GM:では伊織なんですが……やっと警察から解放されましたね。
綾:人が死んでますからね。一晩かかっちゃうかもですね。
GM:だな。では時刻は綾や雨追たちより少し前。眠いですね。
伊織:ま,一晩くらいの徹夜なら……。
GM:ちなみに,誰が迎えに来るかな。やっぱあかりちゃんかな。
伊織:(即座に)いや両親でしょ。
一同:(笑)
伊織:だって保護者になんないでしょ,19歳なんだから!
GM:じゃあ両親プラスあかりちゃんが。
伊織:来ないでいいから。
GM:ええー?
雨追:(横から)まあまあ伊織さん,彼女はきっとあなたのことが心配なんですよ。
伊織:ただの幼なじみでしょーが。そんなに心配しなくていいです。
雨追:向こうはそう思ってないかも知れませんぞ。
綾:(頷く)うん。
光:そうだよね。
伊織:……あ,そうだ。ロイスに「親友」がいるからそれが来ることにしましょう!
綾:往生際悪いなぁ(笑)。
伊織:てゆーか,何でそんなに幼なじみを出したがるんですか。
GM:えー,ここはやっぱり幼なじみの出番でしょうよ。
雨追:(力強く)そうですとも!
伊織:……おまえ,俺に何か含むところでもあるのか?
雨追:いやいや,そんなそんな。皆さん,幸せそうでうらやましいですな。
伊織:…………。
雨追:(さわやかに)はっはっは。
伊織:……もぉいいです。幼なじみでも何でも。
GM:(苦笑)いえ,あかりちゃんはわりと普通の女の子ですから。……ところで両親はどんなのにしよう。
綾:サ○ーちゃんのパパ。
一同:(爆笑)
雨追:(妙な声音で)ん〜ん,伊織ダイジョウブか〜い? ケガはないか〜?
伊織:……そんな親父じゃねーから。
雨追:パパはとっても心配したんだよ〜?
伊織:そのエセブルジョワジーなしゃべり方をやめろ。今すぐやめろ。てゆーかフツーでいいですから! 別にロイスでとってるわけじゃないんだし!
GM:では,ロイスになってる幼なじみのあかりちゃんが,「伊織くん,大丈夫? ケガはない?」
伊織:…………。
GM:おや? 普通の女の子だよ? 何か文句があるかい?(笑)
伊織:……(努めて冷静に)ああ,何ともない。心配かけて悪かったな。
GM/あかり:「そう,それならよかった。今日は大学どうする? 休む?」
伊織:そうだな,昨日寝てないしな……。
綾:(ぽつりと)……ホントに普通ですな。
伊織:……は?
綾:ブーイング。カット。
雨追:我々は,もっとラブラブすることを要求する!
一同:(爆笑)
伊織:…………。今はそれやってると話が進まないですから。
雨追:えー,ラブコメやりましょうよ,ラブコメ!
伊織:やらねえよ!
GM:(同時に)そのシーンはまた明日。
一同:(再び爆笑)
伊織:そんな明日は永遠に来ねぇ!
……そんな,自分だけ逃れようとしたって,無駄よ?
いいじゃないか,シリアスなラブシーンよりかははるかにマシじゃ(笑)。
GM:ところで例の封筒なんだけど,開けてみる?
伊織:届けるためには中に入ってる住所を見なきゃなりませんので,それだけを……。
GM:中には書類の束が入ってるけど,それはどうする? 見ない?
伊織:そんな失礼なことはしません。さわやか好青年ですもん。
GM:そのスタンスにはかなり無理があるような気がするが……。
伊織:誰のせいですか,誰の!
綾:それはおいといて,俺は見ておいた方がいいと思いますけど。かなり不審な事件ですからね。
伊織:うーん……。
光:でも,住所見る時,ちょっとは見ちゃうんじゃない?
伊織:うーん,じゃあそういうことで。
GM:はいはい。ではね,ざっと見たところでは,これT市の道路工事入札に関する調査みたい。
一同:は?
GM:道路工事つっても,高速みたいんなんじゃないよ。道路の補修工事。その入札に関して,塚原設備という中小企業がかなりキワドイ談合をやったらしいですね。
伊織:それって,そんなリスキーなマネするほどおいしい工事ですか。
GM:住宅街1区画か2区画の補修工事だからねえ。おいしくはないんじゃないだろうか。よぉ知らんけど。
伊織:…………? まぁいいや。とりあえずそのまま住所に書いてある場所に向かいます。
GM:では,あなたはUGNに着きました。……よく考えたことなかったんだけど,UGN日本支部ってどんな建物なんだろう(笑)。
光:どっかの出版社みたく,ビルのワンフロア借りてるだけ。
GM:自社ビルは持ってなさそうだよなぁ。
雨追:そうなんですか? 私,UGNって相当に大きい組織だと思ってましたが。
綾:UGNはね。ここはあくまで「日本」支部だから(笑)。
GM:しかもNGOだしなぁ。だいたい表札とか受付とかどうしてるんだろう。
伊織:どうしてるんですか。
GM:ま,そんなのどーでもいいや(←果てしなくアバウト)。受付嬢はいることにしよう。
伊織:あー,すみません。
GM/受付嬢:「はい」
伊織:あのー,アポイントメントはとってないんですが,霧谷さんという方にお会いできませんか?
GM/受付嬢:「失礼ですが,どういったご用件でしょうか」
伊織:実は,届け物を頼まれたんですが。
GM/受付嬢:「申し訳ございません,霧谷は現在休暇をいただいております。もしよろしければこちらでお預かりさせていただきますが……」
伊織:えーと,霧谷さんにこちらから連絡をとることは,できないでしょうか? 連絡先はわかりますか?
GM/受付嬢:「申し訳ございませんが,私的な連絡先になりますので……」
伊織:うーん,そうだよな。えーと,何日ごろお戻りになりますか?
GM/受付嬢:「それが,こちらにも,ちょっと……」
伊織:……わかりました。申し遅れましたが,僕は日下伊織と申します。霧谷さんが戻られましたら,こちらにご連絡ください。
GM:封筒は渡さないんだね?
伊織:うーん。……何かイヤな予感がするんですよね。
GM:それでは,そのままUGNを出てください。ここでシーンを変えます。 |