2024年7月21日
 2023年11月8日に、「いのちとくらしと雇用・営業を守る神奈川県市民実行委員会」による対県交渉(情報交換)が行われました。そこで取り上げられ、県に示された2024年度に向けた、主に高校教育にかかわる要求項目を紹介します。
Ⅳ、県民が安心して子育てを続け、青少年、成人が豊かな文化・スポーツを享受できる教育・文化・スポーツ行政を求めて

1.子どもの権利に関する要求

(1)子どもの権利条約に基づいて
①憲法19条「思想・良心の自由」、20条「信教の自由」、21条「表現の自由」に照らして、卒業式・入学式における「日の丸」「君が代」の強制をやめ、「国歌斉唱」時の起立が強制ではない旨の告知を生徒・保護者に対して行うこと。

②子どもを主人公に考え、憲法、子どもの権利条約と教育の条理にもとづく教育を貫くとともに、未来に生きる子どもたちのために十分な予算を確保して、「人格の完成」をめざすゆきとどいた教育を実現すること。

③各学校が校則改定の手続きを保護者・児童生徒に示すことを徹底すること。

(2)SNS・いじめについて
①インターネット、特にラインやツイッターなどのSNSをきっかけに友達間でトラブルになり、いじめにつながるなど、それらの利用で傷ついている子どもたちがいる。昨年一年で神奈川県の犯罪や被害に巻き込まれた子どもたちはどのくらいいたのか。昨年の変化と傾向、新しい試みについて明らかにすること。

③県教委が発表した2021(令和3)年度間の「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」結果(公立小・中分)をみると、
暴力行為の発生件数は 
小学校で6224件(前年度比170件増  1.03%増)
中学校で1953件(前年度比245件増 14.3%増)
いじめの認知件数は、
小学校で25770件(前年度比 6483件増 33.6%増)
中学校で 4820件(前年度比 1201件増 33.1%増)
不登校を理由とする長期欠席者の割合は、
小学校で 6267人 (前年度比1141人増 22.3%増)
中学校で10362人 (前年度比1243人増 13.6%増)

 全県的に学校現場では問題行動克服のためにさまざまな取り組みが行われている中、残念ながらすべての指標が前年度を上回っていて、学校現場の努力だけでは問題行動を改善できない事態になっている。

 いじめによる殺人・自殺がこの神奈川でもここ数年の間で起きている。いじめから子どものいのちを守ることが一番に求められている。つい最近の茅ヶ崎で起きたいじめに対しての対応の遅れでも明らかなように、学級担任の教員が多忙のため、わかっていながらも対処できなかった、という残念な事例も起きている。

 子どもたちが成長・発達段階で様々な問題を引き起こすことは当然のことであるが、それを解決する手段を私たち大人は持たなければならない。いじめ問題解決のために、まず、どの子にもゆきとどいた教育を目指し、学力向上でも生活力向上でも、人的・物的条件の改善が図らなければならず、その基本的な解決策として、多くの都道府県で単独措置として、少人数学級の進行を早め、中学校まで延長実施をしなければならない。

 国の基準のまま教員配置をしているのは神奈川県・大阪府・広島県・福岡県、横浜市・川崎市・相模原市・大阪市の4県4市だけになっている。現状を自治体の教育行政が自ら変えるため以下を要求する
過去最悪になった暴力いじめ不登校を克服し、暴力・いじめ・不登校、過去最悪だった状況を克服するための施策を具体的に着手すること。

(3)生理用品について
 
②県立高校のトイレに生理用用品の個室設置の推奨をすること。

 昨年度の交渉で、県立高校の個室トイレに設置をしてほしい声を伝えた。「実際緊急に必要になったときに、一度個室を出て、生理用品を取らなければならなくなり、共有スペースに人がたくさんいたり、混んでいるときに利用しにくい」という声を聞いている。

 個室に置いてあることで、短い休み時間の中でも安心して対処できることが必要である。基本的に推奨する中味を「共有部分」ではなく、「個室」にすること。生徒の生の声を聞くこと。

(5)人権教育・ハラスメント教育について
①人権教育で、改めてハラスメントとは何かを学ぶ場を求めます。
 さまざまなハラスメントについて問い直されるようになった現代、学校生活でも見直されるべきハラスメント(暴力)について、今一度、子どもたちとともにとらえ直し、共通認識のもと考え直し、ハラスメントない学校づくりを進めることを求める。
 
 校則、部活、授業のほか、子どもたちの間で起こるいじめや性暴力、SNSでのトラブルなど、あらゆる問題の根底に、「人権」が大切にされていない現状があるのではないか。「ハラスメントとは何か」を共に学び、子どもたちがハラスメントのない安全で安心していられる学校、教室づくりを求める。"

(6)スクールソーシャルワーカー・ヤングケアラーについて
 
②ヤングケアラー支援のために、昨年スクールソーシャルワーカー2名の増員となったが、対応しきれているのか。

 ④2022年度より始まっているケアラー支援専門員は県内どのくらい配置されていて、どのような取り組みが進められているのか明らかにすること

(7)自衛隊の生徒に対する募集活動について
 「中学校3年に向けた陸上自衛隊高等工科学校募集のダイレクトメール発送」と、「中学校現場での自衛隊職場体験」について、県の見解を伺いたい。

  2018年、県内の各自治体が18歳から22歳の市民の個人情報を自衛隊神奈川地方協力本部に対して名簿提供・閲覧させていたことがわかった。また、2018年度もダイレクトメールが自衛隊神奈川地方協力本部の名で川崎市の中学3年生に陸上自衛隊高等工科学校募集の発送されている。

 市民の個人情報を守るべき立場の自治体が、一団体に対して名簿提供をしていることは由々しき事である。名簿提供は中学3年生も含まれていたのではないかという保護者の不安を解決するためにも、県の責任で調査し、明らかにすること。また、2018年度も横浜・川崎・横須賀・座間で自衛隊による職場体験が引き続き行われていると聞いた。

 2015年の安保法制発動のあと、自衛隊の在り方が大きく変わり、戦闘地域での武力行使が可能になっている。自衛官には労基法が適用されず、労働者としての権利もない特殊な存在であることを十分に知らせないまま、中学という場で自衛隊の職場体験を実施することのないよう、県内教育委員会に徹底を要請したい。"

②敵基地攻撃能力の保持・自衛隊の基地の強靭化が進められている今日、中学生が教育課程の中でおこなう「職場」体験にふさわしくない自衛隊への実習は、労基法の適用もなく、体験希望者には家族構成の文書まで提出させる自衛隊への職場体験はふさわしくありません。直ちに取りやめるよう各学校へ通知を出すこと。
"

3.県の教育行政に関する要求

(1)全般について
①学習指導要領の内容を縮減すること。 
 教育課程は、その地域と子どもたちの実態に合わせて学習指導要領と調和をはかり、各学校に校長をはじめとした教職員の協議で編成することを確認し、各学校の主体性を保障すること。
                                                
 2023年5月22日の中央教育審議会の折に、小学校連合校長会長から授業時数が多すぎて、教職員の多忙化は解消されないとの指摘があり、22年度の文科省が行った勤務実態調査で教員の1日の勤務時間が11時間30分にもなっている要因の一つになっていることが明らかになった。

 昨年の回答では、学習指導要領に基づいて教職員が教育活動を行うことを職務上の責務としているが、そのために、教員が過労死ラインぎりぎりの超過勤務を余儀なくされ、精神疾患や休職者・退職者を増加させ、教員不足や未配置が多く生み出されていることに、一片の反省も見られないことは教育行政を担うものとしての資格が問われている。"

(2)就学援助・経済支援について
 
40年ぶりの物価高騰の中、生活が困窮する世帯が増えている。憲法26条、学校教育法19条に照らしてすべての子どもたちの学習権を守ることから、以下のことを要求する。

①認定基準が生活保護基準と同水準になっている横浜市と川崎市に対して、適切に実施されているという回答があった。就学援助は、「生活保護法第6条第2項に規定する要保護者に準ずる程度に困窮している」という認定基準からしても、同水準ではなく「準ずる」ものであるべきである。21年回答で「適切に実施されている」とはどのような理屈なのか。物価高騰に伴い、県として就学援助基準を引き上げるよう推奨すること。

②修学旅行や遠足、野外活動費の事前支給を行っている市町村はあるか。昨年の回答では、費用負担の事前支給については可能であるとのことであった。物価高騰で修学旅行等、費用が高くなっている中、費用を気にして辞退する子どもがいないよう、入学前支給同様、事前支給できるよう、推奨すること。
                                            
(3)県費旅費に関して
①旅費支給(支給打ち切りなど)の実態、教職員自己負担、保護者負担、PTA負担などの実態を調査して公表すること。毎年要求しているが実施していない。サンプル調査でもいいから誠意ある態度を示すこと。


(6)県立高校について
①児童生徒数に見合った学校数に。
 神奈川の小中高校の10万人あたりの学校数で全国最下位が続いている。

 特に人口が増えている横浜市青葉区や鶴見区、藤沢市で1000人以上の学校があり、休み時間にトイレに並ぶ、プールの時間がイモ洗い状態になっているなど、保護者からも心配の声があがっている。希望を募って近隣の学校に異動することも試行している学校もでている。学校を増やして子どもたちが安心して学べる環境をつくること。"

②法的根拠のない「定期試験の共通化」「1単位授業35週分確保」を一律的に県立高校に押し付けないこと。

③2022年度末までの県立高校の耐震化工事のIS値の結果を県民のホームページなどで公表すること。

④2024年から計画されている県立高校体育館の改修・耐震工事では、アスベストの封じ込め工事でなく除去工事とすること。

⑤2022年度の一校当たりの図書費は、普通科で286,000円になり、年々増額されてきたことを喜びたい。2023年度の一校当たりの平均配当額はいくらとなったのか明らかにして頂きたい。また、生徒から徴収しているおおむね150万円から200万円の図書費と比べると依然として少ない。県費図書費を1校当たり150万円以上とすること。

⑥県立高校の入学金5,650円を廃止すること。

⑦2023年度の現業民間委託校数と現業職員の新採用者数を明らかにすること。今後とも採用者を増やし、民間委託をやめること。

⑧2023年度の専門学科教員、理科実習教員の採用者数を明らかにすること。また、今後の採用計画を明らかにすること。

⑨2023年度の学校図書館司書の採用者数を明らかにすること。現在臨任司書として勤めている者の採用幅を広げること。

⑩教職員の庶務事務を担当する学校事務センターを解消し学校事務センターからの民間企業への再外注をやめ、学校事務室の3人体制の事務職員を4~5人に増やすこと。

⑯家庭の事情でクロムブックなどタブレットないしはパソコンを購入できない生徒も多い。高校入学生徒全員に授業に使用するタブレットやパソコンを県費で配置し貸与するこ

⑲以下、個別高校の切実な要求である。誠実な対応をお願いしたい。
 夜間定時制高校では、エアコンの時間外使用について届出制とされている。しかし、当該届出は前日までとされていることから、当日までとしてほしい。

以下略
                                      
5.児童生徒の必要に応じた学校運営をすすめるための教職員の定数改善に関する要求

(1)現在の学校の最も緊急の解決すべき課題は、教員の未配置問題である
 
教職員の働き方改革が進まず、過労死ラインを超える月80時間どころか150時間を超える教員も少なくない。人手不足補填のための非正規教員も志望者が減り、全国的に未配置問題が深刻化している。文科省調べでも、5月1日時点で、全国の1591校2065人の未配置が継続されていた。 

 神奈川県教委も、県議会で、5月1日時点で、県内公立小102人、中学校44人、高校11人、特別支援77人、(政令市を除く)で、114人の教員が不足していたことを明らかにした。内訳は小学校76人・中学校38人(前年度比較で58%増)で、産休・育休に入る教員の代替者の臨任職員の確保が困難になっており、非常勤講師を充ててしのいでいる状況になっている。

 これは、正規教員を少なめに採用し、各校1~2名の臨時任用職員や非常勤講師で賄うこと(法令通り採用し配置しないことは違法・無法だということを自覚していない教育行政は許せない)を繰り返した結果、計画的に任用できるはずの産休や育休の代替の職員が確保できず、児童生徒の授業に、支障をきたしている学校が多数になってきている。              "

①2023年度当初の、神奈川県立学校(高校・中等教育学校・特別支援学校)及び市町村の小・中・特別支援学校の正規教員の欠員数、それを補った臨時的任用職員数、非常勤講師数を明らかにすること。補えずに未配置となっている人数も明らかにすること

③「先読み加配」(学期当初からわかっている産休予定者の代替者を学期初めから配置して担任との交替をスムーズにおこなう)を2学期も対象とすることまた、対象を高校・特別支援高等部・養護教諭にも拡大すること。


8.県立高校再編・条件整備・入試改革・就学保障に関わる要求

(1) 「県立高校改革実施計画」については、子どもたちの希望と実態、学校現場の実態を直視し、当該の教職員や生徒・保護者の意見を反映させて高校教育の充実を図ること。

①全日制の20人学級実現に向けて、すべての高校に早急に35人学級を実現し、さらに少人数教育の段階的実施計画を策定すること

②「県立高校改革実施計画(Ⅲ期計画)」では 10 校の統廃合により、5校を削減することが発表されました。現在でも、1 学年 9 学級以上の過大規模校が数多く存在している横浜北東・川崎地域、湘南地区では、今まで以上に過大規模校が増えることになります。

 横浜北東・川崎地域では、地域別公立中学校卒業予定者数が県の2022年推計で、2015年の推計より 800~1800 人増えるということが明らかになっています。これは、20~45 学級(3~6 学校)分にあたり、削減ではなく増設こそ求められる数です。

 また、横須賀三浦・湘南地域の湘南地区においても、今後中卒者はあまり減少しないことが示されています。横浜北東・川崎地域の麻生総合高校と田奈高校、湘南地区の藤沢清流と深沢高校の統廃合による削減を見直すことを求めます。"

(2)インクルーシブ教育実践推進校について
①インクルーシブ教育実践推進校の学校規模は、「県立高校改革実施計画(全体)」のなかで、「障がいのあるなしにかかわらず、共に学ぶ仕組みを提供するため、1 学年 7 学級規模を標準として、指導上の必要から多様な学習指導の展開が可能となる規模」と規定されています。

 しかし、現在インクルーシブ教育実践推進校に指定されている14校のうち、標準である7 学級規模の学校は7校にすぎず、残り4校が8学級規模、3校が過大規模といえる9学級規模です。

 Ⅲ期計画では、これに加え、4校がインクルーシブ教育実践推進校に指定されましたが、7学級規模は1校だけで、残り1校が8学級、2校が9学級規模の学校です。

 インクルーシブ教育実践推進校ついては、学校規模を「県立高校改革実施計画(全体)」が自ら定めた7学級規模に限定することを求めます。また、学級規模は、1クラス30人にすることを求めます。"

②教育環境の整備、教科指導、教科外指導などを含め、「合理的配慮」を保障したインクルーシブ教育を行うために十分な予算を確保すること。パイロット校ではじめた教員2人体制を維持するとともに、その後開設の15校にも保障すること。


(3)公立高校入学定員枠と中卒者の進路について
①学費補助の所得制限をなくし、希望する生徒たちが私学を選べるように条件を整備すると共に、公立全日制高校の定員を増やし、生徒にとって魅力ある県立高校教育を創造して、当面1999年策定の「県立高校改革推進計画」で掲げた最低目標値の全日制高校進学率93.5%の達成を目指して条件整備を図ること。

②公私立高等学校設置者会議を再編し、生徒募集計画の当事者である高校生、中学生の意見表明も保障し、中・高教員代表、PTA代表も正式メンバーに加えた組織とすること。

③「公立中学校卒業予定者の進路希望調査」を新規に5月にも実施して、9月策定の「公立高校生徒募集計画」に反映させること。現行10月の調査では当年度の募集計画には生かされない。進路希望が固まる10月の調査は市年度の計画に生かす。

④夜間定時制高校は、様々な問題を抱えている生徒が多く学び、重要な役割を担っている。その学級定員を現行35人から20人定員にあらためること。


(4)高校入試について
②全県一学区制を見直し、従前の10学区制に戻すこと。
 また、通学費に対する補助制度を創設すること。少しずつ旧学区外からの受験者が増えているのはわかりますが、それでも半数を少し超えるだけである。特徴ある高校を県内にバランスよく配置する県の方針もある。

 地域に根ざした高校づくり、高校を核にした地域づくりの観点も重視したい。コロナ禍で明らかになった遠距離通学の危険性、交通混雑の緩和にも役立つ。・・・子どもたちを含めた県民的な論議を深めて練り上げる必要がある。

③ 調査書、学力検査、面接などの重点化比率を全県一律の基準とし、子どもたちからみてもわかりやすい制度とすること。

⑤公立高校入試の受験料について、「共通選抜」、「二次募集」、「定通分割選抜」、全ての検査を受験生1人当たり1回の納入で受験できるように「手数料条例」等必要な条規を改めること。受験が何回も必要なように制度をつくったのは県教委であり、「中高接続の試験」として一つの試験の扱いにすればよい。不合格となった子どもが次の受験のたびに経済負担が増す現状は、教育権の保障、教育の機会均等の立場からも許されない。「受益者負担の原則」との回答があるが、複数回受験せざるを得なくなった子どもたちにとっては「受益」ではなく「ペナルティ」であり、子どもたちの心理的負担も大きい。


(5)定時制高校の充実について
① 定時制生徒の食堂への補助により、生徒は200円以下で利用でき大変助かっている。この制度の継続を願う。また、夜間中学生の利用を認めている総合産業高校では、利用容認も継続してほしい。

②全定併置校については定時制枠として県費図書費を50万円増額し、横浜市や川崎市の水準に近づけること。全日制と定時制では購入する書籍に違いがあり、同額ではそれぞれに必要な書籍を揃えられない。

③夜間定時制の専任教員を増やし、様々な困難な事情を抱えた生徒が多く在籍することをも踏まえ、全日制に比べて臨任や非常勤の比率が高い現状を改善すること。

④生徒がいる時間帯であっても、専任の事務職員が配置できていない状況を改善するため、夜間定時制専任の事務職員、現業職員、司書を配置すること。

⑤定時制には様々な配慮を必要とする生徒が多い現状を踏まえ、定時制全校にスクールカウンセラー、ソーシャルワーカーの配置と充実を図ること。

⑥夜間定時制の適正規模は、1学年2学級以下とすること。また、応募者が少数となっても、通学の便など、教育を受ける権利の保障を最優先に考慮し、統廃合を行わないこと。

⑦「県立高校改革実施計画(Ⅲ期計画)」では 、定時制6校(2学級規模5校と3学級規模1校)の募集停止が発表された。

 「県立高校改革計画(全体)」には、定時制の学校規模について「夜間定時制は、1学年2学級以下の規模を標準として」と記されており、1学年1学級規模も標準といえる。

 全国各地では、夜間定時制は1学年1学級規模として残されている。募集停止ではなく、学級減の形で残すこと。

⑧横浜翠嵐高校定時制は、外国につながる生徒への生活支援、日本語教育、多文化共生教育などが積み重ねられてきた。

 「県立高校改革計画(全体)」では、「外国につながりのある生徒への教育機会の提供と学習支援」という見出しを掲げ、「日本語指導をはじめとする学習面や、学校への適応に向けた生活面等への必要な支援を実施」と記している。

 横浜翠嵐高校定時制は、まさにこうした多文化共生教育を先進的に行ってきた学校であり、県内外から高い評価を得てきた。こうした教育に関するノウハウや経験豊かな人材は現場の教職員が、時間をかけ独自のネットワークを構築して形成・蓄積してきたものである。

 これを全く別の学校である神奈川工業高校定時制に移し替え、継続していくことは難しく、これまでの共生教育が断絶してしまう。 横浜翠嵐高校定時制の募集停止については、教職員だけではなく、広く識者、県民からの声を聞き、一旦募集停止を見直し、今後については時間をかけて検討することを求める。"

以下、省略 
23年度向け高校教育に関わる対県要求項目を紹介します
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2020年9月20日