latest renewal: 2015/12/05

             
 ニャンかいな
 
−徳川里朝 (明治36年ガイスバーグによる録音)
高い帽子に 低い鼻 ハッキタ
丸いお顔や 角袖に                   
じゃれつく猫は 髭の下 ハッキタ  
お札を目当ての ニャンかいな
               里朝の唄を聴く    


        縁かいな 「世界音楽全集 19 明治大正昭和流行歌集」
                       (堀内敬三 ・町田嘉章 昭和7年/1932)による

夏の涼みは 両国で
出船入り 船屋形船
上がる流星 星くだり
玉屋が取り持つ 縁かいな       
里朝に倣ってYou Tube にアップロードしました。

                        

お聴きのような里朝の快速調に比べて、昭和に入ってからの録音、或いは現在 U- tube などで聞く 「縁かいな」は− たとえばニ三吉の唄う復刻版のように 極端に遅くなっています。 ここに明治時代の流行り唄と、「文化遺産」 となってしまったその後の「端唄」との大きな違いが見られます。 参考までに、「端唄都都逸全曲集」から藤本に三吉(1897−1976)の「縁かいな」と聴き比べてみましょう。
                                        二三吉の唄で聴く 
3者のテンポの違いは下記の通りです。 ただしお聴きいただいた町田嘉章の譜にによる電子音は、里朝の速さにあわせています。 それにしても里朝のあの圧倒的な躍動感はどこへ行ってしまったんだろう! 私はこれを俗謡の堕落と考えています!

里朝 (明治36年) = 122 町田の譜 (昭和7年) = 108 電子音の演奏 = 122  ニ三吉 (昭和初め) =72


  
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