7月8日
 昨日はアガサの血液検査に行きました。今日、病院で定例の病理研究会があるので多分講師でいらっしゃる病理の先生に検査結果を元に、アガサの状態をお話してご意見を伺っていると思います。木曜日にお話を伺いに行く事になっています。良い結果だと良いなぁ。アガサは今の所元気。ただ、また1〜2週間で具合が悪くなるのではないかと、 ちょっと心配もあります。
7月10日
 アガサの検査結果が出ました。余り芳しい物ではありませんでした。今回も好酸球は上がっており43%。先生に結果のお話を伺いました。アガサは好酸球が体の何処かに浸透する前の段階で、いずれは何らかの症状が現れるだろうとの事でした。浸透する場所は体のどの部分になるか分からず、一番多いのは腸。好酸球性腸炎となるのですが、その場合は嘔吐と下痢が始まります。腸に出るのか肺に出るのか皮膚に出るのかは 今の段階では全く分かりません。一番怖いのは心臓に浸透した場合でこの時は治療が間に合わない場合が多いそうです。現在は何の症状もないので対処療法として抗生物質、栄養剤などの投与ですが、何らかの症状が現れた場合はステロイドの投与になります。 ステロイドをあまり早い時期に投与すると症状が現れないので、状態が分からなくなるそうです。またステロイドを投与してもどの程度どの位の期間効いてくれるのか分かりません。何故好酸球が増えてしまうのか原因は不明だそうです。ポワロも原因不明の難治性口内炎だったので兄弟であると言う事が関係しているのか伺った所、関係しているかも知れませんとの事でした。 アガサは症状がはっきりして薬を飲みだすと一生飲まなくてはならないそうです。今のようないい状態が続き症状が出ない事はあるのですかと聞いたのですが、それは考えられず何時かは何処かに症状が出てくるそうです。
 先生にお話を伺った時、アガサたちを拾った時に主人が言った言葉を思い出しました。「猫を捨てるやつはいい、捨ててしまえばそれでお終い。拾った方は一生懸命育ててそれでも死なれて悲しい思いをして」もし、アガサやポワロが母乳を飲んである程度大きくなってから捨てられたのなら、こんな病気には罹らなかったかも知れない、ふとそんな事を思いました。
7月27日
 アガサの調子がまたおかしくなりました。二日ほど前から嘔吐が始まり昨日は数回ありました。その中には胃液に血の混じった物もあり、今日病院に行きました。先生とステロイドの投与を始めるかどうかの相談をしました。先生の判断では2週間で調子の波が来た時に投与開始でしたが、今はまだ3〜4週間周期です。ただアガサのストレスを考えると今回が最後の点滴治療にする事にしました。次回、状態が悪くなった時はステロイドの投与開始となります。 アガサは病院の先生やスタッフの方が皆さん「可哀想」と仰るぐらい、点滴の間緊張しているようです。
 先生がステロイドの投与開始を遅らせる理由は幾つかあります。一つは飼い主さんの情報が多くなった為、充分に理解して貰ってから投与を開始したいとの事です。ステロイド自体はそれほど怖いものではないそうですが、使い方により変ってくるようです。病院で一番長くステロイドを飲んでいる猫は10数年になるそうです。二つ目は副作用。猫の場合副作用は少ないそうですが、もしも起きた場合は肝臓機能、副腎脂質ホルモンなどに 異常が出るそうです。ステロイドはホルモンの一種に作用する為、起こらない事ではないとの事でした。またアガサの病気、好酸球増加症は例えば腸に症状が出たら他の場所には出ない、と言う事は無く別の所にも症状が出る可能性もあるそうです。その場合、肺が一番見つけやすいのでこれからも時々のレントゲン検査が必要となるようです。今日のアガサの好酸球の値はさほど高くありませんでした。白血球17000、好酸球19%ただリンパ球が41%になっていたそうです。好酸球の値は高いから悪いと一概に言えないそうで、高くても状態が良い場合もあれば、低くても悪い場合もあるそうです。 好酸球数が30000以上あっても症状が出ず発症しない猫ちゃんの例もあるそうです。
 帰り際、副院長先生とお話しする機会がありました。その時先生から「○○さんの所は珍しい病気ばかりで危ない橋を渡っているけれど、みんな良くなりますよね。」って言われました。
7月28日
 アガサ、2回目の点滴に連れて行きました。仕事帰りに迎えに行こうと頑張って仕事をこなしたのですが、結局会社を出たのは7時過ぎ。病院は8時までなので急いで車を走らせました。点滴の留置針を取ってもらう間待っていましたが、治療室を覗くと先生がアガサの体を拭いている。どうしたのかと思ったら。アガサ、病院にいる間ずっと同じ姿勢でいたそうです。ケージの中にトイレもあったのですが、そのままの姿勢でおしっこをし体が濡れてもそのまま動かなかったのでおしっこをした事に気が付かなかったそうです。何時もならトイレが汚れていると トイレの端に後足をかけ、前足はトイレの外に出してするほど綺麗好きのアガサが、緊張の為にそんなになっているとは。先生も「この仔は点滴で病院で預かるのはもう無理かもしれませんね」と仰ってました。
  アガサの病気はもし皮膚に出たとしても普通の好酸球肉芽腫とは違うそうです。普通の治療では対処出来ず、また効果的な治療法も分からないそうです。ホームズの耳垢腺腫瘍と同じく猫には珍しい物の為症例も少なく、何が効くのかこの先どんな状態になるのかも分からない現状です。今出来る事は、異常があった場合それに対する処置しかないと言うのが現状です。それでも期待が持てるのは好酸球増加症でありながら、 発症しない例がある事です。アガサの病気は分かったけれど治療法は分からない。でも、この病気と付き合っていくしかないんですよね。アガサが少しでも良い状態でいられるように、そして発症しない事を祈りながら自然に対応して行きたいと思ってます。
7月31日
 アガサの状態が良くありません。火曜日、水曜日とご飯を出してもほんの一口二口食べるだけ。水曜日の夕方猫缶の三分の一ほど食べたと思ったら、吐いてしまいました。もう1週間近くまともに食べていません。今朝、病院に電話をし先生と相談しました。その結果、皮下点滴をする事になりました。皮下点滴ならば病院に預けずに連れて帰る事が出来ます。すぐに連れて行き皮下点滴を受けました。これは30分ほどで済むのですが、点滴をする量が静脈点滴の四分の一ほどになり、効果が出るのも浸透に時間が掛かるため、静脈点滴よりも時間が掛かります。その他に消化器系作用薬の注射も打ちました。体重は日曜日が4.6キロ、今日は4.3キロに減っていました。
 院長先生のお話ですとアガサは自分の力で回復する力が落ちているのかも知れないとの事でした。今回の皮下点滴で効果が得られなければ、ステロイドの投与を始めるようになります。
 今日は娘が一日家にいたので後を頼んで出勤しました。帰宅して様子を聞くと、やはりご飯どころかお水も飲まない状態で一日を過ごしたようです。ベットで寝ているアガサの口元にご飯やお水を持って行っても、匂いは嗅ぐのですがすぐに横を向いてしまうそうです。私達が夕飯を食べている脇に座り、じっとこちらを見ているのを見ると切なくなります。

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