入れ

2.1.誰も教えてくれないチェロの入手及び楽器選びのポイント
◇ 良い楽器とは
音量、音の通り、音色、音のバランス、弾き易さ、健康さ(特にオールドの楽器の場合)、外見の良さこれら全てを兼ね備えたものが最も優れた楽器と言えるが、全てを持っている楽器は高価な楽器でもまれである。(筆者は、名の知れた高価な楽器であっても特定の弦、ポジションの音の出が悪い、あるいは音量が出ない実際のケースをいくつか知っている。)
楽器選びは価格であって価格でない。
特にソロで使用するに耐えうる楽器は、一定の価格以上(日本の場合¥1000万位以上、米国の場合$7万以上でないとほとんどない。)楽器のタイプとして次のものがある。
○大量生産品
・ プレス品(合板):安いもので8万程度から
・ 無垢材使用:20万~45万円
○ 工房製品
・ 新品45万~100万円
・ オールド100万~350万円
○個人製作者の作品
・新品150万~1000万円
・ オールド200万以上

筆者の経験では、価格のめやすは、次の通りである。(日本の場合)
①8~19万円(ビギナー用)
②20~349万円(アマチュア、学生用)
③350万~999万円(プロ・オーケストラ奏者用)
④1000万円~(ソリスト用)
安くて良い(必ずし名の有る楽器とはかぎらない、高くて悪い楽器はある)があるように思われるかも知れないが、実際には、ほぼこの価格帯にあてはまるといえる。

◇ チェロのサイズについて

一般に言われているサイズは次の通りである。(身長はあくまで目安である。)
4/4サイズ:
胴長74~75.9cm、身長160cm以上の方
7/8サイズ:
胴長72cm前後、身長155cm以上の方
3/4ザイズ:
胴長67~70cm、身長135~155cmの方
1/2サイズ:
胴長54~60cm、身長125~145cmの方
1/4サイズ:
身長115~135cmの方
1/8サイズ:
身長105~125cmの方
1/10サイズ:
身長105cm以下の方

◇ 入門者の楽器の購入のポイント

入門用楽器は、量産品となるが、楽器の購入にあたっては、出きる限り良い楽器を購入すべきではあるが、限られた予算の中でベストのものを選びたい。
このレンジでは、楽器の音、質は、完全に値段に比例すると考えて差し支えない。
楽器には、新品と中古(数年~20年位使用したもの)があるが、価格の上の楽器程中古品の方が弾きこまれているため良い。新品を弾きこむためには時間がかかる。良い楽器であればあるほど長く使用できる。安価な楽器の場合は、年月とともにへたりがくる。
① 10万円程度までの楽器
中国製、韓国製等の楽器があるが、チェロ本来の音を期待できない。音は薄っぺらい。チェロの形をしているともの考えた方が良い。
② 20万円台の楽器
チェコ製の楽器等ある。チェロの音が出るのはこのレンジからであるが、音色、音量等は期待できない。
③ 30万円~50万円
量産品ドイツ製が多く、フランス製の楽器もある。Hofner,Paesold,Roth,Shimora等がある。楽器により差はあるが、アマチュアの使用するものとしては、音色、音量等まずまずのレベルである。このレベルをお勧めたい。
④ 日本製

①②③の価格帯で、ご存知の鈴木バイオリン製のものがある。
◇イタリア製新作楽器
イタリア製のものには量産品はなくすべて、個人製作者の手によるものである。日本では、価格帯は、150万円~450万円程度で入手できる。クレモナ
在住の製作者の作品が多い。ただし、クレモナ150人位いるバイオリン製作者のうち、クレモナの製作者のうちトップクラスの5、6人はチェロを作っていない。バイオリンと比較して作る手間の割りに価格が安いためである。

◇プロ用楽器の入手方法
チェロはバイオリンと違いその製作数が少なく、製作に材料、手間が4倍位かかり、失敗作も多いため、同じ程度の楽器の価格はバイオリンの2倍~3倍の価格である。ストラディバリの場合でも現存する約500本の内、チェロは約50本程度であり、その数は少ない。
したがってこうした楽器はめったに市場に出ることはなく、入手は困難である。
このクラスの楽器の入手方法としては、有力な弦楽器専門店に依頼し、入荷を教えてもらうか、オークションで入手する方法がある。
◇ オークション
オークション(クリスティーズ、サザビース等が良く知られている。)の利用も一つの方法である。オークションは業者でなくともだれでも参加でき、FAXによる申し込みもできる。場合によっては市場価格の3分の1程度で入手できる可能性がある。またオークション当日の数日前に内見会があり、実際に楽器を弾いてみることもできる。オークションに出品される楽器は、そのままの状態、たとえば弦や駒のついていない場合もあり、物によっては入手後信頼のできる楽器店に依頼して手を加える必要がある。筆者の友人のニューヨークのバイオリニストは、イタリアの名器をロンドンのオークションに出かけて行って、手に入れている。オークションに関する情報は、「Strad」(英国)、「Strings」(米国)といった雑誌、またはクリスティーズ、サザビース等の日本法人で入手できる。またインターネットでも公開している。

◇ 日本国内・海外で楽器店を探す
日本国内、海外の場合も、楽器店を探すためには、電話帳の使用が良い方法である。英語圏以外の国の場合自分で現地のイエロー・ページを探すことは困難である。 そういった場合現地のホテルの人にイエロー・ページを見てもらい、聞いて教えてもらおう。(英語で聞く必要がある)

ニューヨーク:
ニューヨークの弦楽器店は、カーネギーホールのそばに集中している。
250番地54st にあるビルに多数の弦楽器店と楽譜店が1件ある。
おそらく世界中で最も弦楽器店のある場所と思われる。種類、数も多い。
ここには有名なジャク・フランセもあった(現在は、その店を引き継いだ弦楽器店がある。)
パリ:
サン・ラザール駅(オペラ座の北東)のすぐ東側の通り(ローマ)に沿い多数の弦楽器店(弓で有名なラファン、ミランもある)と楽譜店がある。
いずれの店でも英語はなんとか通じる。パリは、フランスの楽器が他の国に比べて安い。

◇チェロの試し弾き
楽器店では、価格、製作者に関係なくあるものを弾き比べてみること。価格、製作者等の先入観なしに弾き比べると、その中でおのずと順番がつけられる。
そこで価格を聞き予算内かどうか判断すると良い。ただし、あなたが評価したものと価格が比例しているかというとかならずしもそうではない。筆者の経験では、倍の値段のものが半分の価格のものより良くない場合もある。また高価な楽器では、ラベルと製作者が一致していない場合も良く見うけられる。たとえば、ラベルが「ガリアノ」となっているが実際は、「ベンタパネ」等がある。この場合、信頼の置ける鑑定のできる店では、その旨前もって教えてくれる。そういった意味も含めて価格、製作者に関係なく、あくまで弾
き比べて検討することをお勧めしたい。
◇オールド楽器と新作/中古楽器
厳密に言うと専門家の別の言い方(モダン/コンテンポラリ/オールド)もあるが、ここでは、一般に良く言われている言い方として新作楽器、中古楽器、オールド楽器について説明しよう。
楽器を購入する場合、アマチュアの方は、新作楽器を購入するケースが圧倒的に多い。
その理由としては、新作楽器はオールド楽器と比べて安価であること(実際には同クラスのオールど楽器は、倍以上の価格で取引されている。)があげられる。
ところがプロの場合は、オールド楽器を好んで購入するケースが圧倒的に多い。
音を比べてみると、オールド楽器の方が音が出て音色も良い場合が多い。(例外はあるが)新作の場合には、音が硬く出しにくい場合が多いため、特に初心者には弾きにくい場合が多い。
楽器は長年弾き込むことによって音が出てくるものである。楽器の寿命は、手入れさえ良ければ人間の寿命より長い、このため、へたをすると本来の音が出ないうちに人間の方の寿命が先にくることも考えられる。
このため、筆者はチェロを始める方はできればオールドまたは中古(作られてから50年以内のもの、楽器店によるが新作の6割位の価格で売られていることが多い)の楽器が良いと考えているが、現実には、新作は現在もどんどん製作されており入手しやすく、中古楽器は殆ど出回っておらず、 またオールド楽器はさらに入手が困難であるのが現実である。
よく初心者には良い楽器は要らないと言って済ますケースが多いが、入手できるのであれば初心者であっても良い楽器を入手すべきである。 「良くない」楽器は、楽器としての限界=ポテンシャルが低い。
このため、すぐ限界に達してしまい、楽器を買い替えることとなる。
「良くない」楽器を限界まで鳴らす努力をするよりも、良い楽器をより良く鳴らす努力の方が音を出す点においてはるかに上達が早い。
これは、初心者が「良くない」ピアノで練習するよりも最初から「スタインウェイ」で練習した方が良いのと同様である。
弓に関しては、アンティーク(オールドと同じ意味)弓は、殆ど出回っておらず、非常に高価であるが、弓の場合も長い年月を経ることにより、アンティーク弓独特の音色が得られる。
◇ オールド楽器の見分け方のヒント

楽器の古さは、必ずしもラベル(F字孔から見える)に書かれた製作年代とは限らない。「ストラディバリウス」1712年とラベルに書かれた楽器であっても、喜んではいけない。そうした楽器は、作られてから20年もたっていないと言う場合も、実際に数多く見ている。
楽器の年代の見分け方として、ネック(糸巻と本体の間の部分)が繋いであるかどうかがポイントとなる。1810年~1820年位退の間にバロックの楽器と今日のスタイルの楽器の転換があり、それ以前の楽器では、今日のようにハイ・ポジションまで必要がなかったため、指板が短く角度も緩やかであった。1810年~1820年位以降今日のような長い、角度のある指板となった。
◇ 楽器の材質
オールドの楽器に関して言えば、良い材料=良い楽器の可能性がある、という方程式は、半分あたっているが、半分当たっていない。新しい楽器に関して言えばほぼ当たっていると言える。
楽器の材質も一つの参考となる。チェロは大きさが大きいため、バイオリンよりも材料が5~6倍必要であるため、高価な楽器であっても良い材料を使ったチェロはあまり多くない。一般に表板以外は楓を使用している。ただし、安価な楽器では、楓を使用していない場合も多い。オールド楽器の中にはポプラを使用しているグランチーノのような物も有る。楓の木目(縞模様)がそろっているもの、たとえて言うとシマウマのような楽器が材質の良い楽器と言える。私が米国で弾いた楽器の中で、すばらしいシマウマのベルナルデル (フランス製1850年頃製作されたもの10万ドル位、材質が良いためもありベルナルデルとしては高価な方)があったが、低音はすばらしい響きであったが残念ながら中~高音域がソロ用としては今一つであった。室内楽、オーケストラ用としては非常に良い楽器であった。


2.2 誰も教えてくれないチェロ弓選び及び 入手のポイント

弓は、楽器と同じ位、重要である。弓は、人間の声帯にあたると言われている。
弓を選ぶポイントとしては、音量、吸付き、応答、音色が重要である。

   ◇弓の試し弾きの方法

楽器の場合と同じであるが、楽器店では、価格、製作者に関係なくあるものを弾き比べてみること。
一般的に、(トルト、ボアラン、ペガット等)の19世紀にフランスで製作された、弓が良いとされているがいずれも高価である。ちにみに弓の場合は楽器の場合と違いバイオリン用のものと価格差はあまりない。(チェロの弓の方がバイオリンの弓より短い)上記の弓のうち、トルト(弓のストラディバリと言われている)は別として、ボアラン、ペガット、クラスは市場にでることは少なく、上級の楽器、弓等の取引は世界でも一番多いと思われるニューヨークの場合でも困難である。ちなみに筆者は、ニューヨークで、ボア
ランを入手するまでに3ヶ月を要した。
これらの高価な弓は、プロをめざす人以外はかならずしも必要ではない。また上級者以外は、これらの弓と他の弓との違いがわからない。
フランスの弓はどれも高価である。米国では、2千ドル以上する。
イギリスには、ドットというの良い弓があるが、チェロ弓の場合、どれも一般の弓より長さが短いのが気になる。
手頃な価格で入手できる弓はドイツのものが多い。ただし、弓は楽器と比較して安価であるため、これからチェロを始める方は事情が許すならば、できるだけ良い弓(価格でいうと10万円以上)を持つことをお勧めしたい。
弓の材質には、ペルナンビュコ材とブラジル材を材料としているものがあるが、できれば、ペルナンビュコ材を使用した弓を選びたい。日本では、ペルナンビュコ材のものの価格は7万円位からである。弓の入手方法は、楽器と同じ方法である。

2.3 チェロ・ケースについて

チェロのケースとしては、ハード・ケース(5kg程度)、ソフト・ケースがある。ハードケースの場合、通常チェロが5kg、ケースは重いもので5kgの合計10kgの重量を担ぐことにる。(ハードケース中には私の使用しているものように、2kg程度の軽量のものもある。)腕に力の無い方はソフト・ケースをお勧めするが、高価な楽器の場合、または場合によっては満員電車に持ちこまなければならない場合等には、お勧めできない。

2.4 チェロの駒(ブリッジ)について

◇フランス駒とベルギー駒

チェロの駒は弦の振動を伝える上で重用な重要である。チェロの駒には、フランス駒とベルギー駒があり、その形状が異なる。私は日本に居た時は何の疑いもなくベルギー駒を使用していたが、ニューヨークの楽器を修理に出した際に、「何で、今時こんな駒を使用しているのか」と言われた。ベルギー駒は音が中にこもる傾向がある。フランス駒にかえたところ、音が見違える程出るようになった。私の知る限り米国ではベルギー駒は殆ど使用されていない。
◇ 日本の気候と駒
日本は夏は、高温多湿、冬は乾燥と楽器にとり最悪の環境にある。米国(ニューヨーク、非常に乾燥しており、濡れタオルは放っておくと3時間で完全に乾く)であれほど鳴っていた私のソロ用の楽器も、日本でベストの鳴りが得られるのは、年間でも秋~冬の数ヶ月間である。したがって楽器の伸縮による指板と弦の間隔が、夏は極端に広がり、冬は殆ど間隔がなるなるといったことが起こる。得にハイポジションを弾く場合には、演奏に大きな影響を与えやすい。そこで、得ハイポジションを弾く方は、夏用駒と冬用駒の両方を用意することをお勧めしたい。
◇駒の正しい位置と調整
駒の正しい位置は、一般に左右のF字孔中心の延長線上、魂柱(サウンド・ポスト)から上方にずれた位置の楽器の中央(左右対象の位置)である。ただし楽器により幾分異なる。駒はしばらくの期間、弾いているうちに指板側に傾いてくるが、これを楽器の面に対して垂直にもどして上げる必要がある。
ねじを回して弦を駒より高く持ち上げ駒のずれを直すための便利な器具があ
るので入手をお勧めしたい。


2.5 魂柱(サウンド・ポスト)について

魂柱(サウンド・ポスト)は、駒のすぐ近くにあり、チェロの表板の振動を裏板に伝える重要な役割を担っている。魂柱が適切な位置に無い場合には、楽器が十分振動せず、その性能を100%発揮することは困難である。このための正確な位置を決めるためには、道具(魂柱立て)と、耳が必要である
私は、魂柱立てを持っており自分で調整できるが、一般には弦楽器修理者にやってもらうのが良い。(ただし、弦楽器修理者がベストの位置にセットしてくれるとは限らないが。)

2.6 ウルフ音とウルフキラー
他のバイオリン属ではあまりないがチェロ独特のものとして、ウルフ音の発生がある。G線の第4ポジションのF音近辺で発生する「ボワボワ」とうなりを生じ十分に弦が振動しないことを言う。これは、チェロの構造上の宿命で、大なり小なりどの楽器も持っている。高価な楽器でもよくある。このウルフ音を押さえるために「ウルフキラー」がある。ウルフキラーは真鍮の板を曲げた中にゴムが入っている2センチ位の長さの円柱形のもので、弦楽器店で購入できる。
ウルフキラーの取りつけは、ウルフキラーのねじをゆるめ中心に弦を通し、G線の駒と尾止め(テール・ピース)の間に取りつける。駒と尾止の間でウルフ音が無くなるベストの位置にねじを締め固定する。
2.7 最良の状態の指板とは
よくアマチュアの方ででこぼこになった指板で弾いている方を見かける。指板は黒檀でできているため硬いが、長年の間にはどうしてもへこんでくる。
へこんだ指板は演奏の妨げになるばかりではなく正しい音程をとれない原因となる。平らにするには、楽器修理者に、平らに削ってもらうと良い。
2.8 誰も教えてくれないチェロの弦の選択と交換のポイント
◇ 弦の選択
弦の選択は、楽器、弓の選択とならんで重要なことである。弦は楽器によって合う、合わないがある。様々な弦を試し、その楽器のベストの弦を選択することをお勧めする。また、ソロ、室内楽、オーケストラ等目的によって異なる。高価な弦がその楽器にとって必ずしも良いとは限らない。かって「ラーセン弦」(最も高価)を試してみたが、私の楽器には合わなかった。
弦には、ガット弦(通常クロムまたは、銀を巻いてある)、スチール弦(クロム巻き)同(タングステン巻)等があるが、アマチュアの場合は、スチール弦(クロム巻き)で十分である。ちなみに私は低音の2弦は、ソロ用として特に音量を出すため、タングステン巻(スピロコア製)を使用している。

    ◇交換のポイント

弦には「音の寿命」がある。ある時点で必ずパッタリと音の出なくなる時点がある。できればそれ以前に換えたい。どのくらいでそのポイントになるのかは、弦の使用頻度により異なる。新らしい弦に換えた場合には、弦の本来の音が出るまでに、毎日弾く場合最低でも10日位かかる。ソロを弾く場合には特に演奏会のスケジュールに合わせて弦を交換する必要がある。
2.9 楽器の手入れ
チェロは非常にデリケートな楽器である。また、手入れを良くしておけば一生、あるいは数世代に渡って使用できる楽器である。このため楽器を最良の状態に保っておくことは、非常に重用である。特にオールドの楽器の場合には、特に注意を要する。
◇ 毎日の手入れ
日常の手入れとしては、使用後必ず、柔らかい布で特に駒の近辺の松脂の飛び散り易い場所を入念に、松脂の残らないように拭き取る。また、弦に擦りつけられた松脂の拭き取りも忘れてはならない。これだけで十分である。
◇演奏会時の手入れ
リサイタル等長時間楽器を弾いた後は、汗を拭き取ることも重用である

◇ クリーニング液の使用
よごれがひどくなった場合には、クリーニング液(楽器店で購入できるヒル等上質のもの)を使用する。この場合目立たない場所で試してからやると良い。
◇ 内部のほこりの除去
チェロの外部は日常の手入れができるが内部は手入れが難しい、時にはほこりがたまり過ぎて大きな毛玉になることもまれではない。こうしたほこりは音の出を妨害する原因ともなる。内部のほこりを除去する方法はいくつかあるが、生米を一握り中にいれて良く振りF字孔から取り出すことをお勧めしたい。毛玉も同様にF字孔から楽器を傷つけないように取り出す。
◇ ひび割れまたは、板のはがれのチェック方法
チェロは板をニカワで張り合わせてあり、これらが剥れる場合、あるいは気候の変化または事故によりひび割れが起こる場合がある。
この場合、手の平を上にして楽器を傷つけないように指の関節を使用して軽く叩いてみる。震えるような異音(ビーン、カタカタ等)がした場合にはそのヶ所がひび割れまたは、板のはがれの場所である可能性がある。この場合修理が必要になる。
ただし、こうした音がした場合でもアジャスタのねじが緩んでいる場合もあるので確認する。
◇修理
楽器の補修は専門化(弦楽器修理者)に任せるべきである。
細かいキズ、ニスの禿げの場合には、その場所に弦楽器修理者に筆でニスを塗ってもらう。

2.10 弓の手入れ
弓は使用しないときは常に毛を緩め、休ませる必要がある。木部の手入れは楽器の場合と同様、柔らかい布で拭き取り、必要な場合はクリーナーを使用する。銀製のパーツについては、銀製品を磨くクリーナーを使用する。
◇修理
弓は長期間使用しているうちに反りがもどったり、左右に曲がってくることがある。その場合には弦楽器修理者に依頼し、アルコール・ランプで温め直してもらうことをお勧めする。
◇毛換えのポイント
弓の毛にも「音の寿命」がある。ある時点で必ずパッタリと音の出なくなるなり、滑る時点がある。できればそれ以前に換えたい。どのくらいでそのポイントになるのかは、弓の使用頻度により異なる。新らしい毛に換えた場合には、弓の本来の音が出るまでに、毎日弾く場合最低でも2~3週間位かかる。ソロを弾く場合には特に演奏会のスケジュールに合わせて毛を交換する必要がある。


第3章 誰も教えてくれないインターネット・チェロ講座(演奏技術編)

プロのチェリストとアマチュアのチェリストの違いは何であろうか

以下はプロの目から見たアマチュア・チェリストの現状と改造方法を中心に述べたい。
また音楽を学んでいる学生諸君にも参考になると思う。
ここでは、音の出し方の基本と音楽の創り方の基本を中心にアドバイスしたい。
3.1 べからず集(やってはならないこと) 
3.2 誰も教えてくれないチェロの構え方
3.3 誰も教えてくれない音の出し方の基本
3.4 誰も教えてくれないビブラートの基本
3.5 チェロの音色の変化について
3.6 疲れない演奏法とは
3.7 楽器を鳴らすための秘密(音が出ないときの原因)
3.8 バイオリン経験者の陥り易い諸問題
3.9 バッハの無伴奏チェロ組曲を弾くための技術

3.1 べからず集(やってはならないこと)

ここでは、チェロを弾く上で、決して行なってはならないことを述べる。初心者は、この節で取上げたことを決して行なわないように注意する。経験者は、この中で該当するものがあるかどうかチェックし、是正するとよい。一般に、長い間に身に付いた習慣を直すには時間を要するが、意識して直せば、短期間で正しい方法を身に付けることも可能である。

1.構え

1)右肩が前に出ている、右肩が上がっている
2)片足の膝の上にチェロを乗せる
3)ネックを担(かつ)いでいる
4) ネックが前に出過ぎている

2.右手

1)弓にマークを付け
2) 右腕を「振り子」のように動かすー肩を軸としてボウイングする
3) 「ポンプ」を動かすように右肘を主体に動かす
4)弓を摘むように持つ
5)右手が弓に対して左に傾いている
手が弓に対して左に傾いている場合の問題点は、次のとおりである。
 ①「腕の重み」をかけることができず、楽器が鳴らない。
 ②ボウイングに指を使うことができず、速い動きに対応できない。
 手首で無理な力がかかり、運弓の柔軟性が全くなくなる。
 ④アップ・ボウとダウン・ボウが均一に弾けない。

 ⑤A線を弾くためには、肘を極端に上げる必要があり、無理な動作となる。 
 ⑥肘と手首に負担がかかり、疲労が大きい。
6) 右肘を上げてボウイングする
7) 手首から先を下に曲げてボウイングする
8)右手親指を反らせてボウイングする
9) 常に全弓を使う
10) 常に弓を根元まで戻す
11)弓の返しで不用意に加速させる

3.左手

1)指板にマークを付け
2)ネックにしがみつく
3)左手首がV字になっている
4)ネックをかついでいる
5) 左手の甲が指より下がり、指の付け根が落ちている

6) 左肘が下がっている
7)同じポジションで、左腕が上下に動く

8)左手の親指が反り返っているー親指を反らせず力を抜く
9)指が反って指の腹で弦を抑えている
10)左手の親指がネックに対して低音側に傾いている
11)左手の指が伸びているー左手の指を曲げる
12) 左手の指を高く上げる
13) 間の指が指板を離れる
14)常に指板をたたく


3.2 だれも教えてくれないチェロの構え方

奏法、体格、楽器の大きさによってチェロの構え方は人により異なるが。
ここで重要なことは、次の3点である

自然な構えで、長時間弾いても疲れない。特に一生チェロとつきあって行くためには重要である。
② 自由に動ける
③ しっかり支えられる
エンドピンの位置をこのように構えられるように調整する。
◇ 椅子
チェリストが意外に無頓着であるのが椅子である。チェロは、座って弾く楽器であるため、椅子は重要である。
①長時間すわっても疲れないためには、かための椅子が良い。
②適切な高さの椅子、できれば位置の調整できるビアノ用の椅子が理想的である。
④ 演奏中に音の出ないしっかりした椅子
◇座る位置
椅子は浅めに座る。その理由は、自由に体を動かせるためである。座った状態から体を前傾し、楽器を抱きかかえる(ハイ・ポジションの演奏)ことができるだろうか。体を左右に振ることができるだろうか。
◇右手
D線に弓を置いた状態で右手を自然に出した位置。ただし、手首は前に曲げない。
(手首を前に曲げる奏法は古い奏法である。)
◇ 左手
D線に指を置いた状態で、自然に腕を上げた位置。正しい位置であればそのままの形で、最高音のポジションまで上昇できるはずである。これをやってみると第4ポジションまでで左手がチェロの胴体にひっかかることはないだろうか。
3.3 だれも教えてくれない音の出し方の基本
1) チェロの本来の音を出そう
あなたは、チェロの音を出しているだろうか。
残念ながらチェロ本来の音を出しているアマチュア・チェリストは極めて少ない。
これは、一目で見分けがつく。次のチェックをお勧めしたい。
◇ あなたは、常に弓を指板(Finger Board)近くに置き弾いていないだろうか。
弓の位置は、楽器を十分に鳴らすためには、弓の位置は楽器、演奏する弦、音の高さ、出したい音によって異なる。音量を出し、楽器を十分に鳴らせるためには、弓は、通常、指板と駒の中間地点より駒よりで弾くように心がけたい。ハイポジションになればなるほど弓はさらに駒の近くに近付ける必要がある。以上は楽器を本来の音で鳴らすための最低限必要なことである。
2) 大きな音を出そう
アマチュアとプロの第一の大きな違いは音量である。楽器の違いはもちろんあるが、それだけではない。
◇ まずピチカートでやってみよう。
あなたはピチカートで大きな音を出せるであろうか。
大きな音量のピチカートを出すためには、弦の振幅を大きくとらなければならない。
振幅を大きくとるためには、丁度弓を大きく引き絞るように指を大きく引き絞り指の瞬発力で初動をかける必要がある。
◇ 肩と腕に力が入っていないだろうか
肩と腕では音量は出せない。肩と腕で音量を出せるのであれば、筋肉もりもりのボデービルダーにチェロを弾かせれば大きな音が出るはずであるが、出ない。現実は、小柄な女性であっても大きな音を出すことは可能である。肩と腕に力を入れていると、長時間の演奏に耐えられない。音量を出すために重要なのは肩と腕ではなく右手の親指である。右手の親指に適切な力を与えることにより、腕の重みを弓を通じて楽器に与える。ここで他の指は必要以上の力をかけるべきではないことは言うまでもない。
その理由をもう少し詳しく話そう。下方(重力方向)へ向う力を弓に伝えられる指は、人指し指、中指、薬指、小指である。親指は、中指、薬指に対して内側から弓を支える役割を担っている。また、弓の先端においては、弓先に圧力を加える役割を持っている。 親指は、曲げた状態を標準とし、弓の動きに応じて曲げ伸ばしする。一般に親指を反りかえらせて弓を持っている場合が多く見受けられる。(写真) 親指が反りかっている場合には、「弓を持っている」ことになり、腕の重みで弾くことはできない。
他の4本の指への圧力のかけ方であるが、4本の指が常に弓に貼りついている必要はない。
音を出す弦、音の強弱、あるいは出す音色、奏法(スピッカート等)により異なるが、ここでは、特にA線、つまり弓を水平より左に傾ける弦では、より、人指し指の方に圧力をかけ、小指に近い指程、圧力をかけず、場合によっては、人指し指、小指は、弓から浮かしても良いことを覚えておいてほしい。
◇ 弓を弦の上をただ動かしているだけではないだろうか。
アマチュア・チェリストの多くは、弦の上をただ動かしている(なでている)だけである場合が圧倒的である。大きな音を出すためにはピチカートの時と同じように振幅を大きくし、十分に弦を振動させる必要がある。このためには、弓は常に粘り気のあるものを塗りつける(たとえば粘土を壁に塗る)ように弦に弓を塗りつけるようなボーイングが必要となる。
◇ 無駄な弓を使用していないか。(弓の速度=量が適切であるか。)
弓の速度が適切でないと、弓が十分振動しない。アマチュア・チェリストの多くは、弓の使う量=スピードが適切とはいえない。概して弓のスピードが速すぎる場合が多い。まず開放弦で弾いて、これを確認しよう。開放弦で弾いて大きく弦の振動する弓の速度が、最適な「標準速度」である。(ここであえて「標準速度」と記したのは、曲、パッセージ、奏法により異なるからである。例えば、強烈なアタックを炸裂させ、太い音を出す必要のあるドボルザークのコンチェルトのソロの冒頭のH音では急速は標準より早くなる。)したがって、早いパッセージでは、当然弓の使う量は少なくしなければならない。また、この方が弓のコントロールがしやすい。
◇ 正しい弓使いとは。
「楽譜のとおりの弓使い=正しい弓使い」と誤解している人が圧倒的に多い。
作曲家の書いたスラー通りの弓使いが演奏上正しい弓使いとは限らない。作曲家は楽譜で、「音楽」を音符という記号で表しており、演奏のやり方自体を完璧に記述しているわけではない。正しい弓使いとは、「作曲家の意図」を具現化する「演奏者の意図」を「正しく=効果的に」演奏できる弓使いである。したがって、音符と音符がスラーでつながっている場合でも弓を返すあるいは、弓を区切る(一旦止める)場合もある。弓使いの決定は、
① フレージング
② 音楽表現
③ 演奏の効果
で決定すべきである。ここでは詳細は述べないが、アマチュアの人で弓が足りなくなるといった場合には、
① 弓速が早過ぎる
といった原因以外に
② フレージングに応じた弓使いが適切でない場合が多いことを指摘しておきたい。
②については、フレージングを良く考えることと、それに応じた「弓の戻しの技術」をマスターすることにより解決できるはずである。
ただし、オーケストラ演奏の場合は、団体競技であるいため、バイオリン等他の弦楽器との「見た目および音楽の統一の必要上」、必ずしもチェロ演奏には不最適な弓使いでも受容しなければならないケースも多々ある。
◇弓の使う場所が適切であるか。
弓の使う場所という意味は次の2つある。
① 弦に弓をあてる場所
前に通常、指板と駒の中間地点より駒よりで弾くように述べた。これは前提となる原則であるが、もう一つの原則は、音が高くなる=上のポジションへ行けば行くほど駒へ近づける必要がある。
そのポジションで、弓の位置を変えて弾いてみれば、最も大きな音の出る位置を確認でき、最適な弓の位置がわかるはずである。
② 弓の毛の使う場所
3) 「とおり」のいい音を出そう
「とおり」のいい音とは、広いホールで弾いた場合でもホールの隅々まで聞こえる音であり、コンチェルトを弾いたときに独奏部が明瞭に聞こえる音のことをいう。
「とおり」のいい音を出すために必要なことは次の3点である。
① 正しいボーイング
② 正しいビブラート
③ メリハリのきいた音楽創り。
3.4 だれも教えてくれないビブラートの基本
1) ビブラートの練習は早く始めた方が良い。
よく何年たってもビブラートができないということを耳にするが、ビブラートの練習は、左手の構え、右手のボーイングが安定したらすぐ始めるべきである。早く始めることにより良い音の出し方を早く見につけたい。
2)バイオリンのビブラートとは異なる
チェロのビブラートは、バイオリンとは全く異なることに注意してほしい。理由は、楽器の構え、楽器の大きさが全く異なる(音の高さの違いによりビブラートをかけるサイクルも異なる)、からである。バイオリンは手首をほぼ180度ひねっているため、体から遠ざけるようにかけ、指を寝かせた手首のビブラートが中心となる(この他に腕でかけるビブラートなどもあるが)。このため、バイオリンと同じ方法のビブラートでは、「チェロの音」が出ず、手に無理がかかるため、疲労を感ずることとなる。
3)とおりの良いビブラート
プロの奏者場合であってもかならず良いビブラートを備えているとは限らない。
ビブラートは、音の変化をつけるばかりでなく音の「とおり」と言う意味で重要である。
ビブラートが細かく(振幅が小さく痙攣のように小刻みに震える)なり過ぎていないであろうか。
やわらかくてもとおりの悪いビブラートでは、せっかく演奏したものが聴衆に伝わらないため、「聞かせる」演奏にはならない。
このためには、単調にならないメリハリのあるビブラート、ビブラートの種類の使い分けが必要になる。とおりのいいビブラートをかけるには、ビブラートをかける指への力の伝わり方を同期させたメリハリのきいたインパクトが必要である。この際指自体に不必要な力を入れてはならない。
4) 適切なビブラートの周期と振幅
ビブラートのかけ方は、低音になるにつれてゆっくり、高音なるにつれてゆっくり早くなる。適切なスピードは自分の耳でつかんでほしい。ビブラートの振幅は、曲、表現方法により変えるべきである。たとえばベートーベンで重みのある音を出す場合は大きな振幅、サンサーンス等でやわらかい音を出す場合には小さな振幅で早めのビブラートをかける。
◇ビブラートの使い分け
ビブラートの慢性的な使い方は避けよう。音楽のすべてにビブラートが必要なわけではない。ビブラートは、重要な要素であるため、作曲者による使い分け、曲想による
使い分け等機会があれば別に述べたい。
3.5 チェロの音色の変化について
チェロの音色について少し詳しく説明したい。
チェロの音色は人により、また楽器により様々である。使用する弓によっても音色は大きく変わる。演奏者、楽器、弓が同じであっても、気候、国、地方、演奏会場によって音色は異なってくる。
ここでは、演奏者、楽器、弓が同じであると仮定して話を進めたい。
音色を構成する要素(ファクター)を分解すると、右手の要素と左手の要素がある。理論的には、右手で10通り、左手で10通りの音色を創ることができれば、10x10=100すなわち右手と左手の組み合わせにより100通りの音色を創ることができる。右手の要素をさらに分解すると、弦上の弓の位置、すなわち駒に近いか指板により音色は変化する。また弓の圧力、スピード、インパクトによっても音色は異なる。また、ピチカートの場合は弾く指、弦上の場所によっても音色は異なる。
左手の要素としては、ビブラートの振幅、アクセント、スピード、使用する指、ポルタメント(指のずらし)、押さえるポジション、押さえるスピード、たたき、弾き等がある。
上記にあげた項目の組み合わせだけでも100通り以上になり、さらに各項目が細分化できるため、音色は無限に創れることとなる。
組み合わせは様々であるが、この中で音楽的に考えて適切なものを使用してほしい。また多様な変化を身につけてほしい。
3.6 疲れない演奏法とは
ここでは、長時間の演奏に絶えられる演奏について述べたい。ソロあるいはオーケストラで1時間半ないしは2時間弾続けるためには、疲れない演奏法を身につける必要がある。
特にアマチュアの方によく見られるケースとして、
1)親指が外側にまがっている、このため親指でネックをかつぐ格好になっている
この場合100%肘が下がっている。したがって、親指と他の指に力が入ってしまい手が疲れる、肩がこる等の肉体的疲労のみならず指の運び、ポジションの移動がスムーズに行えない等の悪影響がある。
2)ハイポジションの場合には、手首が上がり(丁度くの字型)になり、押さえている指に極端な力がかかっている場合がほとんどである。この場合にも親指と他の指に力が入ってしまい手が疲れる、肩がこる等の肉体的疲労のみならず指の運び、ポジションの移動がスムーズに行えない等の悪影響がある
左手で重要なポイントは次のとおりである。
①無理の無い正しいかまえ
手からひじまでが直線となり、腕でささえ、指はリラックスして自由に動くようにする。
ハイポジションにおいては、親指を弦と直角に置きしっかりささえ、親指以外の指は自由に動けることが原則である。ただし、必要に応じて親指の力を緩める必要がある。
②力の分散
左手に関しては、力の分散が重要なポイントとなる。力を分散することにより、各部にかかる力を最小限にすることにより、長時間の演奏が可能となり、また自由に指が動かせるため、早いパッセージでも容易に演奏でる。
③ 指は必要最小限の力を加えること
上記において指には必要最小限、つまり音がはっきり出せる最小限の力を加えることが重要です。ただし、場合によっては力を入れたり抜いたりします。力を入れる例としてはビブラートの一部分、アクセント、抜く例としてはポジションの移動、弱音等である。
④右手のリラックス
左手のリラックスについて述べたが右手についても、必要に応じてリラックスする必要がある。これは丁度プロ野球の155キロのボールを投げるピッチャーが、1回から9回まで155キロで投げ続けないのと同じ理由である。音楽の流れの緩急、表現にあわせてるラックスしてみよう。
3.7 楽器を鳴らすための秘密(音が出ないときの原因)
音が鳴らない場合、左手の力を入れてますます鳴らなくなるケースが多い
体も楽器の一部であることを認識しよう。
音が出ないときの原因は、楽器自体に起因する場合を除き、次のいずれか、あるいはその組み合わせであると考えて間違いない。
1) 弓の位置が適切でない
駒に近すぎないか、指板に近すぎないかチェックしよう。位置を変えることにより最適な位置を発見できるはずである。
2) 弓が直角でない
弓は常に弦に対して直角に移動すべきで、左右に傾いている場合は振動を止めてしまい、音が出ない。弓を傾けて弾いた場合と、直角に弾いた場合と弾きくらべてみよう。
3) 圧力が足りない
音を出すためには最低限の圧力が必要である。
4) 弓の速度が速すぎる
アマチュア・チェリストの多くは弓の移動速度が速すぎるために十分楽器をならしていないケースを良くみかける。つまり、無駄な動きをして疲れるばかりで結果が出ないこととなる。弓は楽器の鳴らすための最適な速度で動かすべきである。特に早弾く部分においては弓の使用する量を減らすことにより楽器を鳴らすことができる。
5) 弓が等速で動いていない
弓は音楽的な表現以外では等速に動かすことによりベストの音を出すことができる。
6) 圧力が足りない
弓は楽器の鳴らすためには最低限の圧力が必要である。特に初動時には注意を要する。
7) 右手が硬くなっている。
右手も楽器の一部である。右手を硬くすると楽器の振動がそこで止まってしまい音が出にくくなる。右手は常にリラックスしよう。
8) G線第4ポジションF音付近、またはC線第8ポジションF音付近で音が出にくい
ウルフ音が発生していると考えられる。ウルフキラーをつけてみよう。
以上をやっても音がでない場合には、その楽器の特性と考えてあきらめるか、他の楽器に変えるかしか方法はない。
楽器の鳴り:音のセンス(検知)のやり方
楽器の鳴っている状態を把握することはチェロを鳴らすために重要である。最も楽器の鳴っている状態を次の方法でセンスできる。ベストの状態を体で覚えよう。
1) 右腕全体でセンスする
楽器―弓―指―手の甲―腕―肩―体と伝わる振動を腕全体で感じよう。
右腕全体の力を抜いていることが重要である。
2) 左手でセンスする
押さえている指でセンスしよう。
左手の力を抜いていることが重要である。
3) 体でセンスする
最も楽器の鳴っている状態をチェロ本体からの振動でセンスしよう。
4) 目でセンスする
指で押さえている位置から駒まで一つの振動になっているか、またその振幅が大きいく一定かどうか目で確認できる。
5) 耳でセンスする
1)-4)までが十分であれば結果として出てくる音は楽器の鳴っている音であるはずである。
特に1)2)は重要である。
3.8 バイオリン経験者の陥り易い諸問題
バイオリンの経験者がチェロを始めるためには、チェロとバイオリンの相違を良く理解する必要がある。バイオリン奏法とチェロ奏法の大きな違いはここから来ている。奏法を誤ると、スムーズな演奏ができず、またチェロの音が出ず、身体的に無理な奏法となる。
1)構え方
バイオリンは、楽器の上部(スクロール)が身体から向こう側、チェロは手前側と楽器の向きが全く逆であることに注意してほしい。
また、バイオリンは、楽器が床から離れて水平に構えるのに対して、チェロは座って構え、エンドピンを通して床に接していないと演奏できない。(バロック・スタイルはエンドピンはない。)
このため、左手についてはチェロは自然に構えれば良いのに対して、バイオリンでは腕を180度ひねる必要があり、指は必然的にスクロール側に傾くこととなり、不自然な構えをしなければならない。
また、右手では、チェロは水平に構えれば良いため、自然に手をあげた格好をとるのに対して、右手の位置より楽器の位置が常(多くの場合)に上となるため、右手は、左側に傾く格好となる。
バイオリンの経験者がチェロを演奏する場合、バイオリンの構え(くせ)をそのまま持ちこみ、左手が、スクロール方向に傾き、右手は左側に傾いている場合を多く見かける。
左手が傾き、手首が曲がっている結果、低いポジションで指がとれず、手首が曲がっているためポジションの移動が困難となる。また、右手が左側に傾きひじを上げているため、音量が出ず、スムーズなボーイングができない。
バイオリンの経験者は楽器の構えの違いに起因するこれらの点を注意する必要がある。
2)左指の移動距離
チェロとバイオリンの相違でだれにでもわかるとおり、チェロはバイオリンの約倍の胴体をもっている。従ってチェロの中音域より低い音域で弾く場合には、移動距離はバイオリンの中音域と比べても2倍以上を移動する必要がある。
このためには、バイオリンのように指をねかせるのでは間に合わない。指は指板に対して
直角にする必要がある。
3)運弓の速度
弓の長さがなぜバイオリンとチェロあるいはチェロとコントラバスと低音になるほど短くなっているのだろうか。音が高くなればなるほど、弓を動かす速度を速くしなければならない。また、音が低くなればなるほど、弓を動かす速度を遅くしなければならない。このため、低音楽器では弓の長さが必要なくなるからである。試しに、チェロで指板の最高音部に指を置き駒の近くで弾いてみよう。弓の速度を遅くすると楽器がうまく鳴らない。また、C線の低いポジションで弓の速度を速くして弾いてみよう。この場合も楽器はうまく鳴らない。運弓の速度は、その音の高さに適した速度で動かす必要がある。バイオリンの経験者は、音の高さに対して弓の速度が早過ぎる場合が多い。運弓の速度が早過ぎると楽器が鳴らないばかりでなく、「チェロの音」が出ない。チェロの音に適した運弓の速度が必要である。
4)ビブラート
バイオリンとチェロの大きな相違はビブラートにもある。音の高さの違いにより、ビブラートの周期および振幅を変える必要がある。低い音では、振幅の大きなゆっくりとしたビブラートが必要であり、高くなるに従って振幅が小さく、速いビブラートとなる。
一般にバイオリンの経験者のビブラートは、本来のチェロのビブラートと比べて振幅が小さく、速過ぎるビブラートとなっており、「チェロの音」が出ていない。また、ビブラートをかけるときに手首が曲がったままになっているケースが多くみられるので注意しよう。
3.9 バッハの無伴奏チェロ組曲を弾くための技術
アマチュア・チェリストがバッハの無伴奏チェロ組曲をトライする場合が多いが、途中で技術的に行詰まってしまうケースがよくみられる。
バッハを弾くためには基礎的な技術が重要であり、これができていないことが原因の多くと考えられる。
1)左手の技術
バッハの無伴奏チェロ組曲では、低いポジションで早い動きが必要とされるケースが多いが、低いポジションで早い動きをするためには、次のことが重要である。
・左手は、「開きっぱなし」=押さえていない指もその音の上空にあること。
・指を押さえた場合は、その手前の指が全て指板の所定の位置に置かれていること。
・指を「無駄にしない」=必要以上に上げない。
・弦が変わり次に押さえるべき音は先に押さえる。
・次に押さえる音を予測する。
・指は指板に対して直角(特に2、3指)であること。指が糸巻き側に傾いている場合、3、4指が指板から遠くなり、動きに間に合わなくなる。
・左手の力を抜き、指で指板をたたかないこと。
また、ビブラートは、常に同じビブラートをかけ続けるのではなく、必要に応じて、ビブラートのかけ方を変える必要がある。時と場合によりかけないところもある。
2)右手の技術
右手で、早い動きをするためには、次のことが重要である。
・細かい動きは腕で弾かないこと。手首を指先を柔軟にし、全て手首と指の動きで行なう。
・細かい動きにおいて弓を最小限の量使用すること。
・移弦は、腕で行なわないこと。手首を指先を柔軟にし、全て手首と指の動きで行なう。
・移弦は、最小限の角度で行う。
・次の移弦を予測し、次の弦に弓を前もって近づけること。
また、次のことも重要である。
・弓の速度を必要な速度で行い早くしすぎないこと。
・次のボーイングを予測する。
以上簡単に書いたが、いずれもバッハに限らずチェロの演奏技術の基礎としては重要であり、是非とも身につけていただきたいことである。
また、これらは、技術であって、バッハの無伴奏チェロ組曲を弾くにあたっては、和声、フレージング、アクセント等音楽を創る上で重要なことは多い。
これらを研究したものとしては、アレキザニアン版の「バッハの無伴奏チェロ組曲」をお勧めしたい。
また、唯一のカザルス版としてアメリカ人のチェリスト、マデリン・フォリィの編集したものがあるで参考にされたい。
余談ではあるが、マデリン・フォリィは、筆者のアメリカにおける師の最初の先生であり、カザルスのプラドにおける映像ビデオ/LD(東芝EMI)にカザルスによるバッハの無伴奏チェロ組曲のレッスン風景が収録されている。



第4章 誰も教えてくれないインターネット・チェロ講座(音楽編)

第4章目次
4.1 音楽の創り方の基本
4.1.1  音符どおり、正確に弾けたと喜んでいないだろうか。
4.1.2  フレージングとアクセントを常に意識して演奏しているだろうか。
4.1.3  3回繰り返すと馬鹿の一つ覚え
4.1.4  音楽の答えは1つではない。答えは自分で見つけよう。
4.1.5  音楽様式の尊重
4.2 ピアノとあわせよう
4.1 音楽の創り方の基本
4.1.1 音符どおり、正確に弾けたと喜んでいないだろうか。
楽譜は、音楽の約束ごとあるいはヒントを記号にしたものに過ぎない。あくまで最終目的は創られる音楽である。限られた約束ごとの中で、作曲者が全て創られる(であろう)音楽を表すことはできない。もしこれが可能であれば、楽譜をそのまま電気的に音にした場合でも、すばらしい演奏ができるはずであるが、現実にはできない。このために演奏家が必要となる。
4.1.2  フレージングとアクセントを常に意識して演奏しているだろうか。
日常話す言葉と同じように音楽には、フレーズとアクセントがある。フレーズとアクセントのない会話を想像してみよう。一昔前のコンピュータ合成によるロボットの会話となるはずである。ここには何の感動も生まれてこない。
音楽を聞いていれば自然なフレーズとアクセントがわかるはずである。これを実際の演奏に使ってみよう。たとえば、曲の中に出てくるC Majorのスケールの場合であってもこれはあてはまる。
・ ピアノは常に弱く、フォルテは常に強く弾いていないだろうかピアノ、フォルテといった記号は強弱のめやすであり、その許された範囲内で音楽を創るべきである。したがってその中で、自然な、強弱、アクセント、フレージングを心がけなければならない。
4.1.3 3回繰り返すと馬鹿の一つ覚え
いかにすばらしいフレーズであっても同じフレーズを3回全く同じように繰り返す愚は絶対に避けてほしい。音楽ではない。
変化のつけ方としてはA―B―C(すべて変える)、A―A-B、(最初の2フレーズは同一)、A-B-B(あとの2フレーズは同一)、A-B-Aの4通りが可能であるが、音楽的な自然さを考慮して判断してほしい。
変化をつける要素としては、1)強弱 2)音色 3)アクセント 4)音の伸縮等がある。
上記は連続して繰り返される例であるが、ソナタの提示部、再現部の同一、または類似フレーズ、あるいはバッハの無伴奏の繰り返しも同様である。
4.1.3 音楽の答えは1つではない。答えは自分で見つけよう。
これまで説明したように表現方法は様々であるが、正解は必ずしも1つではない。多数存在する場合も多い。同じ曲でも奏者により演奏が異なるのはこのためである。これが演奏者の個性の一因であり、重要である。自分の音楽を創るためには、様々な組み合わせでトライして、自分にとり最も良いと考えられるものを選択することも良い方法であろう。
4.1.5  音楽様式の尊重
音符どおりにひいてはならないと先に述べたが、様式(スタイル)は尊重しなければならない。古い曲になればなるほど楽譜には、演奏の細かい指示が省略されていることにお気づきであろうか。これは、細かく指示しなくても当時の演奏者がどこでなにをなすべきかのスタイルを理解していたからに他ならない。たとえば、ベートーベンのアクセント等がある。演奏者は様式を尊重し再現しなければならない。これらは、約束事であり、約束を守らないとベートーベンの音楽にならない。先生から弟子へと伝えられる部分も多いが、最も容易な習得方法は、CDでも良いが数多く演奏を聞くことにより習得は可能である。
4.2 ピアノとあわせよう
チェロのピアノ伴奏は他の楽器と比較してにむずかしい。その理由は、楽器の特性からくる音のバランスにある。チェロは、数百年の間楽器は基本的に変わっていなが、ピアノはピアノ・フォルテと言われた時代から大きな進化
を遂げている。たとえば、良く知れれたブラームスの1番のソナタの場合、ブラームスが作曲に使用し、実際に演奏したピアノは1830年代に作られたものである。今日のピアノに比べて遥かに音量のないものであった。
さて、演奏するのは今日のピアノである。この分野で十分に経験をつんだプロのピアニストであればこうしたことは常識として理解しているが、ピアノ伴奏者は、特に音量を落とす必要がある。また、ピアノの蓋は少しだけ開けるか完全に閉めるかしなければチェロとのバランスは悪くなり、チェロが聞こえなくなる。この点をピアニストにお願いしよう。



第5章 誰も教えてくれないインターネット・チェロ講座(音楽編)

5.1 サンサーンス「白鳥」


<演奏のポイント>

あまりにも有名な曲であり、美しいメロディであるために、単純に弾いてしまいがちな曲である。
まず曲の構造を把握しよう。

5.1.1 曲の構造

1)準備
楽譜を用意し、下記に従い、楽譜に
『//』-中フレーズ(中間曲想の区切)
『/』-小フレーズ(詳細曲想の区切)
を入れる。
なお[]内は、小節番号です。楽譜の最初(1小節目)から順に番号をつける。

[1]:前奏部
//[2]- [5]( [2]- [3]/ [4]- [5])
//[6]- [9]([6]- [7]/ [8]- [9])
//[10]- [13]( [10]- [11]/ [12]- [13])
//[14]- [17]( [14]- [15]/ [16]- [17])
//[18]- [21]( [18]- [19]/[20]- [21])
//[22]- [23-3] ([22-1]- [22-3]/ [22-4]- [22-6]/ [23-1]- [23-3])
// [23-4] - [27]( [23-4] - [24-3]/ [24-4] - [25-3]/ [25-4] - [27])


2)曲の構造

・大きな構造

[2]- [9]
[10]- [17]
[18]- [27]
の3部に分かれる。

・中間の構造

『//』で示した部分で、
//[2]- [5]と//[6]- [9]、 [10]- [11]と[12]- [13]、[14]- [15]と [16]- [17]は、対になっている。
対になっている部分は、当然、弾き方を変える必要がある。

5.1.2 音色とアクセント

この曲は、やわらかい音色を要求される、また不用意なアクセントがいっさい、つかないように細心の注意を払う必要がある。
アクセント(音の膨らましと、テヌート)はビブラートを主体に行う。
やわらかい音色を出すためには、弓のコントロールと使用方に気をつける。
弓のあてる場所を自由にコントロールできるようにしよう。
弓のあてる場所を指板に近い場所を中心に使用し、使用する毛の量を少なくする。
つまり、親指を曲げて弓を手前に傾ける。
右手の親指が反ってしまう人はこれを機会に、親指を自由に曲げ伸ばしできるようにしよう。
また、右手の力を抜くことは当然である。
ビブラートは、通常よりも指を寝かせて指のはらの柔らかい部分を使用する。
左手は、脱力を行い自由に手首、指を動かせるようにしよう。
ビブラートは、少し早めで、振幅を小さくする。
アクセント以外にクレッシェンド、ディミヌエンドに従って、振幅とビブラートのスピードを変える必要がある。
クレッシェンドでは、次第に振幅を大きくし、スピードを早くする。ディミヌエンドでは次第に振幅を小さくし、スピードを遅くする。

5.1.3 フレーズの表現方法

フレーズの表現で重要なことは、音楽エネルギーのコントロールである。
そのためにこの曲では、次の2つの方法を使用する。
1) フレーズ単位で、フレーズ終わりにルバート(ゆっくりする)をかける。
フレーズの終わりは、弓を次第に減速し、弓にかける腕の重みを減らす。
2)上昇音形では、ディミヌエンド、下降音形では、クレッシェンドをかける。
つまり、各フレーズの最高音は、一番弱い音となる。たとえば[4]は、クレッシェンドになっているが、[5]のE音は、このフレーズで最も弱い音となる。
[5]のE音の場合、楽譜上は、4拍目の途中から休符となっているが、ここで音(ここでいっている音とは音楽として感じられる音で、
必ずしも実際の物理的な音とは限らない)を完全に止めてしまうのではなく、E音には無限のディミヌエンドをかける。
以上は、この曲の多くの場合に当てはまるが、そうでない場所もある。また、全てを同じ表現でやっては、変化がつかなくなってしまうので、
場所によりその取扱いを変える必要がある。

5.1.4 音楽的な演奏方法の詳細


・[1]:前奏部

チェロは、ピアノの伴奏を聞きリズムをつかもう。
ピアノは1、2、3と4、5、6拍をそれぞれ1つの伴奏フレーズととらえ、フレーズごとにディミヌエンドをかける。
2回目のディミヌエンドが終わったところで、[2]からチェロのメロディーが始まり、ディミヌエンドされているために、
チェロは、Pでもはっきりメロディの始まりを聞かせることができる。
よくあることであるがピアノは、間違っても、「ピアノのお稽古風」にこの6つの拍を同じ強さでひかないこと。
[1]から[2]に入る直前にピアニストは、少しルバートをかける。

・//[2]- [5]( [2]- [3]/ [4]- [5])

[2]は、前に述べたように、下降音形であるため1、2、3と4、5、6拍の単位でそれぞれにクレッシェンドをかける。
[3]は、上昇音形であるためディミヌエンドをかける。
また、[2]の1、4拍は少しテヌートぎみにする。
テヌートにするとき、音符を少し長めにするだけでなく、ビブラート(振幅とスピードの変化)により、<> 型に音を少し膨らませる。
また、[3]の1、2拍のAの2分音譜も、ビブラートにより、<> 型に音を少し膨らませる。
[4]- [5]は、[2]- [3]の問いに対する答えとなっている。[4]の1、2拍のEの2分音譜も、ビブラートにより、<> 型に音を少し膨らませる。
[4]の3拍目のF#は、少しテヌートぎみにし、そのあとのクレッシェンドは少しアチェルランド(だんだんスピードをあげる)をかけ、
6拍目のEからルバートをかける。6拍目のEまでクレッシェンドとなるが、次のF#は音を落としてテヌートをかけ[5]のE音に向けてディミヌエンドをかける。
なお、この際、6拍目のF#をひくとき右手は、減速し、右手にかける重みを最小限まで減らす。6拍目のF#から、
[5]のE音へのポジションの移動はこの間にゆっくりできるので、あわてて不用意なアクセントがつかないようにしよう。念のため再度述べるが、
E音は一番弱い音である。前にも述べたが[5]のE音の場合、楽譜上は、4拍目の途中から休符となっているが、ここで音(ここでいっている音とは
音楽として感じられる音で、必ずしも実際の物理的な音とは限らない)を完全に止めてしまうのではなく、E音には無限のディミヌエンドをかける。

・/[6]- [9]([6]- [7]/ [8]- [9])

[6]-[9]は、[2]- [5] の問いに対する答えとなっている。
この中で[8]- [9]は、[6]- [7]の問いに対する答えとなっている。
[6]-[9]も[2]- [5]同様であるが、変化をつける必要がある。
その方法としては、[7]から[8]へのフレーズの変化を控えめにし、[7]の1、2拍目の2分音符のA#にビブラートと
右手の手の重みによる軽いアクセント(テヌート)をつける。 また、クレッシェンドのかけ方を[4]より多めにし、[8]- [9]のアチェルランド&ルバートを[4] - [5]より多めにすると良い。また、
次第に弓を駒に近づけることにより、[8]の音質をかえてみるのも良い。
・//[10]- [13]( [10]- [11]/ [12]- [13])

[12]-[13]は、[10]- [11] の問いに対する答えとなっている。
下降音形(クレッシェンド)、上昇音形ディミヌエンドに注意しよう。
[12]-[13]と[10]- [11]を同様の方法によって変化をつける。

・//[14]- [17]( [14]- [15]/ [16]- [17])

[16]-[17]は、[14]- [15] の問いに対する答えとなっている。
[14]からは、動きを出すため、スピードを少しあげる。
また、親指のコントロールにより、弓を少したて駒に次第に近くして、音質を少し硬めのものに変化させる。
[15]もフレーズの終わりとしてルバートを少しかけるが、音楽のエネルギーが、留まらないように先に進める。 [16]のはそのまま最後までクレッシェンドをかけ、[17]に入ってから初めて大きくディミヌエンドとルバートをかけ、[18](再現部~終わり)に入る。
この際、弓の減速と右手の重みを減らすことが重要である。

・//[18]- [21]( [18]- [19]/[20]- [21])

[18]は、[2]よりも音を控えめにし、PPに近い音で始める。
[18]- [21]は、フレーズは分かれているが、一体のフレーズのように演奏し、[2]~との違いを出す。
また、全体的にアチェルランドぎみにし、[22]の曲クライマックス(最強部)までもっていく。
従って、[21]のクレッシェンドは大きくかける必要があり、弓を途中で返すと良い。
//[22]- [23-3] ([22-1]- [22-3]/ [22-4]- [22-6]/ [23-1]- [23-3])
[22]からは、「店じまい」に入る。[22]の1拍のH音がこの曲の最強音となり、テヌートを大目にかける必要があるが、弓のスピードではなく、ビブラートと右腕の重さでかけることが重要である。
[22-1]- [22-3]、[22-4]- [22-6]と [23-1]- [23-3]でディミヌエンドをしていくが、それぞれの頭の音は全てテヌートをかけ、3拍ずつディミヌエンドをかけていく。
この際、1拍目の音は必ず、まえの3拍目の音より大きくなる。また、テヌートのかけ方を変える必要がある。例えば、1回目のテヌートは長めに、2回目テヌートは普通に、
3回目テヌートは控えめにといった具合である。やり方は各自試して頂きたい。

・// [23-4] - [27]( [23-4] - [24-3]/ [24-4] - [25-3]/ [25-4] - [27])

[23-4] - [24-3]、 [24-4] - [25-3]と [25-4] - [27]は、曲の最後の部分であり、サンサーンスが、わざわさ、[25-4]に「lent」と書いているように、
この3つのフレーズは大きく、はっきりと変化をつける必要がある。[23-4] - [24-3]は、4、5拍でクレッシェンドをかけ、6拍目から[24-1]ヘディミヌエンドをかけていく。
[24-4] - [25-3]では、[24] 4拍からディミヌエンドをかけると同時に前のフレーズよりドスピードを落とす。最後の[25-4] - [27]のフレーズは、3回目のいわば「駄目押し」といえる部分であり、[25]の4、5、6拍はゆっくり大きくテヌートをかける。この際4、5拍は、頭に少しアクセントをつけると良い。6拍はおおきくルバートをかける。 [27]からは、「無限のディミヌエンド」をかけていく。

(終りに)

以上説明してきたが、実際のレッスンではないため、言葉では表現できない部分が多く、上記は説明のほんの一部に過ぎないことをお断りしておきたい。
まず、実際にやってみてほしい。サンサーンスのスタイルをつかんで頂ければ幸いである。
今後は「音符どおりの棒弾き」はしないであろう。
楽譜に書いてあることは、作曲家の意図の3割ぐらいしか書いていないことを覚えておいてほしい。
カザルスの言っているように「Do not play with printed notes」(音符どおりに弾くな)と言う意味がご理解いただけたと思う。



第6章チェロ練習の近道

6.1 マンション等におけるチェロの練習とサイレント・チェロ

筆者への質問で多いものの一つにチェロの出す音による近隣への音の問題がある。
チェロは、金管楽器程ではないにしろ一般に音量の出る楽器である。(当然の「ことながらプロの音が大きい)
筆者の住んでいた、ニューヨーク近郊の戸建の場合には、米国北東部で、一番寒い時で冬場は華氏0度となることもあるため、全て二重窓であり外部へは、また隣の家との距離も離れているため、夜間の練習は、何らの対策をとらなくとも問題はなかった。
米国でも、ニューヨークのコンドミニアム(日本でいうマンション)に住むピアニストの知人のように、自宅で練習できなくなり、もっぱら練習は音楽大学の練習室を使用しているようなケースもある。
日本の場合、特に都市部においては、マンションのみならず戸建の場合も音への対策を考慮する必要がある。
マンションの場合、エンド・ピンにより床下に伝わる音も考慮する必要がある。
近隣への音を減らす方法としては、次の3つが考えられる。
その利点と課題について述べたい。


1) 防音室を用意する。

チェロを演奏できる防音室としては、1.5畳サイズ以上のものが最低限必要である。
ちなみに筆者は、都市部の戸建(東京都目黒区)に住んでいるが、ヤマハの3畳サイズのものにスタインウェイのアップライト・ピアノを入れ、チェロの練習、ピアニストとの練習およびレッスン室として使用している。
防音室は、完全に音を遮断するものではなく、音を減衰させるものである。ヤマハの防音室の場合、35デシベルを防音室で減衰させ、あとは、家の壁で減衰させ、最終的には、ささやき声程度までになるようである。
ただ筆者の場合、(手前味噌になるが、米国では、音量を出す技術において一流とされていた)プロ演奏家によるのチェロとピアノフルパワーの演奏の場合は、完全には音を無くすことはできないため、深夜は控えている。
チェロを練習する場合、楽器に何ら手を加えずにそのまま演奏できると言う点で、防音室がベストと言える。しかし、防音室は高価(3畳サイズで100万円強)であり、またスペースも必要なため、万人にお勧めできるわけではない。


2)弱音器を使用する。

夜間の練習においては、弱音器を使用するのも一つの方法である。
弱音器は、楽器を傷つけないため、スチール製よりも、ゴムまたは樹脂製のものが良い。
弱音器は、楽器を傷つけるといって敬遠する人もいるが、弱音器は、駒の部分につけるため、楽器本体には傷はつかない。また、例え駒が痛んだ場合においても駒を交換すれば良い。駒は消耗品と考えるべきものであり、駒の交換は1万円強位でできる。頻繁に取り替える、高いもので1本1万円位するチェロの弦の価格を考えると、そう高価なものではない。


3)サイレント・チェロを使用する。

サイレント・チェロは、チェロとは別の楽器と考えるべきである。
サイレント・チェロをメインのチェロとすべきではない。指と弓の練習のためのセカンド楽器として使用することは、良いと考える。サイレント・チェロでは、楽器を鳴らす(=音を出す)ことは学べない。弦の振動を、電子的に音にチェロと似た音に変換、拡大しているだけであり、その音を好まない。たとえ高価な楽器でなくても、音に関しては、実際のチェロの音の方が良い。
以上簡単ではあるが、音への対策を述べた。 なお、床を伝わる音については、振動を吸収するため、床に厚手のカーペットやゴムシートをひくのも効果があると考えられる。

6.2 無駄な練習「骨折り損のくたびれ儲け」をしないために

あなたは、無駄な練習をしていないであろうか。
たとえば、
1)弾けない箇所を何回も弾けるようになるまで弾いてみる。
2)とにかく音程がとれるまで何回もやってみる。
等々
これらは全て無駄な練習と言える。時間と労力をかけたわりに全く効果を得られない「骨折り損のくたびれ儲け」の典型である。
練習で重要なのは、やることよりも考えることである。 今日からすぐ次の練習方法をトライしてみよう。

1)弾けないのにはすべて理由がある。その理由を考えてみよう。
たとえば、早いパッセージをうまく弾けない場合には、
フィンガリングを変えてみる。
押さえた指の手前が離れていないか(例:4を押さえた場合の3,2,1)。
移弦を伴うときは、指を音を出すより先に押える。
弓に無駄(弦に対する角度、使用量)が無いかどうかチェックする。
等々。
また、音程の練習においては、その音が高いか、低いかを考え確認し、次に弾くときは高い音は低めに、低い音は高めにとろう。
こうすることにより、音程は見違える程よくなるはずである。

以上練習方法の一例を示したが、いずれも、「考える」ことが練習のキーである。
考えない練習を100回やるよりも、考えて10回やった方が、はるかに上達は早い。




第7章チェロ教則本について

7.1 世界の潮流から取り残された時代遅れの「ウェルナー」

通常日本では、チェロを始める場合には、古典的教則本「ウエルナーの教則本」で始める場合が圧倒的である。
詩人の宮沢賢治が、大正初期にチェロを始めたときに使用したのが、「ウエルナーの教則本」である。チェロは楽器自体は300年間変わっていないが、技術の進歩は著しいものがある。
「ウエルナーの教則本」は本国のドイツはもとより、他の欧州諸国、米国においても現在は全く使用されておらず世界の潮流から取り残されたものと言える。
使用しているのは日本のみであることを認識すべきである。筆者の友人の欧米のチェリストと話すと日本ではエチュードに何を使っているかと聞かれ、「ウエルナーの教則本」と答えると必ずあきれて絶句したり、あるいは「Stupid(ばかげている)」とうい答えが返ってくる。
使用されないのには、それなりの理由がある。「ウェルナー」は無駄な繰り返しが非常に多く、しかも必要な技術がすぐに身に付かないからである。これを順番にやっていくことは時間の無駄以外の何ものでもないと考える。

7.2 教則本の使い方と教育メソッド

特にチェロ指導者の方に申し上げて置きたいが、教則本は単純な毎日の練習の積み重ねに用いるいわば「スポーツ根性物」的な用途に使うべきではない。習得すべき課題をマスターできれば、後は不要である。さらに学ぶべきことは多くそのために時間を費やすべきである。
筆者の考える基礎技術とは、曲を弾きこなすための技術である。この技術を全く教えないチェロの教育メソッドがあることは事実であり、そうした教育メソッドで習った生徒は、自分で新たな曲を弾きこなすことはできず、自ずと演奏のレベルが低いものになってしまうことは筆者も多くの例をみており、また海外から来てそうした生徒を指導した演奏家の話もよく耳にする。


第8章とっておきの話

8.1 とっておきの話(1)「フォイヤマンの弟子の先生」
フォイヤマンといえば世界的に知られた、伝説のチェリストで、米国では、フォイヤマンを今世紀最高のチェリストとする人もいる。またフォイヤマンの妹は、ピアニストで、フォイヤマンの妹に習ったという人を知っている。
私のニューヨークの知人(といっても高齢であるが)B氏は、かつてフォイヤマンの弟子であった。当時フォイヤマンはロンドンに住んでいたが、世界中を駆け巡っており、ロンドンは殆ど留守にしていた。忙しいフォイヤマンに代わってフォイヤマンの弟子に教えていたのが、B氏である。
B氏からもらったロンドンで出版された楽譜が今、手元にある。無伴奏チェロのための「カプリース」"最愛なる師フォイヤマンに捧ぐ"とある。
いつかリサイタルで取り上げてみたいと思っている。
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8.2 とっておきの話(2)「レディ―・ファースト」

欧米の一般的習慣として、ご存知の「レディ―・ファースト」がある。「レディ―ファースト」は、単に女性を先に行かせるという意味ではない。男性の場合、女性がドアの前に立ったら扉を開け、レストランの食事の時は、必ず女性から注文を取る。
音楽の世界でも必ず「レディ―・ファースト」がある。たとえば、チェロ奏者が男性、ピアノ伴奏者が女性の場合には、出はピアノ伴奏者が先、帰りもピアノ伴奏者が先となる。
指揮者とソリストの場合も同様である。
日本人には違和感があると思うが、特に欧米で演奏する場合には、重要(Must)である。
8.3 とっておきの話(3)「ポートレート」
米国で私のプログラム用写真をとってくれたのは、私の友人の1人で、著名な女性雑誌「ボーグ」「コスモポリタン」等の表紙を撮影したことのある、カメラマンのD氏である。またD氏は、マンハッタンのハドソン川を渡った対岸のニュージャージー州でファッション・モデル学校を経営しており、女優さんや、女性モデルの撮影の他、ファッション・モデル卵の指導を生業としている。私は、D氏にとり最初のミュージシャンの撮影となった。しかも、私はDのふだんあまり撮影しない男性である。撮影の数日後、大量に撮影した写真の中から数枚を選ぶために、D氏のオフィスに出かけた。はたして結果は、一流のプロの出来であった。この写真は、米国版の読売新聞のページを飾ることとなった。

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