Last correction 2015/02/26 kodama@a05.itscom.net 「喇叭吹奏歌」につけられた曲
歌詞だけで曲はないのかと一旦は誤解していましたが、実は「喇叭吹奏歌」 に相当する歌のいくつかが、10年後の明治28年 「大東軍歌 雪乃巻」 に、「陸軍の歌」、「海軍の歌」としてそれぞれ数字譜で、さらに明治32年の 「鼓笛喇叭実用新譜」 には「鼓笛譜」となって五線譜で掲載されていました。 作曲の時期・作曲者など 実は分からない事だらけで、読み返してみれば堀内敬三、遠藤宏、中村洪介の諸氏も、これら 「礼式歌」 について種々考察し疑問を投げかけています。 「陸軍喇叭譜」と「喇叭吹奏歌」の関係一覧表 (青字は歌曲/音楽として扱われた曲譜、他は喇叭の信号譜を示す) |
「大東軍歌 雪の巻」 には、陸海軍の礼式歌が、ドレミの数字譜で、作曲者の名を明記して掲載されています。 編集兼発行者の鳥居忱 (後に東京音楽学校教授、当時は 高等師範学校付属音楽学校教授) の「例言」から注目すべき箇所を抜書きします。
「足曳き」 陸軍一等軍楽長 古谷弘政 作曲 〔注意〕 明治十九年十月所定の軍歌 足曳きの 山べどよもす銃の火の 煙の中にいちじるく 競える旗はかしこきや 我が大君の御手づから 授け給へる御戦の 印の旗ぞ我が友の 軍の神と仰ぎつつ 進めや進め益荒男の友 足曳き(歌ってみよう) この歌も リズムといい旋律といい、明治時代のものとは思えない新鮮さではありませんか?永井の鼓笛譜 もお聴きください。 このままブラスバンドのテーマに採用したり、運動会の応援に使ってもおかしくないでしょう。
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