○ストーリーダイジェスト11(41〜44話)
サブタイトル名及びあらすじ |
管理人Tabiの余計なコメント |
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第41話「湖の火まつり」 ゲストキャラ紹介 ある森の上を飛んでいたときのことです。ニルスは子供たちが大勢でガラクタを集めてなにかしているのを見つけました。アッカ隊長の注意を受けるのもそこそこに、早速様子を見に行きます。同年代の子供たちが何かしているとあっては気にならないはずがあありません。件の場所についてみると、子供たちがワイワイとガラクタを集めては積み上げて、何かの準備をしています。同年代の子供たちを間近に見るのが久しぶりのニルスは、じっとその様子を眺めていました。 |
原作ではラプランド到着のはるか前、ゴルゴと出会うのよりも更に前に、「ヴァールボリィ祭りの夜」としてこうした火祭りのお話が出てきます。 ですが勿論ニルスがそれを見て影響を受けて騒ぎを起こす事もなければ、フクロウの子が迷子になることもありません。むしろこのお祭りでニルスが聞いたお話のほうがメインになっているようです。 さて、アニメ。 この話ではアッカ隊長の慈愛にみちた母親のような態度に注目したいと思います。時には優しく、必要な時には厳しく。こんな優れた指導者、いや母親は決して多くないでしょう。 また、「動物と人間の違い」という指摘にも考えさせられます。アニメニルスではニルスと動物達の境界が希薄な感じがすることがありますが、あくまでニルスは「人間」であって動物では無いのです。単なる動物アニメとの違いを感じさせます。 教育色豊なこの話ですが、やはり突っ込ませて下さい(笑 フクロウがまた猛禽らしからぬのはもう放って置くとして、ニルスが捜索に使った火。ニルスの縮尺から考えればマッチ棒に火をつけたようなものでしょうが、あれほど明るくないでしょうし、あれほど長くもたないでしょう。 それにあんなに簡単に見つかるのも・・・、まぁモルテンに乗っている事ですし32話では、山火事の中一人で迷子のヤマネを見つけるくらいですから、あれよりは簡単だったのかもしれません(笑 最後に、これはツッコミではありませんが、火を消す為にニルスが走り回っているシーン。チョッキを脱いでいますが、全編通してニルスがチョッキを脱いでいるのは、最終話のパジャマ姿を別にするとこのシーンだけです。ある意味珍しいですね。 |
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第42話「森をつくった大男」 ゲストキャラ紹介 シトシトとふる雨に悩まされたニルスとキャロットは、雨をしのぐ為にガンの休息地の近くにあった展望台へ向かいます。どうにか雨宿りが出来そうですが、そこに同じように雨宿りをしに人間の兄弟がやってきました。見つからないようにもの影にかくれて様子をうかがっていると、兄弟のうちもっとも年長のお兄さんが退屈しのぎに話を始めました。 |
帰路はあまり大きなイベントもなく、こうした前後のお話とほとんどつながりのない話が続きます。でも私はこういうのが結構好きです。 今回の話は原作の「イェムトランドの伝説」が殆んどそのままアニメになっています。原作がそのままアニメになっているのは久しぶりでしょう。もっとも巨人が最後に兵士に種明かしをしていたり、この話のイベントは第40話の元になるイベントよりも前に起こっていることだったりという様々な違いはあります。 さて、アニメのほうですが、まず注目したいのは冒頭のグスタの目から見た各家庭の子育て情況ですね。ここまでの話の中でも各家庭の情況は時々描かれていましたが、あいかわらずである事を見ることが出来ます。モルテンの「ひがむなチョンガー」という発言には笑ってしまいますが(笑。アッカ隊長の「今のところ気楽なのはあなただけでしょ」というセリフも笑いを誘います。 さて、ツッコミどころですが・・・ツッコミというより不自然さを感じるシーンがひとつあります。展望台に登っていくニルスとキャロットですが、どうしてわざわざ階段をよじ登っていくのでしょう。階段の両端にある(彼らの視点から見た)坂を登っていくほうが楽に見えるのですが。雨で滑りやすかったのでしょうか? 次にDVDBOXをお求めになった方。この42話を収めたDVD第10巻のケースのイラストをよく見て下さい。これは明らかに40話の最後のシーンで、アッカ隊長たちが迎えに来たのを見上げているところなのですが、よく比べてみるとニルスの顔がアニメと違います。ケースの為に描き直したのでしょうか? |
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第43話「ニルスの子守」 ゲストキャラ紹介 ある湖でガンの群れが一休みしていると、人間の子ども達が家畜の番をしながらそばを通りかかりました。4人の子供たちのうち1人はまだヨチヨチ歩きの赤ん坊です。 |
完全アニメオリジナルエピソード。しかし子供たちが生まれてから久しく見られなかったニルス、モルテン、キャロットの「一人と1羽と1匹」の連携プレーが楽しい43話です。 ニルスはともかく、キャロットやモルテンの行動が「動物のはずなのに」などと突っ込んでいたら、このお話は成立しないので放って置くとして、まず注目したいのはニルスの面倒見のよさですね。転んだ時のおまじない、ヤギのおっぱいの飲み方指導、小鳥やカエルへの子守唄の依頼・・・アッカ隊長の言葉ではありませんが「随分成長したものです」 また焚き火に点火するためにマッチをするシーン。見事なフォームに「ナイスショット」と声をかけてあげたくなりますね(笑。 ところでここで使われたマッチ。情況から見て、どこで擦っても火がつく「黄燐マッチ」ないしは「硫化燐マッチ」のようですが、前者の黄燐マッチは黄燐に毒性があり、またどこで擦っても点火するという点で安全性に欠けることから19世紀半ば頃から黄燐を使わないマッチの開発が進められており、1855年にはスウェーデンの会社が黄燐ではなく赤燐を用いた「安全マッチ」の発売を開始しています。 もっとも「どこで擦っても火がつく」という便利性も惜しまれた事から、毒性の少ない「硫化燐マッチ」が19世紀後半に登場します。 ニルスたちが旅をした20世紀前半という時代では「どこで擦っても火がつく」マッチとして存在するのは「硫化燐マッチ」なわけですが、「安全マッチ」のお膝元スウェーデン国内ではあまり多く存在していないはず。洞穴の中に未使用のマッチが残っていること自体幸運なのに、それが更に硫化燐マッチだったというのは幸運が重なったとしかいいようがないですね。 マッチの話が長くなりましたから突っ込みは省略。 ところでニルス、モルテン、キャロットのコンビのみで空を飛ぶ機会というのは意外と少なくて、この話の帰路はその数少ない機会のひとつです。オープニングアニメーションの撮影(?)はこの話で行われたのでしょうか?(笑 |
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第44話「閉じこめられたバタキ」 ゲストキャラ紹介 ちょっとお疲れ気味のニルスは、遠い雷の音に目を覚ましました。どうやらモルテンの背中で眠ってしまったようです。現在地を訪ねるとアッカ隊長が古い鉱山の町だと教えてくれました。好奇心の強いニルスは興味津々。そのときワタリガラスのバタキの姿を認めました。バタキもニルスのように好奇心が強く、この鉱山の町を飛び回っていたのです。 |
44話は、原作にあるファールン鉱山についてのスウェーデン民話を元にしたお話しです。原作では「男の子のわけまえ」という名称で登場するイベントですが、原作とは色々な違いがあります。 まずイベントの発生が41話の元になった「ヴァールボリィの祭りの夜」よりももう少し前です。第22話「森を追われるふたごのクマ」の元になる「ベリイスラーゲルナの出来事」の少しあとですから、このあたりの時系列はアニメと原作でだいぶ違うことになります。そもそも原作の場合、ラプランドからスコーネへの帰路に出発してから物語が終わる部分までの長さは全体の約15%に過ぎません。アニメではこの部分は全体の25%を占めるのですから、お話が原作と前後するのは当然です。 時系列の流れだけでなくお話の内容も若干異なっています。 まずバタキが小屋に閉じ込められるのは同じなのですが、そのバタキに頼まれてニルスを呼びに行くのは、なんと23話で登場したアガール(原作ではアーガル)なのです。その他の違いとしては、小屋の壁がレンガではなく木で出来ていたり、ニルスが使った道具が釘ではなくノミだったりするのですが、この程度は些細な違いでしょう。 次に伝説の内容ですが、別に「男の子の分け前」という名称だからといって、巨人の子どもが男の子であるわけではありません。ただ当時はスウェーデンでもやや男尊女卑の傾向があったらしく、男性の方が女性よりもより多い相続を受けられたようです。そして姉娘のほうが父親の約束を良く守る、つまり人間を遠ざけるということで妹の分の約2倍の「男の子分け前」を与えられたのでしょう。男女同権のイメージが強い北欧でも、昔はこうした傾向があったことは興味深い点です。 その他の違いとしては、妹の分の鉱山を見つけた農夫のヤギ(原作では「コーレ」という名前がついています)は妹に殺されてしまいます。また姉の鉱山を見つけてしまったものにかけられる呪いは相当おぞましいものです。 アニメではこうしたポイントについて子供向けに、相当お話を和らげてあるわけですが、これはこの話に限らずアニメニルスにはよくある傾向です。 まだ違いはありますが、キリがないのでこのあたりまで。 さて、アニメのニルス。人間の子どもと糸の引っ張り合いをしていますがニルスの体の大きさからいって絶対に勝ち目の無い勝負。子どもが相当手加減していたのでしょうか?それと小屋の壁のレンガ、余りにもヤワ過ぎませんか?あれでは普通の人間がカナヅチで叩こうものならすぐに崩れてしまいそうです。 お話にツッコミを入れるべきポイントはこのくらいでしょうが、最後まで見通したときに気付いた事。このお話ではレギュラー陣のセリフが殆んどありません。ニルスとキャロットを別にすると、あとはアッカ隊長とラッセだけ。モルテンにすらセリフがないのはちょっと驚きです。 |