Essay

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【2004.9.8〜被害者に加害者にもせずに

Mr.Childrenの「タガタメ」という歌に
<…子供らを被害者に加害者にもせずに、この街で暮らすためまず何をすべきだろう…>
という歌詞がある。ラジオから流れてきた、この歌詞が印章に残っていた。
毎日テレビのニュースで流れてくる事件を見るたびこの歌詞を思い出す。

誰かを刺してしまったとか、親が子供を虐待したとか…。
あるいは子供どうし、少年どうしの争いであるとか…。
何がそうさせてしまうのか、知りたいと思うが、考えるだけでは結論はでない。
それほど単純ではない問題でもある。
ただ私は、大切な価値観が崩れたことが大きいと思う。

価値観とは何か。
それは本来人の心に備わっている「こうあるべき」、「こうすべき」という考えだと思う。
またそれは人との関わりの中で作りあげられていくものだとも思う。
具体的に言うとすれば、色々な人と接して痛み、苦しみ、喜び、楽しみを感じる中で
作りあげられていくということだと思う。
以前は、色々な場面場面で知ったり、感じたりすることができたのかもしれない。

ところが今、親になっている世代(もちろん私も含めて)の多くは、
それを感じる機会が少ない中で育ってきているので、
子供たちにうまく伝えることができていないのだと思う。
(しっかりとそれを伝えている方もいるのは分かっているが…)
喜び、楽しみは分かっても痛み、苦しみはなかなか分かりにくいもの。
それは自分がその立場になってみないと感じにくく、実感が湧きづらいから。
その部分が今の事件(とくに子供たちが被害者になる事件)が
増えている理由の中にあると思う。

だから、学校であっても家庭であっても大切なこと
「生きている意味」や「心の問題」をもっと知ってもらう必要があるのではないか。
それが被害者だけでなく、加害者をも減らしていくはず。私もその助けになるような活動をしていきたい。



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