ツバがない帽子の代表は、やはりベレー帽。ベレにもいろいろありますが、みなさんが「ベレー帽」と言われて最初に思いつくものは、おそらくバスク・ベレと呼ばれるものでしょう。丸くて平らな、小さいやつがそれです。これは、フランスのスペイン国境近くにある、バスク地方の農民がかぶっていたもの。
他にも、バスク・ベレよりももっとたっぷりしとした、タモンシャーと呼ばれるものなどもあります。
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頭にぴったりしたこの小さな帽子のことを、フランス語ならキャロット、英語ならスカル・キャップと呼びます。元々は、王族や聖職者達がその地位や階級を示すためにかぶったものだそう。クラウンだけの単純な形ですが、そこはかとなく気品があります。
頭にちょこんと載せるような感覚で被るのが、この「トーク(トック)」です。皇族の女性や上流階級の婦人方がかぶっていそうなイメージのあれ。ベールやスカーフ、羽根などと組み合わせることが多くあります。
ちなみに、「銀河鉄道999」のメーテルがかぶっている、あの黒い毛皮帽子も、典型的なトークの形の一つです。
布を頭に巻き付けている型の帽子をチュルバンと言いますが、ターバンと言えばそれがどんなものかすぐにイメージがわくでしょう。インドのシーク教との男性つけている、布の頭飾りがその起源。歴史は古く、色や巻き方で、その身分や出身地、宗教なども分かるそうです。
ナポレオンの時代に女性の帽子に取り入れられて以来、布の美しさを活かした帽子として定着しました。
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