サブタイトル名及びあらすじ
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管理人Tabiの余計なコメント
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第25話「空からの救えん隊」
ゲストキャラ紹介 ガンの群れは大きな町のそばの湖に到着しました。ハラペコのニルスはキャロットと一緒にあたりの草むらで食事をしようとしますが、スイリーの大きな歌声に食欲喪失。同じ情況になったラッセと一緒に町に行くことにしました。
町の公園にニルスたちをおろしたラッセは、ある家に向かいました。さっきその家の上を飛んだとき、その家の住人がパンを鳥達にやっているのが見えたのです。
しかしその家に着いてみると、パンのかけらはおろかパンくずすらありません。がっかりしたラッセは公園のニルスのところに戻ってわけを話しました。それをたまたまそばで聞いていたハトやスズメは大笑い。聞けば、その家にはマルコスという大学生が住んでいて、毎朝挨拶に来る鳥達にだけパンをくれるのだというのです。早速ラッセはマルコスのところに挨拶に行こうとしますが、ガンが人間にエサをねだるなんて滅多にあることではありません。マルコスはびっくりしてしまうでしょう。
そこでニルスはラッセのためにちょっとしたアイディアを考案します。それは口真似でハトの声を出してマルコスを呼び出し、パンを貰おうというものでした。早速マルコスの家の窓の前で一芸を披露するニルス。しかしマルコスは留守にしているのか現れません。様子をうかがおうと部屋をのぞいてみると机の上にパンがあります。これ幸いとニルスとキャロットはかぶりつきました。
警戒して入ろうとしないラッセをよそに、ニルスとキャロットがパンにむしゃぶりついているとマルコスが帰ってきました。しかしパンに夢中のニルスとキャロットは気がつきません。ニルスたちを見つけたマルコスが近づいてきてやっと気がつきましたが、逃げる間もなくマルコスの手のひらの上に乗せられてしまいました。しかしマルコスはニルスたちの自由を奪おうとはせず、優しく話し掛けてきました。どうやらニルスを妖精だと誤解しているようです。
将来小説家になって素晴らしい童話を書きたいと願っていたマルコスは、題材にするため妖精の生活について聞かせて欲しいとニルスに頼んできました。少し戸惑いながらもニルスが自分のことを話して聞かせていると、誰かがドアをノックしています。ニルスが隠れるのを待ってマルコスが応えると、入ってきたのはマルコスの親友サムエルでした。
サムエルは分厚い原稿の束を抱えています。それは5年もかけて完成させた童話で、それを親友のマルコスに読んでもらおうともってきたのでした。マルコスは快諾しますが、これから試験があるので後刻読むことを約束して原稿を預かり、サムエルと別れました。ニルスもモルテンを連れてくることを約束して、一旦群れに帰っていきます。
支度を整えたマルコスが部屋を出ようとしたそのときです。吹き込んできた風が原稿を吹き飛ばしてしまいました。うっかり閉め忘れていた窓から飛び出した原稿は町じゅうに飛び散っていきます。
慌ててマルコスは原稿を拾い集めますが、そこに試験の時間を告げるベルが鳴り響きます。この試験は卒業のかかった大事な試験。止むを得ずマルコスは原稿集めを中断して大学に向かいました。
原稿が気になって満足な結果を出せずに試験を終わり、家に帰ってくるとニルスたちが待っていました。約束通りモルテンも一緒です。暗い気持ちで話し掛けることも出来ずにいると、ニルスたちはいつのまにか口ゲンカを始めていました。どうやら原因は誰が一番、相手の犠牲になって頑張っているかという事のようです。それを聞いていてマルコスははっとしました。
(何でも正直に言い合って、時には命がけで助け合う・・・)
「それが親友というものだ!」そういい放つとマルコスはニルスたちに帰るように言って、自分は部屋を飛び出していきました。
今朝とあまりにも違うマルコスを不審に思い、ニルスたちが様子をうかがっていると何か探し物をしています。わけを聞いたニルスは早速鳥達を呼び集め、原稿探しを始めました。
鳥達の活躍でどんどん原稿は集まっていきます。やがてグスタがくわえてきた一枚で原稿回収は完了しました。
その夜、マルコスは夢中でサムエルの童話を読みました。それは素晴らしいお話でマルコスは強い感動を受けました。胸が一杯になったマルコスがふと見上げた空を、ガンの群れが飛び去っていきます。
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原作では第35章「ウプサラ」で預かった原稿を飛ばされてしまう大学生のお話が出てきます。しかしこの話も原作はだいぶ違っています。
まずマルコスに当たる大学生は非常に優秀で、人当たりもいい好青年として登場しています。一方サムエルに当たる学生の方は内気な性格で、またマルコスに当たる青年にとって「親友」というわけではなく友達の一人に過ぎない存在のようです。
その後の話の流れも少し違うのですが、大体同じような情況です。マルコスに当たる学生は、サムエルに当たる学生から非常に良く出来た原稿を預かり、そして風に飛ばされてなくしてしまいます。
最大の違いはニルスとの学生の関わりです。原作では町にニルスを連れてきたのはバタキでした。そしてやはりニルスはマルコスにあたる学生の家でつまみ食いをしているところを見つかってしまいます。そのあとニルスの身の上話をするのですが、原稿をなくしたことに責任を感じていた学生から羨ましがられるのです。実はこの情況のとき、バタキがニルスに教えたある言葉を唱えるとニルスと学生の立場が入れ替わることになっていました。しかし結局ニルスは何もしません。モルテンやガンの群れといった仲間を裏切れなかったのです。
ちなみに原稿はニルスが大学生の立場になったとき困らないよう、バタキが全て集めてくれています。
アニメと同じように「友」の大切さを教えてくれる話なのですが、趣旨は同じでも、お話の雰囲気がだいぶ違います。どちらが良いかは人それぞれでしょうが、私はアニメのお話しが好きです。
さて・・・久しぶりの突っ込み。
いくら20世紀始めの、今のように紙がありふれてはいない時代とはいえ、昼間に散らばった原稿が数時間後に捜索して全部回収できるものでしょうか?
まぁこれはお話の大前提ですから良いでしょう(笑
次。マルコスの家からパンをお土産にラッセに乗って群れに帰っていくニルス。座っている場所に注目して下さい。飛び立つとき、足がラッセの翼にかかっています。これではラッセが羽ばたきをすると股が裂けてしまうでしょう(笑。その直後のシーンでは翼の後ろに座っていますが、非常に安定を欠く場所だといわざるを得ません。
それとこれはお話の内容とは直接関係無いのですが、24話の終わりに流れた予告編の映像で少しおかしかったところが、25話として放映された同じシーンでは綺麗に直されています。撮影をしなおしたのでしょうか。
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第26話「嵐の日の出来事」 ゲストキャラ紹介 明日に家畜市を控えたある嵐の日のことです。ニルスをブライアンという年老いた馬が助けを求め訪ねてきました。仲間の牛たちが、嵐にもかかわらず宿屋の屋外の柵の中に入れられて困っているというのです。ニルスは早速ブライアンに乗って助けに行きました。
ニルスの助けでどうにか柵を壊して、自由になった牛たちですが行く当てなどありません。するとブライアンが昔自分の飼い主だったフレッドを頼ればにばなんとかしてくれるだろうと、牛たちを引き連れてフレッドの家に向かいました。
しかし牛たちは不安がります。実は宿屋に着く前、ブライアン達を連れている家畜商がフレッドの家を訪ねたとき、追い帰されてしまったのです。フレッドの家に着くとブライアンはフレッドを呼び出しますが、牛たちが案じた通りまた追い帰されてしまいました。
ブライアンはさっぱりわけがわかりません。昔のフレッドはもっと心の優しい人だったというのです。それはさておき、とりあえず嵐をしのげる場所を確保が先決。フレッドの家の納屋が適当なのですが、がっちりカギがかかっていて入れないのです。悩んでいると二人の幼い姉妹がフレッドの家に向かうのが見えました。うまくすればフレッドの家に潜入して納屋のカギを持ち出せるかもしれないと、ニルスは二人について行くことにしました。
この二人の幼い姉妹は姉をエバ、妹をクリスチーナといいます。かつては今のフレッドの家に住んでいたのですが、二人のお父さんがフレッドの父から返せなかったため家をとられてしまったのです。やがて二人の両親は亡くなり、身寄りのない二人はいまや物乞いのような生活を強いられていたのでした。そしてこの嵐の夜、全く縁の無いわけではないフレッドなら泊めてくれるだろうと頼ってきたのです。しかしフレッドはこの二人も冷たく追い帰してしまいます。
実はフレッドは長い苦労の多い生活と厳しい倹約の結果、暗い冷たい人間になってしまっていたのです。
フレッドの母親は二人をかわいそうに思い、フレッドの隙を見て呼び戻し家に入れてやりました。しかしそれを見つけたフレッドは二人の両親は怠け者だった、などと冷たい言葉をかけます。ショックを受けたエバは家を飛び出してしまいました。クリスチーナとフレッドの母親は慌てて後を追います。
そして3人が森の中に差し掛かったとき。近くに落雷があって大きな木がフレッドの母親目掛けて倒れこんできました。クリスチーナが助けに入ったおかげで下敷きにならずに済みましたが足を挟まれ、クリスチーナとフレッドの母親は動きが取れなくなってしまいます。
それを見ていたブライアンとニルスは急いでフレッドを連れてきました。そしてフレッドとブライアンは力を合わせて二人を助け出します。全力を振り絞ってくれるブライアンの姿を目にし、かつてのブライアンとの楽しい日々を思い出したフレッドは心を入れ替えました。ブライアンを買い戻すことに決めたばかりか、クリスチーナとエバを引き取ることにしたのです。
ニルスとキャロットも良いことが出来て嬉しくなるのでした。
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原作では24章「ネルケで」の一部として語られているエピソードです。
かなり話の流れは似ていますが、原作ではフレッドに当たる人物は二人の姉妹を追い出しはせず、食事は出さないまでも嵐をしのぐ事を許しました。またブライアンがフレッドと一緒にフレッドの母親を助けるといった事もしていません。
アニメではこの話については心の温かさを基本のテーマとしているように見えます。しかし原作では心の温かさも勿論ですが、自分の意思に反してまで父親のやりかたをそっくり真似ようとしていたフレッドの心の動きも一つのテーマになっています。
さて、アニメ版。
冒頭でニルスたちは川の中州に避難しています。川は嵐でかなり増水している様子でした。にもかかわらずそこにやってこられたブライアンって・・・まだ相当高い基本体力が残っているようです。
ブライアンといえば、フレッドの母親とクリスチーナを助ける為に使ったロープ。ブライアンが持ってきたものよりもだいぶ長いように見えます。どこか他から調達してきたのでしょうか。
最後に、キャロットはもともとハムスターですから人間の言葉を理解できないはずです。実際、他の話でもキャロットは人間の言葉を理解できないものとして描かれていますが、この話の最後の部分。フレッドと母親がニルスの言葉を「神様の声だ」と話しているシーン、どうもキャロットは人間の言葉を理解しているように見えます。ニルスが通訳していたのでしょうか(笑 |
第27話「モルテンの婚約」 ゲストキャラ紹介 ある朝、ガンの群れがこれから出発しようとしていたときの事です。ダンフィンがアッカ隊長に立ち寄って欲しい欲しいところがあると申し出ました。両親に無事を伝えるのとモルテンを紹介するのが目的です。アッカ隊長は快諾し、ガンの群れはダンフィンの両親が住む島に向かいました。
両親を探すのに少し手間取りましたが、どうにか探し当て、再会を喜び合うダンフィンたち。ところがダンフィンのお姉さんたちの様子がどうも変です。どうやらモルテンに惚れこんでしまったようです。
そんなお姉さんたちのことを気にするよりもモルテンには大事な仕事がありました。ダンフィンのお父さんに、ダンフィンとの結婚を許してもらえるよう話さなければならないのです。
しかし、いざダンフィンのお父さんの前に立つと緊張してしまってうまく口が動きません。困っていると、アッカ隊長が助けに入って代わりに言ってくれました。するとダンフィンのお父さんはカンカン。そんな大切なことを自分で言えないようなものに大事な娘は任せられないというのです。がっかりするモルテン。
そこに突然騒ぎが起こりました。オジロワシが襲ってきたのです。ダンフィンのお父さんは迎撃の準備を始めますが、モルテンは「その必要はありませんよ」と言い捨てるなり単身ワシに向かっていきました。
猛然とワシに突っ込んでいくモルテン。何度かは奇襲に成功しますが、やはり圧倒的な力の差の前に痛めつけられていきます。しかし今ここで助けにはいるわけには行きません。モルテンは愛するものを得る為の戦いをしているのです。
やがてモルテンが力尽きたとき、ニルスに率いられたハイイロガンの群れが助けに入りオジロワシは逃げていきました。
翌朝。群れから離れたところにしょんぼりしているモルテンの姿がありました。ワシに立ち向かいはしたもののボロボロにやられてしまい、もはやダンフィンと結婚できないものと諦めてしまったのです。ニルスにあのままやられていたほうが良かった、などという始末です。
そこに両親を連れたダンフィンがやってきました。お父さんが昨日のモルテンの行動に勇気を認め、結婚を許してくれたというのです。喜び合うダンフィンとモルテン。
満足そうなダンフィンの両親。その二人にニルスが駆け寄って聞きました。
「ダンフィンと別れて、親子で離れて寂しくないの?」
ダンフィンの両親はこう答えました。
「親子はね、どんなに離れていても心が通い合うものなんだよ。」
人間も同じだと聞いて、自分の両親を思い出すニルスでした。
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第14話以来のロングバージョンの「これまでのあらすじ」から始まるこのお話ですが、原作にもダンフィンがモルテンを紹介するお話があります。しかしだいぶ流れが違います。
ダンフィンの頼みで両親のところに向かい、アニメと同じようにまずダンフィンの姉たちに会います。原作ではこの姉たちが曲者なのです。
ダンフィンの姉「美羽」「金のひとみ」はダンフィンが見た目も美しく、心も優しい事から、みんなに可愛がられるのを妬ましく思っていました。そこでエーランド島に行ったとき、二羽でダンフィンにわざとぶつかって脱臼させ、置き去りにしたのです。アニメではダンフィンがいた群れが人間の銃に狙われ、撃たれて落ちたときに脱臼したとダンフィンは言っていますが、原作ではこんな恐ろしい話しになっていたのです。
二人の姉の恐ろしい話はまだ続きます。自分達の婚約者よりもよく見えるモルテンがダンフィンの婚約者だと知ると、今度はモルテンを亡きものにしようとするのです。
まず「金のひとみ」のほうがモルテンに毒のある木の根を食べさせようとします。しかし運良くモルテンはそれをノドに引っ掛けてしまい、ニルスの助けもあって飲み込まずに済みます。次に「美羽」がモルテンをワシに立ち向かわせようとします。ところがそのワシは後に登場するゴルゴで、アッカのことをよく知っていたためモルテンは命を奪われずに済むのです。
この二つの策略に失敗した姉たちは、今度は「美羽」がダンフィンと入れ替わってガンの群れに同行するという作戦に出ます。しかしこれもニルスに看破されてしまいました。怒った「美羽」はニルスをくわえて逃げていきますが、ガンの群れの追跡を受け、さらに偶然人間に銃で狙われてニルスを海に落としてしまうのです。
このように原作は近親憎悪ともいうべき、少し怖いお話になっているのです。アニメではこのような部分はバッサリと切られ、親子のつながりや愛の力をテーマにしたお話になっていますが、子供向けとしてはアニメのお話のほうが良いように思います。
その他アニメの方では「イソシギ」と「忙しい」をかけたという素朴なギャグなどがちりばめられていますが、一つだけ気になるシーンがあります。
岩陰にいたニルスにアッカ隊長がモルテンとダンフィンがどこにいるのか聞くシーン。ニルスは靴をいじっているようですがなにをしていたのでしょう?
まさか脱げなくなったわけでは・・・(笑 |
第28話「街角でうたうニルス」 ゲストキャラ紹介 ストックホルム近くの海上に差し掛かったガンの群れは漁師の銃に狙われてしまいました。まだガンと同じようには飛べないモルテンはパニック状態。姿勢を崩してニルスとキャロットを落としてしまいました。海に落ちたものの、漁師に掬い上げられたニルスはどうにか命拾いをします。しかし安心したのもつかの間、漁師はニルスを売り飛ばしてしまいます。
ニルスを買い取ったのはクレメンテというスカンセン公園で流しのバイオリン弾きをしている老人でした。クレメンテは、自分の弾くバイオリンにあわせて歌ったり踊ったりする見せ物をやるなら、食事をくれるといいます。しぶしぶニルスは従う事しました。
しかし、珍しさで人は集まったものの、見物人の中の子供がニルスにちょっかいを出してしまいます。このことで見世物にされる事の惨めさを思い知らされたニルスは、辛さでうずくまってしまいました。見物人は呆れて散っていってしまいます。
がっかりしたクレメンテはニルスたちを家につれて帰宅。そして夕方になったとき、クレメンテが眠っている隙にニルスたちは逃げ出そうとします。ところが、もう少しというところで見つかってしまいました。慌てるニルスたちですが、なぜかクレメンテはニルスとキャロットを逃がしてくれたのです。
とにかくアッカ隊長たちに合流せねばと、ニルスたちはクレメンテの家をあとにしました。
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原作では前の話のコメントで触れたように、ダンフィンの姉との関連でニルスは海に落ちてしまいます。そして漁師に拾われ、やはりスカンセンのバイオリン弾き(正式にはスカンセンの職員ということになっているようです)クレメンテに買い取られます。ところが原作のクレメンテはニルスを見世物にするようなことはせず。とりあえずかくまってくれるのです。
そしてニルスはクレメンテと、ある合図をするまでは勝手に他所に行かない旨の約束をします。しかしクレメンテがとある事情から急に故郷に帰ることにしたとき、手違いでこの合図を出す事が出来ず、ニルスはゴルゴと会うまで約1ヶ月、クレメンテの家に居つづけることになります。
また原作では、このあたりでストックホルム市の歴史等についてのかなり詳しい解説もなされています。
さて、アニメの方ですが・・・ニルスがクレメンテのところに来てから初演までせいぜい数時間。あれだけの歌と踊りの振り付けをよく考えたものですね。まぁ踊りは即興としても、歌・・・覚えるだけならまだしも、内容からいって一から作詞していたようですから、かなり大急ぎだったでしょう。それにしてもニルスにとってこの歌は自分についての歌。私はそういう歌はちょっと歌う気になれません(笑
ところでアニメでクレメンテは金貨1枚でニルスを買っていますが、金貨1枚というと日本では今大体5万円相当くらいになるでしょうか?結構な大金ですね。 |