かながわ定時制通信制教育を考える会


1.いつ、どのように誕生したのですか
 「かながわ定時制通信制教育を考える会」は、1990年3月20日「連合路線に反対し、定時制教育をすすめる定時制教職員の会」として発足しました。発足に際して、『ニュース創刊号』(1990年4月25日号)で次のように教職員、県民に訴えています。

 「連合ができ、日教組が連合加盟を公然と決定し、神奈川高教組が連合日教組への結集を決定するなどの動きの中で、私たちが本当に知りたい問題についての情報はきわめて不足してきています。『定時制教職員の会』は、連合路線に反対する視点から、「連合の情報」も「連合に反対する運動の情報」も収集し、学習、交流の場を提供していきます。是非、多数の方が参加されますよう、ご案内いたします」

 3年後の1993年3月、会は運動の広がりと発展性を考え、「かながわ定時制教育を考える会(略称・定時制教育を考える会)」と名称を改めました。その事情といきさつについて、『ニュース11号』(1993年6月4日付)は次のように伝えています。

 「現在の定時制をめぐる状況は、問題をかかえた生徒の増加、統廃合、修業年限の短縮、センター校問題など課題が山積しています。そこで、会の構成メンバーを定時制教職員に限定せず、幅広く連合路線に反対し、定時制教育に関心のある人に加わってもらうことになりました。

 定時制および全日制の教職員だけではなく、学校関係者以外の方にも、会への参加を訴えたいと思います。」

 神奈川県は、1999年に「県立高校改革推進計画」を発表し、それ以後10年間で県立の全日制高校を25校削減し、全日制入学定員枠を大幅に削り、ついに2011年度には全日制高校進学率が80.0%にまで低下し、全国最下位になっています。

 この「計画」の失敗を糊塗するように2008年4月には、 全国でも例を見ない大規模な通信制単独校(県立横浜修悠館高校)を開設しました。私たちは、この大規模通信制単独校の開設を通して、本県の教育行政は公教育全体を破壊的に再編し始めたととらえ、通信制教育の側面からも高校教育を捉えなければならないと考え、本会の名称を2008年に「かながわ定時制教育を考える会」から「かながわ定時制通信制教育を考える会」に改めました。

 これ以降、本会は県内の定時制および通信制に関わるさまざまな問題を考え取り組んできました。その間の経過については、会報「ニュース」のバックナンバーを参照いていただきますと明らかになると思います。

2.どのような活動をしているのですか
  会を結成してからは、以下のような教育講演会を主催し、主として定時制教育に関わる問題、不登校の問題、定時制の将来像、学習障害、保護者との共同などの問題を参加者と話し合い、考えてきました。

 また、『ニュース』を年に4、5回発行し、定時制や通信制教育ばかりでなく、高校教育全般に関わる問題について、問題提起と意見表明、活動提起を行ってきました。

 さらに、神奈川県などに意見書を提出することや、川崎工業高校定時制や三崎高校定時制の募集停止に反対する運動、相模原地区に定時制の普通科を増設する運動をしてきました。

 そして、「よこはま定時制父母の会」や「定時制教育を守る市民の会かわさき」といっしょに横浜市立定時制高校川崎市立定時制高校の募集停止を見直しさせる運動を行うととともに、「父母の会」や「不登校の会」、市立高校の教職員などと「神奈川県定時制通信制進学説明会」を初めて開催するなどの活動を行ってきました。

 その後、2003年には「関東・東海・近畿定通父母の会交流会」横浜集会の実行委員会に加わり集会を支え、2004年からは「かながわ定時制・通信制・高校教育を考える懇談会」に参加し、公立全日制高校の入学定員を増やすことを求めるとともに、神奈川の定通教育、高校教育を充実させる活動を精力的に行っています。

 教育講演会・教育シンポジウム 

1992年 「埼玉県の単位制高校について」 桜井 先生 (埼玉県立川口工業高校定時制教諭)
1993年 「東京都の定時制では 今」 柳  掬一郎(東京都立上野高校定時制教諭)
1994年 「定時制の将来像をめぐって ― 東京では 3年卒・単位制・統廃合など)」 亀山 茂  (東京都立本所工業高校定時制教諭)
1995年 「夜間中学からのメッセージ ― 映画『学校』にも触れて」 松崎運之助(東京都夜間中学校教諭)
1996年 「子どもが輝くとき ― いじめ、不登校など生きる道に迷う若者をどう受けとめるか」 樋口優子・樋口義博(のむぎOCP代表)
1997年 「学習障害をどう理解するか ― LD児とその周辺の子どもたち」 安住ゆう子(神奈川学習障害教育研究協会研究員)
1998年 「子どもたちを支え、育てるには ― 『あいち公立高校父母連絡会』の経験をきく」 馬場末春(あいち定通父母の会会長)・山田信克(愛知県立岩津高校教諭) 
1999年 「不登校・登校拒否をどうみるか」  村田由夫(横浜登校拒否を考える会) 
2000年 「不登校・登校拒否をどう理解するか ― いじめ・不登校・暴力を通して」 横湯園子(中央大教授・臨床心理士)
2001年 「不登校の子と、その親とともに歩んで」 高橋 健(不登校問題を考える東葛の会代表世話人)
2002年 「学びの多様性を求めて」 奥地 圭子(東京シュ−レ代表)
2003年 「第7回関東・東海・近畿定通父母の会交流会」


3.「考える会」の活動目的と活動方針は、何ですか
T.活動目的
(1)連合路線に反対し、定時制通信制教育を守り、発展させます。
(2)主として、神奈川の定時制通信制教育の現状と教育実践を交流します。
(3)定時制通信制教育の充実と定時制と通信制の将来展望を見いだすための教育研究活動を行います。
(4)神奈川県内の定時制高校と通信制高校の機械的・一方的な統廃合に反対します。

U.活動方針
(1)保護者・生徒との共同をもとにした運動を進めます。
「かながわ定時制・通信制・高校教育を考える懇談会」に会として参加し、県教委や市教委などへの請願、交渉を行います
(2)教育講演会や教育シンポジウムを、年1回程度開催することをめざします。
(3)『連合路線の見直しを ニュース』を年4〜5回発行します。
(4)会員に『ニュース』と教育に関わる資料を郵送します。希望者には、『ニュース』のデジタル版をメールで送ります。
(5)他県の定時制通信制教育に関わる団体や個人と交流します。「関東・東海・近畿『定通父母の会』交流会」への参加をめざします。
(6)定通進学説明会実行委員会に加わり、説明会を支えることをめざします。
(7)総会を年1回行います。

4.「考える会」の代表は誰ですか
会の代表1名を、総会で選出しています。現在の代表は、保永博行(元神奈川県立高校定時制教員)です。

5.会費はいくらですか
(1)会費は、年会費2千円です。
(2)『ニュース』と資料の購読を中心とする購読・賛助会員の会費は、年千円です。

入会を希望する人は、以下の郵便振替かEメールでお申し込みください。
郵便振替口座
  口座番号  00270−5−77296
  加入者名  かながわ定時制教育を考える会
  Eメール    tkanazak@c08.itscom.net
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