2025年3月3日
2025年度向け「ゆきとどいた教育をすすめる請願署名」報告
12月3日、11,805筆の請願署名を、県議会に提出
県議会は「非現実的」と請願を「不了承」
しかし県立高校ではこの6年間に「県費図書費が14万円から75万円へ増額(一校あたり年額)など、改善処置が進行
国では高校教育費の無償化の検討を始めるなど、署名の継続が成果を生んでいます
請願署名は「不了承」となりましたが、県立高校の県費図書費の増額など、要求は着実に前進しています。
35人学級も今年4月の2025年度からは小学校6年生まで拡充されます。中学、高校の35人学級をどうするか、対応が急がれます。みなさんの要求が、世論となります。
「すべてのこどもたちにゆきとどいた教育を」の社会を実現しましょう。
12月2日、署名提出集会
提出集会には、生徒、保護者など約80名が参加し、紹介議員となった日本共産党の木佐木議員、大山議員も駆け付け、請願の実現に頑張ると決意を述べましました
署名提出集会に駆けつけた共産党県議団
左から井坂しんや、大山奈々子、木佐木ただまさ、各県議請願署名は12月16日、県会文教常任委員会で審議され、杉山佳寿子さんが保護者の立場を代表して、口頭陳情をおこないました。・・・口頭陳情(以下参照)…。
「教育は命の問題」と訴え
<県議会文教常任委員会での口頭意見陳述>
小学2年生の娘が、去年から不登校の時期がありました。集団が苦手で、大人数のクラスが怖い、先生がいつも忙しそうで聞きたいことがあっても声がかけられなかったというのが大きな理由です。それによって集団生活や勉強についていけなくなり、不登校に至りました。
今年度から6人の支援級に転籍しました。今は先生の目が十分に行き届いていて、不安なことをフォローしてくれる体制が娘は安心できるようで、40人クラスの時は教室に入れず廊下で授業を受けていた娘が、今は教室に入って親の付き添いなしに授業が受けられています。
苦手だった勉強も徐々に理解できるようになって、自信がついてきたのか、色々なことに挑戦できるようになりました。何より「学校楽しい!」と言っています。
少人数学級ってすごいな、子どもの安心感が全然違うんだなと身を持って実感しています。
実際に不登校児童生徒数の増加が加速していて、高校生も合わせると41万人にものぼります。行き渋りも含めるとももっとたくさんいると思います。これは学校が楽しくない、居心地が悪いということの現れだと思います。
不登校が増えるなかで、自死する子どもも増えています。不登校問題は命の問題です。待ったなしの現状から、子どもたちを直ちに救ってほしいです。少子化を本当に問題ととらえるなら、今いる子どもたちを大切にする社会でないと先はないと思います。
予算拡充は国だけの仕事ではなく、県の独自予算で少人数学級を実現しているところもあります。全国比で神奈川は予算ワーストという現実があります。
ぜひ、命の問題だととらえた上で、神奈川の未来ある子どもたちのために教育予算の拡充に本気で取り組んでいただきたいと思います。
教育格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願
1 請願の要旨
(1)ゆきとどいた教育の実践と私費負担軽減のため、県の教育予算を大幅に増やしてください。
①正規教員を大幅に採用し、少人数学級の実現と教職員の未配置問題を解消してください。
②少人数学級の実現に向けて県立高校の統廃合をやめてください。
③県立高校の一学年9クラスや10クラスの過大規模校を8クラス以下の適正規模に戻してください。
④過大規模化の解消のため、県立特別支援学校を増設してください。
⑤県立のインクルーシブ教育実践推進高校の教育条件を改善拡充してください。
⑥県立学校の耐震工事・老朽校舎の改修工事を計画的に早急に行ってください。
(2)教育の無償化、保護者負担軽減をさらにすすめてください。
①教育の無償化前進のため、小学校・中学校での教育活動に必要な教材費・給食費の無償化や県立高校の図書費や教育振興費などの学校納付金を軽減してください。
②小中学校での給食費の無償化と給食での国産・地場産の食材の使用を進めてください。
③高校生への給付制奨学金の創設・拡充など、奨学金制度をさらに充実してください。
④全県一学区のため高額になっている県立高校生の通学費補助を検討してください。
⑤県立高校で保護者負担となっているデジタル端末を公費で購入し、生徒に無償で貸与してください。
⑥私立の学校および幼稚園に通う子ども・保護者のために、教育費の補助をすすめ学費負担を軽減することとともに、私学助成をさらに充実してください。
⑦県外の私立高校へ進学している生徒にも学費補助をおこなってください。
⑧フリースクールなどに通う不登校の子どもたち一人ひとりに、十分な学びのための予算を措置してください。また、不登校の子のために居場所を作ってください。
県議会は「非現実的」と請願を不了承
回答(下枠)には、「教育委員会としても既に取り組まれている内容」とありますが、数学、英語などで部分的に行われている少人数展開の授業(少人数教育)を指すものと思われます。要求は、「少人数学級」で、中学や高校でも基礎クラスを現行の「40人」から「35人」や「30人以下」にすることです。
「現実的でない内容」(請願の要求は上記枠内の項目)については、どの項目がそれに該当するのか、理解に苦しみます。高校段階での35人学級とか、他県ではすでに取り組んでいるところもあります。予算などの財政的な裏付けがない、県や県教育委員会に、予算を付けて実行する気が無いのではないか、と疑いを持ちます。
県は県民の要求を大切に、教育予算を大幅増額して
神奈川県は県立高校の図書費を、1校当たり14万円(2019年)から75万円(2025年 全国平均並み)まで改善しました。
授業料や学校徴収金をなくし、ゆきとどいた教育の実現を!
しかし、県立高校の施設管理や教育活動に必要な費用は、「全額県費」でなく、「県費」と「ほぼ同額の、保護者から集めた学校徴収金」でまかなっています。「学校徴収金」は授業料のほぼ20分の1に当たります。
授業料無償化とともに、学校徴収金をなくすことを強く求めます。
請願の審議結果について(通知) 神奈川県議会議長 柳下 剛
令和6年12月3に提出された請願第21号 教育格差をなくし、子どもたちにゆきとどいた教育を求める請願については、所管委員会において、県教育委員会としても既に取り組まれている内容、そして現実的でない内容もあるため等の理由により不採択とすべきものとされた審査結果を踏まえ、議会の議決において、12月19日に不採択と決定しましたので通知します。
・24年度向け ゆきとどいた教育をすすめる請願署名報告
・23年度向け ゆきとどいた教育をすすめる請願署名報告
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