2015/04/14   koduc@me.catv.ne.jp  

 『七五調歌詞にて曲なき長編軍歌はこれにて謡ふべし』


       小 楠 公 
永井健子が32年 「鼓笛喇叭軍歌実用新譜」 に発表した汎用軍歌メロディです。 前述した 「凱旋歌」もこれに掲載されています。         
電子音で聴く 
序言をご覧ください:
       『本曲譜は七五調にて作りたる長編の軍歌にして 未だ曲なきものにはこの句節にて謡はしむるの作意なれば
       ここには小楠公の一編を借りその名称となす』
そして楽譜の上には 『七五調歌詞にて曲なき長編軍歌は此節にて謡ふべし』 とあります。
永井の試みは今回大成功をおさめます。 34年一高寮歌 「アムール川の流血や」に始まり、陸軍軍歌 「歩兵の本領」−万朶の桜か襟の色、、さらには 「メーデーの歌」−聞け万国の労働者、、として昭和60年代まで歌われました。 画像をクリックしてお聞きください。

 

 

堀内敬三が 「鼓笛喇叭軍歌実用新譜」 を実際に確かめる機会を持たなかったことは、軍歌/唱歌史にとって不幸な出来事でした:
 「アムール川の流血や」について 「音楽五十年史」が 『曲は陸軍軍楽隊の永井健子が頼まれて作った』としているのに対して、後年、金田一・安西による「日本の唱歌」では、『この歌の作曲者は以前、陸軍軍楽隊長、永井健子と誤伝されていたが、一高同窓会の調査により (中略) 栗林の作曲ということに決着した』 となっています。− この明らかな誤りは私の新発見かと思ったら、残念ながらウイキペディアのよれば、既に藍川由美氏が指摘しているそうです。 


        
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