SCENE 7


GM:では伊織なんですが……やっと警察から解放されましたね。
綾:人が死んでますからね。一晩かかっちゃうかもですね。
GM:だな。では時刻は綾や雨追たちより少し前。眠いですね。
伊織:ま,一晩くらいの徹夜なら……。
GM:ちなみに,誰が迎えに来るかな。やっぱあかりちゃんかな。
伊織:(即座に)いや両親でしょ。
一同:(笑)
伊織:だって保護者になんないでしょ,19歳なんだから!
GM:じゃあ両親プラスあかりちゃんが。
伊織:来ないでいいから。
GM:ええー?
雨追:(横から)まあまあ伊織さん,彼女はきっとあなたのことが心配なんですよ。
伊織:ただの幼なじみでしょーが。そんなに心配しなくていいです。
雨追:向こうはそう思ってないかも知れませんぞ。
綾:(頷く)うん。
光:そうだよね。
伊織:……あ,そうだ。ロイスに「親友」がいるからそれが来ることにしましょう!
綾:往生際悪いなぁ(笑)。
伊織:てゆーか,何でそんなに幼なじみを出したがるんですか。
GM:えー,ここはやっぱり幼なじみの出番でしょうよ。
雨追:(力強く)そうですとも!
伊織:……おまえ,俺に何か含むところでもあるのか?
雨追:いやいや,そんなそんな。皆さん,幸せそうでうらやましいですな。
伊織:…………。
雨追:(さわやかに)はっはっは。
伊織:……もぉいいです。幼なじみでも何でも。
GM:(苦笑)いえ,あかりちゃんはわりと普通の女の子ですから。……ところで両親はどんなのにしよう。
綾:サ○ーちゃんのパパ。
一同:(爆笑)
雨追:(妙な声音で)ん〜ん,伊織ダイジョウブか〜い? ケガはないか〜? 
伊織:……そんな親父じゃねーから。
雨追:パパはとっても心配したんだよ〜?
伊織:そのエセブルジョワジーなしゃべり方をやめろ。今すぐやめろ。てゆーかフツーでいいですから! 別にロイスでとってるわけじゃないんだし!
GM:では,ロイスになってる幼なじみのあかりちゃんが,「伊織くん,大丈夫? ケガはない?」
伊織:…………。
GM:おや? 普通の女の子だよ? 何か文句があるかい?(笑)
伊織:……(努めて冷静に)ああ,何ともない。心配かけて悪かったな。
GM/あかり:「そう,それならよかった。今日は大学どうする? 休む?」
伊織:そうだな,昨日寝てないしな……。
綾:(ぽつりと)……ホントに普通ですな。
伊織:……は?
綾:ブーイング。カット。
雨追:我々は,もっとラブラブすることを要求する!
一同:(爆笑)
伊織:…………。今はそれやってると話が進まないですから。
雨追:えー,ラブコメやりましょうよ,ラブコメ!
伊織:やらねえよ!
GM:(同時に)そのシーンはまた明日。
一同:(再び爆笑)
伊織:そんな明日は永遠に来ねぇ!

 ……そんな,自分だけ逃れようとしたって,無駄よ?
 いいじゃないか,シリアスなラブシーンよりかははるかにマシじゃ(笑)。

GM:ところで例の封筒なんだけど,開けてみる?
伊織:届けるためには中に入ってる住所を見なきゃなりませんので,それだけを……。
GM:中には書類の束が入ってるけど,それはどうする? 見ない?
伊織:そんな失礼なことはしません。さわやか好青年ですもん。
GM:そのスタンスにはかなり無理があるような気がするが……。
伊織:誰のせいですか,誰の!
綾:それはおいといて,俺は見ておいた方がいいと思いますけど。かなり不審な事件ですからね。
伊織:うーん……。
光:でも,住所見る時,ちょっとは見ちゃうんじゃない?
伊織:うーん,じゃあそういうことで。
GM:はいはい。ではね,ざっと見たところでは,これT市の道路工事入札に関する調査みたい。
一同:は?
GM:道路工事つっても,高速みたいんなんじゃないよ。道路の補修工事。その入札に関して,塚原設備という中小企業がかなりキワドイ談合をやったらしいですね。
伊織:それって,そんなリスキーなマネするほどおいしい工事ですか。
GM:住宅街1区画か2区画の補修工事だからねえ。おいしくはないんじゃないだろうか。よぉ知らんけど。
伊織:…………? まぁいいや。とりあえずそのまま住所に書いてある場所に向かいます。
GM:では,あなたはUGNに着きました。……よく考えたことなかったんだけど,UGN日本支部ってどんな建物なんだろう(笑)。
光:どっかの出版社みたく,ビルのワンフロア借りてるだけ。
GM:自社ビルは持ってなさそうだよなぁ。
雨追:そうなんですか? 私,UGNって相当に大きい組織だと思ってましたが。
綾:UGNはね。ここはあくまで「日本」支部だから(笑)。
GM:しかもNGOだしなぁ。だいたい表札とか受付とかどうしてるんだろう。
伊織:どうしてるんですか。
GM:ま,そんなのどーでもいいや(←果てしなくアバウト)。受付嬢はいることにしよう。
伊織:あー,すみません。
GM/受付嬢:「はい」
伊織:あのー,アポイントメントはとってないんですが,霧谷さんという方にお会いできませんか?
GM/受付嬢:「失礼ですが,どういったご用件でしょうか」
伊織:実は,届け物を頼まれたんですが。
GM/受付嬢:「申し訳ございません,霧谷は現在休暇をいただいております。もしよろしければこちらでお預かりさせていただきますが……」
伊織:えーと,霧谷さんにこちらから連絡をとることは,できないでしょうか? 連絡先はわかりますか?
GM/受付嬢:「申し訳ございませんが,私的な連絡先になりますので……」
伊織:うーん,そうだよな。えーと,何日ごろお戻りになりますか?
GM/受付嬢:「それが,こちらにも,ちょっと……」
伊織:……わかりました。申し遅れましたが,僕は日下伊織と申します。霧谷さんが戻られましたら,こちらにご連絡ください。
GM:封筒は渡さないんだね?
伊織:うーん。……何かイヤな予感がするんですよね。
GM:それでは,そのままUGNを出てください。ここでシーンを変えます。

 

SCENE 8


GM:さて,問題は雨追です。
雨追:問題なんですか?
GM:だって雨追,ヒマじゃないですか?
雨追:は,そういえばとってもヒマですな。
綾:休暇なんだから,ヒマでいいじゃん(笑)。
雨追:はあ……でも何となく,落ちつかないですな。東京見物にでも行ってきますかなぁ。
GM/泪:「ってあなた,観光客じゃないんですから。……あ,そうだ。光さんとこのお見舞いにでも行ってらしたらどうです?」
雨追:は? 松山さん,入院でもされたんで?
GM/泪:「ご存知ありませんでしたっけ? 明日香さん,もうじきお子さんが生まれるんですよ」
雨追:は!? ひょっとして,松山さんと茶山さんって結婚されたんですか!?
GM/泪:「あ……そこからすでにご存知なかったですか」
雨追:私,結婚式にも呼んでいただいてないです(泣)。
光:……きっと,雨追が外国行ってるのを見計らって結婚式やったんだろうな。
一同:ひでえ!(笑)
雨追:(遠い目)はぁ……皆さんホント幸せそうでうらやましいですな……。
GM/泪:「えーと,雨追さんは,どなたかそういうお相手はいらっしゃらないんですか?」
雨追:私でありますか? 昔,UGNで婚約者を用意するとかなんとか,そういう話を聞いたことはありますけどね。
GM/泪:「そんな話があったんですか」
雨追:あったんですよ。
GM/泪:「それ,十中八九忘れられてますね」
一同:(爆笑)
雨追:……いいんですけどね,別に(涙)。
GM/泪:「苦労しますね,雨追さんも」
雨追:いえ,まぁ,慣れました。
GM/泪:「そうですね,慣れますよね」……ちなみに,泪ちゃんはまたそこで不機嫌になったようだ(一同笑)。
雨追:何でですか!
光:いやいや,別にキミのせいじゃないですし(笑)。
綾:この人のことは放っておいてさしあげなさい(笑)。
雨追:……えーと,ところで相模原さん。
GM/泪:「なんですか」(←不機嫌)
雨追:……いえ,あの。妊婦にメロンもってったら,マズイんですか?
GM/泪:「お見舞いのことですか。お花の方がいいんじゃないですか?」
雨追:は,花ですか。私,花は買ったことがないんですが……。
GM/泪:「…………」(←目が怖い)
雨追:……えーと,今から買ってまいります。
GM/泪:「ちなみに菊はダメですよ。鉢植えはダメですよ。シクラメンもダメですよ」
光:ほおずきもダメですよ(笑)。
雨追:はっ!? 何故ですか!?
GM/泪:「……いいです。私が花屋に付き合います」
雨追:はっ。ご協力感謝いたします(←小さくなっている)。
GM:無難に霞草にしましょう。では,明日香の病室です。
雨追:松山さん,失礼いたします。雨追です。
GM:で……どういう光景なんだろうなぁ(笑)。
一同:(笑)
光:そりゃ,それなりにラブラブコメコメしてるでしょ。
綾:……具体的には?
伊織:(光が答えるより早く)いや,もうやらなくていい! やらなくていいから!
光:えー? それじゃ雨追の方をちらっと見まして……キミ,誰だっけ?
一同:(爆笑)
雨追:……いやあ,お元気そうでなによりです,松山さん。
GM/明日香:「何言ってんのコウくん,雨追くんだよ」
光:……そんなヤツいたっけ?
雨追:いやあ,本当にお元気そうで!(泣)
伊織:この新婚ボケが……。
光:いや,雨追のことを記憶から抹消したいだけだって(笑)。
伊織:俺はたまにあんたのことを記憶から抹消したくなるよ。
光:何で?
伊織:何でじゃねえ!
GM/明日香:「それはそうと,久しぶりだねえ雨追くん」
雨追:は,お子さんがお生まれになるそうで。おめでとうございます。これ,お見舞いです。
GM/明日香:「わぁ,ありがとう。ほらほら,もうこんなにお腹大きくなったんだよー。女の子なのー」
雨追:もう名前はお決めになったので?
GM/明日香:「うん,『遙』にするの」
雨追:(いきなりふきだす)
GM/明日香:「? どうかした?」
雨追:い,いえ。大変よいお名前で……。
GM:……あれ? そういえば雨追って名前なんだっけ?
雨追:「永(はるか)」です。
一同:(爆笑)

 そういえばそうだった。
 雨追とか鷹村は名前で呼ばれたことがないんで,みんな忘れてたんだ。

光:……明日香,名前変えようか。
GM/明日香:「えー,いいじゃない。雨追くんと同じ名前」
光:……なんか,イヤな予感がするんだよな。
雨追:松山さん,返す返すもあんまりです。
光:えー,だってー。
伊織:(横から)えーい,やめんかこの親バカ!と思いながら登場します。
GM:いいけど……。
雨追:なんでまた?
伊織:なんでって……。
光:ああ,こいつは俺の義弟なんだ。
伊織:勝手に義弟にするなああ!
一同:(笑)
光:(へーぜん)まだ結婚はしてないから,正確には未来の義弟だけどね。
GM/明日香:「あれ? ということは,あかりちゃんの彼氏?」
光:うん,そう。
伊織:違います! 勝手に昇格させないでください!
GM/明日香:(無視)「そっかぁ。……じゃ,私の義弟になるんだね!」
光:うん,そーなるのかな。
伊織:だから勝手に決めんじゃねえ! ……ちなみにこれ,お見舞いです,と言って桐の箱に入ったメロンを。
GM/明日香:「わあ,ありがとう。高かったでしょ?」
伊織:いえ,それほどでも。
光:さすがは俺の義弟だ。
伊織:だから義弟じゃねーつんだよ。ところでこの人は?
雨追:は,初めまして。雨追永と申します。
GM/明日香:「ボクたちの,高校時代の友達なんだよ」
伊織:あ,そうですか。僕は日下伊織といいます。光さんの隣に住んでいる者です。
雨追:は,どうぞよろしく。
伊織:……さぞかし大変だったでしょう,この2人の相手は。
雨追:いえ? 別にそんなことはありませんが。
光:高校の時はそれなりにマトモだったから(笑)。
GM:まぁ今よりはな。
雨追:今は違うんですか?
伊織:今は年中頭に春が来て花が咲いてます。
雨追:はあ。(明日香に)……そうなんですか?
GM/明日香:「え〜? どうかなぁ。もぉ幸せで幸せでどぉしようかなぁ,とかは思ってるけど♪」
雨追:…………。
伊織:…………。
光:やだなぁ明日香。照れるじゃないか。はっはっは。
雨追:…………。
伊織:……じゃ,お大事に。
一同:(爆笑)
雨追:すでに帰るモードですかい!
光:まぁ待て義弟よ。もう少しゆっくりして行きたまえ(笑)。
伊織:何が「たまえ」だこのラブコメアン!
綾:(ぼそっと)ところで,いつ終わるの,このシーン?

 

SCENE 9


GM:大変お待たせしました。お父さんです。
綾:で? いったい,なんだったんですか今のシーンは(笑)。
GM:私に訊かないでください(笑)。ではちゃっちゃと話を進めよう。14日午後3時。喫茶店『コスタ・デル・ソル』である。ちなみに雨追。
雨追:は?
GM:キミ,ここ強制登場ね。
雨追:おや? 私はいつ病院から戻ってきたんだろう。
GM:あのあとすぐに泪から呼び出されたんだろう。いや,君の紹介なんだから,最初から約束してたんじゃないか(←いいかげんだなぁ……)。
綾:まあなんでもいいんですが(笑)。雨追さん,おひさしぶりです。
雨追:そうですな。あ,こちらが相模原さんです。私の上司にあたります。
GM/泪:「はじめまして」
綾:はじめまして。瀞南寺綾です。
GM/泪:「ではさっそく本題に入らせていただきますが……」
綾:はあ。
GM/泪:「……実を言いますと,今ウチのトップが行方不明なんです」
綾:は?
雨追:休暇じゃなかったんですか!?
GM/泪:「あ,いえ。まだはっきり行方不明と決まったことではありません。私が,勝手にそうなんじゃないかな,と思っているだけなんです」
綾:事情を説明していただけますか?
GM/泪:「ええ,まず,UGN日本支部のトップは霧谷といいます。私の直属の上司です。彼は11日に仕事で私の父と会ってまして,そのまま支部に戻ってくるはずだったんですが……」
綾:戻ってこなかったと?
GM/泪:「ええ。それで次の日,『休暇をとる』と連絡があって,それきりです。しばらく土日も休みなしでしたし,それは問題ないんですが……連絡先もまったく知らせず,いきなり休みをとる,という無責任なことはしない人なので,少々気になって……」
綾:あなたは,ご自分で霧谷さんの声を聞かれたわけではないんですよね? なるほど,怪しげですね。
GM/泪:「ええ。……そこであなたと雨追さんにお願いがあるのですが」
雨追:は? 私もですか?
GM/泪:「霧谷さんを探してほしいんです。もちろん,ただの休暇だという可能性も十分ありますし,これはUGNではなく,私個人の依頼ですが,……ええと,こういう言い方もなんなのですが,あなたの働き次第によっては,私からUGNに推薦することもできますし……」
綾:試験期間ということですね。結構ですよ。
GM/泪:「ちなみにお二方には些少ですが私からお礼をさせていただくということでいかがでしょう」
雨追:あ,私は別にかまいませんよ。泊めていただいてますし,金銭には困っておりませんので。
光:……そうなの?
雨追:多分そうだと思いますよー。
伊織:意外だな……。
雨追:そうですか? だって私,お金の使い方知りませんもん。
一同:…………。
雨追:お給料全部貯金してますからねー。
一同:…………。
GM:……ま,キミがいいならいいんだけどね。では,彼女は「一応,霧谷の写真をお渡ししておきます」と1枚の写真を出してくる。ところで,綾さん。あなたはこの男の人,見たことありますよ。
綾:……ひょっとして,オープニングの時?
GM:そう。あの時,ぐったりしてた日本人が,霧谷さんだね。
綾:いなくなったの,11日って言いましたよね。
GM:言ったね。
綾:相模原さん。
GM/泪:「はい?」
綾:私,その人見ましたよ,って言って冒頭のシーンの話をします。
GM/泪:「その3人組に心当たりは?」
綾:いえまったく。私はあなたに心当たりがあるかと思ったんで。
GM/泪:「私にもないです。……なんなんでしょうね」
綾:マスター,これって〈情報:ウェブ〉でわかりませんか?
GM:今端末持ってるの? あ,そう。……うーん,ホントは〈情報:企業〉で振っていただきたいところなんだが,とりあえずやってみて。
綾:(ころころ)回った。19では?
GM:それは知ってますね。先頭に立ってたリーダー各の外人さんは,名前をジェイムズ・A・ライトといいます。アメリカ某軍需産業のお偉いさんだね。
綾:うーん……それはかなりキナ臭げなんだけど……話が見えてこないなぁ……。
GM/泪:「でも,重要な情報ですよ。そのライトとかいう人に関してはこっちでも調べてみますよ」というところでいっぺんシーンをきります。

 

SCENE 10


GM:さて,順番から言うと光なんだけど。
光:(のんびりと)そぉだねえ。
綾:ヒマそうですね。
光:そぉだねえ。することないねえ。せいぜい明日香に「欲しいモンあるか?」とか訊いて買いに行ってくるくらい。
GM:……いや,GMから言うことじゃないけどさ。周りの人間が情報を渡してやらんと動けないんでわと……(伊織を見る)。
伊織:こんなラブボケ野郎を誰が信用しますかい。
一同:(笑)
GM:仕方ない,では看護婦さんが「松山さん,お電話が入ってますよ」と。
光:うん? 何かな?
GM/看護婦さん:「えーと,相模原さんって方からです」
光:ふーん? 明日香,ちょっと行ってくるわ。
GM/明日香:「うん,泪ちゃんによろしくね」
光:……すぐ戻ってくるからさ,と,額にキスをしていきます。
GM:…………。何?
光:だから,額にチュッ♪と。
GM:…………。

 しばし,虚空をみつめる一同。
 「チュッ♪」ですよ奥様,聞きました?

伊織:(いきなり)イエローカード。
綾:イエローカード。
雨追:イエローカード。
GM:イエローカード。
光:え?
伊織:次やったら退場。わかったな?
光:え?(笑)
伊織:「え?」じゃねえ! 俺がマスターなら一発レッドだ,このバータレが!(怒)
光:え〜? だって,松井さんのリプレイだとラブラブだって言うからさー!
GM:ラブラブとラブコメは微妙に違うと思う。

 閑話休題。 
 何とかこのラブコメアンを表舞台に引きずり出そうと,便利屋泪ちゃんの登場である。

光:(のん気に)相模原か? ひさしぶりだな。
GM/泪:「あ,どうもです。……いきなりですけど光さん,今お忙しいですよね?」
光:うーん,今日から病院泊まり込むからなぁ。
GM/泪:「泊まり込むって,予定日明日でしたっけ?」
光:んにゃ,明後日。
GM/泪:「……あ,そうですか」
光:だってさ〜,やっぱ当日は,1日じゅう一緒にいてやりたい,とか思うじゃん?
GM/泪:「……思うじゃん,とか言われても困るんですが……」
光:それはそうと,俺に何か用だったの?
GM/泪:「あー,実はですね。ちょっとお願いしたい仕事がありまして。……UGNがらみで」
光:……うーん。ま,とりあえず詳しい話聞かせてくれよ。
GM/泪:「じゃ,30分後に『コスタ・デル・ソル』でよろしいですか?」
光:うん,じゃあ,そゆことで。

 と,いうわけでやっと重い腰を上げる光である。
 もちろん,出かける前に明日香のところに戻ってイチャイチャするのは忘れなかった。
 ……光プレイヤー,開き直っている,というか,すでに楽しんでいるようである。

 

SCENE 11


GM:では,伊織さんのシーンです。
伊織:はい? 俺ですか?
GM:いや,どうもあなただけ他の連中から外れてしまったようなので。早く合流してもらわんと。
伊織:つーかその前にあのバカップルを何とかしてください。マジで。
GM:……えー,ちなみに病院からは出てきたんですかいな?
伊織:当然でしょ。いつまでもあんなとこにいたら頭が腐ります。
GM:じゃ,どうします?
伊織:そうですね。霧谷さんが戻ってきたっていう連絡はないんですよね。
GM:ないねえ。あるわけないねえ。
雨追:何せ,行方不明ってますからなぁ。
伊織:でも俺はそんなことは知りませんしね。すると,この件に関してはひたすら連絡待ちですな。
GM:(困っている)え,えっと。
伊織:さあて,久々に道場にでも行こうかな?(笑)
GM:……意地でも光には相談したくないのね?
伊織:そんな選択肢は1ミクロンたりとも存在しませんよ。

 何もそこまで嫌がらなくたって……(笑)。

GM:え,えーと,でもほら,こういうことは誰かに相談した方がいいんじゃないかなぁ? (白々しく)あ,そう言えば職を転々としてて色々と世情に詳しい人が,いたんじゃなかったかなぁ?
伊織:(同じく白々しく)そう言えば,瀞南寺さんは元気かなぁ。そうだ,彼に相談してみようかな。
一同:(笑)
伊織:(とても白々しく)思い立ったが吉日というしな。さっそく瀞南寺さんに電話してみよう!
綾:電話されました(笑)。はい,瀞南寺ですが?
伊織:あ,瀞南寺さん? 伊織です。ちょっと相談したいことがあるんですけど,今お時間ありますか?
綾:うーん? 今は人と会ってるから,ちょっと時間遅らせたいなぁ。
伊織:じゃ,また後でということで。
綾:はいはい。じゃ,そゆことで。
雨追:(ぼそっと)……どことなく会話が白々しいですな。
一同:(笑)
GM:(頭を抱えている)……そういうわけですんで,シーン変えさせて。お願い(泣)。

 

SCENE 12


GM:では,今度は綾さんのシーンです。あ,それと雨追と光も登場してね。
光&雨追:はーい。

 伊織1人が合流できぬままだらだらと作戦会議。
 まず,泪が件のライト氏について調べ,綾はホテルで目撃情報その他を収集。光と雨追はそれに同道して,タクシー会社などの調査。
 ……なのだが。

綾:それって私が1人で調査するのと何か違うの? タクシーもホテルと契約してる会社でしょ?
光:だって人手が多い方がいいじゃん。
綾:そっかなぁ。だって光と雨追でしょ? ……かえって邪魔にならない?
光:失礼な! 雨追ならともかく,何で俺まで!
伊織:自覚がないところがやばいっちゅーんじゃオノレは。
雨追:(のんびりと,何やら読みながら)私だって,一応一般社会に順応しようと努力はしてるんですよ。
綾:『現代○語の基○知識』とか読んで(笑)。
雨追:そうそう。
GM:……ちなみに雨追よ。
雨追:(読んでいる)はい?
GM:さっきから突っ込もう突っ込もうと思っていたが! キミが読んでいるソレは断じて『現代用○の○礎知識』などではないぞ!
雨追:(まだ読んでいる)はい?
伊織:つーか,読むなよ! 『Newtype HEROINES 161』なんて!
一同:(爆笑)
雨追:(やはりのんびりと)ふむぅ,最近の日本女性は,中々発展的になりましたな。ネコ耳にシッポをつけて,「地球の未来にご奉仕するにゃん★」とか言うんですな。
伊織:言わねーよ!
雨追:「自分の彼女にコスプレさせるとしたらどっちを選ぶ? 絶対メイド服!! 制服メガネっ娘!!」 んー,微妙ー。
伊織:微妙,じゃねー!(笑)
光:ああ,雨追がますます非常識になっていく……。
GM:あんたと明日香もそれほど程度に差はないと思うんだがね。
光:失礼な!
雨追:「スクール水着。小・中学校の体育の授業で使われる学校指定の水着。露出度も低くデザインも地味なはずなのに,なぜかこれを好む男性は多い」
綾:……えーと,俺別行動とっていいっすか? 伊織迎えに行かなきゃなんないんで(笑)。

 逃げたな(笑)。