○ストーリーダイジェスト6(21〜24話)

サブタイトル名及びあらすじ

管理人Tabiの余計なコメント    

第21話「お天気魔女のいたずら」 ゲストキャラ紹介

 旅の途中で雨に見舞われた一行。翌日天候が回復したので再び北への旅が始まりました。そしてとある湖に差し掛かったとき、ガンたちは昨日の雨はお天気魔女の噂を始めます。しかしニルスは全く信じようとしません。
 「そんなすごい魔法がなら一度見てみたいもんだ」
 などとニルスが軽口を叩くと、本当にお天気魔女が現れました。お天気魔女が吹く強風にガンの群れは吹き飛ばされてしまいます。
 ガンの仲間達はニルスを責めますが、負けん気の強いニルスは悔しくてたまりません。その後も何度もお天気魔女の悪口を言っては、強風でひどい目にあわされてしまいます。
 丁度そのとき湖の氷の上を渡っていた姉と弟の二人連れがいました。実は二人はオーサとマッツ。ニルスの知り合いだったのです。二人はお父さんを探す旅をしているのですが、この湖の対岸の町にお父さんがいるという情報得て、近道をする為に湖を渡っていたのです。
 ところが何度もお天気魔女が強風を吹かせたので、湖をおおっていた氷が急に割れ始めました。このままでは二人は冷たい湖に落ちてしまいます
 ニルスは二人を助ける為、モルテンの背中からまだ氷のあるところを見つけて道案内をします。しかし遂に二人は湖を漂う一片の氷の上に取り残されてしました。もはやお天気魔女の手を借りる以外に方法がありません。ニルスは必死になってお天気魔女を探し出し、訳を話しました。それを聞いた魔女は慌てて現場に駆けつけます。魔女はちょっといたずら好きですが、根は優しいのです。
 間一髪、二人が湖に転落しそうになったとき、魔女の吹く冷たい風で湖は再び凍結。二人は命を救ってくれたガンの群れにいつまでも手を振りつづけるのでした。 

 この話は原作の24章「ネルケで」で語られる魔女「イセッテルのカイサ」と25章「氷割れ」のお話を組み合わせた、事実上アニメオリジナルといえるストーリーです。
 原作ではお天気魔女についてはその存在について語られているだけであり、ニルスとの接触については触れられていません。また湖の氷の方は、原作では単に春が近づいたために氷がとけただけであって、お天気魔女やニルスとは直接関係がありません。もっとも氷の上で危険になったオーサとマッツを誘導するのは原作もアニメも同じです。原作の方では誘導だけで岸にたどり着く事が出来ます。
 さて、グスタの「所詮人間なんてあんなもんでさぁ。問題を起こすだけで解決する方法をちっとも知らねぇんだ」という少々耳の痛い名台詞も炸裂するこの話。やはり一番印象的なのは
キャラクター事典でも紹介したイングリットの目つきですね。
 あと
17話のコメントでも書いた通り、ニルスはカエルと会話ができます。ただ「カエル村」って・・・(笑
 ところでアニメではニルスが片方の靴を落としてしまい、それをオーサとマッツが拾うという話がありますが、これはあらすじ紹介のほうでは割愛しました。原作ではコールモルデンの森に着く前。つまりアニメだと
19話の前に靴を落とし、その後ニルスはしばらく片方の靴がない状態で過ごします。この靴にはニルスの名前が書かれていたのでオーサたちは不思議に思ったりするのですが、アニメでは直接お話の流れと関連しないのです。まぁニルスがお天気魔女の悪口を言うきっかけにはなっていますが。
 ところでこれはお話とは直接関係がありませんが、エンディングクレジットのキャスト紹介で「ダンフィン」が「ダーフィン」になってしまっています。
 揚げ足とりですが一応指摘しておきます(笑
第22話「森を追われるふたごのクマ」 ゲストキャラ紹介

 高山地帯にやってきたガンの群れは強い風に襲われました。その風のなかモルテンが姿勢を崩し、ニルスが背中から落ちてしまいます。木の葉などがクッションになってどうにか怪我をしないで済みますが、双子の子グマに見つかり、妖精と間違われて、おもちゃ扱い。くたくたになったニルスはいつしか子グマたちと一緒に眠ってしまいました。
 そこに折り悪くレックスが現れました。レックスはニルスを渡すよう子グマたちに要求しますが、ニルスはお気に入りの「おもちゃ」。奪われまいと抵抗します。そこに子グマたちの父親が現れました。父グマはレックスを難なくやっつけてしまいますが、ニルスを人間だと見破った父グマはニルスを食べてしまおうとします。
 それを止めたのはやはり子グマたち。とりあえずニルスはクマに食べられずに済みました。ところが父グマは「人間なら俺達に出来ない事でもできるだろう」と森の外にニルスを連れ出しました。父グマは人間達がやってきて工場を建て、森や山を台無しにしてしまったといいます。そしてさしあたり迷惑している煙を吐く煙突に蓋をしてくるよう命令しました。
 ニルスはとりあえず工場に向かいますが、高い煙突に蓋をするなどどだい無理な話です。途方にくれていると、レックスの遠吠えが聞こえてきました。なんとレックスはニルスへの恨みを晴らす為、人間にニルスを捕まえさせようと人間の注意を引こうとしていたのです。
 危うく人間に見つかりそうになったニルスですが、レックスの尻尾に捕まって脱出。しかし人間は銃を手に持って追ってきます。やがて森のそばで待っているさっきの父グマの元までやってきました。そのときレックスはさっき父グマにやっつけられた事を思い出し、人間にまとめて始末させようと考えました。ニルスを父グマの元に放り出し、人間の注意を再度ひきつけると逃げていってしまいました。
 父グマを見つけた人間達は、目標をレックスからクマに変更。父グマの命が危ないと知ったニルスは父グマに必死で警告します。クマはニルスの言葉通りに逃げる事で難を逃れる事が出来ました。
 どうにか安全になったところで、父グマは不思議そうにどうして自分を助けたのかニルスに尋ねました。ニルスは答えます、
 「もし父さんが死んだりしたら、あの子達はどうなるんだい?」
 ニルスの言葉にまず子供たちのことを考える事にした父グマは森の奥に引っ越すことにしました。そして、クマの家族はガンの群れと再会し、再び北に旅立つニルスたちをずっと見送っていました。

 原作ではベリイスラーゲルナの出来事として語られています。
 ただし原作ではレックス(ずる)は登場しません。また子グマたちはいずれ食べてしまうつもりで、ニルスを生かしておいていました。さらに父グマがニルスに要求することは、工場に放火をする事でした。ニルスは工場の重要さを考え、この要求を拒否して熊に殺されることを覚悟しますが、今にもクマに押しつぶされるときに、人間の銃の気配を察したニルスが警告をしたためクマは難を逃れる事が出来ました。すると父グマは、命の恩人であるニルスの命を助けるばかりかクマに襲われそうになったときに役立つある呪文を教えて去っていきました。
 さらにお話には続きがあります。このあとニルスはやはりガンの群れに再会するのですが、ガンの群れの元にニルスを連れて行ってくれるのはアニメではもっと後に出てくるゴルゴなのです。
 また原作ではベリイスラーゲルナの鉱山地帯のことや製鉄工場の仕組み、鉄の重要さなどがいかにも学校教育用書らしく語られています。
 さて、アニメ版ニルス。まぁ身体が丈夫なのはこういうアニメの常ですから仕方が無いとして、体重が軽すぎやしませんか?子グマの吐く息に吹かれて飛ぶようではちょっとした風で吹き飛ばされてしまいます。
 それと父グマの単純さ。「うそか本当かこいつに聞いてみな」本人にそんなこと聞いたって・・・。さらには工場のそばまで連れて行った後、ニルスがそのままどこかに逃げてしまう可能性を考えている様子が全く見られないなど、なんか滅茶苦茶騙されやすそうです。
 ところでニルスが子グマに追いかけられ、崖を登って洞窟に駆け込むシーンがありますが、このシーンのバックの音楽は、私の知る限りこの話でしか使われていません。個人的にはわりと好きな音楽なのですが、ほかの頻出のBGMとは微妙に雰囲気が違う気もします。
第23話大洪水 白鳥の湖」 ゲストキャラ紹介

 メラール湖上空にガンの群れが差し掛かった時のことです。地上では大きな洪水が発生し動物達も巣を壊されたり、卵を失ったりと大きな被害を受けていました。
 丁度そのとき、レックスもやってきていました。レックスはふとしたことからハトのアガールと会い、またも悪だくみを考えつきます。レックスは近くの湖のハクチョウが困っているので、ガンの群れのニルスの助けを求めているという嘘の伝言をアガールに託しました。さらにレックスは自分からの伝言である事がばれると、ニルスたちが警戒するので、ハクチョウから直接頼まれたことにするようにとも言い含めます。少々おせっかい焼きのところもあるアガールはレックスに胡散臭さを感じますが、その「伝言」をガンの群れに伝えました。
 ガンの仲間達は最初、ハクチョウが日頃からプライドが高く、あまり好きになれない相手であることからアガールの申し出に拒否反応。しかしアッカ隊長は、あれほどプライドの高いハクチョウがわざわざ頼んでいるのだからと、ガンの群れを引き連れハクチョウ達のところに向かいました。
 当のハクチョウ達は確かに巣を流され、卵が湖に沈んでしまったの困っていました。しかしプライド高く、他の者の助けを受けようなどとは思っていなかったのです。そこにガンの群れが到着。とりあえずハクチョウの王、デイライトとアッカ隊長が話を始めます。一方部下のハクチョウ達は日頃から泥の色だとガンたちをバカにしていましたが、ガンの群れの中に一羽だけ白い鳥(モルテン)がいるのに気がつきました。自分達を騙そうとしている、と誤解したハクチョウ達はモルテンに襲い掛かり、やがてガンの群れ全体とハクチョウの群れ全体の大乱闘になってしまいました。
 ニルスの機転で何とか騒ぎは収まります。アッカ隊長とデイライトは改めて話をしますが、聞けばデイライトは助けなど呼んだ覚えはないといいます。そこでアガールに問いただすとレックスに頼まれたのだと白状しました。
 これで今回の事件はレックスの罠である事がはっきりしたのですが、ハクチョウ達が困っているのは事実です。ニルスは早速ハクチョウの卵を湖から引き上げる作業に取り掛かりました。
 ツタを体に巻きつけ、モルテンが引っ張るという形で作業をし、いくつか卵を引き上げたときです。突然レックスが襲いかかってきました。レックスの襲撃は予想されていたのでガンの群れはきちんと見張りをしていたのですが、レックスは流木に隠れてこっそりと近づいていたのです。
 体に巻きつけたツタをレックスに手繰り寄せられ、大ピンチのニルス。しかしそのレックスをハクチョウたちが突き飛ばしてくれました。ハクチョウたちの反復攻撃を受け、レックスは逃げていきました。

 原作でも第33章「洪水」で白鳥とガンの群れの戦いのエピソードが語られています。ですがこの話の半分はアニメオリジナルです。
 原作でもこの原因はレックス(ずる)の謀略だったのですが、その後襲撃してくるようなことはなく、またニルスが白鳥の卵を助けるというような事もありません。原作ではハクチョウの王や女王もモルテンの姿に怒り、群れ全員でガンの群れに襲いかかってしまうのです。結果そのまま喧嘩別れになり、ガンの群れは飛び去ってしまいました。
 原作を元にして、もう少しコミカルなお話に仕上がっているのは、ここの前の話などでもあったようにアニメ版ニルスではよく見かけるものです。
 さて、ツッコミどころは一つだけ。
 ニルスがハクチョウの卵を引き上げていますが、卵って水につかっても大丈夫なのでしょうか?つかっていた時間にもよるのでしょうが、情況から見て半日以上はつかっていたのではないかと思うのですが・・・。
 ところで、私は1991年にBSアニメ劇場でニルスが再放送された際のビデオを持っているのですが、その当時の放映ではなぜかこの23話のエンディングクレジットがなぜか20話になっているのです。
 はて・・・?
 ついでにもう一つ。アニメ「ニルスのふしぎな旅」ではスウェーデンに実在する町や湖、森などに立ち寄りますが、「ラプランド」「スコーネ」を別にして、その名前が出ることはあまりありません。あってもその次の話の冒頭で流れる「前回のあらすじ」で出るのがほとんどです。ですがこの話ではスイリーの口から「メラール湖」という実名が出ています。全話中数例しかない珍しいシーンです。
第24話くたばれレックス番犬作戦」 ゲストキャラ紹介

 ある日の早朝、ガンの群れが休息している湖に妖精を乗せたエメリックが飛んできました。実は最近行いの良くなったニルスの姿を妖精に見せ、魔法を解いてもらおうとしていたのです。
 そうとは知らないニルス。モルテンやキャロットと一緒に眠っていましたが、やがて目を覚まし、キャロットと一緒に食べ物を探しに出かけました。ところがそこにレックスが出現。レックスが近くのハクチョウの群れを狙っているのに気がついたニルスは、笛を吹いてハクチョウに危険を知らせます。毎度毎度ニルスに邪魔をされているレックスはもうカンカン。猛然と追ってきますが、どうにか近くの農家の犬の元に駆け込む事が出来ました。
 しかし犬は鎖でつながれていて、遠くへは動けません。一方レックスは犬の鎖の限界のところで挑発してきます。このままグズグズしていると、ガンの群れに置いていかれるかもしれないと考えたニルスは一計を案じました。
 油断しきっているレックスに最後の警告をした後、犬は猛然とレックスに襲い掛かりました。ニルスが鎖を外しておいたのです。犬とレックスの追いかけっこがはじまりましたが、いくらかもしないうちにレックスは犬に取り押さえられてしまいました。そこにニルスがやってきてしっかりと鎖につないでしまいました。
 犬に別れを告げ、群れのところへ急ぐニルスはエメリックと妖精の姿をみとめます。家に帰れるのだと思ったニルスは大喜び。ところがはしゃぎすぎて妖精に泥をかけてしまいました。一部始終を見て心が動き始めていた妖精ですが、腹を立てて帰ってしまいます。
 がっかりするニルス。しかし今のニルスには仲間がいます。ガンの仲間達、そしてモルテン。気を取り直したニルスはモルテンの背中に乗って、さらに北を目指します。

 原作でもレックス(ずる)を鎖につなぐ話は存在していますが、エメリックや妖精の来訪はアニメオリジナルです。またキャラクター事典でも書いたように、この話でレックスは物語から事実上退場してしまうのですが、アニメでは、暫く間隔をあけて再登場します。
 さて、この話ではあまり話の内容についてツッコミを入れる点はないように思います。
 ただ、まもなく放送開始から半年経とうというところで、宿敵レックスが退場したかに見せ、さらに魔法が解けるのではないかと視聴者に思わせるのは、製作側に何らかの意図があったようにも見えます(笑
 ところで、かなりの数の方が気付いて下さると思うのですが、この話では絵の雰囲気が相当違いませんか?この話の冒頭に登場するハクチョウと、前の話のハクチョウではかなり様子が違います。ニルスの顔つきもこれまでの話とは違います。
 これはエンディングクレジットを見ていただければ分かると思いますが、製作スタッフがこれまでと全く違うために起こってしまったようです。これより後の話でも、今回と同じスタッフが製作した話がありますが、差が少し小さくなってはいるもののやはり絵の雰囲気が違うように思います。
  それと前の話のコメントにも書きましたが、再放送でエンディングクレジットが入れ替わっていた問題。この話でも起きていて、23話のクレジットが流れていました。この話では、あまりゲストキャラが出てこないので23話のキャスト紹介をしようとしたのでしょうか?

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