我慢に我慢を重ねて、ようやく立小便(女性の方には失礼いたします。)ができた時の快感。
 昔の事とは言え、思い出す事が誰にでもあることでしょう。

 
         
  ●おしっこは、  
     膀胱で貯められ、尿道から出てきます。正常では、120〜130ccまで膀胱におしっこが貯まると初めて尿意を感じます(初期尿意)。トイレがなかったり、忙しいと我慢します。我慢の判断を下すのは、最高排尿中枢である大脳皮質前頭野です。我慢の限界は、300〜400ccです(最高尿意)
  このおしっこを貯める過程を蓄尿と言います。この間、尿道括約筋は、収縮しており、膀胱排尿筋は弛緩して膀胱の内圧が上昇しないようにしています。蓄尿が障害されると、頻尿になったり、失禁したりします。
 暗い人気のない電柱で、おしっこをしようと判断するのも、大脳皮質前頭野です。命令が下されると、腹筋や横隔膜を収縮させ(従ってこの時、息を一瞬とめます)、腹腔内圧を高めさせ、膀胱内圧を上昇させ、あとは勝手に膀胱は収縮します。同時に随意筋である尿道括約筋は開きます。
 おしっこが出始めてからはもう、どこにも力をいれなくても、それこそ月夜を見ながらでも勝手におしっこは出ています。また、おしっこが尿道を流れているのも実感できます。
 そして、最後に膀胱が収縮しおわった頃、最後の1滴も振り絞ろうと再度、腹筋と横隔膜に力を入れ10〜20ccほど出して終了します。この過程が排尿です。
  正常では、膀胱内圧は60〜80cm水柱ですから、上を向けておしっこをすると自分の顔にひっかけることもあります。排尿が障害されると、残尿が残ったり、尿閉といっておちょこ一杯ずつぐらいしか出なかったりします。また、ちょぴちょぴ漏れていることもあります。この場合も、頻尿および失禁が見られますが、蓄尿障害によるものとはまったく別物です。また、おしっこが飛ばない赤ちゃんは、真性包茎になっていることがあります。
 
       
  泌尿器科では、このように排尿・蓄尿障害も大切なテーマです。身近に泌尿器科を感じていただけたら幸いです。