音楽大学チェロ受験のために


(2019年3月1日V.1.2)
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音楽大学合格者の指導経験からチェロ実技受験のポイント等を解説します。

 チェロはピアノなどと違い、子供の早い時期から始めなければ音楽大学受験ができない訳ではない。中学校あるいは、高校から始めた場合でも正しい指導を受ければ音楽大学に合格は可能である。その理由は、音楽大学の求めるレベルがピアノやバイオリンと比べてやや低く、入学定員自体も少ないが、受験者の数が少ないことがあげられる。
 音楽大学受験を決めた場合には、準備はできるだけ早い方がよい。すぐに現在師事している先生に受験する旨を伝え、受験を目指したレッスンをスタートする。現在習っている先生が受験生を指導できるレベルでない場合には他を探す。
 積極的に音楽大学の主催する講習会へ参加することも必要で、そこでは他の受験生のレベルを知ると同時に、自分のレベルを判断することにも役立つ。
 音楽大学受験の科目には一般科目(大学入試センター試験を含む)に加えて、専攻実技(チェロ)、副科ピアノ、聴音、楽典等がある。専攻実技の試験結果が合否を決める最も重要な点となるのは言うまでもないが、実技以外の試験も重要である。
 大学受験の実技の求められるレベルは大学により異なるが、チェロの実技に関しては他の受験生との比較になる点は同じである。大学によっては合格水準に達している受験者がいなければ合格させないこともあり得る。実技試験においてはいかに他の受験生との違いを印象付けられるかがポイントとなる。このためには、テクニックだけでなく、曲の理解や、ダイナミックスの変化などを身に付ける必要がある。また、楽器も受験に相応しいレベルのものを用意する。
 実技試験の曲としては、メジャーな協奏曲、バッハの無伴奏チェロ組曲等の課題曲を課せられる場合と、自由曲の場合がある。自由曲の場合でもゴルターマン(G.Golterman)または ロンベルグ(B.Romberg)などの協奏曲ではなく、最低限ハイドンのチェロ協奏曲1番程度のメジャーな曲で受験することが望ましい。また、音階を課する場合もあるので、最低限、ロエベ(J.Loeb)の音階練習エチュードのうち3オクターブを弾けるようにしておく。
チェロで受験可能な国内の音楽大学とそのポイントについて解説したので、参考にしていただきたい。
また、受験の相談等は下記にお願いします。

*お問い合わせ:
ここをクリックし、メールを送信できます

cellists@aol.com(PC)
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tmizuguchi@docomo.ne.jp(スマホ・携帯の方)
電話:03-3717-4693



<新規講座>

◆レクチャ・コンサート
「チェロ名曲を銘器で楽しむ」(第1週土曜)〜解説と演奏(水口貴裕)〜
 New!

1月-3月期(全3回)
◆1月7日(土)19:00-20:30
チェロの歴史(銘器・音楽家・奏法)、バッハの無伴奏組曲(チェロの旧約聖書)
(演奏曲)
バッハ無伴奏チェロ組曲第3番他
*チェロとライバル関係にあった、ヴィオラ・ダ・ガンバの演奏もします。
演奏楽器:ダビッド・テヒラー(ローマ、1730年)
◆2月4日(土)19:00?20:30
チェロの独奏楽器としての地位確立、ベートーヴェンのチェロ(チェロの新約聖書)
ベートーヴェン・チェロソナタ3番他
演奏楽器:フランチェスコ・ルジェーリ(クレモナ、1675年)
◆3月4日(土)19:00?20:30
大ピアニストの作曲したチェロ曲の傑作
ラフマニノフ・チェロソナタ他
演奏楽器:フランチェスコ・ルジェーリ(クレモナ、1675年)

4月-6月期(全3回) ?

◆4月1日(土)19:00-20:30
ベートーヴェンのチェロ音楽後継としてのブラームス
【演奏曲】
ブラームス チェロソナタ第1番他
【演奏楽器】
ダビッド・テヒラー
(ローマ、1730年)
◆5月6日(土)19:00-20:30 
フランスのチェロ音楽とサンサーンス
【演奏曲】
サンサーンス チェロソナタ第1番他
【演奏楽器】
フランチェスコ・ルジェーリ
(クレモナ、1675年)
◆6月3日(土)19:00-20:30
幻の楽器「アルペジオーネ」とシューベルトの名曲
【演奏曲】
シューベルト 「アルペジオーネ・ソナタ」他
【演奏楽器】
フランチェスコ・ルジェーリ
(クレモナ、1675年)

7月-9月期(全3回) ? ?

7月1日(土)グリーク・チェロソナタ他
8月5日(土)フォーレ・チェロソナタ第1番他
9月2日(土)フランク・チェロソナタ他 ?

10月-12月期(全3回) ? ?

10月7日(土)メンデルスゾーン・チェロソナタ第1番他
11月4日(土)リヒャルト・シュトラウス・チェロソナタ他
12月3日(土)ショパン・チェロソナタ他

会場:アトレ目黒2 2階(JR山手線・東急目黒線駅ビル)
主催・お問合せ:目黒学園カルチャースクール
料金:1期3回 6,900円(税別)
(1回のみ当日受付可3,300円(税別))
電話:03-6417-0031

万里の長城杯国際音楽コンクール本選審査
2017年3月18日(土):代々木オリンピック記念青少年総合センターにて:
審査員各氏:左より
水口貴裕
菅井春恵(フルート、洗足学園音楽大学講師)
天野佳和(打楽器、元東京交響楽団首席奏者)
司馬節子(ピアノ、元南京音楽学院教授)
遠藤雅夫(作曲家、日本作曲家協会副会長)
野村 眞理(バイオリン、元東京芸術大学講師)
李子祥(中国音楽理事会 理事長)



関連リンク

■大人のためのHow toチェロ
チェロをこれから始めようとする方からプロをめざす人までのアドバイス、インターネット・チェロ講座等

チェロ教室(東京都目黒区)
*当教室より2014年度日本クラシック音楽コンクール全国大会入賞しました。(高校チェロ女子の部最高位4位)
*有名音楽大学入学多数。(桐朋学園大学、国立音楽大学、武蔵野音楽大学、洗足学園大学、日本大学芸術学部他)
受験前の課題曲に絞った指導も可能です。
ユニークな教授方法で確実な演奏技術と音楽表現を楽しみながら無駄なく確実にマスターできます。
初心者〜上級者指導、音大等受験、講師養成、コンクール対策
音楽大学在学・卒業の方もコンクール、音楽講師試験等指導します。
英語によるレッスンも可能です1回のみのレッスンも可能です。
レッスン料:月1回(8000円)〜
*楽器をお持ちでない方でもすぐに始められます。(レンタル楽器有)
*お問い合わせ:

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cellists@aol.com
電話:03-3717-4693

チェロ・弓をお譲りします
フランス、イタリー、ドイツ、オールドチェロ・弓コレクションお譲りします。
水口貴裕チェロ・リサイタル
2012年1月8日(日)東京文化会館小ホール(好評のうちに終了しました)
 ピアノ:三谷 温(昭和音楽大学准教授)
<チェロ・リサイタル演映像>
◇ブラームス・チェロ・ソナタ第1番第1楽章より
使用楽器:ダビット・テヒラー(1730-1740年頃、ローマで製作)
◇サンサーンス「白鳥」、カザルス「鳥の歌」

使用楽器:ガエタノ・キオッキ(1860、イタリア・パドゥバで製作)


★CD:シャコンヌ/水口貴裕〜魅惑のチェロ小品集」(Beltaレコード)

国内外で活躍しているソリスト、水口貴裕の1stアルバム。「万里の長城杯国際音楽コンクール」での最高位入賞など、
着実にキャリアを重ねた水口の実力が存分に発揮された小品集だ。 「CDジャーナル」誌評論

チェロ:水口貴裕
ピアノ:三谷 温(昭和音楽大学准教授)


収録曲:
【1】バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 プレリュード
【2】フォーレ:「ロマンス」作品69
【3】グラズノフ:「吟遊詩人の歌」
【4】エルガー:「愛の挨拶」
【5】ショパン:「序奏と華麗なポロネーズ」作品3  
【6】バッハ:アダージョ(トッカータ BWV.564より)
【7】バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番 サラバンド  
【8】モーツァルト:アンダンテ・カンタービレ(オリジナルチェロ曲) 
【9】ベートーヴェン:「魔笛」の主題による7つの変奏曲作品46  
【10】サン・サーンス:「白鳥」            
【11】ラヴェル:「ハバネラ形式の小品」       
【12】メンデルスゾーン「協奏的変奏曲」作品17 
【13】ラフマニノフ:「プレリュード」
【15】ヴィターリ:シャコンヌ(原曲バイオリン)     
【16】カザルス:「鳥の歌」      
 

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  水 口 貴裕 (みずぐちたかひろ)
(略 歴)
東京に生まれる
勝田聡一氏に師事。 ニューヨークにてバーバラ・マロウ氏(コープランド音楽院教授、ニューヨーク チェロ協会副会長)に師事。
ニューヨーク・マネス音楽院にてチェロをピーター・プロッサー氏に室内楽をナンシ ー・ガーネー氏に学ぶ。
Bergen Philharmonic Orchestra(米国ニュージャージー州)のチェロ副首席奏者を勤め、ニューヨークを中心にソロ、室内楽活動を行う。
1994年にニューヨーク・デビュー・チェロ・リサイタルを開催、 日本国内における演奏活動としては2005年、2007年および2009年の
東京文化会館におけるチェロ・リサイタルなど多数のリサイタルを開催するなどソリストとして幅広く活躍。 海外における演奏活動としては、
フランス(パリ)、チェコ(プラハ)、 ポーランド(ワルシャワ)、ドイツ(ミュンヘン)、ベルギー(ブリュセル) などヨーロッパ主要都市、
アジアでは中国などにおける演奏会でソリストとして幅広く活躍。国際音楽祭にもソリストとして出演。オーケストラと共演。
日本クラシック音楽コンクール弦楽器部門審査員。
その演奏は「高いレベルの音楽を生み上げる心意気に好感...」(音楽の友誌)など美しい音色と洗練された音楽により高い評価を得ている。
現在、東京を拠点としてソリスト、室内楽奏者として活躍する一方、チェロの普及・ 指導に努めている。
リサイタルでは、日本ではほとんど演奏されない優れたチェロ曲を意欲的にとりあげ紹介している。
◇コンクール入賞歴: 「万里の長城杯」国際音楽コンクール・弦楽器部門最高位入賞(1位なし第2位)
ベストプレイヤーズ・コンクール入賞(審査賞)他
◇CD:チェロ小品集「シャコンヌ」」ベルタレコード ◇ 著作等: 「愛の挨拶」KMP、 「完全チェロマスター」KMP(刊行予定)

使用楽器:ダビッド・テヒラー(Rome、1730-40年頃)★David Tecchlarについて
ガエタノ・キオッキ(Pauva、1860年) ★Gaetano Chiocchiについて
使用弓:F.ペカット、F.リュポ、F.ボアラン


リサイタルでは、日本ではほとんど演奏されないが、優れたチェロ曲を毎回積極的にとりあげ紹介している。
◇プロコフィエフ:チェロソナタ
◇サンサーンス:チェロソナタ1番
◇サンサーンス:チェロソナタ2番
◇メンデルスゾーン:チェロソナタ1番
◇メンデルスゾーン:チェロソナタ2番
◇フォーレ:チェロソナタ1番
◇フォーレ:チェロソナタ2番
◇ショパン:チェロ・ソナタ、「悪魔ロベール」の主題による大二重奏曲
◇バーバー:チェロソナタ
◇ドビュシー:チェロソナタ
◇ルビンシュタイン:チェロソナタ1番
◇ドホナーニ:チェロソナタ
◇シベリウス:マリンコニア
◇ピアソラ:ル・グランタンゴ
◇ビターリ:「シャコンヌ」(ルイジ・シルバ編曲)
カサド:無伴奏チェロ組曲
◇イザイ:無伴奏チェロソナタ 作品28



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         音楽大学チェロ受験のために


音楽大学合格者の指導経験からチェロ実技受験のポイント等を解説します。

 チェロはピアノなどと違い、子供の早い時期から始めなければ音楽大学受験ができない訳ではない。中学校あるいは、高校から始めた場合でも正しい指導を受ければ音楽大学に合格は可能である。その理由は、音楽大学の求めるレベルがピアノやバイオリンと比べてやや低く、入学定員自体も少ないが、受験者の数が少ないことがあげられる。
 音楽大学受験を決めた場合には、準備はできるだけ早い方がよい。すぐに現在師事している先生に受験する旨を伝え、受験を目指したレッスンをスタートする。現在習っている先生が受験生を指導できるレベルでない場合には他を探す。
 積極的に音楽大学の主催する講習会へ参加することも必要で、そこでは他の受験生のレベルを知ると同時に、自分のレベルを判断することにも役立つ。
 音楽大学受験の科目には一般科目(大学入試センター試験を含む)に加えて、専攻実技(チェロ)、副科ピアノ、聴音、楽典等がある。専攻実技の試験結果が合否を決める最も重要な点となるのは言うまでもないが、実技以外の試験も重要である。
 大学受験の実技の求められるレベルは大学により異なるが、チェロの実技に関しては他の受験生との比較になる点は同じである。大学によっては合格水準に達している受験者がいなければ合格させないこともあり得る。実技試験においてはいかに他の受験生との違いを印象付けられるかがポイントとなる。このためには、テクニックだけでなく、曲の理解や、ダイナミックスの変化などを身に付ける必要がある。また、楽器も受験に相応しいレベルのものを用意する。
 実技試験の曲としては、メジャーな協奏曲、バッハの無伴奏チェロ組曲等の課題曲を課せられる場合と、自由曲の場合がある。自由曲の場合でもゴルターマン(G.Golterman)または ロンベルグ(B.Romberg)などの協奏曲ではなく、最低限ハイドンのチェロ協奏曲1番程度のメジャーな曲で受験することが望ましい。また、音階を課する場合もあるので、最低限、ロエベ(J.Loeb)の音階練習エチュードのうち3オクターブを弾けるようにしておく。
チェロで受験可能な国内の音楽大学とそのポイントについて解説したので、参考にしていただきたい。
また、受験の相談等は下記にお願いします。

<東京>

◇東京芸術大学 http://www.geidai.ac.jp/music
 1次:バッハ・無伴奏チェロ組曲から指定の舞曲(2014年第2番アルマンド)、デュポール教則本(2014年No.9)、ロエベ音階教本(2014年ト短調)
    1次では主として基本技術の完成度の試験である。
<バッハ・無伴奏チェロ組曲第2番アルマンド演奏のポイント>
     @各フレーズの最初にはるルバート(テヌート)をつけて次の音への移行を意識する。
     A10-11小節のカデンツは重くならないようにする。、11小節の最後にルバートをかけて、12小節のAをしっかりと弾く。
 2次:ハイドン・チェロ協奏曲第1番ハ長調第1楽章(2014年)
    1次の基礎技術ができていることを前提に曲の解釈や表現が中心となる。
<ハイドン・チェロ協奏曲第1番の演奏のポイント>
    この曲は基礎技術がしっかりできていれば弾ける曲で、協奏曲としてはやさしい部類に属する。
      @ハイドンの曲はフレーズが明確であり、フレーズの切れ目をはっきりさせる。
      Aダイナミックス(強弱)をはっきりさせる。
      Bテクニカルに弾き切る部分と歌う部分を引き分ける。
      C1楽章は3つの部分に分かれA-B-A’の構造であるが、特にAとA’の冒頭は同じに弾かないように注意する。
芸大の課題曲の特徴として、同じ曲が数年続くことがあげられる。2014年も同じ課題となる可能性が高い。1次は基礎的な技術ができているかをテストすることが主な目的であり、難易度は低いが他の受験生と差をつけるポイントが必要である。
<1次>
 バッハは、正確に弾くことは当然であるが、アーティキュレーションやフレージングも適格に表現できるようにする。デュポールの教則本は難易度が高ないが、強弱の表現、フレージング、粒のそろった明確な音が求められる。ロエベ音階教本は、音程の正確性、ボウイングの正確性、音の均一性(不要なアクセントや不明瞭な音を避ける)が重要である。
<2次>
 2012年はやさしい曲のハイドンのハ長調第1番の協奏曲の2楽章であったが、2013年はボッケリーニのソナタ第6番となった。
 この曲は、技術的には上の下といったレベルであるが、正確で効果的な演奏のためにはフィンガリング・ボウイングともそれなりの技術が必要である。
 
◇桐朋学園大学 http://www.tohomusic.ac.jp/college/
◇東京音楽大学 http://www.tokyo-ondai.ac.jp/
◇国立音楽大学 http://www.kunitachi.ac.jp/
◇武蔵野音楽大学 http://www.musashino-music.ac.jp/index.html
◇昭和音楽大学 http://www.tosei-showa-music.ac.jp/
◇洗足学園大学 http://www.senzoku.ac.jp/music/
◇日本大学芸術学部 http://www.art.nihon-u.ac.jp/
◇東邦音楽大学 http://www.toho-music.ac.jp/ 



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