○ストーリーダイジェスト3(9〜12話)

サブタイトル名及びあらすじ

管理人Tabiの余計なコメント    

第9話「はらぺこニルス」 ゲストキャラ紹介

 ある日、強い雨に遭遇したガンの群れは、少し早めに休息をとることにしました。ニルスとキャロットもいつも通りモルテンの羽の間にくるまって休んでいましたが、モルテンの寝相の悪さに辟易し、空腹であった事もあり食べ物を探しに行くことにします。
 群れを少しはなれて見れば、思っていた以上に近いところに町があります。町に行けば温かい食べ物と寝床にありつけるかも知れないとニルスたちは町に入り込みました。しかし人通りも多く、なかなか食べ物にはありつけません。それどころか子供達に見つかりそうになる始末です。
 それでも何とか先ほどの子供達の家の一つに入り込むことに成功しました。丁度食事時で食卓の上には温かいスープやパンが・・・ニルスもキャロットも大喜びでかきこみます。
 やがて満腹したニルスたちは、その家の子供部屋に忍び込みました。そこには机や文房具など自分の家を思い出させるものがならんでいます。懐かしさもあってつい気が緩んだのか、人間の家の中であるにもかかわらず遊び始めてしまいます。そこにその部屋の主の子供が帰ってきました。かつてニルスが妖精にしたように、その子供も網を持ってニルスたちに近づいてきます。あわやというところで、子供の存在に気がついたニルスは何とか逃げ出すことに成功しました。
 群れに戻るとき、ニルスはその人家にもう一度振り返ります。魔法にかけられる前の生活を、懐かしむかのように。

 原作にも雨の日にニルスが町を訪れるエピソードがあります。もっとも子供達に追いかけられたりする話はありません。ただ、魔法を解くにはモルテンと旅を続ければ良いという話を聞く場面は、原作ではこのエピソードに入っています。
 それにしてもニルスもキャロットも良く食べますねぇ。どうみても自分の体積以上のものを口に入れているように見えます。魔法をかけられて小さくされても、食物消化とカロリー消費はそれほど小さくなっていないのかもしれません(笑
 それと矛盾を感じたのが、ハンスの家で飼われている犬。ニルスは動物と話せる筈なのに、言葉が通じません。もしかしたら外国からの輸入犬だったのかもしれませんね(笑
第10話「レックスの悪だくみ」 ゲストキャラ紹介

 ツルの舞踏会の一件で仲間から追放されたレックス。しかしそれにもめげずニルス憎しと、執念深くアッカの群れを追い掛け回していました。そしてその甲斐あってついに待ち伏せに成功します。しかし様々な障害の為、やはりガンの群れを捕らえることはできません。
 一計を案じたレックスはテンを仲間にしてガンの群れを襲わせます。これには再度の攻撃を予期したニルスにより見張りを頼まれていたモルテンが負傷させられたものの何とか撃退に成功しました。そこでレックスは今度はカワウソを仲間に引き入れます。この様子を見ていたエメリックの知らせで、一行は危機を知りますがモルテンが負傷していて動けません。またこのときエメリックの失言からガンの群れがしつこく狙われるのは自分のせいだとニルスは知ります。責任を感じたニルスは単身レックス達に戦いを挑むのです。
 しかしやはり相手が3匹ではとてもかないません、ニルスは追い詰められてしまいます。今にも3匹のどれかに飲み込まれてしまいそうになったとき、ガンの群れの救援がやってきました。3匹は逃げ出しますが、それでもレックスはニルスを渡すようアッカを脅迫します。しかしアッカは仲間を見捨てるようなことはでないと、厳然と拒否するのです。 

 原作でもロンネビイ川の一件として、存在するエピソードです。ただ原作ではレックス(原作では「ずる」)は偶然アッカの群れと遭遇したようです。
 さて、ガンの群れの宿営地は崖の途中にある岩棚でしたが、カワウソの提案した上流から川を伝ってくるという案はどう考えてもうまくいきそうにありませんね。あの崖を上って岩棚にたどり着く前に気付かれるのが落ちでしょう。まだ上から再攻撃をかける方が成功の確率があるというものです。
 それと単身戦いに向かうニルス。あの崖をナイフ1本で登っていきましたが、命綱もなにもつけない、完全なフリークライミング。ニルスの身長からすれば、100メートル以上の崖を登りきったようなものです。彼はおそらく世界的なロッククライマーになれるでしょう(笑
第11話「あるく銅像」 ゲストキャラ紹介

 アッカの一行はとある港町に泊まることになりました。港に停泊する船をもっと見たくなったニルスは群れから離れ、キャロットと一緒に出かけます。
 港に向かう途中、街の広場でカルル11世の大きな銅像を見つけます。その様子があまりに威張っていたのでニルスはちょっとからかってみました。すると銅像は動き出し、地響きを立ててニルスたちを追いかけてきます。
 慌てて逃げ出すニルスですが、今にも捕まりそうです。そんな時木で出来たローゼンボムという人形がニルスたちに手招きをしています。近寄っていくと帽子の中にかくまってくれました。
 そこにカルル11世がやってきてニルスたちの行方を聞きますが、ローゼンボムは一行は港へ向かったとごまかしてくれます。しかしカルル11世が探すのを手伝うようローゼンボムに命令した為、ローゼンボムの帽子の中のニルスたちも含めて結局全員で港に向かうことになってしまいました。
 そのうちカルル11世に見つかったニルスたちは港にあった船の博物館に隠れます。模型の船の船員人形になったふりをしてやり過ごそうとしますが、カルル11世の目は誤魔化せません。その模型の船に近づくと息を吹きかけました。
 すると不思議なことに、船は大海原に乗り出してしまったのです。よく自体が飲み込めないまま、船員としての仕事をするニルスですが、見事な活躍をします。結局それはカルル11世がニルスに見せてくれた夢だったのですが、ここまでの活躍は予想していなかったようです。
 やがて目がさめたニルスは銅像のあった広場に戻って、カルル11世の銅像を見直します。気のせいか、それは昨夜よりも少し優しそうに見えたのでした。

 この話も原作にかなり忠実です。もっとも後半のカルル11世が見せてくれた冒険の夢の話はテレビオリジナルで、原作ではカルル11世たちと一緒に船の博物館で船の勉強をすることになっています。
 それにしてもニルスの運動能力は本当にすごいですね、ガンの群れが眠っていた建物の屋根から降りる手並みも勿論ですが、あの模型の船はガラスの水槽に浮かんでいました。周りに高い場所はありませんでしたからガラスをよじ登っていったのでしょう。スパ○ダーマンのようです(笑
 ニルスの妙な知識も指摘すべきでしょう。「面舵」が右に舵を切るという意味であることを知っている人は世の中にどのくらいいるでしょうか?
 あとカルル11世が追いかけてくるシーン。地響きがしていたりしていなかったりしますが、これはカルル11世の方で必要に応じて地響きを立てていたことにしましょう(笑
 ところでこの話で舞台になった「カールスクローナ」の町ですが普通の学校用の世界地図には出ていません。日本の呉や横須賀の様な町なのではないかと思っています。
第12話「モルテンの初恋」

 しつこいレックスを引き離す為、ガンの群れは本土沿いに北上するのではなく、一旦海を渡って島にわたり、それから北上することにしました。しかしその海を渡る途中、人間に銃で狙われてしまいます。危うくイングリットが犠牲になりそうになりますが、グンナーの勇敢な行動で助かります。しかしこれを見てニルスは悩みます。どうして人間は動物の命を奪うのだろう?落ち込んでいるニルスをアッカは、それは命の大切さを理解したのだからその気持ちを忘れないようにと優しく諭すのです。
 元気を取り戻したニルスが食べ物を探しに行って、群れに戻ってくるとモルテンがいなくなっています。ニルスとキャロットが探しに行き、やがて何処からともなく戻ってきたモルテンに会いますが、翌朝またモルテンはいなくなってしまいます。仕方なくニルスたちがまた探しに行くと、風車小屋の上に何かをせっせと運んでいるモルテンの姿を見つけました。風車小屋の上に上がってみると、そこにいたのはダンフィンというかわいらしいメスの灰色ガンでした。聞けばモルテンが、羽を怪我して飛べなくなり群れに置いていかれたダンフィンに食べ物を運んでくれていたのだといいます。しかしやはり飛べないダンフィンにいつまでもモルテンは付き添っている訳にはいかず、今別れを告げて飛び去ったところだというのでした。
 気の毒に思ったニルスはダンフィンが脱臼しているだけなのを知ると、何とか治してやろうとしました。しかし骨がはまった瞬間、ショックの為かダンフィンはぐったりとしてしまいます。死んでしまったのだと思ったニルスは自責の念に打ちひしがれます。昨日のアッカの言葉を思い出したのです。
 そこにモルテンがやってきました。ニルスはモルテンにダンフィンが死んでしまったと話します。驚いたモルテンは先ほどの風車小屋に駆けつけますがダンフィンの姿はありません。たまたまそこをうろついていたレックスの姿を見つけたモルテンは、ダンフィンはレックスに食べられてしまったに違いないと猛然と攻撃し、追い払ってしまいます。しかしダンフィンは無事でした、ニルスの治療のおかげで飛べるようになっていたのです。
 元気になったダンフィンを仲間に加え、ガンの群れはさらに北を目指していきます。

 エーランド島でのエピソードとして原作にもあるお話です。ダンフィンとの出会いもほぼ原作どおりです。
 さて、この話は突込みどころが多くて何処から突っ込みを入れればよいのか困ってしまいます(笑
 まずセリフから。話の冒頭でアッカが相談を持ちかけたギザギザ眉毛のガンがいましたが、「今私達がいるところをここだとします」。「だとします」もなにもここにいるんじゃないですか!(笑
 あとニルスが風車小屋の上でダンフィンを見つけたときの「君は今朝の」。一夜明けてます、昨日です(笑
 あげあし取りはこのくらいにして、次。
 アッカから命の大切さを知ったことを大事にしなさいといわれた直後にニルス、貝をぶち砕いています(笑。食べる為なら問題ないということなのでしょうが、この他のストーリーを見ても全体にアニメ版ニルスでは「生命」として扱われているのは肺呼吸をしている動物だけのような気がします。ついでに言うなら、アッカの「どんな場合でも、他のものの命を奪うことは決して許されることではありません」というセリフ。大変な名ゼリフだとは思いますが、「飢えを満たす為の場合を別として」といった保留が欲しかったと思います。
 それにしても貝の身を入れていた網袋、随分とよくできていました。ニルスがそのあたりに転がっていたもので作ったのでしょうが、器用ですね(笑
 そしてこの話最大のツッコミどころ。モルテンにダンフィンのことを詰め寄られたときのニルスの対応。とっさに近場にいたレックスに責任転嫁をしてしまいますが、これは文字通り「濡れ衣を着せた」のではないでしょうか?(笑
 それとダンフィンの脱臼をニルスが治していますが・・・彼は接骨士にもなれそうですね。家で家畜の脱臼を治したことがあったのかもしれませんが。
ところでダンフィンはなぜ怪我をしていたのでしょうか?実は原作ではこれがきちんと語られています。もう少し後の話に絡んでくるので、これはそのときにお話します。

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