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MOTHER

ロブの絵日記帳

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6日目〜10日目

 6日目

夢の国のクイーン

山の洞窟の向こうに、ピンク色の国がありました。
地面はピンク色の雲、
建物はピンク色の巻き貝、
人はトンガリ帽子に長いローブ、
泳ぐ猫や地面を泳ぐ猫までいました。
だけどみんな言葉は通じて、
みんないい人で、ドキドキしました。

マジカントという場所だそうです。
ピンクのロウソクのようなお城がありました。
入ってみると、中はキレイなエメラルド色でしたが、
どうしてでしょうか、僕は泣きたくなりました。
この国の女王様、クイーンマリーにも
優しい言葉をかけてもらいましたが、
僕はずっと泣きそうでした。
女王様は歌を思い出せなくて苦しいそうです。
僕は女王様のために、歌を探してあげたいと思いました。

お城の裏手には、半分鳥で半分人間の、
フライングマンという人たちが住んでしました。
僕の力になる、と言って一人ついてきてくれました。
でも途中で切り株のお化けや緑の熊に襲われて、
僕をかばったフライングマンは死んでしまいました。
僕はまた泣きそうになりながら、
他のフライングマンにこのことを知らせに行きました。
家の横には、もうお墓ができていました。
フライングマンガ死んでしまったことを
声を絞り出して伝えると、
なんと「今度は私の番です」と言って、
別のフライングマンガついてきてくれてしまいました。
もういいよ、もういいよと言ってもついてきます。
彼も途中で、僕をかばって死んでしまいました。

僕は早くここを出たくなって、
なんとか地下大河から出る道を見つけだして、
ピンクの雲の世界じゃない場所に出ました。
しばらく歩くと、そこは隣町のサンクスギビングでした。
戒厳令が解かれたら行ってみたいと思っていた場所ですが、
今はとにかくお母さんに会いたくて、
僕は自分の家に帰ってオムライスを食べて寝ました。

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 7日目

ついて来ねぇ……

一晩寝て元気になったので、
今日はサンクスギビングに行ってみました。
町のはじっこを歩いていたら暴走トラックに襲われて、
排気ガスをはきかけられ、
ぜん息の発作が出てしまいました。
苦しくて何も出来ないでいる間に、
トラックにはねられて病院送りになりました。
気を取り直してもう一度行ってみましたが、
もう一度同じ目に遭いました。

もうはじっこを歩くのはやめよう、と決めて、
とりあえず小学校を見に行って来ました。
用務員さんの話を聞いていたら気に入られて、
屋上を見せてくれると言うので行ってみると、
屋上にはガタゴト動くゴミバケツがあって、
なんと中から男の子が出てきました。
頭いいけど弱虫でいじめられっ子、と噂されていた、
ジェームスみたいです。
「ぼく、スイートリトル工場にあるって言う
ペンシルロケットを飛ばしてみたくってさ。」と言うので、
よし一緒に取りに行ってあげようと思ったのですが、
振り返るとついて来ていません。
……あー、僕に取ってこいってことか。

優しい僕は、ネズミだらけの工場から
ペンシルロケットを取ってきてあげました。
喜んだジェームスは理科室で同じものを作ろうとして、
失敗して理科室を無茶苦茶にしてしまいました。
でも全然めげずに、今度はダンカンさんの大工場にある、
本物のロケットをとばそうと言って
僕をひっぱっていきます。
根性はあるっぽいです。

でもあんまりにひ弱で、
今の狂ったこの世の中を生き抜けないようです。
僕はパパに振り込んでもらったお金をはたいて
マジカントでコインと腕輪とペンダントを買ってあげ、
ついでにデパートでブーメランまで買ってあげました。
それでもすぐに倒れるので、
彼を病院に迎えに行って入院費を払ってあげて
も一回工場に行って……
を何回繰り返したでしょうか。
工場の中で道に迷いまくったこともあって、
ロケットを飛ばして戻ってきた頃には、
さすがのジェームスも戦いに慣れて、
だいぶ頼もしくなっていました。
昨日までの僕よりもたくましいくらいです。
もちろん僕は、それより更にたくましくなったのですが。

お金も手もかかる友達で先が思いやられますが、
やっぱり一人じゃないというのは、いいな。
ピッピがいたときを、ちょっと思い出しました。

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 8日目

スノーマンの女の子

昨日ジェームスがうっかり飛ばしてたロケットのおかげで、
線路を塞いでいた大岩が粉々になり、
電車が通るようになりました。
おもしろそうだったので、二人で電車に乗りました。
とりあえず、一番近くの駅でいいやと思い、
レインディアに行ってみると、
駅ででおばあさんにおつかいを頼まれました。
忘れ物のピンクの帽子を、
スノーマンの女の子に届けて欲しいそうです。
スノーマンも一度行ってみたい場所でしたし、
どんな女の子か興味があったので、
僕らはスノーマンに向かいました。

視界のほとんどがこんなに白で埋まったのは、
生まれて初めてです。
スノーマンは本当に雪に埋まった町でした。
いろんな人に風邪をうつされて、
倒れるんじゃないかと心配になりましたが、
まぁなんとかなりました。
帽子の持ち主、エマちゃんは、
町はずれの教会に住んでいるそうです。
途中の道のりでオオカミやシロクマに襲われて、
こんな所に住んでいるなんて
さぞかしたくましい子に違いないと思いました。

……でも実際に会ってみると、エマは、
なんていうか、すごく、えーと……
僕はうまい言葉を知りません。
とにかく、すごく、あぁいいな、と思いました。
なんでかエマは僕のことを知っていました。
いなくなったお母さんを捜すのに、
僕の力が必要だといいます。
僕は、クイーンマリーのときと同じように、
彼女を助けてあげたい、ととても思いました。

とりあえずイースターに向かおう、というので
サンタクロース駅に戻ろうと思いましたが、
エマは教会から出てすぐ、
オオカミに襲われて入院してしまいました。
今までどうやって生活していたんでしょう。
僕は昨日と同じように、
腕輪やブーメランやコインなんかを買ってあげ、
何度も何度も病院に迎えに行き、
自分を守る彼女の代わりに敵を倒してあげて、
やっとの思いでイースターにたどり着きました。
今日はもうへとへとなので、
着いてすぐ休みました。

友達ってものは、なんにせよ
大変なものなのかもしれない、と
僕は昨日と今日で思いました。

そういえば、今日は途中レインディアで、
山の上のおじいさんの入れ歯を見つけてあげて、
山のようにうがい薬をもらいました。
ガラガラガラ ペッ

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 9日目

がんばれジェームス

なんだかイースターは大変なことになっていました。
街のおとなたちがみんな、
空飛ぶ船に連れ去られてしまったそうです。
エマのお母さんもいませんでした。心配です。
残っている子どもたちが、とっても一生懸命で、
なんだか余計に悲しいです。
でもいきなり、エマに向かって「おねえちゃん、オッパイ!」
と言うのはどうかと思いました。
みんな小さいのですが、中でも一番幼い、
ガリクソンさんのとこの赤ちゃんは、
不思議な赤ちゃんでした。
僕とエマに、テレポーテーションを教えてくれたのです。
あの赤ちゃんが大きくなったらどうなるのか気になりました。

この街の子たちのためにも、僕らは東の湿地帯を抜けて、
ホーリーローリーマウンテンに向かうべきなのでしょうが、
まだちょっと早い気がします。というか怖いです。
そういえば、ハロウィンの街にまだ行ってませんでした。
と都合良く思い出したので、
いったんテレポーテーションでレインディアに行って、
ハロウィンまで電車で行きました。
駅を出てみると、誰もいません。
町中でもUFOや宇宙人が襲ってきます。
どうしちゃったんだこりゃ。
しばらく歩いているとホテルをみつけましたが、
フロントにいた怪しい男はスターマンでした。
叩きのめしてさらに奥に進むと、
ようやく人がいました。
なんだか、ここはここで大変らしくて、
町中にお化けがでるようになってしまったそうです。
……僕は、あまり、お化けは好きじゃないです……
引き返そうかと思ったのに、街一番の金持ちという
ローズマリーさんの娘さんに、
屋敷のカギを押しつけられてしまいました。
屋敷の幽霊をどうにかして欲しい、ということみたいです。
僕は嫌々ながら、行ってみました。
案の定、中では幽霊たちが群をなして襲ってきます。
そのうえ、何を考えて作ったんだこんな家、
と言う感じの構造で、迷いに迷いました。
独りでに鳴るピアノを見つけて、もう限界だと思いました。
幽霊は相変わらず出るみたいだけど、僕らは引き返しました。
でも途中でエマが血みどろゾンビにKOされて、
僕はバイオコウモリに石にされてしまい、
気がついたらヒーラーさんの家でした。
あの暗くて怖くて大変な館を、
ジェームスは一人で、石になった僕を連れて、
出てきてくれたんだと思うと、ちょっと感動しました。
ジェームスもたくましくなったものだなぁ……
ちょっと親心というものがが分かりました。

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 10日目

ADVENT DESERT

ホーリーローリーマウンテンに向かう前に、
もう一つ心残りだった、
砂漠の飛行機に乗ることにしました。
前に見かけたときから気になっていたのですが、
僕はお金をあまり持ち歩かない主義なので、
そのときは乗れなかったんです。
でも今日はちゃんとお金をおろして行きました。
憧れの空の旅!
古い飛行機でちょっと心配でしたが、
全部のコースを乗らずにはいられません!
でもおじさんは、チケットの半券をくれて、
持ち物がいっぱいだと乗せてくれないのです。
僕は何度かうちに帰って、
妹に荷物を預けてまた行って、
を繰り返しました。
こんなときにかぎって、敵の落とした
ビームを拾っちゃうんだから大変です。
3つのコースを乗り終えるましたが、
「半券10枚で戦車に乗れる」と言うので、
もう一度家に帰って荷物を減らして、
再びAコースに乗りました。
2枚、半券があまりました。

戦車の中は、暑くて狭くてほこりっぽくて、
ちょっと大変でした。
ジェームスは気持ち悪くなっていました。
途中で大きなロボットに会って、
ドンパチやってたら戦車が壊れました。
おじさん、ごめんなさい。
大事な戦車、本当にごめんなさい。
胸が痛いです。

でもその先に、変な遺跡があったので、
僕らはそこに入ってみました。
中には変な猿がいっぱいいて、
みんな嘘つきだというけれど、
嘘なのかどうかもよく分からない感じでした。
奥へ奥へ進んでみると、
なんとペンギンが一羽いました!
なんでペンギンが。
でもペンギンは好きなので、とても和みました。

さらにさらに奥へ行くと、
なんでか僕らはマジカントにいました。
なんの遺跡だったんでしょうあれは。

そうそう、今日は途中で、
サボテンが歌うのを聞きました。
ジェームスはテレパシーができないので、
サボテンの歌声が聞こえなくて、
悔しがっていました。

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