2008年1月4日

代表あいさつ

2008年1月1日

2008年を迎えて

中陣 唯夫

 新年明けましておめでとうございます。さまざまな願いや希望を胸に、新年をお迎えになったことと拝察いたします。
 さて、会員、購読・賛助会員の方をはじめ、会報『ニュース』に接したり、ホームページにアクセスしてくださる皆様、そしてさまざまな形で私どもの会にかかわり、協力共同、叱咤激励してくださる皆様、本年もよろしくお願い申し上げます。

 さて、本会も明けて発会満17年半、この4月で会報『ニュース』発刊17周年、100号を迎えようとしています。17年余のスパン(期間)ともなると、会の歴史も『ニュース』紙面も、それなりに法則性を含んで教育や社会、時代の「波形」を映し出しているようで、ある感慨を持っております。

 その中でも特に、「波形」の振幅が激しく大きく記録されつつあるのは、言うまでもなく、神奈川県が2000年度から「教育改革」の名で10年間に25校削減する『県立高校改革推進計画』(以下『計画』)を実施してからの、その約8年間の動きです。

 『ニュース』等で、その経過や影響、問題点、是正を求める運動状況などご存知のことと思いますが、特筆しておきたいのは、次の5点です。

 1.全国最低水準の公立全日制進学率が、さらに下がり89.3%になったこと。

 2.募集定員の臨時措置による、定員を大幅に上回る入学者で、定時制が溢れかえり、生徒も教職員も劣悪な条件の下に置かれていること。

 3.全日制希望で定時制への不本意入学者が県教委の調査でも、約50%いること。

 4.知事と私学経営者代表、県教委関係者等が協議する『公私立高等学校設置者会議』で募集枠を談合的に決定、高校教育の就学機会を奪い、歪めていること。

 5.こうした事態に、松沢知事、当該責任者が陳謝はもとより反省や改善もしない。むしろ、過去5回と同様の「混乱」がはっきりと予測されるのに、08年度募集定員を前年比全日制288人減少させ、逆に定時制を460人増加させる酷薄さであること。

 以上は、明らかに『計画』の失敗と、それによる反教育性を示しています。
 この反教育性はさらに、08年度に約1500名定員で開校される通信制の独立校(横浜修悠館高校)が、門戸を狭くした全日制から、成績によって振り分けされた生徒を定時制や通信制に追いやる「棲み分け」システムの完成を目指しているように思われる点にもあります。謬見でしょうか。定時制、通信制が教育機会の万全を担った学校ではなく、「教育改革」の名による「格差作り」の学校制度にされそうになってはいないでしょうか。

 私どもの会では、このような不条理としか言いようのない神奈川県の松沢知事と教育行政の姿勢を正すために、今年も微力を尽くしていきたいと思っております。ぜひ、皆様もこの状況をあらゆる場や機会に多くの人に伝えて下さい。子どもたちのために、より多くの県民の皆様とこの「隘路」を切り開きたいと思っています。重ねてよろしくお願い申し上げます。
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これまでの「代表あいさつ」を紹介します
    「憲法や教育基本法と要求とを結びつけて、課題の実現をはかる」
「再々度代表を務めるに当たって」
「『考える会』代表、三期目を務めるにあたって」
「代表に再任されて」  
「考える会の代表を務めるにあたって」