山の洞窟の向こうに、ピンク色の国がありました。
地面はピンク色の雲、
建物はピンク色の巻き貝、
人はトンガリ帽子に長いローブ、
泳ぐ猫や地面を泳ぐ猫までいました。
だけどみんな言葉は通じて、
みんないい人で、ドキドキしました。
マジカントという場所だそうです。
ピンクのロウソクのようなお城がありました。
入ってみると、中はキレイなエメラルド色でしたが、
どうしてでしょうか、僕は泣きたくなりました。
この国の女王様、クイーンマリーにも
優しい言葉をかけてもらいましたが、
僕はずっと泣きそうでした。
女王様は歌を思い出せなくて苦しいそうです。
僕は女王様のために、歌を探してあげたいと思いました。
お城の裏手には、半分鳥で半分人間の、
フライングマンという人たちが住んでしました。
僕の力になる、と言って一人ついてきてくれました。
でも途中で切り株のお化けや緑の熊に襲われて、
僕をかばったフライングマンは死んでしまいました。
僕はまた泣きそうになりながら、
他のフライングマンにこのことを知らせに行きました。
家の横には、もうお墓ができていました。
フライングマンガ死んでしまったことを
声を絞り出して伝えると、
なんと「今度は私の番です」と言って、
別のフライングマンガついてきてくれてしまいました。
もういいよ、もういいよと言ってもついてきます。
彼も途中で、僕をかばって死んでしまいました。
僕は早くここを出たくなって、
なんとか地下大河から出る道を見つけだして、
ピンクの雲の世界じゃない場所に出ました。
しばらく歩くと、そこは隣町のサンクスギビングでした。
戒厳令が解かれたら行ってみたいと思っていた場所ですが、
今はとにかくお母さんに会いたくて、
僕は自分の家に帰ってオムライスを食べて寝ました。 |