![]() パネルディスカッション 日時:2000年9月15日(金) 場所:代々木・青少年オリンピック会館 □持続可能な社会と森林・林業の役割(熊崎実) ・21世紀の課題、持続可能な社会の実現。 ・20世紀は森林破壊の世紀。62億ha→半分になった。自然の森林はもっと少ない。 ・木材の3つの利用。バイオマスが有効。 ・森林の役割が変わってくる。 ・日本は世界中から木を集めている。日本の中で生産した木を消費していない。 良く持ちこたえていた。最高利用の状態から、使わない森林へ。 エネルギーを輸入するようになった。大気汚染、世界の森林破壊へ。 ・ワンセット主義は不要?輸入に頼れば良い。 木材生産の縮小は、日本の森林の維持不可能につながる。 これからも化石エネルギー、木材が世界から供給されるか。 ・20世紀後半の延長上に21世紀はない。持続可能な社会への移行。 ・世界から、木材、化石エネルギーは、無尽蔵に集まらない。 ・日本国内の森林、木材、林業の建て直し。 □自然を守るというのはどういうことか(守山宏) ・雑木林。春植物。氷河時代の生き残り、夏の日差しに弱い。 北側斜面、春先に日が入る、5月になると日陰となる。 カタクリ、10年間で花を咲かせる。 ・房総、照葉樹林のシイとカシ。でも、カタクリが密かに生き残っている。 花粉分析、40〜50km/1000年で移動。照葉樹林。5000年前、落葉広葉樹が多い。 ・氷河期後1万年前から、欧州では牧草地、日本では雑木林が南方系の進出を防いできた。 □森林にづいての市民意識の変化にづいて(内山節) ・公害、危機意識の発露。1970年代。 過渡期の考え方、このままだと人間が駄目になる、自然を守らないと、、 一方、自然と人間を守るための新しい発想、1980年代、自然を守るための 人間の役割は?自然と人間の関係はどうあるべきか。関係論的視点。 ・森と関わる新しい生き方の模索。 ・東京にいる時の森。上野村にいる時の森。異なる。 イノシシ、膨大に増えた。イノブタ化による多産化?キツネの減少? ササを刈る、下草刈り、イノシシも歩きやすくなる。余所の畑へ迷惑をかける。 ・現象の複雑化、森林資源の開発からどういう関係になるか。 ・かつては、10月末からツル切り日。カヤ刈り日。枯れ木には所有権はない。 入会権的ゆるやかな村のルール、生きている木のみ所有権。 共同的な世界を作って森を守ってきた。 ・これからは、流域、森を共同的な世界を作って守っていくことへ。 ・科学や技術の発達により森林が守られるのではなく、基本的な軸は森とともに 暮らしている人たちの技から。 ・進歩が守ってくれるのではなく、記憶を蘇させることから始まる。 新しい今日の世界に再構築する。 ・薪で生活する、森と一緒に生活していた記憶を呼び覚ます。 新しい共同体の創出の模索。 □パネルディスカッション ・所有と管理の分離、共同の場としての森。 ・今、山を持っている意味、分かりにくなってきている。 これから誰が管理するか。地域、共同で管理せざるを得ない。 ・子ども達が都会に出ていくと、残されたのはお年寄り。放置されていく。 日本だけ、木材生産が落ちている。 ・管理放棄森林の、第三者への管理委託等々。 ・所有者と、管理しようとするボランティア側の信頼関係作り。 ボランティア側からのアプローチ。所有者側からのアプローチ。 所有者側を信頼される方策。 (地主、行政) ・森なのか、不動産なのか。バブル後は、不動産にはならないことが明らか。 ・所有者側が、森の持っていきたい将来を明らかにする必要あり。公示の責任。 ・新しい形の用水入会。上流と下流の自治体間、山林の維持管理。 ・下流の水を使う人は、水を作る必要がある。 ・山地メッシュ、動物。筑波。 ・自然エネルギー、バイオマス。石油の価格が下がり、20年の空白。 木材、エネルギー効率が良くない。かまど、〜10%の利用。炭ハ20%。 ・まきストーブ、15%→75%。触媒利用。コジェネ、80%。 ・インド等、化石燃料に頼らず、電気、ガス利用の可能性。バイオマス。 ・米、電気買い取り強制、バイオマスによる電気は買い取る義務。 ・自然エネルギー促進法。 ・木材、石炭の2/3のエネルギーがある。山の自然の循環。林業の再生。 ・大型動物が山奥で暮らしにくい。皆刈がなくなったから。山火事もない。 順番に切っていく、新しい技術。いろんな動物が住みやすくなる林業。生態系。 □会場から ・バイオマス、輸入の方が安い。何らかの工夫が必要。 ・間伐材の利用、手間がかかる。経営が成り立たない。 ・なぜ6000kmの向こうから木材がやってくる。なぜ。世界の森林資源は? →スウェーデン、20%をバイオマス利用。20年前、コスト高、山を裸にする。 今は1/3にコストダウン、システム化。理念が必要。木しかなかった。 21世紀は目標を作っていかないといけない。 化石燃料の価格も下がる、発電効率も向上。でも、CO2が増える。 米、そこに政策的役割がある。 スウェーデン、炭素税があり、木材が一番安くなる。 21世紀は自然エネルギーの時代、政策。哲学が必要。持続可能な社会を作る。 目先にとびつく、省庁ごとにバラバラにやる、統一性がない。 炭素税が有効。コストダウンの努力の継続を。 →完全自由化、米は不利になる。 コウノトリ、一つがいで4万/1日、買い切れない。1000羽。価値の再計算。 山林に対して、新たな付加価値を作り出す。 市場メカニズム、金がない人を切り捨てるシステム。 フィリッピン、薪もない貧しい人もいる、でも日本へは材木が集まる。 大国だけが使ってしまうことは正常ではない。 CO2排出量は考慮していない。日本はこのシステムを変えていかないといけない。 ・森林組合。現場の切実な問題を話したい。現場の参加者が少ないのにびっくり。 日本大学とツリーハウスを作り始めた。里山文化の交流。 現場の人たちへの呼びかけは、どういう方法が有効か。 ・昭和30年代に拡大造林したが、公的資金を返す手段がない。困っている。 →共通の理念をもてる分野、地域の中での理念。 人工林の適正比率、地域差がある。 自然的適正、地域で管理する技術、能力があるか。 上流、下流、地域差。 共通的にもてる課題に対する理念、地域個別の理念、併存させていく努力。 ・江戸時代は焼き畑→コナラ林、江戸中期からは稼ぎ山化、スギ・ヒノキ。 今は、蛇の一匹もいない、経済価値もなくなってきた。 □ふたたび3者から □内山さん ・市民参加の森づくり。市民側、規模が大きくなる。行政も変化。所有者も。 弱点、これからの森、どうやって一緒に守っていくかというところからではなく、 林業が成りたたくなってから、破綻という原因からの始まりだった。 ・木質バイオマス、新しい林業形態の可能性。 ・森、田、畑、農薬、除草剤、、どうしたらよいか分からない。 ・行政、拡大造林の頭で市民参加を考えている。 □守山さん ・記憶の回復。里山、人間の係わりがあった。そこを出発として考える必要あり。 ・都市近郊の森、間隔がある。鳥が運ぶ植物が増える。 都市には、ハリギリ等大きな実をつける。ヒヨドリぐらいしか運べない。 □熊崎さん ・木造建築の勘からの脱却。教育の場での活動。森を分かる人も少なくなった。 人材作りが必要。学校を作った、森と関わらない人が集まるが、現場の人は 参加してこない。都会の人は関心が高いが、山の若い人は逃げたがる。 ・山の人々に、森林の価値を知って欲しい、学んで欲しい。 ・バイオマス、経済的に回るシステムを作っていきたい。 ・森づくりも多様な人が関わる方が良い。 ・森林所有者の参加は少ない。 ・環境教育、消費生活の教育が大切。 以上 文責:竹井
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