Ⅳ、県民が安心して子育てを続け、青少年、成人が豊かな文化・スポーツを享受できる教育・文化・スポーツ行政を求めて
1.子どもの権利に関する要求
(1)子どもの権利条約に基づいて
①憲法19条「思想・良心の自由」、20条「信教の自由」、21条「表現の自由」に照らして、卒業式・入学式における「日の丸」「君が代」の強制をやめ、「国歌斉唱」時の起立が強制ではない旨の告知を生徒・保護者に対して行ってください。
②子どもを主人公に考え、憲法、子どもの権利条約と教育の条理にもとづく教育を貫くとともに、未来に生きる子どもたちのために十分な予算を確保して、「人格の完成」をめざすゆきとどいた教育を実施してください。
③日本でも、外国人に対する排外主義やLGBTQなどの性的マイノリティに対する攻撃が公然化してきました。学校での外国籍の子どもや性的マイノリティの子どもに対するいじめが起こることが予想されます。これまで神奈川県がつくり上げてきた多文化共生教育やさまざまな差別をなくす教育を一層進め、学校や地域で外国籍の子どもやさまざまなマイノリティの子どもたちの人権が守られるようにしてください。
(2)SNS・いじめについて
①インターネット、特にラインやツイッターなどのSNSをきっかけに友達間でトラブルになり、いじめにつながるなど、それらの利用で傷ついている子どもたちがいる。昨年一年で神奈川県の犯罪や被害に巻き込まれた子どもたちはどのくらいいたのか。昨年の変化と傾向、新しい試みについて明らかにすること。
②暴力行為・いじめ・不登校の子どもたちの数は、減る気配が見えない。子どもたちが成長・発達の過程で様々な問題を引き起こすことは当然のことであるが、それを解決する手段を私たち大人は持たなければならない。暴力・いじめ・不登校の問題解決のために、どの子どもたちにもゆったりとした学校生活・丁寧な目配り・ゆきとどいた学習指導を保障することが必要であり、そのためにも、教員配置を中心とする人的かつ物的条件の抜本的な改善が図らなければならない。その具体的提案として以下を求めます。
ア、1人当たり小学校教員の週当たり持ちコマ数を17コマ、中学校教員を週当たり持ちコマ数を15コマ、高校教員を週当たり持ちコマ数を13コマ数を上限とするように配置すること。
イ、国に先んじて、35人学級を中学3年まで実現すること。
③暴力・いじめ・不登校について県としてどのように把握し、分析し、県としてどのような手立てを考えているのか明らかにすること。また、2024年度は全公立中学校にスクールカウンセラーを174校、重点配置90校に週2回、中学校区内の小学校にも対応、計264人。県立高校・県立中等教育校ではすべての学校に原則週1配置とのことだが、効果・前進面があれば教えてほしい。
(3)生理用品について
①生理用品の学校のトイレへの設置について、昨年の回答では「市町村での生理用品無償提供の有無は、必要に応じて情報提供を受けています。」とあるが、どのような情報を得て、それによってどんな分析をしているのか、県の認識を明らかにすること。
②生理用品のトイレ設置をしない理由として「いたずら・盗難」を理由にあげる市町村があるが、奈良県大和郡山市の4年間の調査からも必要のない心配であることがわかる。また、起きるかもしれないことを心配するより、必要な子どもが利用できるよう個室に設置すべきである。県立学校での設置場所について県内で変化はあったのか、現在の設置状況の実態を明らかにすること。
(5)人権教育・ハラスメント教育について
①2024年4月に県立高校で起きたエクステによるクラス写真の生徒除外は、「人権が尊重される環境づくり」からかけ離れた事例である。この件について昨年、どうしたら「一人ひとりの人権を尊重する」視点を子どもたちや教職員が身に着け、学校が「子どもたちが安心して過ごせる学校・教室」となり、「人権が尊重される環境づくり」が進むと考えるか。子どもの権利条約の視点にたって、県の考えを明らかにすることと、質問したが、具体的回答がなかった。この件について、具体的に回答してください。
(6)スクールソーシャルワーカー・ヤングケアラーについて
①スクールソーシャルワーカーの配置状況と活動内容での昨年からの前進面を明らかにすること。また、一人当たりの相談件数はどのくらいか、現在の人数で足りるのか、把握している実態を明らかにすること。
②昨年度の回答で、県内のヤングケアラーの人数について、市町村ごとの内訳は把握していないとのことだが、把握する必要があるのではないか。この件について回答をお願いしたい。またヤングケアラー支援のための取り組みで昨年からの前進面を明らかにすること。
(7)自衛隊の生徒に対する募集活動について
①市町村に対し、自衛隊への個人情報の提供をしないよう働きかけること。また、15歳の名簿提供が誤って自衛隊によって自治体に依頼され提供された事例が他県で起き、謝罪する事態になっているが、神奈川では同様の例がないか、県として把握すること。
②県立高校の門前で自衛隊の宣伝や県立高校の文化祭で自衛隊ブースを設置し、説明会をおこなったことについて、二度と起きないよう県として指導すること。また、職場体験等に自衛隊を関与させないよう指導すること。
③自衛隊が、学校や子ども食堂・学童保育への働きかけをすることについての県の見解を伺いたい。
④「まるわかり日本の防衛」〜はじめての防衛白書2024〜が、他県で小学校に配布され、特定の国の脅威をあおったり、防衛力を増強させる必要性を説いている。このことについて、どのように考えますか、県の見解を伺います。
3.県の教育行政に関する要求
(1)全般について
①教育課程は、その地域と子どもたちの実態に合わせて学習指導要領と調和をはかり、各学校に校長をはじめとした教職員の協議で編成することを確認し、各学校の主体性を保障すること。そして、各学校において、学習指導要領の内容を縮減し授業時間を削減して実施することを認めること。
②校長の権限拡大、総括教諭と企画会議設置、教員人事評価と査定昇給の導入により、学校が上意下達の空間となり、教職員の発意が縮小し、児童生徒にとっても息苦しい空間となってきた。児童生徒・保護者・教職員それぞれの自由が保障され合意で運営される学校とする制度運用に転換すること。
(2)就学援助・経済支援について
①県として国に対し、就学援助基準を引き上げるように要請すること。
②修学旅行や遠足・野外活動費の事前支給、卒業アルバム代、オンライン学習通信費、クラブ活動費、柔道衣や防具等に関わる費用を、対象の児童生徒にきちんと支給できるように、県として国に対し、就学援助の充実を図るよう要請すること。
(5)県立高校・県立大学について
①法的根拠のない「定期試験の共通化」「1単位授業35週分確保」を一律的に県立高校に押し付けないこと。
②住宅営繕事務所などと連携し、2023年度末までの県立学校(高校・特別支援学校)で耐震補強工事が終了した校舎等ごとのIS値(設計値も含む)を、ホームページなどで公表し、県民に知らせること
④2024年度の図書費の一校当たりの平均配当額はいくらとなったのか明らかにすること。
⑤生徒から徴収しているおおむね150万円から200万円の図書費と比べると依然として少ない。県費図書費を1校当たり150万円以上とすること。
⑥県立高校の入学金5,650円を廃止すること。
⑧2025年度の現業民間委託校数と現業職員の新採用者数を明らかにすること。今後とも採用者を増やし、民間委託をやめること。
⑨2025年度の専門学科教員、理科実習教員の採用者数を明らかにすること。また、今後の採用計画を明らかにすること。
⑩2025年度の学校図書館司書の採用者数を明らかにすること。現在臨任司書として勤めている者の採用幅を広げること。
⑪教職員の庶務事務を担当する学校事務センターを解消し学校事務センターからの民間企業への再外注をやめ、学校事務室の3人体制の事務職員を4~5人に増やすこと。
⑫空調機の設置計画の進捗状況を明らかにすること。災害避難所として使われる3校での体育館への空調設置が決まったが、これ以外の高校での体育館への空調設置計画を明らかにすること。また、避難所指定されていない高校でも体育館空調を進めること。
⑬気候危機が進む中、ソーラーシェアリングなど先進的な実践が存在する神奈川県において、県レベルで再生エネルギーに本腰を入れるべきである。県立学校での太陽光発電や風力発電設備の設置の進捗状況を明らかにすること。
⑭家庭の事情でクロムブックなどタブレットないしはパソコンを購入できない生徒も多い。高校入学生徒全員に授業に使用するタブレットやパソコンを県費で配置し貸与すること。
⑮いくつかの高校で実施されている部活動の仕組みを利用した学校として行なっている「土曜講習」をやめること。教員の働き方改革に逆行するものである。
⑯特別支援学校分教室があるため選択科目や少人数科目の実施ができなくなっている高校がある。特別支援学校の増設や高校統廃合による非活用校の活用などの工夫で、分教室を解消すること。
⑱今後、私立高校の授業料無償化の進展に伴って、県立高校での授業料以外の学校徴収金や団体徴収金などが、一つの基準となることが予想される。現在、県立高校では、修学旅行・研修旅行費用を10万円を上限とするよう指導しているが、他の徴収金についての指導を行っているのか、また行なっている場合にはいくらを上限としているのか、回答願いたい。徴収金とは、図書費、環境整備費、教育振興費、副教材費、模擬試験費、検定試験日、学年(年次)費、PTA費、生徒会費などである。
以下略
5.児童生徒の必要に応じた学校運営をすすめるための教職員の定数改善に関する要求
(1)教員の未配置問題
小学校・中学校・県立高校・県立特別支援学校の5月1日付での①教員定数②欠員臨任教員数、③欠員臨任で補えなかった教員定数、④③のうち非常勤講師で補った教員定数、⑤代替教員も含め、教員を配置できなかった教員定数(未配置数)を明らかにすること。
②文科省は、「『教師不足』への対応等について(アンケート結果の共有と留意点)」の中で「今回の調査において、『改善した』と回答した教育委員会においては、正規教員の新規採用者数を増やしたことにより教師不足の状況の改善につながったという回答が多く見られました」として、「正規教員の比率向上に取り組」むとともに、「目標とする正規教員の割合等を設定する」よう各教育委員会に求めている。今年度の正規教員の比率と目標とする正規教員の比率を学校種ごとに明らかにし、未配置を一刻も早く解消するため、正規教員の採用を大幅に拡大すること。
③今年度の「先読み加配(前倒し配置)」の必要数とその配置数を校種ごとに明らかにするとともに、産育休代替を正規教員で配置した場合も国庫負担の対象とするという文科省の方針にもとづき、正規教員数を拡大すること。
8.県立高校再編・条件整備・入試改革・就学保障に関わる要求
(1) 「県立高校改革実施計画」について
「県立高校改革実施計画」については、子どもたちの希望と実態、学校現場の実態を直視し、当該の教職員や生徒・保護者の意見を反映させて高校教育の充実を図ること。 ①2028年の中学3年までの35人学級に引き続き、2029年度からは県立高校で35人以下学級を始めること。また、その段階で県立高校は何学級必要なのか、試算すること。
②「県立高校改革実施計画(Ⅲ期計画)」では 10 校の統廃合により、5校を削減することが発表されました。現在でも、1 学年 9 学級以上の過大規模校が数多く存在している横浜北東・川崎地域、湘南地区では、今まで以上に過大規模校が増えることになります。
H27年に発表された県立高校改革計画(全体)では、「県立高校改革の計画の全期間を通じて、次の考え方に基づき再編・統合を行います。」とし、「①公教育の保障の観点から、生徒数の動向に対応した学校数・学級数を確保。②全日制進学率の向上を図るため、必要な定員数を確保」など6項目を掲げています。
昨年度の回答では、「県立高校の適正配置を進めていく上での全県バランスを踏まえるとともに、」など、「削減学校数を確保」するために、「学校数を減らしていない地域を統廃合の対象にするか」のような表現が見られますが、「県立高校改革計画(全体)」と矛盾するのではないでしょうか。
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今後中卒者がほとんど減らない横浜北東・川崎地域や湘南地区の統廃合をすすめることは、「県立高校改革計画(全体)」の適正配置の項目と矛盾します。再度、今後のこの地域・地区の中卒者数の推計を行うとともに、この間の県立高校統廃合を総括・検証すること。検証を終えるまで、県立高校の統廃合を行わないことを求めます。
③「県立高校改革実施計画(第Ⅲ期)」では、すべての県立高校を1学年6〜8学級を適正規模とすること。将来的には少人数学級に移行していくことも見通してこれ以上高校数を減らさないこと。
(2)インクルーシブ教育実践推進校について
①現在指定されているインクルーシブ教育実践推進校のなかで、1学年7学級規模をこえている霧が丘高校、綾瀬高校を7学級規模とすること。
インクルーシブ教育実践推進校については、1学級30人とすること。Ⅲ期計画後、この間のインクルーシブ教育を十分に総括・検証すること。検証を終えるまで、インクルーシブ教育実践推進校を新設しないことを求めます。
②各学校の必要に応じて、取り出し授業などの「合理的配慮」を保障すること。「合理的配慮」を保障したインクルーシブ教育を行うために十分な予算と人員を確保することを求めます。
" ③インクルーシブ教育実践推進校18校の連携募集入学生の卒後の進路はどうなっているか。
(3)公立高校入学定員枠と中卒者の進路について
①「公立中学校卒業予定者の進路希望調査」において、近年、全日制高校への希望が減少し、「定員割れ」も生じている。「県立高校改革推進計画」で掲げた最低目標値の全日制高校進学率93.5%を達成すること。
②公私立高等学校設置者会議を再編し、生徒募集計画の当事者である高校生、中学生の意見表明も保障し、中・高教員代表、PTA代表も正式メンバーに加えた組織とすること。
③「公立中学校卒業予定者の進路希望調査」を5月に実施して、9月策定の「公立高校生徒募集計画」に反映させること。現行10月の調査では当該年度の募集計画には生かされない。
④夜間定時制高校は、様々な問題を抱えている生徒が多く学び、重要な役割を担っている。その学級定員を現行35人から20人定員にあらためること。
(4)高校入試について
①公立高校入試問題の簡素化を図ること。高校の学習に必要な基礎学力をみる内容とし、子どもたちへの心理的、肉体的負担を軽減すること。生徒に過重な負担をかける18校の特色検査は廃止すること。面接の一律実施を廃止したことは大いに歓迎したい。
②全県一学区制を見直し、従前の10学区制に戻すこと。また、通学費に対する補助制度を創設すること。
⑤公立高校入試の受験料について、「共通選抜」、「二次募集」、「定通分割選抜」、全ての検査を受験生1人当たり1回の納入で受験できるように「手数料条例」等必要な条規を改めること。受験が何回も必要なように制度をつくったのは県教委であり、「中高接続の試験」として一つの試験の扱いにすればよい。不合格となった子どもが次の受験のたびに経済負担が増す現状は、教育権の保障、教育の機会均等の立場からも許されない。「受益者負担の原則」との回答があるが、複数回受験せざるを得なくなった子どもたちにとっては「受益」ではなく「ペナルティ」であり、子どもたちの心理的負担も大きい。
(5)定時制高校の充実について
①定時制生徒の食堂への補助により、生徒は200円以下で利用でき大変助かっている。食材費が高騰しても、200円以下で利用できるように、この制度の継続と改善をもとめる。また、夜間中学生の利用を認めている総合産業高校では、利用容認も継続してほしい。
②全定併置校については定時制枠として県費図書費を50万円増額し、横浜市や川崎市の水準に近づけること。全日制と定時制では購入する書籍に違いがあり、同額ではそれぞれに必要な書籍を揃えられない。
③夜間定時制の専任教員を増やし、様々な困難な事情を抱えた生徒が多く在籍することをも踏まえ、全日制に比べて臨任や非常勤の比率が高い現状を改善すること。
④生徒がいる時間帯であっても、専任の事務職員が配置できていない状況を改善するため、夜間定時制専任の事務職員、現業職員、司書を配置すること。
⑤定時制には様々な配慮を必要とする生徒が多い現状を踏まえ、定時制全校にスクールカウンセラー、ソーシャルワーカーの配置と充実を図ること。
⑥夜間定時制の適正規模は、1学年2学級以下とすること。また、応募者が少数となっても、通学の便など、教育を受ける権利の保障を最優先に考慮し、統廃合を行わないこと。「県立高校改革実施計画(Ⅲ期計画)」で募集停止が発表された定時制6校を1学年1学級規模校として残すこと。
⑧ 横浜翠嵐高校定時制の募集停止については、教職員だけではなく、広く識者、県民からの声を聞き、一旦募集停止を見直し、今後については時間をかけて検討することを求める。
⑨横浜翠嵐定時制の募集停止が行われることになった場合には、募集停止を3年後として、3年後全生徒を神奈川工業定時制に移動させ、この間に入学する生徒については、それを周知させておくこと。
(6)通信制高校の充実について
修悠館高校の2025年度の志願者、合格者、入学者、タイプごとの履修状況、履修届を提出しない生徒数、退学者数(2024年度)とその理由、配置されている教職員数(教員、養護教員、司書、事務、現業、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等職ごとの数)を明
以下、省略
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