チェロ音楽の楽しみ方 (主なチェロ曲の完全解説)
(2023年10月1日更新)
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チェロ曲というとドボルザークのコンチェルト、ベートーベンのソナタを、まず思い浮かべる方が多いと思います。また、他には曲が無いと思われている方もあるかと思います。実際日本では、チェロ曲のうち、これら一部の曲のみがコンサートで取り上げられているのが現状です。嬉しいことに、古今東西の優れたチェロ曲はたくさんあります。私自身、これまであまり演奏されない曲であっても優れたチェロ曲を数多くの曲をリサイタル等で取り上げてきました。
ここでは、演奏会で取り上げられる機会の多いレパートリー曲および特に優れていると考えられるチェロ曲を中心にとりあげ、チェロ音楽を聞く方およびチェロを弾く方のために、解説します。特にチェロを弾く方のためにはワンポイント・アドバイスがあります。
また、入門者のためのガイドとともに、演奏をされる方のための難易度の目安を星印で表してあります。
バッハ無伴奏チェロ組曲第1番演奏
2018年11月23日
於:聖アンセルモ教会(東京目黒)
使用チェロ:フランチェスコ・ルジェリ、1675年、クレモナ
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② 申込:目黒学園ホームページの該当講座⇒「この講座に申し込む」
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⑤受講のため事前登録:講座申込み時のお名前で「ZOOM」にご登録ください。
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料金:1回3,630円
目黒学園カルチャースクール本校
(JR、東京メトロ南北線、東急目黒線 目黒駅直結)
〒141-0021 東京都品川区上大崎3-1-1 アトレ目黒2 2階
TEL:03-6417-0031 FAX:03-6417-0032
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1.日時:毎月第1土曜日(1月は8日)、夜7時
2.会場:JR目黒駅ビル2F(Atre2)東京都品川区上大崎3-1-1
3.内容:楽器、作曲家、チェロ曲の解説と演奏、講師 水口貴裕
4.料金:3回7,590円(税込)、1回のみ3,630円(税込)、当日申込可能
5.お問合せ・申込み:目黒学園カルチャースクール 電話:03-6417-0031
使用チェロ:フランチェスコ・ルジェリ、1675年、クレモナ
ダビッド・テヒラー、1730年、ローマ
カルロ・アントニオ・テストーレ、1746年、ミラノ
<2023年演奏予定曲>
1月7日(土) バッハ作曲無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調
バッハ作曲無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調他
2月4日(土) ブラームス作曲チェロソナタ第1番ホ短調
シューマン作曲「幻想小曲集-1」
3月4日(土) メンデルスゾーン作曲チェロソナタ
(バイオリンソナタ)ヘ短調
メンデルスゾーン作曲協奏的変奏曲 ニ長調作品17
4月1日(土) ラロ作曲チェロ協奏曲ニ短調
ラロ作曲チェロソナタト短調op.65第2楽章
5月6日(土) シューベルト作曲アルペジオーネ・ソナタイ短調
シューマン作曲「民謡風の5つの小品」作品102
6月3日(土) ドビュッシー作曲チェロソナタニ短調
プーランク作曲チェロ・ソナタ第1、第2楽章他
7月1日(土) フランク作曲チェロソナタ イ長調
ラヴェル作曲「ハバネラ形式の小品」他
8月5日(日)リヒャルト・シュトラウス作曲
チェロソナタ ヘ長調
ヨハン・シュトラウス作曲ロマンス第2番作品25
他
9月2日(土)エルガー作曲チェロ協奏曲
エルガー作曲「ロマンス」作品62他
10月7日(土)フンメル作曲チェロソナタ作品104
ハイドン作曲「メヌエット」他
11月4日(土)グラズノフ作曲チェロ協奏曲「バラッタ」
グラズノフ作曲 2つの小品 作品20他
12月2日(土)ドヴォルザーク作曲チェロ協奏曲
ドヴォルザーク作曲ソナチネ ト長調作品100他
●「ピアノの詩人」ショパンのチェロ音楽(使用楽器:F.ルジェリ、目黒学園カルチャースクール )
<2017年~2022年演奏曲目> 【あ】
アーベル作曲無伴奏ガンバ・ソナタ1番
アルビノーニの「アダージオ」
ウエーバー作曲 「アダージオとロンド」J. 115
ヴィエニアフスキー作曲チェロソナタ ホ短調作品26
ヴィヴァルディ作曲チェロ・ソナタ第5番 ホ長調
エルガー作曲「愛の挨拶」
エルガー作曲チェロ協奏曲ホ短調 作品85
オッフェンバック作曲「ジャクリーヌの涙」
オネゲル作曲チェロソナタ
オルティス作曲無伴奏ガンバのためのレセルカーダ第2番
【か】
カサド作曲「愛の言葉」
カザルス「鳥の歌」
ガブリエリ作曲無伴奏チェロのためのレセルカーダ1番
クライスラー作曲「アンダンティ―ノ」
クライスラー作曲「愛の喜び」
クライスラー作曲「愛の悲しみ」
クライスラー作曲「美しきロスマリン」
グラズノフ2つの小品作品20「スペインの舞曲」
グラズノフ2つの小品作品20「メロディ」
グラズノフ作曲「吟遊詩人の歌」作品71
グラナドス作曲スペイン舞曲2番「オリエンタル」
グリーク作曲 アレグレット作品45
グリーク作曲 チェロソナタ イ短調 作品36
グリーク作曲 間奏曲 イ短調作品115
グリンカ「ノクターン(別れ)」
グルック「メロディ」
ゴダール作曲「ジョスランの子守歌」
【さ】
サラサーテ作曲「ザパネド」作品23-2
サンサーンス作曲チェロソナタ第1番ハ短調 作品32
サンサーンス作曲チェロソナタ第2番 ヘ長調作品123
サンサーンス作曲チェロ・ソナタ第3番ニ長調 遺作
サンサーンス作曲チェロ組曲作品16
サンサーンス作曲「アレグロ・アパーショナート」作品43
サンサーンス作曲「ロマンス」作品36
サンサーンス作曲「祈り」作品158
サンサーンス作曲「白鳥」
シューベルト作曲 「アルペジオーネ」ソナタイ短調 D821
シューベルト作曲ソナチネ第1番ニ長調作品137の1D.384
シューベルト作曲「セレナード」D.957
シューマン作曲チェロ協奏曲イ短調作品129
シューマン作曲「アダージョとアレグロ」変イ長調作品70
シューマン作曲「トロイメライ」
シューマン作曲「民謡風の5つの小品」 作品.102
シューマン作曲幻想小曲集作品73
ショスタコーヴィチ作曲チェロ・ソナタ ニ短調 作品.40
ショスタコビッチ作曲「モデラート」
ショスタコビッチ作曲チェロソナタ ニ短調作品40
ショパン作曲 チェロソナタ ト短調 作品65
ショパン作曲(グラズノフ編曲)「エチュード」作品.25-7
ショパン作曲「ラルゴ」
ショパン作曲「序奏と華麗なるポロネーズ」ハ長調作品3
ストラビンスキー「イタリア組曲」
【た】
ダヴィドフ作曲 「泉のほとりで」作品.20-2
チャイコフスキー作曲6つの小品 作品.51「感傷的なワルツ」
チャイコフスキー作曲「ロココの主題による変奏曲」作品33
チャイコフスキー作曲「小奇想曲」
テレマン作曲無伴奏ガンバソナタより第1楽章
ディリアス作曲 チェロソナタト短調
ドビュッシー作曲チェロソナタニ短調L.135
ドビュッシー作曲「ロマンス」
ドボルザーク作曲チェロ協奏曲ロ短調 作品104
ドボルザーク作曲「森の静けさ 」作品68-5
ドヴォルザーク作曲「4つのロマンティックな小品」作品75
ドヴォルザーク作曲「ロンド」
ドヴォルザーク作曲「母に捧げる歌」
ドヴォルザーク作曲ソナチネ ト長調作品100
【は】
ハイドン作曲チェロ協奏曲第1番ハ長調
ハイドン作曲「メヌエット」
バーンスタイン作曲ミサ曲から「3つの瞑想曲」
バッハ作曲無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV.1007
バッハ作曲無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調 BWV1008
バッハ作曲無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調BWV1009
バッハ作曲無伴奏チェロ組曲第4番変ホ長調 BWV1010
バッハ作曲無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調 BWV1011
バッハ作曲無伴奏チェロ組曲第6番ニ長調 BWV1012
バッハ「アリオーソ」
バッハ作曲「アダージオ」
バレンティーニ作曲 チェロ・ソナタ ニ長調
パガニーニ:「モーゼ」の主題による変奏曲
パレディス作曲「シシリエンヌ」
【ひ】
ビラ・ロボス作曲「黒鳥の歌」
フォーレ作曲 チェロソナタ第1番 ニ短調作品109
フォーレ作曲チェロ・ソナタ 第2番ト短調 作品117
フォーレ「エレジー」作品24
フォーレ作曲「シシリエンヌ」作品78
フォーレ作曲「セレナーデ」作品98
フォーレ作曲「ロマンス」作品69
フォーレ作曲「蝶々」作品.77
フォーレ作曲「夢の後に」作品7-1
フランク作曲 チェロソナタ イ長調
ブラームス作曲 チェロソナタ第1番 ホ短調 作品38
ブラームス作曲 チェロソナタ第2番ヘ長調 作品99
ブラームス作曲チェロ・ソナタ ニ長調 作品78「雨の歌」
ブリッジ作曲 「春の歌」
ブルッフ作曲「コルニドライ」作品47
ブロッホ作曲ヘブライ狂詩曲「シェロモ」
ブロッホ作曲ユダヤ人の生活より - 「祈り」
ブロッホ作曲無伴奏チェロ組曲第3番
プーランク作曲チェロ・ソナタFP143
プロコフィエフ作曲 「三つのオレンジへの恋」よりマーチ
プロコフィエフ作曲 チェロソナタハ長調作品119
ヘンデル作曲「ラルゴ」
ベートーヴェン作曲「魔笛の主題による12の変奏曲」ヘ長調 作品66
ベートーヴェン作曲チェロ・ソナタ第1番ヘ長調 作品5-1
ベートーヴェン作曲チェロ・ソナタ第2番ト短調作品.5-2
ベートーヴェン作曲チェロ・ソナタ第3番イ長調 作品69
ベートーヴェン作曲チェロ・ソナタ第4番 ハ長調作品102-1
ベートーヴェン作曲チェロソナタ第5番ニ長調作品102-2
ベートーヴェン作曲チェロ・ソナタヘ長調(ホルン・ソナタ)」作品17
ベートーヴェン作曲チェロ・ソナタヘ長調作品64
ボッケリーニ作曲チェロ・ソナタ第6番 イ長調 G. 4
ボッケリーニ作曲「メヌエット」
ボロディン作曲 チェロソナタ ヘ長調作品6
ボロディン作曲「ノクターン」
ポッパー作曲「コンチェルト・ポロネーズ」ニ短調作品14
【ま】
マスネ作曲「タイスの瞑想曲」
マルチェロ作曲 チェロソナタ第1番 ヘ長調
ミヨー作曲チェロソナタ作品377
ミヨー作曲「エレジー」
メンデルスゾーン作曲 チェロソナタ第1番 変ロ長調作品45
メンデルスゾーン作曲チェロソナタ第2番 ニ長調作品58
メンデルスゾーン作曲協奏的変奏曲 ニ長調作品17
メンデルスゾーン作曲 無言歌ニ長調 作品.109
メンデルスゾーン作曲「アッサイトランクゥイロ」
モーツァルト作曲「アベベルムコルプス」
モーツァルト作曲バイオリン・ソナタ第18番KV301
モーツアルト作曲「アンダンティーノ」 変ホ長調,KVAnh.46
【や】
ヨハン・シュトラウス作曲「ロマンス第2番」作品25
【ら】
ラフマニノフ作曲チェロ ・ソナタ ト短調 作品19
ラフマニノフ作曲 「パガニーニの主題によるラプソディー」変奏曲作品43-18
ラフマニノフ作曲「プレリュード」作品2
ラフマニノフ作曲「メロディ」作品.3-3
ラフマニノフ作曲「リート」ヘ短調
ラフマニノフ作曲「ロマンス」ヘ短調
ラフマニノフ作曲「ヴォカリーズ」作品34-14
ラロ作曲チェロソナタト短調作品65
ラロ作曲チェロ協奏曲
ラヴェル作曲「ハバネラ形式の小品」
リスト作曲「エレジー」第1番 S130
リスト作曲「愛の夢」3番変イ長調 S.541
リスト作曲「忘れられたロマンス」 S132
リヒャルト・シュトラウス作曲 チェロソナタ ヘ長調作品6
ルビンシュタイン作曲チェロ・ソナタ第1番 ニ長調作品18
ルビンシュタイン作曲「へ調のメロディ」
レスピーギ作曲チェロと管弦楽のための「アダージョと変奏」
レスピーギ作曲リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲「シチリアーノ」
<関連リンク>
■How toチェロ(チェロ総合解説サイト)
チェロをこれから始めようとする方からプロをめざす人までのアドバイス、インターネット・チェロ講座等
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■コンクールに入賞するために
音楽コンクール審査員の視点からコンクールのポイント、採点項目等を解説、主なチェロ・コンクール等
■音楽大学チェロ受験のために
音楽大学合格者の指導経験からチェロ実技受験のポイント等を解説、チェロ受験を目指す方必見
■チェロ教則本について(ウエルナーはやめよう)
主なチェロ教則本と特徴を解説。広く使われているウエルナーの教則の問題点等
■ヴィオラ・ダ・ガンバのすべて
ヴィオラ・ダ・ガンバの歴史、奏法、主な楽曲を解説
■チェロレッスンDVD
チェロの演奏技術を確実にボウイング、左手の技術、ビブラート等
■水口貴裕チェロ・リサイタル
2012年1月8日(日)東京文化会館小ホール(好評のうちに終了しました。)
ピアノ:三谷 温(昭和音楽大学准教授)
<チェロ・リサイタル演映像>
◇ブラームス・チェロ・ソナタ第1番第1楽章より
使用楽器:ダビット・テヒラー(1730-1740年頃、ローマで製作)
◇サンサーンス「白鳥」、カザルス「鳥の歌」 使用楽器:ガエタノ・キオッキ(1860、イタリア・パドゥバで製作)
★CD:シャコンヌ/水口貴裕~魅惑のチェロ小品集」(Beltaレコード)
国内外で活躍しているソリスト、水口貴裕の1stアルバム。「万里の長城杯国際音楽コンクール」での最高位入賞など、
着実にキャリアを重ねた水口の実力が存分に発揮された小品集だ。 「CDジャーナル」誌評論
チェロ:水口貴裕
ピアノ:三谷 温(昭和音楽大学准教授)
収録曲:
【1】バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 プレリュード
【2】フォーレ:「ロマンス」作品69
【3】グラズノフ:「吟遊詩人の歌」
【4】エルガー:「愛の挨拶」
【5】ショパン:「序奏と華麗なポロネーズ」作品3
【6】バッハ:アダージョ(トッカータ BWV.564より)
【7】バッハ:無伴奏チェロ組曲第3番 サラバンド
【8】モーツァルト:アンダンテ・カンタービレ(オリジナルチェロ曲)
【9】ベートーヴェン:「魔笛」の主題による7つの変奏曲作品46
【10】サン・サーンス:「白鳥」
【11】ラヴェル:「ハバネラ形式の小品」
【12】メンデルスゾーン「協奏的変奏曲」作品17
【13】ラフマニノフ:「プレリュード」
【15】ヴィターリ:シャコンヌ(原曲バイオリン)
【16】カザルス:「鳥の歌」
<試聴する>
クリックするとサンプルが聞けます
CDサンプル
直接注文可能です。(税、送料込2500円)
ここ をクリックし、メールを送信できます。
cellists@aol.com
水 口 貴裕 (みずぐちたかひろ)
(略 歴)
東京に生まれる。
勝田聡一氏に師事。 ニューヨークにてバーバラ・マロウ氏(コープランド音楽院教授、ニューヨーク チェロ協会副会長)の下で研鑽を積む。
ニューヨーク・マネス音楽院にてチェロをピーター・プロッサー氏に室内楽をナンシ
ー・ガーネー氏に学ぶ。
Bergen Philharmonic Orchestra(米国ニュージャージー州)のチェロ副首席奏者を勤め、ニューヨークを中心にソロ、室内楽活動を行う。
1994年にニューヨーク・デビュー・チェロ・リサイタルを開催、 日本国内における演奏活動としては2005年、2007年、2009年および2012年の
東京文化会館におけるチェロ・リサイタルなど多数のリサイタルを開催するなどソリストとして幅広く活躍。
海外における演奏活動としては、
フランス(パリ)、チェコ(プラハ)、 ポーランド(ワルシャワ)、ドイツ(ミュンヘン)、ベルギー(ブリュセル)
などヨーロッパ主要都市、
アジアでは中国などにおける演奏会でソリストとして幅広く活躍。国際音楽祭にもソリストとして出演、国内外のオーケストラと共演。FM放送出演。
万里の長城杯国際音楽コンクール弦楽器部門、日本クラシック音楽コンクール弦楽器部門、 長江杯国際音楽コンクール審査員を務める。文化庁派遣事業協力芸術家。
その演奏は「高いレベルの音楽を生み上げる心意気に好感...」(音楽の友誌)など美しい音色と洗練された音楽により高い評価を得ている。
現在、東京を拠点としてソリスト、室内楽奏者として活躍する一方、チェロの普及・
指導に努めている。
リサイタルでは、日本ではほとんど演奏されない優れたチェロ曲を意欲的にとりあげ紹介している。
◇コンクール入賞歴: 「万里の長城杯」国際音楽コンクール・弦楽器部門最高位入賞(1位なし第2位)
ベストプレイヤーズ・コンクール入賞(審査賞)他
◇CD:チェロ小品集「シャコンヌ」」ベルタレコード ◇ 著作等: 「愛の挨拶」KMP他
使用楽器:フランチェスコ・ルジェリ(Cremona、1675年) ★Francesco Ruggeriについて
ダビッド・テヒラー(Rome、1730-40年頃) ★David Tecchlarについて
カルロ・アントニオ・テストーレ(Milano、1746年) ★Carlo Antonio Testoreについて
N.F.ヴィヨーム(Blussel、1863年)
使用弓:F.X.トルテ、F.ペカット
リサイタルでは、日本ではほとんど演奏されないが、優れたチェロ曲を毎回積極的にとりあげ紹介している。
◇プロコフィエフ:チェロソナタ
◇サンサーンス:チェロソナタ1番
◇サンサーンス:チェロソナタ2番
◇メンデルスゾーン:チェロソナタ1番
◇メンデルスゾーン:チェロソナタ2番
◇フォーレ:チェロソナタ1番
◇フォーレ:チェロソナタ2番
◇ショパン:チェロ・ソナタ、「悪魔ロベール」の主題による大二重奏曲
◇バーバー:チェロソナタ
◇ドビュシー:チェロソナタ
◇ルビンシュタイン:チェロソナタ1番
◇ドホナーニ:チェロソナタ
◇シベリウス:マリンコニア
◇ピアソラ:ル・グランタンゴ
◇ビターリ:「シャコンヌ」(ルイジ・シルバ編曲)
◇カサド:無伴奏チェロ組曲
◇イザイ:無伴奏チェロソナタ 作品28
***************************************************************************************************************************
万里の長城杯国際音楽コンクール本選審査
2017年3月18日(土):代々木オリンピック記念青少年総合センターにて:
審査員各氏:左より
水口貴裕
菅井春恵(フルート、洗足学園音楽大学講師)
天野佳和(打楽器、元東京交響楽団首席奏者)
司馬節子(ピアノ、元南京音楽学院教授)
遠藤雅夫(作曲家、日本作曲家協会副会長)
野村 眞理(バイオリン、元東京芸術大学講師)
李子祥(中国音楽理事会 理事長)
■ 水口貴チェロ・リサイタル
*高いレベルの音楽を生み上げる心意気に好感...「音楽の友」評論より
<前回のリサイタル>
■2012年1月8日(日)午後2時開演 東京文化会館小ホール
(好評のうちに終了しました。)
ピアノ:三谷 温(昭和音楽大学准教授)
曲 目 :
◇ショパン チェロソナタ ト短調 Op.65
◇ブラームス チェロソナタ 第 1 番ホ短調作品 38
◇ショスタコーヴィチチェロソナタ 作品 40
◇バッハ チェロ「ビオラ・ダ・ガンバ」ソナタ 第3番
ピアノ:三谷 温
桐朋学園大学卒業。卒業後、園田高弘氏の下で研鑽を積む。
ウィーン、パリ、ブリュッセル、プラハ、ブダペスト、ワルシャワ等ヨーロッパ主要都市における演奏会の他、ルーマニア国立オーケストラ、
ザグレブ・フィルハーモニー管弦楽団、ドゥブロヴニク交響楽団他と共演。
2003年には文化庁より初代「文化交流使」に任命され、欧州各地において多数の演奏会に出演。フヴァル音楽祭に出演。
アメリカおよびヨーロッパでマスタークラスを開催、ザルツブルクで「On Mitani Zyklus」が開催されるなど、国内外で幅広く活躍。
マリア・カナルス・コンクール入賞。
昭和音楽大学准教授、演奏表現学会理事、アップビートとかち音楽祭音楽監督。
<前回のリサイタル>
2009年1月9日(金)夜7時開演 東京文化会館小ホール (JR上野駅上野公園出口前)
ピアノ:栃木典子(昭和音楽大学元講師)
曲 目 :
◇ボッケリーニ チェロ・ソナタ 第6番 イ長調
◇シューベルト チェロ・ソナタ 「アルペジョーネ」 イ短調 D.821
◇フォーレ チェロ・ソナタ 第1番 ニ短調 作品109
◇ブラームス チェロ・ソナタ 第2番 ヘ長調 作品99
<前々回のリサイタル>
2007年1月6日(土) 東京文化会館小ホール
ピアノ:栃木典子(昭和音楽大学元講師)
曲 目 (
◇ベートーベン:チェロソナタ第3番 イ調 作品69
◇ドビシー:チェロソナタ ニ短調
◇ルビンシュタイン :チェロソナタ第1番 ニ長調
◇ドホナーニ:チェロソナタ 変ロ短調 作品8
2005年1月8日(土) 東京文化会館小ホール
ピアノ:江澤聖子<BR>
(国立音楽大学教授、桐朋学園大学講師、日本音楽コンクール、イタリア・カントウ国際ピアノコンクール1位)<BR>
曲 目 :<BR>
◇ラフマニノフ:チェロソナタ ト短調
◇サンサーンス:チェロソナタ第1番ハ短調
◇メンデルスゾーン:チェロソナタ第1番変ロ長調<
◇バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調
渋谷クロスFM (88.5Mhz) レギュラー出演
http://shibuyacrossfm.jp /
日本クラシック音楽コンクール審査員
埼玉地区本選審査(彩の国さいたま芸術劇場大ホールにて)
東京地区予選審査(パルテノン多摩にて )
恵谷真紀子氏(ビオラ奏者、武蔵野音楽大学講師 )、土肥 敬氏(チェロ奏者)とともに
お問い合わせ :
ここ をクリックし、メールを送信できます。
cellists@aol.com
電話:03-3717-4693
下記連絡フォームからも連絡可能です。(携帯電話以外のPC,スマートホン等)
日本クラシック音楽コンクール審査員
*本年は東京地区本選、埼玉地区本選、東京地区予選の審査員を務めました。
埼玉地区本選審査(彩の国さいたま芸術劇場大ホールにて)
東京地区予選審査(パルテノン多摩にて )
恵谷真紀子氏(ビオラ奏者、武蔵野音楽大学講師 )、土肥 敬氏(チェロ奏者)とともに
*********************************************************************************************************************************
【主なチェロ曲解説】
次の基準で星印をつけています。
◎入門者にお勧め
<有名度>
★ほとんど知られていない、★★一部で知られている、★★★愛好者に知られている
★★★★良く知られている、★★★★★チェロ音楽の愛好者はだれでも知っている
<技術難易度、音楽難易度>
演奏上の難易度で、聞くぶんにはやさしく聞こえる場合があります。
★ アマチュアが容易に演奏できる。★★アマチュアの中級者が演奏できる。
★★★アマチュアの上級者ないしは、プロが演奏できる。★★★★プロのソリストが演奏できる。★★★★★演奏できるものは極限られる。
◇ワンポイント・アドバイス:チェロ演奏のためのワンポイント・アドバイス
1.ソナタ
■ バレンティーニ(Giuseppe Valentini、1680-1759):チェロ・ソナタ第10番 ホ長調
有名度★★、技術難易度★★★、音楽難易度★★
バレンティーニは、18世紀初頭のイタリアの作曲家で、バイオリン奏者として活躍したことが知られているがチェリストでもあった。この曲は親しみやすい旋律の技巧的作品で、原曲は、バイオリンのために作曲されたと考えられている曲集の中の1曲である。
◇ワンポイント・アドバイス:
各フレーズを明確に、速いパッセージはアクセントとリズム感をもって弾く。
■ボッケリーニ(Luigi Boccherini、1743-1805):チェロ・ソナタ イ長調
有名度★、技術難易度★★★、音楽難易度★★
ボッケリーニはイタリアのチェロの名手で有名なチェロ協奏曲変ロ長調の他、28曲のチェロ・ソナタを作曲している。中でもこのイ長調のソナタが最も知られており、演奏されてる。
◇ワンポイント・アドバイス:
1楽章はおおらかに、2楽章は左手の力を抜いて最小限の動きで弾く。
■ビバルディ(Antonio Vivaldi、1678-1741):チェロ・ソナタ 作品14(6曲)
有名度★★、技術難易度★~★★、音楽難易度★★
イタリア・バロックの代表的作曲家であるビバルディは、合奏協奏曲「四季」の作曲家として、我が国では良く知られている。ビバルディは、ベネチアのピエタ養育院の作曲家兼バイオリニストであった。没後は、次第に忘れ去られた音楽家となっていった。
ビバルディは10曲のチェロ・ソナタを作曲しており、この6曲の「チェロ・ソナタ集」のみビバルディの存命中の1740年にフランスで出版された。
◇ワンポイント・アドバイス:
イタリア・バロックのスタイルを意識して、ダイナミックスを大きくつける。
■バッハ(Johann Sebastian Bach、1685-1750):ソナタ(ビオラ・ダ・ガンバ・ソナタ)第1番、第2番、第3番
有名度★★、技術難易度★★~★★★、音楽難易度★★★
バッハは11曲の鍵盤楽器による伴奏付のソナタを様々な楽器のために作曲した。この内の3曲がビオラ・ダ・ガンバ・ソナタである。ビオラ・ダ・ガンバは、当時はチェロに似た楽器で、当時はチェロ奏者がガンバ奏者を兼ねていた。これらの曲は今日ではチェロとピアノで演奏される事が多く「チェロ・ソナタ」といわれることもある。第3番は、フーガ形式をとっている。
◇ワンポイント・アドバイス:
バロックのソナタとして、ピアノとの音部を聞き分け、和声的な役割分担を意識しながら弾く。第3番のフーガは強いアクセントで大胆に弾く。
■ ハイドン(Franz Joseph Haydn、1732-1809):チェロ・ソナタ ハ長調
有名度★★、技術難易度★★、音楽難易度★★
原曲はバイオリン曲で、2楽章のメヌエットのみ独立して取り上げられる場合も多い。
◇ワンポイント・アドバイス:
1楽章はテンポを保ち、重くならないようにする。メヌエットは柔らかい音で弾く。
■ベートーベン(Ludwig van Beethoven、1770-1827):チェロ・ソナタ5曲◎、変奏曲3曲、ホルン・ソナタ
有名度★★★★★★、技術難易度★★~★★★、音楽難易度★★~★★★★
ベートーベンはチェロのために、5曲のチェロ・ソナタと3曲のチェロとピアノのための変奏曲を作曲した。この他に作曲者自身が、ホルン・ソナタをチェロ用に編曲したものがある。特に5曲のチェロ・ソナタは、数あるチェロ曲の中でもバッハの無伴奏チェロ組曲が「チェロの旧約聖書」といわれているのに対して、「チェロの新約聖書」ともいわれ重要なチェロ作品である。5曲のソナタのうち特に3番が有名で演奏会で取り上げられることが多い。
◇ワンポイント・アドバイス:
1番、2番が前期、3番が後期、4番、5番が後期に属し、演奏する場合にはスタイルを弾き分ける必要がある。
■ メンデルスゾーン(Felix Mendelssohn、1809-1847):チェロ・ソナタ第1番、第2番
有名度★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
メンデルスゾーンは、チェロとピアノのための作品として、チェロ・ソナタ第1番変ロ長調作品45、チェロ・ソナタ第2番作品58、変奏曲形式による初期の作品である協奏的変奏曲作品17および無言歌ニ長調作品109の4曲を作曲した。いすれもメンデルスゾーン特有の美しいメロディに溢れており、特にチェロ・ソナタ第2番は、交響曲「イタリア」を想起させるような大規模な曲である。
◇ワンポイント・アドバイス:
同じメロディが繰り替えされるが、その都度変化をつける。曲全体を見失なわないようにする。
■サンサーンス(Camille Saint-Saens、1835-1921):チェロ・ソナタ第1番、第2番
有名度★~★★、技術難易度★★★~★★★★、音楽難易度★★★~★★★★
サン・サーンスといえば、動物の謝肉祭の「白鳥」が思い浮かぶように、チェロ曲を数多く作曲した作曲家でありチェロに理解があったと考えられる。サン・サーンスはチェロ・ソナタを2曲作曲した。この他に2つのチェロ協奏曲、「アレグロ・アパショナート」作品43および「チェロ組曲」作品16がある。
第1番は比較的よく演奏される。第2番は大規模な晩年の作品である。
◇ワンポイント・アドバイス:
サンサーンスの音を出し、重くならないようにする。音の上行、下行に注意してダイナミックスに気をつける。
■フォーレ(Gabriel Faure、1845-1924):チェロ・ソナタ第1番、第2番
有名度★★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
フォーレは、チェロとピアノのためのソナタを2曲作曲した。いずれも晩年の作品である。
いすれもフォーレ特有の内に秘められた生命力を感じられる作品である。
◇ワンポイント・アドバイス:
客観性を持ち、全てを表に出さず、過度にロマンチックにならないようにすることも重要である。
■シューベルト(Franz Peter Schubert、1797-1828):チェロ・ソナタ「アルペジオ―ネ」◎
有名度★★★★★、技術難易度★★★★、音楽難易度★★★★
チェロ ・ソナタ イ短調「アルペジオーネ」は、今日ではチェロ・ソナタとして、広く親しまれておりチェリストにとっては重要なレパートリーの一つでとなっている。この曲はチェロのためのオリジナル曲ではなく、1823年にウィーンのギター製作者、シュタウファー(Johann
Georg Staufer 、1778-1853)が発明したアルペジオーネのために作曲された。
◇ワンポイント・アドバイス:
この曲演奏においては、美しいメロディの表現のほかに、ウィーン風のスタイルを基本として作曲されていることに注目すべきである。
音域が必ずしもチェロの鳴りやすい音域ではないため、ボウイングと楽器の良し悪しが、はっきりと出る。
■ショパン(Frederic Francois Chopin、1810-1849):チェロ・ソナタト短調
作品65◎
有名度★、技術難易度★★★★、音楽難易度★★★★
ショパンはピアノ曲の作曲家として一般に広く知られている。意外なことであるがピアノ以外に関心を示し作曲した唯一の楽器がチェロである。ショパンのピアノ曲以外の室内楽曲は5曲と少なく、このチェロ・ソナタ作品65以外にはチェロとピアノのための「序奏と華麗なるポロネーズ」作品3、チェロとピアノのための「悪魔ロベールの主題による大2重奏曲」がある。
◇ワンポイント・アドバイス:
メトロノームのように弾いてはならない。ショパンのルバートが必要であある。
■ フランク(Cesar Auguste Frank、1822-1890):チェロ・ソナタ イ長調
有名度★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
フランクのチェロ・ソナタは、一般にバイオリン・ソナタイ長調として親しまれている名曲のチェロ版で、チェロの貴重なレパートリーとして演奏会でとりあげられる機会も多い。フランクは、作曲者自身の原稿譜では、このソナタの演奏楽器を「バイオリンまたはチェロ」と指定している。
◇ワンポイント・アドバイス:
細かいニュアンスをつけ表情をつけて歌うが、過度の表現とならないようにコントロールする。
■ブラームス(Johannes Brahms、1833-1897):チェロ・ソナタ第1番、第2番、「雨の歌」
有名度★★★★★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★~★★★★
ブラームスの2曲のチェロ・ソナタは、チェリストにとって重要なレパートリーであり、演奏会で取り上げられることが多い。
ブラームスのチェロ曲は、オリジナルのこれら2曲のチェロ・ソナタのほか、バイオリン・ソナタのブラームス自身の編曲による「雨の歌」が知られている。
◇ワンポイント・アドバイス:
詳細を最後に解説しているので、参照のこと。
■ブラームス:ソナタ2曲
■ ラフマニノフ(Srgey V Rakhmaninov 、1873-1943):チェロ・ソナタ ト短調作品19
有名度★★★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
ラフマニノフのチェロ・ソナタは、チェリストにとって主要なレパートリーとなっているのみならず、ラフマニノフの室内楽の中でも傑作とされておりその評価は高い。
ラフマニノフの室内楽作品は、チェロ・ソナタ以外には小品を除き、2曲のピアノ三重奏曲「悲歌的」のみであり、チェロ・ソナタがラフマニノフ最後の室内楽曲となった。
◇ワンポイント・アドバイス:
チェロを十分に歌わせる力ンタービレのフレーズでは、非常に息の長い歌い方でスケールの大きな表現をするように心がける。
■グリーク(Edvard Grieg、1843-1907):チェロ・ソナタ イ短調 作品36
有名度★★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
グリークのチェロ・ソナタは、ロマン派の流れをくむチェロ・ソナタとしてショパン、ラフマニノフのソナタと並んでよく演奏されてきた。
作曲者自身によるこのチェロ・ソナタの最後の公開演奏は1906年であり、共演者は若き日のチェロの巨匠パブロ・カザルス(Pablo
Casals、1876?1973)であった。グリーク独特の抒情性に溢れた曲である。
◇ワンポイント・アドバイス:
各フレーズを明確に弾きわけ、曲の輪郭を明確にする。暖かい音を出す場所と冷たい音を場所を区別する。
■ リヒャルトシュトラウス(Richard Strauss、1864-1949):チェロ
・ソナタ へ長調
有名度★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
リヒャルト・シュトラウスは、オペラと交響詩の作曲家として知られているが、室内楽の作品は全て初期に書かれておりその数は少ない。チェロ・ソナタ以外には弦楽四重奏曲とバイオリン・ソナタのみである。リヒャルト・シュトラウスのチェロ・ソナタ以外のチェロの曲は交響詩「ドンキホーテ」で、独奏チェロがドンキホーテ役として活躍する協奏曲であると言える。
◇ワンポイント・アドバイス:
テンポに注意し、フレーズの終わりに控えめなルバートをかける。ピアノと対話する部分は、表情を大きくつける。
■ラロ (Edward Laro、1823-1892):チェロソナタ イ短調
有名度★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
ラロは、バイオリンのほか、チェロを、リールの音楽院で、ベートーベンの指揮で演奏したというバウマンに数年間学んでおり、チェロとピアノのためのソナタは1850年代の作品である。2楽章は特に美しい。
◇ワンポイント・アドバイス:
リズミカルな部分とレガートな部分を弾き分け、3連音符リズム等のリズミカルな部分では変化と歯切れ良く弾く。
第2楽章のアンダンテは、楽章全体のバランスを常に考えながら大きな山をつくる。
■ドビッシー(Claude Debussy、1862?1918):チェロ
・ソナタ ニ短調
有名度★★★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
ドビッシーは、第1次大戦の開戦を契機として18世紀フランスの作曲家の古典的形式へ戻るとともに、フランス音楽を新たに復興させるために6曲のソナタの作曲を構想した。チェロ・ソナタがその最初の作品である。
◇ワンポイント・アドバイス:
演奏においては音色の変化が重要である。楽想に適した音色をよく吟味し、音色の違いを弾き分ける技術が必要である
■マルティヌー(Bohuslav Martinu、1890-1959):チェロ・ソナタ第1番、第2番、第3番
有名度★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
マルティヌーはチェコの作曲家で、パリ、ニューヨークと移り住んだ。
チェロ・ソナタ第1番はパリで作曲され、第2番と第3番はニューヨークで作曲された。
◇ワンポイント・アドバイス:
緊張感を保ちながら、叙情的でノスタルジックな部分と暗く激しい部分をはっきりと弾き分ける。一つ一つの音を表情豊かにはっきり響かせる。
■ドホナーニ(Erno Dohnany、1877-1960):チェロ・ソナタ変ロ短調 作品8
有名度★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
ドホナーニは、ハンガリー出身の作曲家・ピアニストで、リスト以降でハンガリーの生んだ最大の作曲家、ピアニストと称された。ドホナーニのチェロの曲としては、この他にチェロ協奏曲「Konzertstuck
」がある。
◇ワンポイント・アドバイス:
1楽章はリズムを明確にし、レガートな旋律と区別する。スケルツォは、単調にならないようにアクセントをつけ変化させる。
■プロコフィエフ(Sergey S Prokofiev、1891-1953):チェロ・ソナタ ハ長調 作品219
有名度★、技術難易度★★★★、音楽難易度★★★★
プロコフィエフは、ロシアのチェロの巨匠ロストロポービッチの演奏を聞いて感動し、これが契機となってチェロに対する関心を深めた。その後、ロストロポービッチの協力を得てこのチェロ・ソナタの作曲を進め、完成した。
◇ワンポイント・アドバイス:
第1楽章は抑揚をつけ、低音を十分に鳴らす。第3楽章はテンポのコントロールに気をつけピアノとよくあわせる。
■ショスタコビッチ(Dmitory D Shostakovich、1905-1975):チェロ
・ソナタ ニ短調 作品40
有名度★★★、技術難易度★★★★、音楽難易度★★★★
この曲はショスタコビッチ唯一のチェロ・ソナタで、作曲者の芸術上の過渡期にあたる若い頃の作品である。この曲はチャスコフスキーの「ロココの主題による変奏曲」、プロコフィエフのソナタとともにロシアを代表するチェロ曲の1つであり、演奏会においてとりあげられる機会が多い。
◇ワンポイント・アドバイス:
第1楽章では、主題の性格の違いを明確に表現する。第2楽章は、テンポを保ち、アクセントに注意する。第4楽章は、正確なリズムとテンポを維持しつつ、単調にならないようにする。
■バーバー(Samuel Barber、1910-1981):チェロ・ソナタ 作品6
有名度★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
バーバーはアメリカの作曲家で、チェロの作品としては、このチェロ・ソナタ以外にチェロ協奏曲を作曲している。
◇ワンポイント・アドバイス:
曲の構成をよく把握し、場面の展開を明確に表現する。
2.チェロ小品
■ベートーベン:チェロとピアノのための変奏曲(3曲)
「マカベウスのユダ」の主題による12の変奏曲 ト長調 作品45
「魔笛」の主題による12の変奏曲 ヘ長調 作品66
「魔笛」の主題による7つの変奏曲 変ホ長調 作品46
有名度★★★★、技術難易度★★、音楽難易度★★
ベートーベンは、ソナタと並んで変奏曲を重視し、前期の1796年から1801年にかけてチェロとピアノのためにこれら3曲の変奏曲を作曲した。
■シューマン:「幻想小曲集」 作品73
有名度★★★★、技術難易度★★、音楽難易度★★★★
「幻想小曲集」の原曲はクラリネットとピアノのために書かれた作品である。今日ではチェロとピアノで演奏されることが多く、チェリストのレパートリーの一つとなっている。
■ショパン(Frederic Francois Chopin、1810-1849):
「序奏と華麗なポロネーズ」 ハ長調 作品3
マイヤベーアの歌劇「悪魔ロベール」の主題によるチェロとピアノのための協奏的大2重奏曲 ホ長調 KK b-1
有名度★★★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
チェロはショパンの非常に好んだ楽器で、チェロ・ソナタの他、チェロとピアノのための「序奏と華麗なるポロネーズ」作品3)とチェロとピアノのための「悪魔ロベールの主題による大2重奏曲」)を作曲した。
悪魔ロベールの主題による大2重奏曲」は、名チェリストのフランショーム.(Auguste
Franchomme、1808- 1884)の協力のもとに作曲した。
■サンサーンス:「白鳥」
有名度★★★★★、技術難易度★、音楽難易度★★
チェロ曲といえば、サンサーンスの「白鳥」をだれしも思い浮かべるほどの名曲である。
室内アンサンブルのための組曲「動物の謝肉祭」の中の14曲中の13番目の曲で、原曲は、チェロとハープのための曲であるが、今日ではチェロとピアノにより独立して演奏されることが多い。
■サンサーサーンス:アレグロ・アパッショナートロ短調 作品43
有名度★★★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
サンサーサーンスが結婚の後、最初に作曲した作品である。
■メンデルスゾーン:「協奏的変奏曲」 作品17
有名度★★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
変奏曲形式による初期のチェロとピアノのための作品である。
■メンデルスゾーン:「無言歌 ニ長調」 作品109
有名度★★★★、技術難易度★、音楽難易度★★
メンデルスゾーンは、49曲の「無言歌」を作曲し、この曲以外は全てピアノのために作曲された。
■フォーレ(Gabriel Faure、1845-1924):「エレジー」 ハ短調 作品24
有名度★★★★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
フォーレは、チェロ・ソナタの緩徐楽章とする予定で「エレジー」を作曲したが、単独の曲として出版された。
■エルガー(Edward Elger、1857-1934):「愛の挨拶<Salut
d'amole>」 作品12
有名度★★★★★、技術難易度★、音楽難易度★★
今日ではエルガーの作品の中では最も知られた曲で、演奏される機会も多い。
■ ピアソラ(Astor Piazzolla、1921-1992):「ル・グラン・タンゴ(
Le Grand Tango)」
有名度★★★★★、技術難易度★★★★、音楽難易度★★★★
ピアソラは、アルゼンチンのブエノスアイレスで生まれたタンゴの作曲家であり、またバンドネオンの名奏者としても広く知られている。チェロの巨匠ロストロポービッチのために作曲された。
■パブロ カザルス(Pabro Casals、1876-1973):カタロニア民謡「鳥の歌」
有名度★★★★、技術難易度★、音楽難易度★★
チェロの巨匠で今日の近代チェロ奏法の基礎を作ったパブロ・カザルスの「鳥の歌」は
キリストの誕生を祝い鳥たちが歌うというカザルスの出身地カタロニア民謡を基にしている。
3.協奏曲
■ハイドン (Franz Joseph Haydn、1732-1809):チェロ協奏曲第1番ハ長調
有名度★★★★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
ハイドンの作曲したチェロ協奏曲は、第1番ハ長調と第2番ニ長調の2曲が現存している。この曲はハイドンの初期の協奏曲を代表する作品である。
◇ワンポイント・アドバイス:
自由闊達な演奏と同時にハイドンの持つ端正なスタイルで演奏する。
■ハイドン:チェロ協奏曲第2番ニ長調
有名度★★★★★、技術難易度★★★★★、音楽難易度★★★★
協奏曲第2番は、ハイドンの円熟期である1783年に作曲された。チェリストのアントン・クラフト(Anton
Kraft、1752-1820)のために作曲したと考えられている。
◇ワンポイント・アドバイス:
古典派作品の演奏方法として、表現の程度を抑制する必要があるが、型にはまり過ぎないように注意する
■ボッケリーニ(Luigi Boccherini、1743-1805):チェロ協奏曲 変ロ長調
有名度★★★★★、技術難易度★★★★★、音楽難易度★★★★
ルイジ・ボッケリーニはハイドンとほぼ同時代に活躍したイタリアの優れたチェリストで作曲家でもあった。この協奏曲は、ドイツのチェリスト、グリュッツマッヒャー(Friedrich
Wilhelm Grutzmacher、1832-1903)の校訂版によって有名になり、ほとんどのチェロ奏者がこの版で演奏している。
◇ワンポイント・アドバイス:
この曲は、前期古典派の作品といえるが、グリュッツマッハー版で演奏する場合には、リズムの柔軟性など、ロマン派的な要素を少し加味するとよい。
■ラロ (Victor Antonie Edouard Lalo、1823-1892):チェロ協奏曲 ニ短調
有名度★★★★★、技術難易度★★★★、音楽難易度★★★★
「スペイン交響曲」の作曲家として知られているラロは、フランスの民族的傾向の作曲家で、このチェロ協奏曲でもスペインの民族音楽の要素を取り入れている。
◇ワンポイント・アドバイス:
音の響きの変化によるダイナミックな変化が必要で、音型を全体の形でとらえる。
■サンサーンス(Charles Camilli Saint-Saens、1835-1921):チェロ協奏曲第1番 イ短調 作品33
有名度★★★★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
サンサーンスのチェロ協奏曲は、第1番イ短調と第2番二短調の2曲があり、この中では、第1番がよく演奏される。チェロ協奏曲第1番は、サンサーンスの最初の円熟期に作曲された。
◇ワンポイント・アドバイス:
フレーズは大きくとり、音色は重い音ではなくメカニックなパートではブリリアントかつ軽快な音色にする。
■シューマン(Robert Schmann、1810-1856):チェロ協奏曲 イ短調 作品129
有名度★★★★、技術難易度★★★★★、音楽難易度★★★★★
チェロ協奏曲は、シューマンが精神的に病む前の1850年に作曲された。
この曲は生前に公開の場で演奏されることはなく死後4年が経過してから初演された。
一般の協奏曲にみられるような、表に現れる華やかな技巧を発揮できる部分はないが、表に出ない高度な表現技術と演奏技術が要求される曲である。
◇ワンポイント・アドバイス:
エスプレッシボで、シューマンにふさわしい暗めの柔らかい音色で弾く。
■ドボルザーク(Antonin Dovorak、1841-1904):チェロ協奏曲 ロ短調 作品104
有名度★★★★★、技術難易度★★★★、音楽難易度★★★★
チェコの作曲家ドボルザークのチェロ協奏曲は2曲存在する。演奏会で頻繁に演奏されるこの曲はニューヨークの国民音楽院院長であったニューヨークで作曲された。
◇ワンポイント・アドバイス:
緊張感を維持し、明瞭なアクセントと豊かな響きで、ロマンチックかつ英雄的(ヒロイック)に演奏する。
■エルガー(Edward Elger、1857-1934):チェロ協奏曲 ホ短調 作品85
有名度★★、技術難易度★★★★、音楽難易度★★★★
エルガーは「威風堂々」などによって知られる近代イギリスの作曲家である。この曲は、チェロ協奏曲の名曲の一つとして、ドボルザークのチェロ協奏曲とならび欧米の演奏会で取り上げられることが多いチェロ協奏曲の1つである。
◇ワンポイント・アドバイス:
イギリス音楽のスタイルとしての厳正さを常に持ち、技巧に走らずに緊迫感を伴ない、激しい感情を出す部分と表情豊かに抑揚をつける部分を弾き分ける。
■チャイコフスキー(Peter Ilkych Tchaikovsky、1840-1893):ロココ風の主題による変奏曲 作品33
有名度★★★★、技術難易度★★★★★、音楽難易度★★★★
「ロココ風の主題による変奏曲」は、チャイコフスキーの唯一の「チェロ協奏曲」といえる。チャイコフスキーのチェロとオーケストラのための作品には、この他に「ペツッオ・カプリチーオーソ(小奇想曲)作品62がある。
◇ワンポイント・アドバイス:
テーマは優美に、各変奏はリズミカルに動く部分と、歌う部部分では変化をつける。
■ブロッホ (Ernst Bloch、1880-1959):ヘブライ狂詩曲「シェロモ(ソロモン)」
有名度★★★★★、技術難易度★★★★、音楽難易度★★★★
ブロッホは20世紀前半に活躍したユダヤ系スイス人の作曲家で、ユダヤの民族主義を強調しユダヤ的な色彩が濃い作品である。旧約聖書に登場するソロモン王をテーマにしている。
◇ワンポイント・アドバイス:
テュッティ以外ではテンポを変えて、幻想的な雰囲気を創り出す。
■プロコフィエフ(Sergey Segeyevich Prokofiev、1891-1953):チェロとオーケストラのための交響的協奏曲 ホ短調 作品125
有名度★★、技術難易度★★★★★、音楽難易度★★★★
ブロコフィエフは、1938年に最初のチェロ協奏曲である「第1番作品58」を完成し、第1番を改編してこの「交響的協奏曲」を作曲した。
◇ワンポイント・アドバイス:
速い部分テクニカルな部分は、アクセントとリズムに気をつけ、抒情的なフレーズは表情をつけて弾き分ける。
■ショスタコビッチ (Dmitri D Shostakovich、1906-1975):チェロ協奏曲 第1番
有名度★★、技術難易度★★★★★、音楽難易度★★★★
◇ワンポイント・アドバイス:
最初の4音(G、E、H、B)のテーマをアクセントをつけ明確に弾く。緩叙楽章では音色の変化とチェロの歌い方を大切にする。
5.チェロと管弦楽のための小品
■マックス・ブルッフ (Max Bruch、1838-1920):「コル・ニドライ」作品47
有名度★★★★★、技術難易度★★★★、音楽難易度★★★★
ブルッフは、ドイツ生まれの作曲家で、ユダヤ教の聖歌をテーマとして「コル・ニドライ」を作曲した。
◇ワンポイント・アドバイス:
レガートで緩やかな神秘的な部分と速い動きを伴う部分を対比し、テンポを大きく揺れ動かせる。間違っても、メトロノーム的なテンポで演奏してはならない。
■チャイコフスキー:「小奇想曲(べッツォ・カプリチオーソ)」作品62
有名度★★★、技術難易度★★★★、音楽難易度★★★★
チャイコフスキーのチェロ曲としては、ロココの主題による変奏曲」の他にこの「小奇想曲(べッツォ・カプリチオーソ)」作品62が知られている。常に動き続ける無窮動(常動曲)的な要素を持った曲である。
◇ワンポイント・アドバイス:
無機的な演奏ではなく、気ぜわしい動きの中に抒情性を出していく。
■ドボルザーク:「森の静けさ」
有名度★★、技術難易度★★、音楽難易度★★
「森の静けさ」はピアノ連弾用からチェロとオーケストラ用に編曲された曲である。
◇ワンポイント・アドバイス:
レガートに、緩やかな旋律線と強弱の変化に気を配り弾く。
■グラズノフ(Alexander K Graznov、1865-1936):「吟遊詩人の歌」
作品71
有名度★★★★★、技術難易度★★★★、音楽難易度★★★★
グラズノフはロシアの作曲家で, 「吟遊詩人の歌」は、10世紀から12世紀の古代ロシアでさまざまな叙事詩を歌い歩いた吟遊詩人の歌に基づいた民族的小品である。
◇ワンポイント・アドバイス:
テーハは、力強く劇的に、表情を変える。大きな場面の転換のたびに雰囲気を変えて弾く。
6.独奏曲
■バッハ(Johan Sebastian Bach、1685-1750):無伴奏チェロ組曲6曲
有名度★★★★★、技術難易度★★★~★★★★、音楽難易度★★★~★★★★★
バッハの無伴奏チェロ組曲は、「チェロの旧約聖書」とも言われ、すべてのチェロ作品の中で最も重要な曲であり、チェリストにとっての最終到達目標である。全6曲の無伴奏チェロ組曲はバッハのケーテンの時代に作曲された。
◇ワンポイント・アドバイス:
バッハの演奏では、音楽の頂点がどこにあり、どこへ向かって音楽が流れているかを常に把握していることが非常に重要である。各舞曲の性格とリズムを的確に表現する。
■コダーイ(Zoltan Kodaly、1882-1967):無伴奏チェロ・ソナタ 作品8
有名度★★★★、技術難易度★★★★★、音楽難易度★★★★
コダーイは、バルトークと並び広く知られているハリガリーの作曲家で、無伴奏チェロ
・ソナタの作曲は、作曲者33歳の作品である。
◇ワンポイント・アドバイス:
小節線にとらわれずにルバートをつけ、全体としてはバランスがとれるようにする。アクセントのつけ方、アタックの仕方、ダイナミックスの変化、フレージングに配慮する。
■カサド(Gaspar Cassdo 、1896-1966):無伴奏チェロ組曲
有名度★、技術難易度★★★★、音楽難易度★★★
カザルスの弟子のスペインのチェリスト、ガスパール・カサドによる無伴奏チェロのための組曲である。
◇ワンポイント・アドバイス:
小節線にとらわれず、リズムを感じながら弾く。スペイン風の雰囲気を大切にする。
■レーガー(Max Reger、1873-1916):無伴奏チェロ組曲
有名度★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
ドイツの作曲家レーガーは、バッハの6曲の無伴奏チェロ組曲に触発されてこの無伴奏チェロ組曲を作曲した。
◇ワンポイント・アドバイス:
クライマックスが重要であり、音色、内部の緊張感に注意する。
■イザイ(Eugene Ysaye 1858-1931):無伴奏チェロ・ソナタ 作品28
有名度★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
イザイは、ベルギーの優れたバイオリニストで、作曲家としてはバイリン曲を数多く残した。無伴奏チェロ・ソナタが作曲されたのは、無伴奏バイリン・ソナタより後の晩年にあたる。
◇ワンポイント・アドバイス:
即興的な演奏が求められ、雰囲気の移り変わりにあわせた、音楽的な気分の切り替えも重要である。
■ヒンデミット(Paul Hindemith、1985-1963)無伴奏チェロ
・ソナタ 作品25の3
有名度★、技術難易度★★★、音楽難易度★★★
ドイツの作曲家ヒンデミットはこの無伴奏チェロ・ソナタの他、バイリン、ビオラのための無伴奏ソナタ(バイリン、ビオラ、チェロ)を作曲した。
◇ワンポイント・アドバイス
主題は、はっきりと、しっかりしたボウイングで弾く。半音階的動きをスムーズに行うために、ボウイングとフィンガリングに気をつける。
■ボッタームント(Hans Bottermund 、1892-1949):パガニーニの主題による変奏曲 ニ短調
有名度★、技術難易度★★★★★、音楽難易度★★★
ベルリン・フィルハーモニックのソロ・チェリストであり、作曲家でもあったボッタームントが、パガニーニの24の奇想曲のテーマにより作曲した。
◇ワンポイント・アドバイス:
テーマはアクセントとテヌートにより明確に弾く。各変奏は速くなり過ぎないように注意する。
■リゲッティ(Gyorgy Ligeti 、1923-):無伴奏チェロ・ソナタ
有名度★、技術難易度★★★★★、音楽難易度★★★★
リゲッティは、ハンガリーの作曲家で、この曲は2楽章から成っている。
◇ワンポイント・アドバイス:
1楽章は、急がずに間を十分にとって弾く。2楽章の速いパッセージでは全体を見失わなわず、単調にならないように注意する。
■ブリテン(Benjamin Britten、1913-1976):無伴奏チェロ組曲第1番、第2番、第3番
有名度★、技術難易度★★★★★、音楽難易度★★★★
イギリスの作曲家、ブリテンはチェロ奏者のロストロポービッチのためにこれらの無伴奏チェロ組曲を作曲した。
◇ワンポイント・アドバイス:
この曲はクリアなフレーズの組み立て、動機で作りあげられている。フレーズを常に考慮しながら、無調性と調性のバランスを考えながら弾く。
曲目解説および演奏解説
ブラームス:チェロ第1番ホ短調作品38
曲目解説:
ブラームスのチェロ曲は、オリジナルの2曲のチェロソナタおよびバイオリン・ソナタのブラームス自身の編曲による「雨の歌」がある。
チェロ第1番は、1865年に完成した作品で、初演は1883年に作曲者のピアノとハウスマンのチェロにより行われた。チェロの低音を随所に生かした曲で、ブラームスならではの美しいメロディと、味わい深い渋さを兼ね備えた曲である。
演奏方法解説:
1.音色
ブラームスの演奏において第1に重要なことは音色である。重量感のある太い音を出す必要がある。このためには、ビブラートのかけ方、弓の速度、十分に「体重」を乗せたボーイングに注意を払うべきである。
チェロの特性として同じ圧力をかけた場合であってもDおよびG線の音量が、AおよびC線に比べて弱くなる。特にブラームスの演奏の場合には音楽を損なわないように特に注意を要する。
2.フレージング
ブラームスの音楽は、ドイツ本国以外では不思議と日本人に愛好者が多い。余談ではあるが、アメリカ人はブラームスが嫌いな人が多い。これは多分に国民性に起因すると考えられる。日本人のブラームスの演奏はとかく過度に湿りがち(悪く言うと音楽の停滞)になりやすい傾向があるので気をつけよう。音楽エネルギーのためと解放(
Releace )、フレージングが重要であることは言うまでもない。フレージングごとのアチェルランドおよびルバートも大切な要素である。
3.ダイナミックス
また、ブラームスの音楽ではクレッシェンド、ディミヌエンドに気をつけよう。
上昇音形=クレッシェンド、下降音形=ディミヌエンドで馬鹿の一つ覚えのようにやるとブラームスの音楽にはならない。この曲では下降音形でクレッシェンドと言った場面が随所に出てくる。たとえば第一楽章の21小節からは下降音形であるがクレッシェンドをかけるべきである。これは楽譜には書いていない。カザルスが「Do
not play with printed note」(楽譜どおり弾くな)と言っている意味を考えてほしい。
4.メロディの処理
繰り返し出てくる「ブラームス節」をはっきりと弾こう。これは速いパッセージにおいても重要である。このはためには「ブラームス」のアクセントをはっきり弾く必要がある。たとえば第3楽章の最初から出てくるオクターブのH-Hで始まるピアノとの掛け合いのメロディーはたびたび現れるが、弓に十分な圧力を加えすぐに解放する強烈なアクセントが必要である。
ブラームスの音楽は、同じメロディーが繰り返し、何回も現れることが多い。当然そのたびに変化をつける工夫が必要である。アクセント、テヌートの場所、強弱、音色等を変えて変化をつけよう。
5.第1楽章の弾き方
音楽は、出だしが重要である。最初の2小節で、これから起こることを予感(=期待)できるように弾かなければならない。アチェルランドとルバート、クレッシェンドとディミヌエンドを十分につけ、音楽エネルギーのためをつくろう。
次の2小節がこれに対する答え(の一部)である。5-8小節は、1-4小節に対する(答えの一部)となる
9小節―はさらにこれを発展させたもので第一主題おけるクライマックスへと一気につないでいく。第二主題は第一主題の内省的なものとと対象的に激しさ前面的に出す必要がある。ここにこけるアクセントは強烈なものとなる。
再現部の冒頭の第一主題は、曲の冒頭より弱く(おだやかに)することにより変化をつける。
6.第2楽章の弾き方
第2楽章は、躍動感が必要である。舞曲として弾く必要がある。踊りながら弾いてみよう。この楽章のアクセントは他の楽章と全く異なる。また楽章の前半とトリオの部分はアクセントの質を変える必要がある。前半のメロディのアクセントは、それぞれメロディの1拍目にある。またアクセントの質は、他の楽章で見られるような鋭角的なものではなく遅れてかかるアクセントとなる。また各音にはテヌートが必要なものが多い。トリオの部分は大きなフレーズとして捕らえる必要がある。また単調にならないようにテヌートおよび音楽ためを使用したアクセントをつける。フレーズごとのアチェルランドおよびルバートが必要なことは言うまでもない。
7.第3楽章の速いパッセージの弾き方
アマチュアの場合特に難儀をするのが第3楽章のようである。その理由は腕で弾いているからである。指と手首のみの動きで演奏する正しいボーイングを身につければ速いパッセージでも容易に弾けるようになる。
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