「森林と市民を結ぶ全国の集い」パネルディスカッション(2000.9.17)

                         9/15オープニング 9/16分科会・身近な緑

「森林と市民を結ぶ全国の集い」
 パネルディスカッションえる」 日時:2000年9月17日(日)
                   場所:代々木・青少年オリンピック会館

□分科会報告
1)暮らしの周りの緑。生業、企業、都市住民、新しい関係作り。
2)木材多面的利用。身の丈レベルで出来ること。
3)健康。山も不健康、家にも不満。
4)生き物と共存。人間社会が変わったから森が変わり、サルが迷惑。
5)都市と山村を結ぶ。上流と下流。双方の協力。
6)企業との連携。社会貢献活動、
7)世界の森林、日本の森林。日本が荒廃を招いている。
8)市民に開かれる森林。共有財産、代々引き継がれる資産。
9)子どもたちを育てる森林教育。林間学校、学校林、プレーパーク。
10)林業への取り組み、消費者との結びつき。所有森林の開放。
11)政策。フランス、アメリカ。市民参加、林業のあり方。
基礎)5つの講座。

□高野文彰(高野ランドスケープ・プランニング)
・十勝。十勝毎日の森林400ha。プレーパーク。滝野すずらん公園。
・企業が森づくりに取り組んでいる。然別湖、種々の遊び。
・10年前、バブル全盛期、生き方を変えてみようと。
・森づくりに遊びを取り込む。市民参加で、現実に公園作り。

□小沢徳太郎(環境問題スペシャリスト)
・このまま豊かな生活を続ければ、将来は暗くなる。??
・ハードディスク。残りの空間が少ない。地球は?? 許容限度ギリギリ。
・経済の拡大が前提だが、0からの出発ではない。持続可能な社会。
・新しい国づくり、まちづくりにつながる。
・日本の人口は将来減る。高齢化社会。
→その中で、森をどうするかを考える必要がある。

・個人が出来ることからやる。行政とぶつかる。
 何か新しいことを始めようとすると行政の壁。変えるのは政治家の仕事。
・持続可能な社会とは何かをみんなで議論して、その中で森をどうすれば良いかを
 決めていく。
・東京電力、原発予定地にオオタカがいた。伐採を減らす。
 オオタカではなく、伐採そのものを止めることが理由にならないと。
・人間が決めていくこと。司法の力。

□土屋真美子(まちづくり情報センター・かながわ、アリスセンター)
・1988、民設民営のNPOサポートセンター。
 グループ間の情報交流を目的に。
・市民活動はミッションありき。今の社会をなんとかしたい。
・行政がおかしい、参加させろ。
 それよりは、行政を待っているより市民自ら動き出す。1980年代の後半の市民活動。
 森林ボランティアも、福祉、教育、いろんな分野で開始。
 自らの生き方を作っていくことにもつながっている。
・横浜でも森づくりが始まる。行政が無理やり緑、公園を残してきた。
 90年半ば、施策化。340万都市の横浜。アンケート。
 森があった方が良いか? 3割が管理をやりたい回答。100万の潜在。
・道具、リーダの貸し借り。横浜森づくりフォーラム。イベントの人集めには苦労しない。

・やっているうちに、市民だけが手入れするのはおかしい。
 手入れで出てくる材を活用したい。バイオマス、お金にしたい。
・NPO、楽しい、汗を流す、気持ちが良い、、、だけで良いか?
 行政、企業の手足。政策提案が上滑り、違和感を持つことがある。
 やってきた実践を、政策、提言に結びつけることができたら良い。
・パートナーシップ。市民が森づくりに関わる意味は?
 横浜、グリーンコンシューマ的消費者教育。
 あまりにも今まで、行政にまかせてきた。公共の担い手としての市民。
 政策提言を考えていく必要がある。

□坂井武志(森づくりフォーラム)
・15〜6年前、体を動かし、出来ることからやっていこう。
 市民活動も縦割り、連携、協力がない。
 6〜7年前、林業の末期的危機、国は国民参加の森づくり。
 森づくりフォーラムが出来た。みんなで協力してふっていこう。

・環境問題クローズアップ。1回目、600万人が参加してきた。びっくり。
 勉強もしたいというアンケートあり。2回目のシンポ、6〜70人。がっかり。アンケート不信。
・ネットワークが出来たら、行政からのアプローチが増えた。
・森林ボランティア、とにかく山に入って、整備しよう。
 でも、ボランティアだけでは森を守ることができない。
 通勤可能な範囲がボランティア活動の限界。
・市民が森づくりボランティアに参加する意味は?
 自己満足だけでなく、どう地域に結びついていけるのか。
 ミッション、責任に対してのアレルギー。

・21世紀、どうしたら住みよい世界になるか。
 →森林が必須になる。森林とともに暮らせる社会が必要。
・政策提言をする、受ける市民側が力をつける必要がある。
・市民にまかせたら、駄目だったら、また逆戻り。信頼されるボランティア。
・今までの殻から一歩踏み出すことが、未来を作る。

□進歩発展することで失われることがある。
 心の中に溜め込んでいるものがなくなる。モノゴト、ことがなくなる。
・米炊きの7工程。便利になることでなくなる工程は?

□暮らしという観点。
・「出来るところから」には目標が必要。方向が見えないのに動くのは×。
・変わること。方向を変える一歩でないと意味がない。
・目的を達するために、随伴的行動をやっている。それが失われること。

・北海道に移る。本社を移すという企業の論理から、人の生き方の議論。
 1/3は積極的に行く、1/3は東京に残る。残りはしぶしぶ。
・公園を作る。公共事業が作る。ある日突然、側に公園が出来る。
・新しい森づくりの担い手は、リクレーションではないか。
 子ども達が経験することで、新しい森づくりが始まる。

・林野庁、木材を生産することはビジネスとして成り立たない。
 では、どうやったら食べていけるか。ボランティアでは守っていけない。
・どうやって多面的利用、木材以外でのお金を産み出す方法は?
 レクレーションでもお金をとっていくべき。
・林業の人たちも考えていかないといけない。お金を得る方法。
・国有林こそ、実験場としていろんなことを試して行くべき。

・パートナーシップ、1+1が2以上にならないと意味がない。
 共通の目標がないと効果ない。
・体制翼賛会にはならないこと。チェック機能も必要。

・経済活動の結果が環境問題を起こしていることの認識がない。
 時間を意識しないといけない。
 今のままでは10年後から顕著化。50年後は破綻。
 今の決定は、数十年後のことを決める。

・日本、経済の拡大が是。循環型社会、ゴミ問題。IT革命に予算がつく。
 どちらの方向に行動するかが大切。
 方向を変えるには、現場の知識より、トップダウン的考えが大切。

□会場から

・所得倍増計画から間違い。車、クーラー、使わない。一人一人が。
→自分だけが我慢して効果ない。平均よりも低い使用が普通の社会に。

・6000人の小さな村。60人が集まって、市民参加には20人に減る。
 なかなか実態は苦しい。発想を変えないとうまくいかない。
→地域の人たちとやりたい。都市住民と一緒にやることで、活動頻度が増える。
 そうしたいが遠い、課題。

・市民が森づくりが関わることにどう言う意味があるか。公共の担い手?
→市民の勝手な発想が山、森を変えていくのではないか。会話すること。
→一次産業が人間が生きるために最も重要な産業。高度成長の中で、比率が下がってきた。
 個人の力には限りがある、各々得意の分野で活動していけば良い。
→広報、啓蒙、教育。大きな力が結びついて政治を変えていくことにつながる。
 個人的には仕事を通じて出来ることをやっていく。

・バイオマス発電に興味。山村は停電が多く、地域の発電所が欲しい。
 都会の人は知識をひけらしている。
 ゼロエミッション、ゴミを出さない、自動販売機を使わない。
→坂井)汗を流すことから、自分達の活動を暮らしに結びつけたい。
     昔は暮らしと結びついていた。
→土屋)カン飲料、心を痛めながら利用している。
     割り箸、どんどん片づけられた、今のシステムでは捨てられる。
     木材で家を作る、いろんな選択肢があり、出来るようになった。
     選びとること、作り手側は提供すること。
→小沢)人間であるを出発。経済活動の結果が環境問題。
     企業は、環境に良い家を提案している一方、巨大ビルを作る。
     自動販売機、買わないことだけでなく、システムを変えること。
     企業の目的は顧客を増やすこと。ゼロエミッション、企業が
     大量に販売するということを変えないといけない。
     暮らしは、そういう経済活動をベースに考える必要あり。
→高野)豊かさの意味を問い直すこと。それが生活であり、暮らしであり、
     人生である。若い人は、新しい仲間意識が生まれている、過程の
     中で新しいエネルギーが生まれている。未来には楽観的。
     大きく、早いこと、お金がもうかることには、一息ついて、
     お金が儲からなくとも生きていければ良い。
     最新技術にこだわらなくとも良い。

以上 文責:竹井


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