砒素不溶化処置及び拡散防止処置完了報告書
工事概要
発注者 株式会社◎◎◎◎
請負者 株式会社□□□□
工事件名 △△△△△△ビル 砒素不溶化処置及び拡散防止処置工事
工事場所 東京都××区××××丁目
工事目的 ビル事業用地における油分汚染土と重複している砒素土壌汚染土の不溶化処理及びその他の汚染土(砒素、フッ素、鉛、六価クロム)の汚染拡散防止処理。
工事内容 .
. . 1現地浄化
. . 2)処理土量
 鉱物油と砒素が重複する汚染範囲において、砒素1,0003に対し不溶化処理する。
施工期間 平成17年221日 〜 平成17年3月14
工事担当 .
. 施工管理 株式会社 シビル 永田 正
. . 東京都目黒区八雲3-6-8 TEL03-5731-9550   FAX03-5731-9553
. 調査 神奈川地質 株式会社 (指定機関番号:環2003−2−241)

目 次
1.施工の概要 1
2.今後の土地利用計画 2
3.調査結果、汚染範囲及び不溶化範囲 3
4.汚染土量の確定 7
5.汚染処理の方法 8
6.対策完了の確認調査方法 10
7.対策期間中の環境保全対策 11
8.汚染土の搬出 12



1.施工の概要

本工事は、東京都××区に位置し、ボイラーや危険物取扱所を含む事業場として利用されていた敷地であるため「東京都環境確保条例第116条第1項」「対策指針」及び「××区土壌汚染防止指導要綱・指針」に基づき土壌汚染状況調査を行った、その結果提出した「汚染拡散防止計画書」(××区届出済第92号、平成17218日)に基づき施工を実施した。

2.今後の土地利用計画

ビルを解体した後、事業用地をビル事業に返還する。その後の土地利用計画は、まだ未定である。しかし、返還した後は××場の一部となり、コンクリートフェンスで囲われ外部と完全に遮断される。


3.調査結果、汚染範囲及び不溶化処理位置

調査結果に基づいた汚染範囲図及び不溶化処理位置図を以下にまとめた。

-3.1は表層土壌の汚染範囲図、図-3.2は深度方向の汚染範囲図、図-3.3は不溶化処理位置図である。又、表3-1汚染結果表にまとめた。

表3-1汚染結果表

名  称

位  置

面積(m2)

深度(m)

汚染土量(m3)

不溶化


砒 素

A3-7

100.0

1.0

100.0

 

B3-a

100.0

1.0

100.0

C2-a

100.0

1.0

100.0

 

C2-c

100.0

1.0

100.0

 

C2-d

100.0

1.0

100.0

C2-e

100.0

1.0

100.0

C2-f

100.0

1.0

100.0

C3-4

100.0

1.0

100.0

B7-b

100.0

2.0

200.0

 

合計

 

1,000.0

500.0


フッ素

A4-3

100.0

1.0

100.0

 

A4-4

100.0

1.0

100.0

 

A4-5

100.0

1.0

100.0

 

A4-6

100.0

1.0

100.0

 

B4-1

100.0

1.0

100.0

 

B4-2

100.0

1.0

100.0

 

B4-3

100.0

1.0

100.0

 

B4-4

100.0

1.0

100.0

 

B4-5

100.0

1.0

100.0

 

B4-6

100.0

1.0

100.0

 

B4-7

100.0

1.0

100.0

 

B4-8

100.0

1.0

100.0

 

B4-9

100.0

1.0

100.0

 

D4-3

100.0

1.0

100.0

 

D4-6

100.0

1.0

100.0

 

A4-b

100.0

5.0

500.0

 

A4-c

100.0

3.0

300.0

 

A5-5

100.0

4.0

400.0

 

B5-1

100.0

4.0

400.0

 

B5-2

100.0

4.0

400.0

 

B5-7

100.0

4.0

400.0

 

B5-8

100.0

4.0

400.0

 

A7-a

100.0

0.5

50.0

 

合計

 

4,350.0

 


A5-c

100.0

1.0

100.0

 

A7-c

100.0

1.0

100.0

 

A7-d

100.0

1.0

100.0

 

合計

 

300.0

 

六価クロム

A7-d

100.0

1.0

100.0

 

合計

 

100.0

 

 

5,750.0

 



4.汚染土量及び処理土量

 1)不溶化処理土量(フッ素)

名  称

位  置

面積(m2

深度(m)

汚染土量(m3


砒 素

B3-a

100.0

2.0

200.0

C2-d

100.0

2.0

200.0

C2-e

100.0

2.0

200.0

C2-f

100.0

2.0

200.0

C3-4

100.0

2.0

200.0

合計

 

 

1,000.0



 2)拡散防止土量

名  称

位  置

面積(m2

深度(m)

汚染土量(m3


砒 素

A3-7

100.0

1.0

100.0

C2-a

100.0

1.0

100.0

C2-c

100.0

1.0

100.0

B7-b

100.0

2.0

200.0

合計

 

500.0


フッ素

A4-3

100.0

1.0

100.0

A4-4

100.0

1.0

100.0

A4-5

100.0

1.0

100.0

A4-6

100.0

1.0

100.0

B4-1

100.0

1.0

100.0

B4-2

100.0

1.0

100.0

B4-3

100.0

1.0

100.0

B4-4

100.0

1.0

100.0

B4-5

100.0

1.0

100.0

B4-6

100.0

1.0

100.0

B4-7

100.0

1.0

100.0

B4-8

100.0

1.0

100.0

B4-9

100.0

1.0

100.0

D4-3

100.0

1.0

100.0

D4-6

100.0

1.0

100.0

A4-b

100.0

5.0

500.0

A4-c

100.0

3.0

300.0

A5-5

100.0

4.0

400.0

B5-1

100.0

4.0

400.0

B5-2

100.0

4.0

400.0

B5-7

100.0

4.0

400.0

B5-8

100.0

4.0

400.0

A7-a

100.0

0.5

50.0

合計

 

4,350.0


A5-c

100.0

1.0

100.0

A7-c

100.0

1.0

100.0

A7-d

100.0

1.0

100.0

合計

 

300.0

六価クロム

A7-d

100.0

1.0

100.0

合計

 

100.0

 

5,250.0

重複分

A7-d(鉛・六価クロム)

-100.0

1.0

-100.0

総計

 

5,150.0



5.汚染処理の方法

(1)不溶化処理

B3-aC2-dC2-eC2-fC2-a、の5箇所は、××土壌汚染防止指導指針により、鉱物油の汚染が確認され、その汚染処理を行う為、砒素の汚染範囲と重複する。

そこで、鉱物油の汚染処理については、掘削除去し石灰と混合し鉱物油を除去する。また、砒素の汚染処理については、塩化第二鉄による方法で処理をする。原理は、砒素の土壌全体が塩化第二鉄によって酸化され、砒素がヒ酸に変化する。さらに、このヒ酸(H3AsO4)に塩化第二鉄(FeCl3)が反応して、ヒ酸鉄(FeAsO4)が沈殿する。ヒ酸鉄は、スコロド石(FeAsO422O青緑色結晶)として天然に存在するものになり、不溶化処理された土壌となる。化学式は、以下のとおりである。

3AsO4+FeCl3=FeAsO43HCl

不溶化処理された土壌は、埋め戻し完了後、砕石を厚さ50cmで覆い飛散防止処理を施し完了した。

施工図を図5-1に示す。



(2)拡散防止

今回の調査で検出されたふっ素、六価クロム、鉛及び鉱物油と重複していない砒素に関しては、××場跡地の土地利用計画が未定である。また、××場の一部であるため、コンクリートフェンスで囲われ外部と完全に遮断される。

よって、今回確認された汚染土に関しては、処理は行わず、現状のままとする。ただし、汚染土壌の上に50cmの厚さで砕石を敷き均し、飛散防止措置を取った。


3)砒素不溶化配合設計

今回採取した土壌中で砒素の溶出量値が一番高かった(0.016mg/?)土壌を使用して配合設計を行った。一般的には対象土量の5%〜7%の塩化第二鉄溶液を加えると不溶化できることより、配合設計は塩化第二鉄溶液量を3%、5%、7%で行った結果3%でも溶出量値0.005mg/L未満となったが、現場作業等を考量して対象土量に対し塩化第二鉄溶液量を5%混入することで実施工を行った。(土量13に対して塩化第二鉄37%溶液を135?混入。)


6.対策完了の確認調査方法

不溶化処理後の確認調査は、以下のとおりとした。

@  不溶化した土壌の概ね1003ごとに、5箇所から100gずつ採取して均等に混合した試料について測定し、土壌溶出基準に適合することを確認後、土壌を掘削した場所に埋め戻した。

砒素溶出検査結果を表6-1に示す。


A  指定区域の外に不溶化した土壌が飛散等しないように、土壌の上に50cmの厚さで砕石を敷き均し、飛散防止措置を取った。

6-1砒素溶出検査結果表

採取累計(m3

採取日

検査値(mg/L)

.

基準値(mg/L)

100.0

17/2/21

0.005未満

0.01

200.0

17/2/21

0.005未満

0.01

300.0

17/2/22

0.005未満

0.01

400.0

17/2/22

0.005未満

0.01

500.0

17/2/22

0.005未満

0.01

600.0

17/2/23

0.005未満

0.01

700.0

17/2/23

0.005未満

0.01

800.0

17/2/24

0.005未満

0.01

900.0

17/2/24

0.005未満

0.01



7.対策期間中の環境保全対策

処理機械はクローラー式で移動が可能な為、出来るだけ原位置で施工し、原位置に埋め戻すように施工した。

また、掘削後は速やかに施工し、汚染土の仮置き期間を極力短くするとともに、風による飛散防止に努めた。


8.汚染土の搬出

汚染土の搬出はありません。


株式会社
 シ ビ ル


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