SCENE 13


GM:ではいっぺんシーンを変えて,再び伊織。
伊織:同じホテルのラウンジとかでいいっすかね。じゃ,ブレンド2つ。
光:一杯700円くらいしそう……。
GM:都心の高級ホテルやろ? もっとするよ。
伊織:問題ありませんね。
雨追:何せ,財布が折れ曲がるような財布じゃないんですよ(笑)。
GM:んな大金持って歩くあたり,真に金持ちではないような気もするが……。
光:ゴールドカードとか?
伊織:今ゴールドカードって簡単に出ますよ。俺のはプラチナでしょ。
一同:…………。
綾:……そーゆー殺意を覚えそうなことばっか言ってると,見捨てて帰るよ。
GM:(伊織が何か言う前に)お願い,さっさと話をつないで(笑)。
伊織:というわけでその霧谷雄吾って人のことなんですけどね。
一同:早っ!?(笑)
伊織:(無視)かくかくしかじかで何か重要そうな書類預かっちゃったんですけど,その後連絡ないんですよね。
綾:……そりゃ,ないはずだよ。
伊織:何でですか?
綾:霧谷さん,行方不明だもの。
伊織:おおっ,そうなんですかー!(←白々しい)
綾:それはともかくね(笑),その書類って中身は見たの?
伊織:見たことは見たんですが,何つーか……どこぞの設備会社が道路工事受注の談合やったって調査結果なんですよね。
綾:……? 何それ。
伊織:それとUGNのトップと,何の関係があるんでしょうね。
綾:さぁねえ。……あ,GM,ここで伊織にUGNという組織について詳しく説明しておきます。

 ……実は,伊織1人がUGNのことを何も知らなかったり。
 彼が皆と合流しにくくなっているのは主にそのせい。松井のマスタリングのまずさですね。
 別に伊織が光を避けてたせいだけではない(笑)。

GM:じゃあ,今日はそろそろ解散。明日の午前から調査開始ということで。シーン変えます。

 

SCENE 14


GM:えーとシーンプレイヤーは……。
綾:どうせ合流したんだし,誰でもいいんじゃないですか?
GM:登場しない人,いないよね? では,とりあえず雨追に回しとこ。順番だから。では5月15日の午前10時くらいかな? ホテル前に集合だね。
綾:あ,伊織を2人に紹介します。
光:俺,知ってるよ?
雨追:私も知ってますが?
綾:君らが知ってるということを俺が知らないんだよ(笑)。というわけで彼は俺の友人の日下伊織。伊織,こっちはUGNの雨追さんと,イリーガルの松山さん。
伊織:…………。
光:あれっ,我が未来の義弟じゃないか。偶然だなぁ(笑)。
伊織:…………。何度も言いますが,俺はあなたの未来の義弟ではありません。
光:現在? 過去?
伊織:なおさら違います。
光:いいじゃん,なんだって。
伊織:よくありません。
光:ちなみに伊織。あかりから弁当預かってるぞ。
一同:(爆笑)
光:「兄貴,これ伊織クンに渡してねッ!」って頼まれた。渡さないと俺が殺される。
伊織:…………。俺,帰っていいですか。
綾:だめ(きっぱり)。そういうご家庭の事情はまぁおいといて。
伊織:家庭の事情じゃないですから! てゆーか何なんだその女は! ストーカーか!?
綾:(頑なに無視)……それでね,UGNって組織は使えるんですかね?
GM:ん? 何に?
綾:その塚原設備とか,ライト氏やらについて情報収集してもらいたいんだけど。
雨追:今,人員不足じゃありませんでしたっけ?
GM:不足だよ。でも便利屋泪ちゃんがいるじゃん。
雨追:ちなみにワタシに調査系の能力って全くありませんからね。
光:あ,俺も全然ないや。
綾:いや,それは俺も同じだけどね? その辺はロールプレイで補えるでしょ?
伊織:プレイヤーにロールプレイをする気があるのかないのか,そこが知りたい。
光:ロールプレイをすると情報収集できなくなっちゃうんだよ。
一同:(爆笑)
光:ほら,光って今回ラブコメ担当だしー。
伊織:黙れこのラブコメアン!
光:(朗らかに)はっはっは。
雨追:(朗らかに)はっはっは。
綾:……ああ,大谷がいないと俺か? 俺がまとめないとダメなのか!?
GM:貧乏クジは誰かがひかないとねぇ。
綾:俺は大谷ポジションにだけはなりたくないんですけどね!
GM:(無視)ま,話を元に戻そか。泪には何を頼む?
綾:色々あるけど,まずは先日伊織がとっ捕まえた3人組の素性。で,その間俺らはホテルからあたってみましょう。まずは宿泊客の名簿。
伊織:そんなん,絶対見せてくれなくない?
綾:俺,ここの従業員だもん。

 いえ,アルバイトです(笑)。
 それはともかく,綾を中心にして情報収集をはじめた一同。
 ちなみにシーン・プレイヤーは何をしていたかというと……。

雨追:えーと「こんな人を見ませんでしたかー?」とか言って聞き込みしてます。
GM:……どこで聞き込みするって?
雨追:んー,ラウンジとかで?
伊織:目立つわ,バカモノ!
綾:お願いやめて(笑)。俺が行くからちょっと待ってて。

 そして,光は……。

光:俺は綾について行きます。聞き込みやったって目立つだけだろうし。
綾:コンピューター上の記録洗ってみますよ。〈社会:ウェブ〉《天性のひらめき》で……27。
GM:それはわかるけど……えーと,何が知りたいわけ?
綾:まず,霧谷さんの宿泊記録。
GM:泊まってない。あの人はラウンジで泪ちゃんの父親と会ってただけ。
綾:あ,そうか……。
伊織:ライトとかいう人は?
GM:それはちゃんと記録にあるよ。
綾:チェックアウトは?
GM:11日。君が目撃したのとだいたい同じ時刻。
綾:うーん……。
GM:他はパスポートの番号とか,アメリカ本国の住所とかだから,今は役にたたないんじゃないかな?
綾:うーん,とりあえずデータは控えときますよ。そうすると,やっぱりラウンジで目撃情報を訊くしかないか……。
伊織:それと,一応タクシーの行き先ですね。途中で降りられたらどうしようもないけど。
綾:じゃあ,ラウンジに戻ります。
光:じゃあ,ついて行きます。

 ……ほんっと,情報収集のできんやつらよのぉ。

光&雨追:だから,それはロールプレイで……。
綾:(投げやりに)はいはい。それじゃ,俺はラウンジ担当の従業員に目撃情報聞いてみますよ。〈交渉〉《天性のひらめき》で13。
GM:うむ,それなら問題にはなるまい。ただなー。君が見た光景とほとんど変わらないよ。ジェームズ・ライト氏が霧谷を連行してったところだな。
綾:その前は?
GM:その前って,霧谷さん? えーと,繰り返しになるけど,霧谷さんは泪ちゃんのお父さんとラウンジでお茶飲んでたのね。何か書類をいっぱい広げてたらしい。それから,2時30分くらいに,ベルボーイにロイヤル・スイートの場所を訊いてる。
雨追:おおっ!? ロイヤル・スイート!?
綾:それって,ライトが泊まってた部屋だったりする?
GM:だったりする。
綾:じゃあ,自分からライトを訪ねていったわけか……?
伊織:その部屋,調べてみましょうか。
綾:さすがにロイヤル・スイートにはうかうか入れないよ(苦笑)。
伊織:借りればいいじゃないですか。
綾:……は?
伊織:俺,プラチナカード持ってますから。
綾:…………。
GM:(呆れている)予約って,そんなすぐとれるのかな……。
伊織:そんなの,アメッ○スのプラチナとか見せれば問題ないですよ。
一同:(爆笑)
GM:ちょっと待ったらんかいっ。何でそんな金持ってんだよ!? 【社会】2だろうが! え!?
伊織:(へーぜん)ボンボンですから。
GM:それで全て済むと思っとるんかいっ!?
伊織:地獄の沙汰も金次第です。
綾:……実際問題,何もないと思うんだけどね(笑)。

 それでも「念のため」スイートを調べた伊織(と雨追)だが,やはり収穫はなし。 
 その間,綾&光は11日にライトたちを乗せた運転手さんに話を聞くが,大田区田園調布で降りた,ということがわかっただけだった。

GM:そこで,光に電話です。泪からですね。
光:ん? もしもし,相模原?
GM/泪:「あのぉ,皆さんに頼まれていたことなんですけどね。(小声で)あの3人,UGNのエージェントなんですよ」
光:……は?
GM/泪:「だから,UGN日本支部のエージェントです」
光:……どうして?
GM/泪:「うーん,実は私も詳しくは知らないんですけど,どうもあの3人,何かの作戦中だったみたいですよ」
雨追:おや? それを伊織さんが邪魔したってことなんですか?
伊織:ちょっと待ってくださいよ。ありゃどう見ても,悪漢が善良なる市民を襲うの図だったじゃないですか! それって一体何の作戦なんですか!
GM/泪:「いや,ですからね。私はその作戦に加わってないんで,事情は教えてもらえないんですよ。今は霧谷さんもいないし……」
光:その3人と話できる?
GM/泪:「警察に手回して引き取ったらしいですけどね……どこにいるかはやっぱり教えてもらえないんです」
伊織:その,手ェ回して引き取ったのは誰ですか。責任者は?
GM/泪:「上月さんですが……」
光:上月さんに話って聞ける?
GM/泪:「そりゃUGNに来れば話はできますよ。でもあの調子じゃ……事情を説明してくれるとは思えませんけどね。『作戦だから』って言われちゃえばこっちは引き下がるしかないですし」
光:……何か,こう,アヤシイんだけどなぁ。
伊織:それは全員そう思ってるけど,それだけで突っ込めれば苦労はしねえよ(笑)。
綾:それはさておいて,ひとまず田園調布に行ってみませんか。俺,車持ってますし。
GM:(え,いきなりそっちへ行くのか?)
光:他に相模原に訊くことあったっけ?
綾:あ,そうだ。11日に霧谷さんがお父さんと会ってたって言ったでしょ。それって何のためか知ってます?
GM/泪:「あー……それですか。実はですね,今度新しくNPOを立ち上げるんですよ。大谷さんトップで」
一同:ほほう?
GM/泪:「ウチの父って元々UGNに出資してるんですけど,そのぶんをこっちにまわしてくれないかって,頼んでたみたいですよ」
綾:霧谷さんが?
GM/泪:「ええ,発案者は霧谷さんですから」
雨追:(首をかしげて)UGNも色々あるみたいですね……。
GM/泪:「でも,多分今回の話に関係ないとは思いますけどね」
伊織:次回からの話に関係あるんでしょ。
GM:それを言うな(笑)。……ではかなり長くなってきてしまったんで,ここでシーンきりますね。

 

SCENE 15


GM:では東京都は大田区田園調布。言わずと知れた高級住宅地でやんす。時刻は午後3時。
雨追:(いきなり)では,聞き込みしましょう。
一同:…………。
雨追:は? 私,何かマズイことを申し上げましたか。
伊織:聞き込みをするの自体はまずくないけど……。
綾:あなたの場合,どうやって聞き込みをするかが問題(笑)。
雨追:(しばし考えて)それは地道に,人の多い商店街に……。
GM:じゃあ東口かな。別段賑やかでもないけど。
雨追:失礼します! こういう方をご覧になりませんでしたでしょうか! なにとぞご協力をお願いいたします!
一同:…………。
伊織:……やっぱ目立つし……。
綾:あれはあれでやらせておいて,俺らも聞き込みする? あ,一応病院も調べてみよう。
GM:病院ねえ。とりあえず駅前に総合病院があるな。あとは,何科の病院かによる。
綾:「友人の病院」てんなら総合病院じゃないだろうけど……そもそも,言葉通り病院行ったとも思えないけど(笑)。
GM:とりあえず聞き込みするなら全員D10を2個振って。0でた人いる?
雨追:はい。
GM:よりによってそこか(笑)。それではね,八百屋のおばさんがライトさんについて知っていた。ライトさんは日本好きな人で,年の3分の1くらい日本で過ごしているらしい。この店にも,何回か野菜を買いに来たことがあったらしいよ。
雨追:と,いうことは,このあたりに別宅があると?
GM/八百屋のおばさん:「徒歩で来てたから,そうなんじゃないのかねぇ。場所までは知らないけど」
雨追:はっ,ご協力に感謝いたします! (一同に)皆さん,このあたりにライトの家があるようです! 探しましょう!
一同:……どうやって?
雨追:(急に声が小さくなる)えーと……外人さんの名前出してる表札をあたってみるとか……。
GM:多いよ,田園調布って。外人さん,つーか欧米人の家。
伊織:だいたい,本名だしてなかったらどうすんだ。
雨追:(大真面目に)現地妻って可能性もありますね。
GM:いやそうじゃなくて!(笑)
雨追:一軒一軒訪ねてまわってみるとか。ぴんぽーん♪ すみません,こちらライトさんのお宅ですか?
GM:……本気でやるか?
綾:(頭を抱えている)……だから,やめてって……。
伊織:だーかーらー,高級住宅街だっつーに! 警察呼ばれたらどーすんだ!
雨追:は,そうです! 警察に訊いてみましょう!
GM:(すでに声が冷たい)やってみれば?
雨追:(でも素直)すみません,このあたりにジェームズ・ライトさんという方の家はありませんか?
GM/警官:「ええと,住所はおわかりになりますか?」
雨追:このあたりに住んでるのは確かなんですが……。
GM/警官:「確かなんですが,って,ご存知ないんですか?」
雨追:はあ,住所を訊き忘れてしまったので……。
GM/警官:「……いったい,どういうお知り合いで?」
雨追:は,それは仕事とか……。
GM/警官:「『とか』? 具体的にどういうお仕事で?」
雨追:それは……。
GM/警官:「…………。それじゃ,ちょっと探しようがないですね」
雨追:は,そうですな。では……。
GM/警官:「…………」
綾:……だーめだ,こりゃ。
雨追:うーん,田園調布って冷たい街だ……。
伊織:単におまえが怪しさ大爆発なんだよ(笑)。
光:結局どうする? 市役所とかで訊いてみる?
綾:無理ですよ,そんなの。
GM:(うーん……)で,どうする?
伊織:そういえば,あの探偵さんの身元はまだ不明だなぁ。
GM:ああ,それは新聞に載る。でも,あんまり重要な人物じゃないんだよなぁ。そんじゃ名前は山田太郎さんということで。
一同:ひでえ!(笑)
雨追:ほんっとに重要じゃないんですな。
光:問題なのは,霧谷さんがどういう目的で調査を依頼したかってことだと思うけど……。
伊織:だから,それは本人に訊いてみなくちゃわかんないだろ(笑)。

 それもそうなんだけど,調査対象の塚原設備を調べてみるって気はないの?
 ねえ?

光:なんか八方ふさがり?
綾:ひょっとして,このままここにいてもすることない?
GM:うーん,まぁ時間をかければライトさん家を見つけることも不可能ではないと思う。ただし……。
綾:タイムリミットありってことなんでしょ? ちなみに,今何時?
GM:午後の4時。
光:でも,他に手がかりってあったっけ?
伊織:あの,UGNのアヤシイ人。上月さんだっけ?
綾:また,T市に戻るのか……(笑)。

 状態膠着。
 松井,苦手なんだよなシティ・アドベンチャーって……(苦笑)。
 一行は本当にT市に戻り,時刻は午後5時30分。上月さんを問い詰めに行く。綾と伊織の連携プレイで,やっぱりこの人が霧谷の誘拐に一口かんでるんではないか,とは掴んだものの,

GM:そりゃ,霧谷さんから「休暇をとる」って電話を受けたのこの人だもんなぁ(笑)。アヤシイといえば,最初からアヤシイよな。
伊織:この人が口でそう言ってるだけなんだもんなぁ。……封筒叩きつけて言ってみましょうか。何故山田さんを殺したんですか,とか。
GM:それは作戦上のことだから,お話できない,とか言われると思うよ。
伊織:一般人殺しておいて,そんなイイワケが通用するかよ!
GM:……って言うの?
伊織:いや,心の中では思ってますけどね。この狸親父め。
綾:決め手がないなぁ。動機も不明だし。
光:ホント困ったねえ。
雨追:UGNって,本当に色々あるんですね。私驚いてます。
伊織:だから,おまえらも少しは考えろよ!(笑)

 そんなこんなで,のらくらかわされて終わり。
 情報を素直に提供しないNPCを出すの,松井の悪い癖だという自覚はあるんですけどね(歩とか……)。
 ここで上月に「はっはっは,バレてしまっては仕方ない!」やらせてもなぁ……(笑)。

 

SCENE 16


GM:はい,そういうわけで午後6時です。
綾:どんどん時間が過ぎていくなー。
光:とっとと片づけて帰らないと,明日香が〜。
伊織:構わないから,帰れ。今すぐ帰れ。
GM:ま,ラブってコメってる人はおいといて,雨追に電話がかかってきます。
雨追:は,誰からですか。
GM:さて,知らない番号だね。とりあえず「03」(←東京23区内の市外局番)ではじまってるけど。
雨追:は,これが噂にきくワン切りですかな?
GM:鳴り続けておるわいな。
雨追:では出てみましょう。はい,雨追ですが。
GM:無音です。
雨追:もしもし? こちら,雨追永でありますが……。
GM:無音です。
雨追:……おや? まさかイタズラですか?
GM:(にやり)雨追,ここで〈知覚〉判定を。
雨追:えーと,1個回って14です。
GM:なら聞こえるな。背後で誰かがしゃべってる。英語で。
一同:…………。
GM:何を話してるかまでは聞こえないけどね。ちなみにこれ,君が切るまでずーっとこのまんまなんだけど……(にやにや)。
雨追:え!? あ,えと,どういたしましょう。
伊織:逆探しろ,逆探!
雨追:え!? 逆探って,携帯からできるんですか!?
綾:どうだろう。でもGPSとか使って先方を割り出すことは……。
GM:ちなみに携帯じゃなくて家庭用の電話からかけてるからね。
綾:あ,そうなの?
GM:「03」から始まる番号だって言ったろ。つーか,番号が表示されてるってばよ! 逆探もGPSもあるかいっ!(笑)
伊織:……あ。
綾:……あはは。電話番号から住所って割り出せますよね。カーナビとかでも。
GM:だせるよ。東京都大田区田園調布4−○−×。
光:そこだー!
雨追:そこですね!(携帯に向けて,大声で)どうもご協力ありがとうございましたァ!
一同:(爆笑)
伊織:どこに向かって言うとんじゃ,おまえは!
雨追:え,一応先方にお礼を言っておこうかと。
GM:(意地悪く)お礼を,大声で言ったのね?
雨追:え? は,いや……。
伊織:(横から)言ってない言ってない! いいから早く電話切れ。
雨追:は? 切ってしまってよろしいんですか?
伊織:場所さえわかってりゃ用はないだろ。向こうは助けてくれって言ってんだし。
雨追:いや,それくらいは私にだってわかってますよ。(小声で)ご協力ありがとうございましたー。
伊織:だから言うな!
綾:……霧谷さん,雨追には電話かけない方がよかったんでは?(笑)

 最初の予定では泪にかけるつもりだった。
 が,泪が同行しなかったからなー。苦肉の策で雨追ということに。

雨追:いや,ちゃんと意志は伝わってますよ! 苦肉の策とか言わなくたって!
GM:(無視)はい,6時15分〜。どうする?
伊織:どうするって,場所がわかったんなら助けに行くでしょう。
綾:うーん,塚原設備も調べたかったんだけど。
GM:(あ,覚えてたんだ……)
伊織:ちょっと時間が心配だなぁ。二手に別れます?
光:でも霧谷さん助け出せば調査の理由も教えてもらえるっしょ。
綾:うーん。
伊織:(いきなり)GM,このへんに野っ原あります?
GM:は?
伊織:河川敷でもいいんですけど。
GM:T市ならあるんじゃないかな? 何で?
雨追:は! もしや!
綾:……やるかぁ,そういうことを(笑)。
GM:え? 何?
雨追:ヘリ呼ぶ気です,この方!
一同:(笑)
伊織:(へーぜんと)だって,車で1時間とかならヘリだと10分ですよ。
GM:……田園調布の上空にヘリ飛ばしたら,目立つと思うんだが……。
伊織:誰も住宅街に乗りつけるなんて言ってないでしょ。ないんですか,広い場所。
GM:多摩川の河原は近いよ,そりゃ。でも巨人軍もいればタマちゃんもいるぞ(笑)。
雨追:だったらこういうのはどうですかな。(低い声で)「屋上を借りる」どーん!みたいな。
一同:(爆笑)
GM:……あ,あのぉ,却下してよろしいですか,それ?
綾:ええ,是非却下してください(笑)。
伊織:ヘリ使うの自体はいい案だと思ったんだけどなー。
GM:隠密行動だという自覚はあるんかい。
雨追:ではいっそ上空からパラシュートで降りては?
GM:だから田園調布だとゆーとろーが! しかもまだ6時! 素直に車で行かんか!(笑)
綾:(←相変わらず忍耐強い)……で,塚原設備,どうする?
雨追:ここは戦力を分散しない方がよろしいでしょう。切羽詰っている方を優先するべきかと。
光:塚原の方は,相模原に頼んじゃだめなの?
綾:ああ,それは確かにそうかも。
GM:というわけで泪ちゃんが「はい,毎度便利屋稼業の相模原でございまーす」(笑)
雨追:うわー,泣けるー(笑)。
綾:そんな卑下しなくったっていいでしょう。もっと「便利屋」な人がいるんだし(と,隣の卓を見る)。
GM:……なるほど。
雨追:それは言ってはならないお約束です。
光:えーと,それで何について調べてもらうの?
伊織:少しは自分で考えろよ!
光:えーと……(←考えている)。
伊織:(無言で携帯を奪い取り)あ,もしもし,相模原さんですか?
GM/泪:「はい。あ,日下さんですか」
伊織:ええ,そうです。すみませんが,塚原設備という会社について調べて欲しいんです。筆頭株主とかも。まず,どういう会社かということ,今回の談合について,それからUGNとどういう関わりがあるかどうか。
GM/泪:「えーと,そこUGNのカバー会社のひとつですね」
伊織:……そうなんですか!?
GM/泪:「そうですよ」って,最初から泪に聞いてくれればいいものを(笑)。
雨追:うーん。なんかイヤな方向に話が進んできたー(笑)。
伊織:とりあえずそこまでわかればいいような気もする。
綾:かな。情報が多いんだか少ないんだか微妙だけど。
GM:(にやにや)談合のこととか調べてもらう?
伊織:……あれ? 工事って,すでに終わった工事ですよね?
GM:あれ,そんなこと言ったっけ?
光:俺,これからやるって聞いた。工事現場のおっさんに。
伊織:…………。
GM:(にやり)今,ちょうど工事やってるころじゃないかね。
一同:…………。
伊織:……やっぱ,二手に別れようか?
綾:俺も,その方がいいような気がしてきた……。
雨追:じゃあどうやって別れますか?
綾:普通は戦闘のバランスで分けた方がいいんだけど……。
光:探索能力のバランスで分けた方がいいと思う。
一同:(爆笑)
伊織:アンタ,一応自覚があるわけか? 雨追とアンタでいくと探索もへったくれもないという……。
綾:(苦笑)じゃ,松山さんと伊織で工事現場行って。俺と雨追さんがライトの家。もうそれでいいっしょ?
一同:はーい。
GM:ではようやく方針決まったところで,シーン変えます。

 

SCENE 17


GM:では,工事現場その1なのだが……。
伊織:どんな感じです?
GM:とりあえず,バリケードがあって,ミキサー車と給水車が1台ずつ止まってます。
雨追:給水車って何に使うんですか?
GM:セメント柔らかくするのに使うらしいよ。よくは知らないけど。さて,工事の経過だが,アスファルトひっぺがして,水道管がそろそろ露出してるかなー,というところ。
綾:……あれ?
GM:ん? 何?
伊織:何でそんなに深く掘るの? 水道管,関係あるんですか?
GM:(白々しく)おや,道路補修工事のついでに水道管の補修もするのかなァ?
伊織:しない。普通は。
綾:というか,こんな夕食時に水道止めたら大問題でしょ。
GM:(白々しく)とりあえず昼間掘っておいて,夜間に工事してまた昼間埋めるのかもよぉ。工事って,ホント騒音に気を使うよねえ。
伊織:だから! そんなことはどうでもよくて,何で道路の補修工事で水道管掘るんだよ!
GM:さぁねえ。どうしてだろうねえ(にやにや)。
伊織:……ワーディングかけて中に入る? 乱暴かな?
光:中にいるのって普通の人かな?
雨追:そりゃそうでしょ。嫌ですよ,工事現場のハヌマーンとか。
一同:(笑)
雨追:自覚なくて,でも「何だか俺,この仕事向いてるみたいだなー」とか言ったりして。
GM:言わねーよ(笑)。ちなみに現場の人たちが話してるのを聞いてると,やっぱり彼らはこれを水管工事だと思ってるっぽい。
光:どゆこと? 上と現場の認識が違うってこと?
綾:多分ね。
伊織:えーと,あたりに不審なものはありませんか?
GM:この工事自体,かなり不審だよなァ。
伊織:あんたが言うな! そうじゃなくて,明らかに工事現場に似つかわしくないものとか……。
GM:んーと,それはないと思う。あるのは,だから,給水車とミキサー車(にやり)。
綾:……俺,どんどん嫌な考えになってきた。
光&雨追:え?
伊織:……一応訊いておきたいんだけど,これって本管じゃないですよね?
光:本管?
伊織:いや,まさかとは思うんだけど,ここから毒とかウィルス流そうなんてハラじゃ……。
光:それほとんどテロじゃん。
伊織:だからまさかだとは思うんだけどな。ただ,他に水道管掘り当てる意味あるか?
綾:それはそうだけど,動機がなくない?
GM:…………。
綾:UGNのカバー会社だろ? UGNが何のためにそんなことすんの? 意味ないじゃん。
GM:あはは。
綾:……何,その笑い。
GM:ちなみにこの水道管,本管っちゅーか,かなりの世帯に響くあたりやね。
一同:…………。
伊織:おい……。
綾:……マジでテロくさくない?
雨追:いやぁ,流行ってますな無差別テロ。
伊織:流行ってねえ! てか,んなことさらっと言うな!
光:えーともっかい訊くけど,工事やってるのってフツーの人?
GM:フツーというのはオーヴァードじゃないって意味? それともテロリストかどうかってこと?(笑)
伊織:だからヤバイだろ時期的に! ……まぁそれはおいといて,実際に工事やってる人が何も知らないってのは十分あり得るな。工程だけ指示しとけばいいわけだから。
光:俺が訊きたいのは,このまま力ずくでやめさせちゃっていいかってことだけど。
伊織:それしかないんじゃないのかな。ワーディングかけて,倒れてないヤツを倒す。それか,水道管を壊す。
一同:……えっ?
伊織:それなら,どうやっても毒は流せない。あたりは水びたしになるけどな。
GM:……あ,あの,伊織サン。それ,もしテロでも何でもなかったらどうすんの? この時刻に何百世帯と断水するよ? かなり大事よ?
伊織:それは……。その時は……。
GM:その時は?
伊織:……走って逃げりゃいいんだよ!
GM:ちょっと待たんかいっ!?(一同爆笑)
綾:伊織,伊織落ちつけ。おまえの方がテロリストみたいだ(笑)。
伊織:GM,俺何だか悲しくなってきました!
GM:え?
伊織:俺こういうキャラじゃなかったはずなのに! 「健全なボンボン」だったはずなのに! どんどんキャラが崩れていくんですけど!?
光:そんなの,よくあることじゃん(笑)。
伊織:一言言わせてもらえば,ほとんどはアンタと雨追のせいだ!(怒)
綾:まあまあ。とりあえずGM,ワーディングはかけてみます。それだけなら問題ないでしょう。
GM:ワーディングかけるなら倒れる人と倒れない人がおるね。
雨追:工事現場の……。
GM:だからそうじゃなくて。えーと倒れてないのは10人。
一同:10人!?
綾:そんなにいたんだ?
GM:いるっつっても,1+9=10だけどな(笑)。ちなみにこっちに来てるのは光と伊織だよな……じゃ,光は見覚えあるかもしんない。
光:あらま。やっぱUGNの人なの?
GM:いえーす。
光:ふむ。(いきなり渋く)……僕は道路工事って聞いてたんですけどね。
GM/男:「おまえが今それを知ってどうする,松山光」
光:俺を知ってるのか?
綾:光は有名人ですからね。
雨追:あのラブラブっぷりが?
一同:(笑)
光:(いきなり朗らか)いやぁ,テレるなぁ。はっはっは。
雨追:それはアレですか。「知ってるぞ! おまえ子供が生まれるんだろ!」とか。
光:いやどうもどうも。
GM:どうもじゃねーよ(笑)。では「生まれてくる子供の顔を見ずに,ここで死ぬか?」とか言ってやろう。
光:(いきなり渋く,フッと笑う)……おまえにできるかな。
伊織:……てか,アンタさ。
光:ん?
伊織:今まで何もしなかったくせに,いきなりここにきてカッコつけるって,それどうなの?
一同:(大爆笑)
GM:で,ではお互いやる気なので戦闘に入るとしましょう。一度シーン変えます。

 

SCENE 18


GM:ではエージェントさんはイニシアティブは9。トループが8。
雨追:エージェントさんの名前は?
GM:(投げやりに)名前? 名前なんて別に決めてないよ。ええと,そっちは光からかな?
光:10で動きまっす。エンゲージは?
GM:エンゲージはしてない。
光:ではトループを《鬼の一撃》《大蛇の尾》で攻撃。(ころころ)32。ダメージは29。
GM:さっそく全滅したというなぁ,それは(笑)。ではエージェントさんが《炎神の怒り》《ブレイン・コントロール》《灼熱の弾丸》で。対象伊織。
綾:近づいてきてくんないんだ(笑)。
GM:くんない(笑)。(ころころ)しかし,出目はイマイチだな。28。
伊織:《バリアクラッカー》を……使えない。よく考えてみると,〈回避〉に使えるエフェクトがないじゃん,俺。
綾:一度死んでリザレクトするのも手では?
伊織:そうかもしんない。ダメージください。
GM:(ころころ)低い。低いな。15点。
伊織:でもそれで死亡。リザレクトして5点回復。んで,俺はエンゲージして終わり。

 セカンドアクション。光は《鬼の一撃》《大蛇の尾》に《狼牙》を組み合わせて攻撃するが,エージェントさんは《ブレインコントロール》《陽炎》で避け。さらにマイナーアクションで《氷剣》,続けて《ブレインコントロール》《炎神の怒り》《炎の剣》《エネルギーマイスター》で伊織を攻撃。

伊織:……ふっ,そうくるのを待っていたのだ。
GM:《バリアクラッカー》が来るんだろ。わかってはいるが(笑)。でもそれ次ターンだからな。(ころころ)29といって攻撃。
伊織:《カウンター》を狙うか,さらにリザレクトして侵蝕率を上げるか……。
GM:あーたセカンドアクション持ってなくないか?
伊織:あ,そうか。それじゃくらってリザレクトします。

 第2ターン。
 光の攻撃は「低い」と本人は言いつつ,GMの出目が自爆して残りHP5点。続く伊織がマイナー《雷の加護》に《オウガバトル》《バリアクラッカー》。

GM:うう……わかってはいたが,クリティカル値が11になってしまうのは泣くしかないなぁ……。
伊織:こっちは29。
GM:ああ,もういい。ダメージださんでいい。
伊織:……もう終わり?
GM:うん,今回戦闘主体のシナリオじゃないんで。むしろ肝心なのは,今のでどのくらいの時間がかかったかってことだけど……。
綾:2ターンだから,だいたい20秒(笑)。
GM:その前のやり取りもふくめて,だいたい到着から30分後ということにさせてもらおう。
光:あ,その前に,エージェントさんって死んじゃったの?
伊織:そこはそれ,峰打ちということで。
GM:ありかよ,それは(笑)。
光:死んでないんだったら,相模原呼んで治してもらえない?
GM/泪:「構いませんが……全くもって,私のこと便利屋だと思ってますね,光さん」
一同:(笑)
光:いや,そんなことはないって(笑)。
GM/泪:「わかりました。それじゃ……」
伊織:ちょっと待てっ。(受話器を奪い取り)ええと,相模原さん? それよりもですね,水道とめてください。
GM/泪:「はぁ?」
伊織:かくかくしかじかで,毒かウィルスが流されてるかもしれないんですよ。水道局に連絡して……。
GM/泪:「ちょ,ちょっと待ってください。そんなことしたら,何万という世帯に影響が出ますよ!?」
伊織:何万という世帯に致命的な影響がでてからじゃ,遅いんですよ。
GM/泪:「それはわかりますよ。そうじゃなくて,そんな,証拠もないのにどうやって水道局を説得しろっていうんですか。私にそんな権限あるわけないでしょう」
伊織:それは……。
GM:それとも水道管壊す?(笑)
伊織:何か……それしかないかな,って気になってきた……(笑)。
綾:もはやUGNも頼れませんしね。
雨追:もっと権力のある人に頼ればいいわけなんですよね。じゃあ,あの人の出番じゃないんですか?
光:あの人って?
雨追:(妙な声音)ん〜ん,伊織どうかしたのか〜い? パパに何か頼みごとか〜い?
一同:(爆笑)
雨追:ん〜ん,なになに,水道管をとめてほしいか〜い? よしよし,パパにまかせておけ〜?
GM:やめんか!(笑)
伊織:……いや……でも,誘惑に抗しきれない自分を感じる……(笑)。
GM:抵抗しろ! というか,その前にシーン変えてもいいですか? やっぱ霧谷御大が出てこないと場が収まらんわ。

 

SCENE 19


G M:では,お父さんと雨追組。車で走って走って,だいたい7時でございます。ライトの家は,4階建てのこじんまりしたマンションですね。ま,1フロアに1世帯,くらいの大きさかな。その3階。
綾:灯りは?
GM:ついてる。
綾:さっき上月にあんな話しちゃったから,逃げられてる可能性も大いにあると思ったんだけどさ。
雨追:それか,待ち構えられておるか,ですが。
綾:待ち構えてるんなら,その方が手間は省けるよ。とりあえず,ワーディングかけて,それから潜入しようか。
伊織:(横から)それなら,部屋の前まで行って,ドアを破ったら即座にワーディングかけるんですよ。その方が相手に気付かれなくて済みます。
綾:…………。
伊織:何ですか。
綾:(白々しく)いや,確かに正しい。正しいよ。
雨追:えーと,マンションの構造を知りたいんですが,見取り図とかはありませんかな?
GM:見取り図ねえ。抜け道とかはないよ。
綾:そんなあなた,どっかのお城じゃないんだから(笑)。
GM:真面目な話,マンション自体は普通のマンションね。エレベーターと,非常階段がある。入り口もエントランスと駐車場側に通用口が1つ。
雨追:む,これは手分けした方がいいのですか?
綾:どうだろう。これ以上戦力分散するのもどうかと思うしなぁ。ま,部屋の出口はひとつだけなんだから,部屋から出てくる前にしとめた方がいいんじゃない?
GM:窓から逃げられないわけじゃないけどな。非常用のシューターとかで。
綾:そんなことやったら目立つでしょ。
伊織:(横から)だから,その前に駐車場に停めてある車を手当たりしだいにぶち壊しときゃいいんですよ。
一同:(爆笑)
GM:伊織さん……(笑)。
雨追:キャラ壊れてませんか?
伊織:もう何とでも言ってください。てゆーか,この手ェかかる連中とつきあってると,人間おかしくなりもします。
GM:なぁに,大谷の苦労はこんなもんじゃないから(笑)。
綾:(白々しく)はいはい。では行きましょうか。
雨追:で,結局ドアってどうすんです?
伊織:(横から)だから,そんなのエフェクト使って破りゃいいんですよ。火付け盗賊改め方だ!とか言って。
雨追:誰ですかそれは!(一同笑)
伊織:長谷○平蔵を知らんのか!

 ……だから,そうじゃなくて……。
 大丈夫かよ,伊織さん……(笑)。

綾:では伊織案を採用ということで(笑),ドア破って即座にワーディングかけます。
GM:では,ドアを破った途端に灯りが消えますね。
綾:おや? さっきまでついてたのに?
GM:だから,気付かれたということなんだろう。
雨追:問題ありません。私エンジェルハイロゥです。明りつけます。
GM:うーん,そうすると黒服の男が2人,襲いかかってくるんだが。
雨追:そんなのは無視です無視。まずは上司を助けねばっ。
GM:いや,だから襲いかかってくるんだってば(笑)。

 と,いうわけで戦闘である(もはやGMに細かい会話なんぞする気力はないようだ)。
 と,そこへふらりとやってきた大谷プレイヤー。

真:何でそんなに戦闘的なんです?(笑)
GM:うーん,何か皆疲れちゃっててさ。ちゃっちゃいこうと。
綾:特に伊織が(笑)。
伊織:だってさ! 俺は本当に真面目に健全なボンボンをやろうと思ってたのに! 周りがちっとも動いてくれないんだもん! ラブコメしかしねーヤツもいるし!
光:はっはっは。
伊織:はっはっは,じゃねー!
真:(沈痛な面持ち)気持ちはわかるが。……何,大谷はいつもそんなもんだ。
GM:(白々しく)さて,では戦闘を開始しようか。黒服さんはイニシアティブ13と12。
雨追:私は15〜♪ 《破壊の光》《ピンポイント・レーザー》《全知の欠片》で攻撃です。(ころころ)でも低い。19……。
GM:(ころころのころころ)でも1人避けられなかったです。
雨追:では14点,ばひゅーん。
GM:の,装甲値無視ね。けっこ痛いなぁ。では黒服Aが雨追に《急所狙い》《オウガバトル》《シューティング・システム》で19。低いなァ。
雨追:はっはは。避けられるわけがありませんがな。
GM:そなの?
雨追:だって〈回避〉に使えるエフェクトが何もないんですもん。
GM:よく生き残ってこられたな,君……それではダメージ21点。
雨追:はーい,死んでリザレクトでーす。
GM:それからもう1人がマイナーで《雷の加護》,綾に《雷の槍》《MAXボルテージ》で25。
綾:侵蝕値70は微妙だなぁ……リザレクトします。接敵して終わり。

 セカンドアクション。
 雨追が《光速の剣》と先般の組み合わせで攻撃するも,しっかり下限値以下。
 第2ラウンド,先手はまたも雨追。今度は39という高達成値を出し,2人をしとめる。

GM:でも,リザレクト。
雨追:何ー!?
GM:1回くらいはこっちもリザレクトさせてくれよ(笑)。
雨追:そんなことしている間に,霧谷さんが!
綾:雨追さん,そんなに霧谷さんが心配なの?
雨追:だって私,命令下してくれる上司がいないとダメなんです!
一同:…………。
GM:では……お父さんに攻撃するのヤなんだけどなぁ(笑)。《零距離射撃》《急所狙い》《シューティング・システム》《オウガバトル》で38。
綾:《カウンター》《復讐の刃》《銘なき刃》《獣の力》。
GM:《カウンター》と《復讐の刃》あわせるのはアリかな? せめて「回避しつつ行動できる」と「行動済みにならない」を両方イキにするのはよしてくれよ。
綾:あ,間違えた。《カウンター》を外します。
GM:それって達成値関係なしに攻撃が来るんだよな。
伊織:俺も痛いがおまえももっと痛いぞ,という。
GM:こっちのダメージは35だけど?
綾:それに対して《軍神の守り》《天性のひらめき》で,きんっ。
GM:ず,ずっけー!(笑)
綾:別にずっこくない。回りまくっただけだよ(笑)。でこっちのダメージが20点。
GM:ひとりオチた。で,ちなみに雨追は? さっきのカミナリコンボだけど。
雨追:死んでリザレクト! それで《光速の剣》《光の弓》《ピンポイント・レーザー》《全知の欠片》で(ころころのころころ)57!
GM:ああ,もうダメージださなくていい(笑)。戦闘終了。
綾:もうひとりいなかったっけ?
GM:うーん,でもここにはいないんだわ。ライトさんもね。で,ちゃっちゃか話を進めると,奥の部屋のソファで霧谷さんが寝てる。
雨追:は! 寝てるところを起こしては。
綾:起こせよ!(笑)
GM:薬で眠らされてるだけだよ(笑)。
伊織:ソラリスに薬って,アリなんですか?
GM:起きてたところで抵抗が難しいから,素直に寝たんじゃない? ちなみに起こせば起きるよ。
雨追:は,霧谷さん! 雨追です,助けに参りました!
GM/霧谷:「(←起きた)……あれ? 雨追帰ってきてたのか」
雨追:がーん!(笑)
綾:ちょっと待ちなさい。さっき雨追に電話かけてきたのは誰だっけ?(笑)
GM:がーん!(笑)
光:ああ,きっと単に間違い電話だったんだよ。
雨追:がーん!
伊織:なるほど,泪にかけようとして間違って雨追にかけたのか(笑)。
雨追:がーん!
綾:それはもういいから!(笑) ええと,霧谷さん? お怪我はありませんか?
GM/霧谷:「ありがとう,大丈夫だよ。ところで君は?」
雨追:ええと,私が以前UGNに紹介した瀞南寺さんです。今回,相模原さんから霧谷さん捜索の依頼を受けまして。
GM/霧谷:「ああ,そういえばそんな話を聞いたことがあったね。改めて礼を言わせてもらうよ」
綾:いえ。そんなことより,霧谷さん。どうもヤバイことになっているらしくて……。
GM/霧谷:「ああ,だいたいわかっている。急いでT市に戻らなくてはな」
雨追:え?
GM/霧谷:「道々話すよ」
綾:わかりました。じゃあ僕の車でT市に行きましょう。それとGM,その時点で伊織たちは戦闘終えてますよね? 電話かけたいんですけど。
GM:ホントはちょっとおかしいんだけどなぁ(←田園調布まで移動するのに1時間かかっているから)。じゃあ光たちの方の時間を進めて今は7時20分。それでいいね? では1回シーンをきります。