○ストーリーダイジェスト5(17〜20話)

サブタイトル名及びあらすじ

管理人Tabiの余計なコメント    

第17話「おとりにされた子ガモ」 ゲストキャラ紹介

 カラスの群れから逃れたニルスとキャロットは無事アッカ隊長たちと合流する事ができました。ラプランドへの旅はさらに続きます。
 ガンの群れはとある大きな湖に立ち寄りました。緑も多く、食べ物も豊富でそこは鳥達の楽園ともいえるところです。好奇心旺盛なニルスはキャロットを連れて早速湖の見物に出かけます。
 さて、ニルスたちがカイツブリの巣に乗っていたときのことです。ニルスはジャロという子ガモに出会いました。そのカモは人間に飼われオトリとして仲間をおびき寄せ、人間に銃で撃たせる役割を負わされているのです。何も知らず、初めて湖に連れて行かれたときに仲間を呼んでしまい犠牲にしてしまったジャロはせめてもの償いに、今は仲間に危険を告げ、自分に近づかないよう警告しているのでした。
 そんな姿に心を打たれたニルスはアッカ隊長に相談し、ガンの群れの力を借りてジャロを助けてやることにします。
 翌朝、また湖に連れ出されていたジャロにニルスは霧にまぎれて近づきました。どうにかニルスがジャロをつないでいたロープを切ることに成功し、ジャロが飛び立とうとしたときの事です。一緒に飼われていたシーザという猟犬がジャロを押さえつけます。
 「お前はもう諦めたといったじゃないか。ずっとワシといっしょにいるといったじゃないか」
 ジャロがいなくなって寂しくなることをシーザは嫌がったのです。ジャロもシーザたちと別れるのが辛い気持ちはあります。でも仲間を犠牲にする事には耐えられません。そして、シーザをニルスは説得します。
 「シーザ、君がジャロならどうする?人間の為に仲間をおびき寄せるオトリになれるかい?君にも誇りがあるなら分かるはずだろう?」
 シーザはジャロを放しました。ジャロは遂に大空に飛び立ちます。自由になったのです。

 このお話も2話連続ものなので、一緒にコメント。
 原作ではトーケルン湖の出来事として存在しているお話です。お話の流れもアニメ用にそれなりの変更はされていますが、全然違うという点はあまり見当たりません。強いて言うとジャロをオトリに使ったりしていたのが、パオラの家の下男だった事や、アッカが湖を守る目的で鳥の存在をアピールする為、シーザと組んでわざとしばらくパオラの居場所を教えなかった事くらいでしょうか。
 さて、まずは17話から。
 このストーリーでは「わんぱくニルス」が初めてBGMとして使用されていたりしますが・・・。
 ニルスはいつから泳げるようになったのでしょう?水に落ちるシーンがここまで幾度かありましたが、いつも半分溺れていました。おそらくガンの群れと旅をする以上泳げないとまずいということで練習したのでしょう(笑。それにしても普通は水に入るときは服を脱ぐものですよね。彼は水に入る事が分かっていてもそのまま入ってしまいますが・・・。ちなみに服を着ていると、水を吸った服が重く泳ぐ邪魔になるので、遭難時は服を脱いで身軽になるのが基本です。
 あとオタマジャクシを捕まえてカエルに追いかけられるシーンがあります。もう少しあとの話でカエルとニルスが会話をするシーンがあることからすると、何らかのやり取りがあってもおかしくないのですが・・・カエルは無言で追いかけてきました。怖いですね〜。ただそのおたまじゃくしを捕まえたときのニルスのセリフ、「後ろ足が生えて前足が出て、尻尾が引っ込むと一人前のカエルになるのさ」
 正解です。中学受験の理科では頻出ですね(笑
 もうひとつニルスのセリフ、「俺よりダンフィンのほうがいいなら勝手にすればいいだろう!」
 モルテンにとってはダンフィンのほうがいいに決まっています(笑
 続いて18話。
 これはツッコミではないのですが、グスタの「冗談は顔だけに・・・」のセリフのあとのラッセのセリフが聞き取れません。なんと言っているのが分かる方は教えてください。
 あとこの話の最後の方でニルスが指を「パチン」と鳴らすところがありますが、ニルスが指を鳴らすのはここが初めてではないでしょうか?ちなみにTabiはこのニルスの「指パッチン」を見て自分もやってみたくなって練習し、今では左右とも鳴らせるようになりました(笑
 それにしても、この17話18話は教育的要素の随分たっぷり詰まったお話ですね。最近こういうアニメは殆んど見かけなくなってしまいましたが、あまり好ましい事ではないのではないでしょうか?
第18話「湖がなくなる」 ゲストキャラ紹介

 ガンの群れは、過ごしやすいこの湖にもう暫く滞在することにしました。しかしニルスはちょっと退屈です。そこにジャロがやってきました。ジャロはニルスに改めてお礼を言います。しかし何か気にかかっている事があるようです。聞くと飼われていた家の子供パオラやシーザが寂しがっているのではないかと心配しているというのです。だったら会いに行けば良いと、ニルスはジャロといっしょにパオラたちのところに行くことしました。
 一方パオラたちはジャロがいなくなってしまい気が抜けたようです。まだ小さなパオラはお母さんにジャロのところに連れて行ってとせがみます。しかしそんなことは無理な話。お母さんはパオラにジャロのことは忘れ、シーザと遊んでくるようにと言いました。
 パオラたちに会いに出かけたジャロは、ちょうどお母さんに言われて湖に出てきたパオラたちに会う事ができました。ジャロもパオラもシーザも嬉しそうです。その光景を物陰から眺めていたニルスは、パオラのお父さんと村人との立ち話を耳にしました。なんと畑を増やす為に、この湖を埋め立ててしまおうという計画があるというのです。早速ニルスはその話をアッカたちに伝えます。ガンの仲間達はその話を聞いて非常に怒りました。しかしニルスにはどうする事もできません。
 ニルスがしょんぼりしていると、そこにジャロが大慌てでやってきました。湖で遊んでいたパオラがそこに穴のあいたボートに乗ったまま流されてしまったというのです。ニルスはガンの群れとともに直ちにパオラの元に駆けつけました。そして力を合わせ、何とかボートを近くの島につけることに成功。しかし岸まで連れて行く方法がありません。
 一方村人達はパオラがいなくなったことに気付いて大騒ぎ、村人総出で捜索を始めました。
 その様子に気づいたニルスは全員で人間達を呼ぶことにしました。その声をシーザが聞きつけ、パオラの両親に知らせます。早速船で島に乗りつけたとき、人間達が見たのは幼いパオラとそれに付き添う鳥達の姿でした。
 心を打たれたパオラの両親は湖の埋め立てに断固反対することを決心するのです。

第19話「あまえん坊の子ジカ」 ゲストキャラ紹介

 ガンの群れはある大きな森の中にある湖で羽を休めることにしました。そこに着く途中で人家があるのを見つけていたニルスとキャロットは、「人間らしい食べ物を・・」と群れから離れます。ところが森を横切る途中でヘラジカに出会いました。普段ヘラジカはもっと森の奥の方にいる動物です。わけを聞いてみると、子供のグレイスキンが人間に捕まってしまい心配で出て来たと言うのです。早速ニルスたちは助けに行くことにしました。
 グレイスキンは人間の家の庭にある柵の中にいました。ところがニルスたちが脱出を持ちかけても聞こうとしません。毎日エサがもらえるし、怖い狼などの猛獣を気にしなくても良い今の生活が気に入ってしまったのです。
 本人にその気がなくてはどうしようもないと、一旦ニルスたちはグレイスキン救出を諦め、当初の目的であった食糧確保のために人間の家に忍び込みます。ところがその家に住んでいたネズミに見つかって追われる羽目に。どうにか逃げ延びますが、そこで人間の会話を立ち聞きしてしまいました。なんとグレイスキンを今日動物園の職員に売り渡すというのです。これはまずいとニルスたちはグレイスキンのところに戻りました。
 ニルスとキャロットは動物園の恐ろしさを必死で説明。さらに先ほどのネズミも加わってグレイスキンを説得します。丁度そのとき動物園の馬車がやってきました。もう一刻の猶予もありません。ニルスやネズミたちに少し崩してもらった柵を飛び越え、グレイスキンは森に飛び込みます。
 人間達は猟銃を手に犬を放って追いかけてきます。さらにどこかで道を間違えたのか、深い谷が行く手を阻みます。しかしニルスに励まされグレイスキンはどうにか谷を飛び越えることができました。やっとお母さんに再会できたのです。

  原作にもコールモルデンの森のお話として存在していますが、アニメ版はかなり原作と話が変わっています。
 まずは原作がどういうお話だったのかご紹介しましょう。
 物語はニルスの旅の12年も前にさかのぼります。

 コールモルデンの森のそばの鉱山主の家にカルルという一匹の猟犬がいました。カルルは大変ないたずらもので、ある日遂に殺されることになってしまいました。
 殺される為に森番に森の奥に連れて行かれるとき、カルルも自分が殺される事に気付いていましたが、そのとき以前自分がいたずらをしてしまった母子の鹿のことを思い出しました。自分がちょっかいを出したがために母親の鹿は沼にはまって動けなくなり、子鹿のほうはまだ独り立ちできる状態ではなかったのです。
 森番の元から離れて、その沼地にいってみると母鹿は死んでいましたが、子鹿のほうは弱ってはいるもののまだ息があります。カルルは鹿の命を奪うつもりは全くなく、いたずらをしたことをひどく悪く思っていたので、せめてもの償いにこの子鹿の命を救おうと思い森番を呼びました。鹿の姿を認めた森番はカルルが鹿を助けようとしているのだと思って感心し、子鹿を連れて帰るとともに鉱山主にカルルの命を助けてくれるよう頼んでくれました。
 森番に命を救われたカルルは、その後決していたずらをしなくなりました。一方子鹿のほうは「灰毛(グローフェル)」と名前をつけられ、カルルと遊ぶうちにだんだん大きくなっていきました。
 ところがある日、鉱山主は外国に灰毛を売ることに決めてしまいます。これを知ったカルルは灰毛を脱出させました。
 森の中で生きていくことになった灰毛ですが、森番の元から逃げた直後うっかりメスの水ヘビを殺してしまいます。その夫「無頼」は灰毛に復讐する為、仲間のマムシを通じて鳥が毛虫を食べないようにさせました。
 それから数年後、大量発生した毛虫によってコールモルデンの森は壊滅状態。無頼は灰毛がこの森から出て行けば毛虫の害はおさまるといいます。結局灰毛はそれに従って森を出て行きました。事実このあと毛虫の害は納まっていきましたが、これは無頼が何かしたからではなく、実はあまりに毛虫があまりに増えすぎた為、病気が流行り、それによって毛虫が減ったからでした。
 そうとは知らない灰毛ですが、他の森で生活していくようになりました。
 さらにそれから数年たってやっとニルスが登場します。
 コールモルデンの森にやってきたニルスは、偶然このヘビの無頼を殺してしまいます。そこにワタリガラスのバタキがやってきて、わけを話してくれたのでした。
 このあとさらに話は続きがあります。バタキとニルスは無頼の死をカルルに教えてやろうと、ガンの群れに会いに来ていたカルルのところに向かいました。そこではアッカ隊長たちが昨年見た灰毛の最期の姿をカルルに話していたのです。灰毛は密猟者から仲間の鹿を守る為、自らおとりになって撃たれたのでした。

 アニメ版からは、ちょっと想像のつかない、かなりきついお話です。
 アニメ版では「ガンが肺ガンになったら」(グスタ)、「幸か不幸か急降下」(ラッセ)などのギャグの連発や、グンナーとスイリーのケンカなどコミカルなシーンが各所にあります。勿論原作どおり、ヘビのちょっぴり怖い復讐劇もあったりするのですが、私はこの話に限らずアニメ版ニルスのこうしたコミカルな面とシリアスな面のバランスのよさが素晴らしいと思っています。
 さて、一応突っ込み。
 グンナーも言っていますが「たった一日で毛虫が・・・」もっともです。原作では数年がかりだったのです。
 あとグレイスキンの処罰が追放一年ですが、過失傷害で1年!重すぎるような気が・・・。
 それと毛虫がカパカパ食べられてしまいますが・・・12話のコメントでも書いたように、肺呼吸でないからか「生きもの」の扱いを受けていないように思います。
 ところで、グレイスキンが閉じ込められていた柵は棒が斜めに立っていました。こういう形の柵はニルスのほかの話にもでてきますが北欧独特のものなのでしょうか?

第20話「ヘビの仕かえし」  ゲストキャラ紹介

 人間の元での楽な生活に慣れてしまった動物は、野生に戻るのが大変です。グレイスキンも森の生活に慣れるため、お母さんと一緒に様々な練習を始めます。グレイスキンは嫌がってお母さんから逃げ出してしまいますが、そのときメスのヘビの顔を踏みつけ大きなシミをつくってしまいました。でもグレイスキンはそのことに全く気付きません。
 さて、どうにか追いついたお母さんはまずは泳ぎの練習をグレイスキンにさせようとします。しかしなかなか水に慣れることができません。そこへアッカ隊長にモルテン、ダンフィン、そしてニルスたちがやってきました。
 ニルスたちと遊んでいるうちに、だんだん泳げるようになったグレイスキンは得意になって森中を走り回ります。すると突然目の前にヘビが現れました。ヘビはいきなりグレイスキンに森から出て行くようにいいます。このヘビは実はグレイスキンが踏みつけてしまったヘビの妹で、姉の恨みを晴らそうとしているのですが、ヘビを踏んだことをそもそも知らないグレイスキンはわけがわかりません。他人事のようにしているグレイスキンに腹を立て飛び掛ってきたヘビを投げ飛ばすと、グレイスキンはどこかに行ってしまいました。このままでは納まらないとヘビはある計画をめぐらします。
 翌日、グレイスキンは森のただならぬ様子に目を覚ましました。見ると、森のどの木も毛虫で一杯です。毛虫が大嫌いなグレイスキンは、とりあえずお母さんと一緒にもう少し森の奥のガンの群れのいる湖のところまで避難することにしました。
 暫く様子をみていると、森の動物達が大慌てで森の奥に駆け込んできました。聞くと、人間達がいきなり森の木を片っ端から切り始めたというのです。わけが分からず動物達が悩んでいると、昨日のヘビがやってきました。
 実はこれはヘビの仕掛けた謀略の結果だったのです。なんとしてもグレイスキンに仕返しをしたかったヘビはフクロウに持ちかけ、鳥達が毛虫を一切食べないようにさせたのです。その結果、毛虫が増えすぎて森を荒らし始めたので、人間が森を守る為に毛虫におかされた木を切り始めたのでした。
 とりあえずヘビの訴えを聞いた森の動物達は、グレイスキンに罪があることを認め、一旦追放の処分を出します。しかしニルスの弁護の結果、1年間の追放と決まりました。
 しかしこのままでは、1年後に森はなくなってしまいます。動物達は早速鳥達を呼び戻し、毛虫の掃討作戦をはじめるのでした。

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