(2024年11月10日更新)
チェロ曲というとドボルザークのコンチェルト、ベートーベンのソナタを、まず思い浮かべる方が多いと思います。また、他には曲が無いと思われている方もあるかと思います。実際日本では、チェロ曲のうち、これら一部の曲のみがコンサートで取り上げられているのが現状です。嬉しいことに、古今東西の優れたチェロ曲はたくさんあります。私自身、これまであまり演奏されない曲であっても優れたチェロ曲を数多くの曲をリサイタル等で取り上げてきました。
ここでは、演奏会で取り上げられる機会の多いレパートリー曲および特に優れていると考えられるチェロ曲を中心にとりあげ、チェロ音楽を聞く方およびチェロを弾く方のために、解説します。特にチェロを弾く方のためにはワンポイント・アドバイスがあります。
また、入門者のためのガイドとともに、演奏をされる方のための難易度の目安を星印で表してあります。
バッハ無伴奏チェロ組曲第1番演奏
2018年11月23日
於:聖アンセルモ教会(東京目黒)
使用チェロ:フランチェスコ・ルジェリ、1675年、クレモナ
Bach演奏の一部(クリック)
完全チェロマスター New!
入門者から指導者まで
チェロ演奏・音楽表現技術
主要チェロ曲の解説本
(530ページ)
私家本限定特別配布価格:52,000円(送料込)
(内容)
世界初のチェロのすべてを網羅した本格的詳細解説本です。
チェロの基礎知識はもとより、ボーイング、フィンガリング、ビブラートから高度な技術まで図と写真で解説。
また、音楽表現法、主な楽曲の曲目解説と演奏のポイントを網羅。
こうした方にお勧め:
・チェロをこれから始める方
・既にチェロをやっており、レベルアップしたい方
・音楽大学受験の方
・コンクールを目指す方
・チェロを教える方
など
■完全チェロマスター詳細(クリック)
お問い合わせ:
下記連絡フォーム、またはPC、携帯メールでも連絡可能です。
cellists@aol.com(PC)
cellosjptokyo58@gmail.com(PC)
tmizuguchi@docomo.ne.jp(スマホ・携帯の方)
電話:03-3717-4693
<
◆月例レクチャー・コンサート
「チェロ名曲を銘器で楽しむ」(第1週土曜)~解説と演奏(水口貴裕)~
12月7日(土)レクチャ-コンサート(7:00PM開始)、ショパン作曲 チェロソナタ ト短調 作品65他
<これまでの演奏曲目>
【あ】 アーベル作曲無伴奏ガンバ・ソナタ1番 【か】 カサド作曲「愛の言葉」 【さ】 サラサーテ作曲「ザパネド」作品23-2 【た】
ダヴィドフ作曲 「泉のほとりで」作品.20-2 【は】 ハイドン作曲チェロ協奏曲第1番ハ長調 【ひ】 ビラ・ロボス作曲「黒鳥の歌」 【ま】 マスネ作曲「タイスの瞑想曲」 【や】 ヨハン・シュトラウス作曲「ロマンス第2番」作品25 【ら】 ラフマニノフ作曲チェロ ・ソナタ ト短調 作品19
|
<関連リンク>
■How toチェロ(チェロ総合解説サイト)
チェロをこれから始めようとする方からプロをめざす人までのアドバイス、インターネット・チェロ講座等
■チェロ教室(東京都目黒区)
月1回レッスンから、時間自由な時間で気軽にチェロを始められます。
次のような方はご相談ください
・チェロをやりたいが楽器を持っていない、音符が読めない。
・大学時代にやっていたチェロを再開したい。
・初心者で1からチェロを始めたい。
・定年後の趣味としてチェロをやりたい。
・誕生日等にチェロを披露したい。
・オーケストラで弾けるようになりたい。
・チェロの名曲、あこがれの曲を弾けるようになりたい。
・仕事が忙しいため、空いた自由な時間でチェロをマスターしたい。
・大学のサークルに入ったが良い指導者がいない。
・現在チェロを習っているが上達しない。ビブラートをなかなか教えてもらえない。
・将来プロを目指したい。
・音楽大学の合格を目指している。
*当教室より2014年度日本クラシック音楽コンクール全国大会入賞しました。
*有名音楽大学入学多数。(桐朋学園大学他)
ユニークな教授方法で確実な演奏技術と音楽表現を楽しみながらユニークな教授方法で確実な演奏技術と音楽表現を楽しみながら無駄なく確実にマスターできます。
初心者~上級者指導、音大等受験、講師養成、コンクール対策
音楽大学在学・卒業の方も試験、コンクール、音楽講師試験等指導します。
希望曲のレッスンも可能です。(バッハ無伴奏チェロ組曲、ソナタ、協奏曲等)
1回のみのレッスンも可能です。
英語によるレッスンも可能です。
1回のみのレッスンも可能です。
レッスン料:1回(8000円)
*楽器をお持ちでない方でもすぐに始められます。(レンタル楽器有)
*お問い合わせ:
cellists@aol.com(PC)
cellosjptokyo58@gmail.com(PC)
tmizuguchi@docomo.ne.jp(スマホ・携帯の方)
電話:03-3717-4693
■チェロ・弓をお譲りします
フランス、イタリー、ドイツ、オールドチェロ・弓の貴重なコレクションお譲りします。
■コンクールに入賞するために
音楽コンクール審査員の視点からコンクールのポイント、採点項目等を解説、主なチェロ・コンクール等
■音楽大学チェロ受験のために
音楽大学合格者の指導経験からチェロ実技受験のポイント等を解説、チェロ受験を目指す方必見
■チェロ教則本について(ウエルナーはやめよう)
主なチェロ教則本と特徴を解説。広く使われているウエルナーの教則の問題点等
■ヴィオラ・ダ・ガンバのすべて
ヴィオラ・ダ・ガンバの歴史、奏法、主な楽曲を解説
■チェロレッスンDVD
チェロの演奏技術を確実にボウイング、左手の技術、ビブラート等
■水口貴裕チェロ・リサイタル
2012年1月8日(日)東京文化会館小ホール(好評のうちに終了しました。)
ピアノ:三谷 温(昭和音楽大学准教授)
<チェロ・リサイタル演映像>
◇ブラームス・チェロ・ソナタ第1番第1楽章より
使用楽器:ダビット・テヒラー(1730-1740年頃、ローマで製作)
◇サンサーンス「白鳥」、カザルス「鳥の歌」
★CD:シャコンヌ/水口貴裕~魅惑のチェロ小品集」(Beltaレコード)
国内外で活躍しているソリスト、水口貴裕の1stアルバム。「万里の長城杯国際音楽コンクール」での最高位入賞など、
着実にキャリアを重ねた水口の実力が存分に発揮された小品集だ。 「CDジャーナル」誌評論
チェロ:水口貴裕
ピアノ:三谷 温(昭和音楽大学准教授)
収録曲:
【1】バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 プレリュード
【2】フォーレ:「ロマンス」作品69
【3】グラズノフ:「吟遊詩人の歌」
【4】エルガー:「愛の挨拶」
【5】ショパン:「序奏と華麗なポロネーズ」作品3
【6】バッハ:アダージョ(トッカータ BWV.564より)
【7】バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番 サラバンド
【8】モーツァルト:アンダンテ・カンタービレ(オリジナルチェロ曲)
【9】ベートーヴェン:「魔笛」の主題による7つの変奏曲作品46
【10】サン・サーンス:「白鳥」
【11】ラヴェル:「ハバネラ形式の小品」
【12】メンデルスゾーン「協奏的変奏曲」作品17
【13】ラフマニノフ:「プレリュード」
【15】ヴィターリ:シャコンヌ(原曲バイオリン)
【16】カザルス:「鳥の歌」
直接注文可能です。(税、送料込2500円)
ここをクリックし、メールを送信できます。
cellists@aol.com
曲目解説および演奏解説
曲目解説:
ブラームスのチェロ曲は、オリジナルの2曲のチェロソナタおよびバイオリン・ソナタのブラームス自身の編曲による「雨の歌」がある。
チェロ第1番は、1865年に完成した作品で、初演は1883年に作曲者のピアノとハウスマンのチェロにより行われた。チェロの低音を随所に生かした曲で、ブラームスならではの美しいメロディと、味わい深い渋さを兼ね備えた曲である。
演奏方法解説:
1.音色
ブラームスの演奏において第1に重要なことは音色である。重量感のある太い音を出す必要がある。このためには、ビブラートのかけ方、弓の速度、十分に「体重」を乗せたボーイングに注意を払うべきである。
チェロの特性として同じ圧力をかけた場合であってもDおよびG線の音量が、AおよびC線に比べて弱くなる。特にブラームスの演奏の場合には音楽を損なわないように特に注意を要する。
2.フレージング
ブラームスの音楽は、ドイツ本国以外では不思議と日本人に愛好者が多い。余談ではあるが、アメリカ人はブラームスが嫌いな人が多い。これは多分に国民性に起因すると考えられる。日本人のブラームスの演奏はとかく過度に湿りがち(悪く言うと音楽の停滞)になりやすい傾向があるので気をつけよう。音楽エネルギーのためと解放(
Releace )、フレージングが重要であることは言うまでもない。フレージングごとのアチェルランドおよびルバートも大切な要素である。
3.ダイナミックス
また、ブラームスの音楽ではクレッシェンド、ディミヌエンドに気をつけよう。
上昇音形=クレッシェンド、下降音形=ディミヌエンドで馬鹿の一つ覚えのようにやるとブラームスの音楽にはならない。この曲では下降音形でクレッシェンドと言った場面が随所に出てくる。たとえば第一楽章の21小節からは下降音形であるがクレッシェンドをかけるべきである。これは楽譜には書いていない。カザルスが「Do
not play with printed note」(楽譜どおり弾くな)と言っている意味を考えてほしい。
4.メロディの処理
繰り返し出てくる「ブラームス節」をはっきりと弾こう。これは速いパッセージにおいても重要である。このはためには「ブラームス」のアクセントをはっきり弾く必要がある。たとえば第3楽章の最初から出てくるオクターブのH-Hで始まるピアノとの掛け合いのメロディーはたびたび現れるが、弓に十分な圧力を加えすぐに解放する強烈なアクセントが必要である。
ブラームスの音楽は、同じメロディーが繰り返し、何回も現れることが多い。当然そのたびに変化をつける工夫が必要である。アクセント、テヌートの場所、強弱、音色等を変えて変化をつけよう。
5.第1楽章の弾き方
音楽は、出だしが重要である。最初の2小節で、これから起こることを予感(=期待)できるように弾かなければならない。アチェルランドとルバート、クレッシェンドとディミヌエンドを十分につけ、音楽エネルギーのためをつくろう。
次の2小節がこれに対する答え(の一部)である。5-8小節は、1-4小節に対する(答えの一部)となる
9小節―はさらにこれを発展させたもので第一主題おけるクライマックスへと一気につないでいく。第二主題は第一主題の内省的なものとと対象的に激しさ前面的に出す必要がある。ここにこけるアクセントは強烈なものとなる。
再現部の冒頭の第一主題は、曲の冒頭より弱く(おだやかに)することにより変化をつける。
6.第2楽章の弾き方
第2楽章は、躍動感が必要である。舞曲として弾く必要がある。踊りながら弾いてみよう。この楽章のアクセントは他の楽章と全く異なる。また楽章の前半とトリオの部分はアクセントの質を変える必要がある。前半のメロディのアクセントは、それぞれメロディの1拍目にある。またアクセントの質は、他の楽章で見られるような鋭角的なものではなく遅れてかかるアクセントとなる。また各音にはテヌートが必要なものが多い。トリオの部分は大きなフレーズとして捕らえる必要がある。また単調にならないようにテヌートおよび音楽ためを使用したアクセントをつける。フレーズごとのアチェルランドおよびルバートが必要なことは言うまでもない。
7.第3楽章の速いパッセージの弾き方
アマチュアの場合特に難儀をするのが第3楽章のようである。その理由は腕で弾いているからである。指と手首のみの動きで演奏する正しいボーイングを身につければ速いパッセージでも容易に弾けるようになる。
このホームページに対するご質問、コメントをお寄せください。cellists@aol.comここをクリックし、メールを送信できます。
無断複製を禁じます。ただし、当ホームページへのリンクは大歓迎です。
c2013 All Takahro Mziguchi All Right Reserved