2004年11月26日

2002年9月8日


再々度、代表を務めるに当たつて

中陣 唯夫


  このたび、今一度、会の代表を務めることとなりました。非カを承知しているつもりですが、会をとりまく状況がこの一、二年で緊迫感を伴って大きく変化していますので、継続的態勢をもって臨んだほうがいいだろうと判断してお引き受けしました。いっそうのご理解、ご支援・ご協力をお願いいたします。

  さて、この二年ほどの間に夜間定時制高校をめぐる状況は、すさまじいものとなってきています。

  一つは、各都道府県や市立高校に共通してみられる「定時制つぶし」です。いま一つは、その定時制の教職員こ対する、変則勤務に伴う健康管理等の行政措置を故意に放棄したとしか思えない、強権的な「服務」管理が行われている問題です。

  この二つを合体して、各級の教育委員会は急速に「定時制つぶし」を進行させています。近畿・東海、東京、横浜、埼玉、川崎、千葉と基本的人権の面からだけでなく、国家的な視点からみても目を覆いたくなるような「教育改革」の名による「教育破壊」を進めています。

  しかし、この「定時制つぶし」に反対して、各地で父母や県民・市民が、卒業生や教職員、教職員組合と連携・共同しながら立ち上っています。これは、これまでの教職員組合運動とはちがった新しく顕著な流れです。

  特に目を見張るのは、父母や卒業生の〈定時制の意義を確かめ、その実績を守り発展させる〉視点で運動に取り組む、その真撃さです。

 私たち「考える会」もこの一月、「よこはま父母の会」や定時制の教職員、生徒と共同して、神奈川ではじめて「定時制・通信制進学説明会」を開催することができました。また、この春の本県の夜間定時制入試で大量の不合格者をだすという教育行政のの大失政についても、多くの団体や個人の方々と大いに改善・解決の方向で連携いたしました。6月にはこの問題を踏まえて、県の入学者選抜・学区検討協議会が出した『中間まとめ』に対して、「『15の春を泣かさない』入試制度の導入を考えましょう」と題する意見書を提出しました。これに基づいて、横浜会場の県民フォーラムで発言、会場の出席者と広く連帯することができました。

  ○定時制教育を求める人たちの教育の機会を擁護・確立させる。○高校教育「再編」に名を借りたリストラではなく、教育行政にその機会の保障を求める。

  この二点を共通の要求として、あらゆる人と手を携えていく。これが「考える会」の今日的な大きな課題の一つになっています。

  これを具体化する取組みとして、「第2回定時制・通信制進学説明会」の開催。来年夏、横浜における開催が決定された「第7回近畿・東海・関東『定通父母の会』交流会」成功への準備。関東一円の定時制高校との連携的交流をめざす等々を予定しています。身に余る課題の数々です。

  しかし、会は他の団体の方々と連携して、果敢にこの課題に取り組んでいく所存です。会員の皆さんのいっそうの奮闘、会に理解を示していただいている皆さんのいちだんのご協力を願う所以です。

  正確な情報を多く得ること。理論的解明の努力を怠らないこと。共同行動から必ず教訓を見出すこと。考えや立場の違いを超えて、発揮される良識に信を置くこと。

  大風呂敷になるかもしれませんが、私個人としては会がこうした4本柱を土台に、夜間定時制をとりまく歴史的なこの局面を切り開いていく一端を担えればと願っています。

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中陣唯夫 「『考える会』代表、三期目を務めるにあたって」
中陣唯夫 「代表に再任されて」  
中陣唯夫 「考える会の代表を務めるにあたって