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2001.10.14「みんなちがって、みんないい」から感じて

「みんなちがって、みんないい」、このフレーズが好きです。
これは、最近、読んだ、詩人<金子みすゞ>の『私と小鳥とすずと』の詩の一節です。
私の心に、あたたかさとやさしさを
もたらしてくれました。
そして、そういう考え方が大切だということにあらためて気付かされました。
そこから感じたことを少し書いておきたいと思います。


9月には、アメリカの同時テロが発生したり、今月は、アフガニスタンへの空爆が始まってしまいました。
また、女子中学生の拉致監禁致死事件もショッキングでした。
このように、今、明るいニュースが少ないのは、もちろんですが、
規模の大きい小さいではなくて、なにか、別のところにあると思うのです。

自分たちのすぐ足元にある気がするのです。
私たちは、どこか、日々の生活のなかに流されています。
自分本位になりすぎて、
周りの人のことも目に入らなくなっている人が多いような気がするのは、私だけでしょうか。

争いや不幸の原因のひとつは、自分の主張を通すのみで、相手のことを本当に知らないことにもあると思うのです。

主張しあうだけでは、溝をうめることはできません。

とくに、テロ事件に関して言えば、テロなんて絶対に許されるものであるはずもありません。
そして、このような事件をおこした組織、主犯格とみられる人物も許すことはできません。

でも、考えてみてほしいのです。
アメリカという国は、超大国として、世界をリードしてきたのですが、
そこには、自分の国の利益を、それだけを常に考えてきた部分はなかったでしょうか。
イスラム世界を本当に理解していたでしょうか。
アフガニスタンをあのような状況に追いつめたのは、当時のソ連と他ならぬアメリカではなかったでしょうか。


一方、その後、泥沼の内戦にしてしまった人々の責任も、大きいと思います。
国を愛する 気持ちで戦っていたとはいえないと思うのです。

争いの当時者は、いいかもしれない。
でも、そこに生きる子供たちや人々は、どうすることもできないのです。
自分の主張を通した結果が、これでは悲しいです。


振り返って、自分の周り、今、生きている社会を見てみると、
相手を受け入れることができないために問題がおきていることが多いような気がします。
自分と違うものは、受け入れない、そのような心は、ぶつかるのみで、何もうみださない心だと思います。
自分を受け入れてもらうためには、相手の心を考え、相手を受け入れる必要があります。


みんなが、そのように歩みよらなければ、世の中は、少しも変わっていきようがないと思うのです。
この世界に同じものは、何ひとつないですし、ひとりも同じ考えの人だってい ません。

だから、人がお互いを認めあうことから、すべては始まると思いますし、
そこから、幸せな社会を、素晴らしい世界をつくっていくことができるはずです。


「みんなちがって、みんないい」、みんながこういう気持ちになれたらいいと思いません か?

 金子みすゞ・詩集「わたしと小鳥とすずと」  JULA出版

 ・「みんなを好きに」
 ・「星とたんぽぽ」
 ・「明るいほうへ」 など、優しい詩がたくさんあります。

 私は、「みんなを好きに」という詩が好きです。


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