SCENE 13


GM:では手前の5人がイニシアティブ10。奥が13。あ,さっきの戦闘ペナルティなんですが,お互いにかかるので,今回はなしということで。でも実際には滑るよ(笑)。
鵬也:じゃあ俺からいきます。マイナーで《加速装置》《砂潜り》《雷の加護》して移動します。位置的には50メートルの中程。
GM:中程?
鵬也:奥の5人が射撃可能な位置で,なおかつそこからも手前の5人からも接敵されない位置。
GM:……んん?
鵬也:50メートルもあるんだもん,可能だよな?(笑)
GM:むむ。認めよう。
鵬也:で,《リニアキャノン》《MAXボルテージ》で……1個しか回らなかったけど,24で。
GM:ちなみに,5人のうちどれを狙った?
鵬也:じゃあ真中。
GM:不意打ちでクリティカル値が−1と……あう。痛い。
鵬也:じゃあレールががーんとあたって19点。
GM:一応《軍神の守り》使ってみるけど……ダメだな。では1回ばたっと倒れて,復活。
一同:……何?
GM:だから,復活だってば。
晟:……まーさーかーと思うけど,リザレクトするオーヴァードを10人まとめて倒せ,と?
GM:さーあ,どうだろうねー?(笑)
晟:……本気?
GM:本気だよー。
真琴:あの,GM。私はすでに侵蝕値が90超えているのだが……。
GM:がんばってねー。
一同:…………。
ユウキ:……えーと,とりあえずマイナーで戦闘移動。接敵。《一角鬼》が使用済なので,そのまま殴る。(ころころ)21点。
GM:避けられない。ちなみに,どれ狙った?
ユウキ:えーと手前のA。ダメージは19点。
GM:それで落ちたな。そうすると,コイツは復活せずに,べちゃりと赤い液体になって消える。
真琴:お,こっちが従者か。そうすると,奥が本体ってことかな。
GM:さあねー。で,君嶋の番だけど。
真琴:うー。とりあえずできるだけ省エネするしかないから……《小さな塵》だけ使って攻撃。(ころころ)よしよし。28だ。
GM:当たった。で,どれ狙った?
真琴:……(ため息)では近くから落としていくということで,Bを攻撃。17だ。
GM:(ころころ)ううん。まだ死んでない。
清人:《オウガバトル》《達人の技》でそのままBを狙います。(ころころ)17の,ダイスペナルティが3個。……ダメージが11点。
GM:B落ちた。液体になった。んで,晟はイニシアティブ10だったよな?
晟:あい。お先にどうぞ。
GM:では奥の5人だが,2人が前に走ってきて,鵬也と接敵。んで,残った3人が《サイレンの魔女》三重奏〜♪ またの名をジャイアン・リサイタルだ(笑)。
真琴:……はあ? 何,それ?
晟:……GM。重ねがさね訊くが,正気か?
GM:正気だとも。とりあえず五重奏にはせんでおいたぞ(笑)。
真琴:えーと,だから何ですか,それ。
ユウキ:シーンを攻撃できるハヌマーンのエフェクトです。
清人:それはつまり,この場にいる全員が3回避けろってこと?
GM:正確には,シーンに登場しているキャラクターの中から,好きな対象を選択できる。つまり,君ら5人だな。
一同:鬼! 悪魔!
GM:大丈夫,《サイレンの魔女》だけしか使わないから。(ころころ)14,7,13で避けてください。
真琴:これって何で避けるんだ。「避け」でいいのか。
晟:問題ない。ルール上は《守りの弾》も使用可。
ユウキ:いやダメだ。これ以降この攻撃が続くとしたら,回避にエフェクト使うよりもリザレクトした方がいい。
晟:それはリザレクトした後のダイス目にもよりますよ。
鵬也:とりあえず素で振ってみるだけ振ってみたら?
真琴:そうなんだな。私の場合,ダイス目がアレなのでエフェクト使って避けそこなった時が怖いのだ。

 まぁ,よくある話。さらに真琴プレイヤーの場合,ピンチになればなるほどダイス目が悪くなるという悪癖(いや,本人のせいじゃないけどね)があったりした(笑)。
 それはさておき,一同,ほぼエフェクトを使わずに避けを試みる。
 ちなみに全部避けきったのはユウキのみ。

GM:ただしダメージがね。1回目は5点。2回目は12点。3回目は8点。全部装甲値無視です。
鵬也:うーむ。とりあえずリザレクトが1回だ。
真琴:私もそんなものだな。思ったよりダメージが低かった。
ユウキ:《サイレンの魔女》の基本ダメージが低いからだ。でないと強すぎるからな,これ。
晟:ではプレイヤー優先ということで,10で動きます。沖さんが狙ったのを含めて《要の陣形》《絶対の恐怖》《領域調整》で奥の3人を攻撃。(ころころ)おお!? なんだこれは!?
真琴:え,どうしたの? 回ったの?
晟:いや,全然回ってないんだが,5個振って1,2,3,4,5というのは何だかスゴクない?
GM:スゴイはスゴイけど,で,結局それで終わり?(笑)
晟:いや,まだ振れるから(←サイコロを5個ずつ振っていた)……よし! 38を〈意志〉で抵抗ぷりーず。
GM:うええ? 一応振るだけ振ってみるけど……無理だ。
晟:24点装甲値無視!
GM:ううむ。ではAとBは死んでリザレクト。
晟:Cは落ちた?
GM:んーと,死んでリザレクト2回目。
晟:…………。

 世間一般的には,こーゆーのを焼け石に水,という。
 石の上にも三年,ともいうが(←言わねえ)。

 いや,ですからヤバイんですって,侵蝕値が!(笑)
 戦闘開始時,軒並み80を超えてるんですぜ,ダンナ(注:当然ユウキを除く)。
 エフェクトを全く使わずに殴る(素殴りともいう)ユウキはさておき,他の4人はエフェクトをけちって中々決定打を与えられない。二撃目でレールが撃ち止めになった(笑)鵬也は,莫大な侵蝕値をくうサプンクル作成には踏みきれず,真琴&清人の射撃部隊はとりあえずクリティカル低下系のみを使って撃つしかない。一番問題なのは,エフェクトを使わなければ何も行動できない晟である。
 まぁ,

GM:では,10で残りの部隊が……今3体残ってるんだよな。ではいっせいに自爆します。えーとユウキ,15に9に13で避けてくれ。
ユウキ:あ? ひょっとして《闇夜の呪い》か?
晟:えーと,ユウキさん狙いならば,そうしてくれた方がはるかに楽。 
ユウキ:確かにな。(ころころのころ)あ,1回くらった。
GM:よっしゃー! では14点ダメージだ!
ユウキ:(淡々と)じゃあ防寒服で1点引いて,13点。残りHPが21点だな。
一同:(爆笑)

 ……こーゆー人もいるわけで,悲壮感はないわけなんだが。
 しかし,この敵の多さ。
 悲壮感というより,倦怠感が漂う戦場である。

ユウキ:えーと,敵がいなくなったんだが……やっぱり奥に向かって走るか?
GM:あ,待った。それってセカンドアクション?
ユウキ:ターン頭って俺じゃないの?
GM:いやー,まだこっちの行動が残ってるんだわ。(ころころ)えーと,手前の位置にまた似たようなのが,にょきにょき,にょきにょきっと。
一同:…………。
ユウキ:あのさ。……何となくだけど,《サイレンの魔女》使ってくるのと,従者の親玉は別っぽいと思ってたんだよな。
真琴:どこかに本体がいるとゆーことか?
ユウキ:何となく想像はつくんだが……えーと,俺やっぱり前に向かって全力移動。
GM:メジャー使って移動? どのくらい走れるの?
ユウキ:(ルールブックを見て)えーと……[【肉体】×10メートル]……?
GM:……120メートルぅ?
一同:(笑)
ユウキ:……てゆーことで,俺は奥まで一気に走ります。
GM:どこまで。
ユウキ:……その柱の裏までに決まってんだろ!
GM:ぐはあ!
一同:(爆笑)
清人:そこか! そこにいたんか!
真琴:せ,せっこぉ!
GM:だってだって! 姿現したら死んじゃうじゃねーかよ!
ユウキ:……あ,そうだ。その前に《狼牙》《全知の欠片》《ピンポイント・レーザー》でそのへんのザコぶん殴ってから走るわ。
GM:アンタ鬼や!
ユウキ:何とかしねーとマジで死人でるでしょーが。
鵬也:ちなみに,柱の裏に何人いるん?
GM:あ,5人。
一同:5人!?
真琴:はあ……。
清人:マジで終わるのかなぁ,これ……。
晟:……えーとユウキさん,いっそジェネシフトして後ろ一網打尽にしてくれません? そこ味方もいないし,がーんとやっちゃってください,がーんと。
ユウキ:うーむ。俺もそういう気がしてきた……。

 そういうユウキの侵蝕値は,まだ80に満たなかったりする(笑)。
 問題なのは他の皆さんで「1個でもエフェクトを使ったら侵蝕値が100超えます」状態に陥り,思うように動けない。

GM:で,次。おっきーの番だけど。
鵬也:いや,だから……これで何かエフェクト使うと,100パーセント超えてしまうのだが。
真琴:でも次で攻撃受けたら,どうせ100超える可能性が高いぞ。
鵬也:俺も迷ってる。ここは運を天に任せて避け続けるべきか……。
晟:(レコードシートを見ながら)えーとね皆さん。これから僕は一切行動しないで防御に徹しますので,とりあえず攻撃してくれません? 責任もって《ヨモツヘグリ》かけますので。
鵬也:……その言葉,信じていいのか?
晟:微妙ですな(笑)。僕の侵蝕値も94なんで,《ヨモツヘグリ》なんか使ったら一発で100突破です。それより,レールまだ残ってましたっけ?
鵬也:いや,さっき使っちゃった。その辺の石掴んで投げてもいいけどね。……いいや。せっかくだから晟の言葉を信じて! ガンガンにエフェクト使いましょう。マイナーで《加速装置》《雷の加護》《ヴィークルモーフィング》します。これで侵蝕値は106になりました。
GM:で,今度は何作ったの? やっぱりサプンクル?
鵬也:いや,今度はこれです。(指を鳴らして)ガン○ーム!
真琴:はあ!? ガンダ○!?
GM:でもあれって15メートルくらいで……。
鵬也:の,スケール2分の1。カンダーム!ってことで(笑)。
GM:わけわかんねえよ(笑)。
晟:ちなみにそれって何ガ○ダム?
ユウキ:指を鳴らしてるからGです(笑)。
鵬也:でもやっぱりハンドルで動いてる。
GM:わけわかんねえ!(一同爆笑)
鵬也:でも見た目は○ンダムだから。てなわけで《MAXボルテージ》《鋼の馬》で体当たり〜。
真琴:(ぼそっと)そうか。沖さんはプラモマニアなのだな。
晟:あれはロボットアニメマニアっていうんですよ。
鵬也:マニアって言うなー!?
清人:十分マニアじゃんか。
GM:なんでもいいけど,体当たりするってどれに?
鵬也:あ,せっかくだから「殴ってる」ことにしてください。
一同:(笑)
晟:俺のこの手が光って唸る〜♪
ユウキ:おまえを倒せと輝き叫ぶ〜♪
GM:わかったから,どれ攻撃すんだよ!(笑)
鵬也:今近くにおるのはジャイアン部隊だな。さっきからリザレクトばっかしやがる奴に,光る拳でぱーんち! (ころころ)というわけで達成値は45!
GM:ぐふう!
鵬也:(ころころのころ)そしてダメージは35点だ!
GM:ぷちっ(←潰れた)。
晟:ようやく1体死んだか……。
真琴:では私は従者に攻撃だ。《小さな塵》で達成値は28。
GM:うーん。行動する前に潰されたな。
清人:(考えて)で,俺が1体潰せるとしても,でもまだ1体残ってるんだよなー……ユウキが奥に行ったから,多分こっちに来るんだよなー(笑)。
ユウキ:自分の身は自分で守りなさい。
清人:努力はしてみるけどね。えーと《オウガバトル》で,こっちも侵蝕値100超えました。んでもって達成値は21。ダメージが20点。
GM:うむ,潰れたな。
晟:あ,GM。そういうわけで僕はひたすら待機ですからね。
GM:安心したまえよ,その前にジャイアンリサイタルがくるから(笑)。
一同:げー!
GM:AとBはそのまま射撃部隊の方へ前進。んで残りの2体がほげ〜♪と……(ころころ)お,回った。達成値は15に9。
鵬也:お,俺は何とかエフェクト使って避けなければならないということだな。
ユウキ:でも100超えてるんならエフェクト使えば問題ないでしょう。問題は晟だな。今侵蝕値は?
晟:94です。RC避けすると100いきますね。
ユウキ:とりあえずエフェクト使わずに避けて,リザレクトで低い目が出ることを祈るしかないな。
GM:……えーと,どんなもん?
晟:(ころころ)うーん,4つ振れるんだけどなー……1回くらいました。
GM:くらった人は,ダメージが7点に8点。死んだ人いる?
一同:まだ何とか〜。
真琴:でも私も侵蝕値100超えた〜。
晟:えーとリザレクトが……(いっころ)危ねえ! 侵蝕値98だ!
清人:俺はリザレクトで10が出てしまいました(泣)。
ユウキ:(考えている)とりあえず次のマイナーでジェネシフトして,侵蝕値100いくだろ。それで奥の5人組は一網打尽にできるとして,奴らの侵蝕値がどのくらいかが問題なんだよな。
鵬也:またリザレクトされたら,泣くしかないよな。
真琴:ちなみに従者があと1体,ジャイアン部隊は4体(←すでに「体」扱い)残ってるぞ……(泣)。
GM:……えーと,そんなとこでいいかな。ちょっと演出入るんだけど。
真琴:またぁ?
晟:(投げやりに)言っとくけどモドキと千葉はいらねーぞー。
GM:んにゃ。君だよ。
晟:……は?
GM:ピンチだピンチだ,私がスーパーピンチでーす!という状況に陥ったその時,君は反転するのだ!
清人:……反転? 何それ?
晟:(投げやり)おう,エンジェルハイロゥとハヌマーンのエフェクトよこしやがれー。
GM:ああ,いいよ。
晟:ほえ?
GM:まだデータできてないから,とりあえずルールブックから好きなの使って。
晟:…………。え。マジで?
GM:マジだよん。
真琴:え,何? この人,エフェクト4つ使えるの?
GM:いや,反転。ひっくり返った。
真琴:……えーと。つまり,どゆこと?
晟:……いや,よくわかんないんだけど……どうもキャラクターシートを2枚使うような羽目に陥ったのではないかと……(汗)。
真琴:おお。完全にお父さんとシンクロしちゃったと?
晟:シンクロって……(汗)。
GM:それはどうか知らんけど,とりあえずシンドロームはチェンジだから。
晟:や,やっぱエンジェルハイロゥ/ハヌマーンで間違いないのね?
GM:ないでーす。
真琴:……あれ? すると《ヨモツヘグリ》は?
晟:…………。あーっ!
一同:(爆笑)
GM:使えないねえ。ソラリスじゃないんだから。
鵬也:ちょ,ちょっと待ってくれないかな? 俺は,君の言葉を信じて戦ったんだけどね?
晟:こ,これは不可抗力です。僕のせいじゃありません。
真琴:どうしてくれる! こっちはみんな100超えてるんだぞ!?
晟:そ,そんなこと言ったってー!
GM:あー,ちなみに反転晟くん,あえてモドキ2号と呼ばせていただくが。
晟:い,イヤー!?
GM:(構わず)勝手に行動させてもらうね。判定はこっちでやるから,とりあえず使うエフェクトだけ選んで。
晟:え,選べと言われても……(と言いつつルールブックを読み始める)。
真琴:ち,ちなみにエンジェルハイロゥ/ハヌマーンに[昏倒]回復のエフェクトはないのか?
ユウキ:ないです。
GM:だいたい,支援に回る楓ってのもな。想像つかんわな(笑)。
晟:(ルールブックを読みつつ)あの……楓さんがここで《サイレンの魔女》とか言っちゃ,ダメですかね?
一同:(笑)
清人:楓が?(笑)
真琴:らしくねー! すげえ,らしくねー!
ユウキ:仕方ないでしょ,それが一番効率いいんですもん。いいんですけどね。
鵬也:けど?
ユウキ:一番後ろまで走って行った俺の立場はどうなるんだろう。
一同:(笑)
晟:ご,ごめんなさいー! でもこれは不可抗力でー!
ユウキ:ああ,いいですいいです。どーんとやっちゃってください。たまには俺も100パーセントいかずに終わりたいですし。
晟:えー,えーと,では《サイレンの魔女》《主の右腕》《全知の欠片》でお願いします。
GM:はいはい,一応振るだけ振ってみるけど(ころころのころころ)達成値は42。一応抵抗してみるから,ダメージ振っといて。
晟:えーと26点に《主の右腕》が何レベルか知らんが,まぁ30点としておこうか。
GM:(ころころのころ)うむ,やっぱり全員避けられなかったな。
晟:ちなみに念のためきいておくけどさ。
GM:はい?
晟:こっちのメンバーは,ちゃんと攻撃対象から外してるんだよね?
一同:(爆笑)
鵬也:それは何か? 死ねとか言うか?
晟:いや,あの馬鹿親父ならやりかねんかなーと(笑)。特にユウキとか,「こいつは俺の敵だー!」みたいな感じで(笑)。
清人:今までさんざん鉄骨で殴られてたからな(笑)。
GM:いくらなんでも,楓はそこまで馬鹿じゃないと思うけど……。
晟:馬鹿だろうが。
GM:(頷いて)馬鹿だけどさ。
真琴:あのー。で,まさかと思うんだけど,攻撃は来ないんだよね?
GM:来ないです。それやったらユウキ除いて全滅しそうだ(笑)。
晟:俺の,俺の敵はどこだーっ!(笑)
GM:それかい!(笑)
清人:何故ゼロシステム。って緑川○つながりだからか(笑)。
GM:まぁ逃避はその辺にしといてくれ。というわけでやっぱり敵は全滅したよ。
真琴:あーあ。
鵬也:あーあ。
晟:……ところで私,楓の演技しなければならないんだろうか。それともマスターがやるの?
GM:したいんだったらやってもいいけど?
晟:いや,できればやりたくないなぁ(笑)。苦手なんだわ,楓は。
GM:あ,そう。どっちにしろ,セリフはないよ。無言で殺った。
ユウキ:じゃあ気がついたら敵がばたばた倒れていくわけですな。
真琴:って,私の真後ろにいる人間がそんなことやってんのか。殺気を感じて振り向いてみるが,どうだ。
GM:えーと外見は全然変わらないけど,まったく印象の違う晟くんがいる。実は14歳時の楓と同じなんだけど,誰もそんなことはわからないな。
真琴:印象が違うって,どんな風に?
GM:え? そうだな,クソ生意気な感じかな。
ユウキ:今でも十分クソ生意気だと思うが……。
GM:あれとはまた違った風にクソ生意気なのだ(笑)。
鵬也:つまり,今までナヨってたのがタカビーになったんだな。
晟:せめて「傲岸不遜」くらいゆーてくれよ……(泣)。
真琴:えーと,晟?
GM:いきなりものすごい目で睨まれる。
真琴:え? え?
GM:が,次の瞬間にはぽんっ,と元に戻っていたりして(笑)。
真琴:え,えーと,晟?
晟:はい? 何ですか?
清人:あれ?
真琴:おや?
晟:だから,何ですか?(笑)
GM:あ,ちょっと待ってよ。記憶がないとは言ってないよ。
晟:え?
GM:だから,今自分がしたことはちゃーんと覚えてるよ。
晟:……え,えーと。それは,どんなんだ?
GM:さぁ,どんなんだろう。考えといて。あ,それと後で君には面白い技をあげよう。
一同:(いっせいに)またかよッ!
晟:いらねー! それはもういらねー!
ユウキ:いいじゃねえかよ,侵蝕基本値が上がるとかいうよりは!
晟:キャラクターシートが増えるのもどーかと思うが!?
GM:はいはい,今回はまだやってもらうことがあるんだよ晟くん。
晟:はい? 何ですか?
GM:そこで君は,広間の入り口のところに人の気配を感じたんだが……。
晟:どっち?
GM:え?
ユウキ:どうせモドキか千葉のどっちかだろ。
GM:うーん,そこまでわかるかなぁ。とりあえず1D10振ってみて。5以上でたらどっちかわかるから(笑)。
清人:やっぱり,そのどっちかなんだ(笑)。
晟:(いっころ)あ,ダメですね。どっちかなー?
鵬也:でもなぁ。どっちだろうとイヤなことには変わりはないよなぁ。
晟:まったくですね。ここは何もなかったことにしてしまいましょう。
GM:そんなところで,例の柱にぴしぴしっとヒビが入るんだけどね。
真琴:あ,そうだ。奴らはその柱を調べていたんだよな。では私は柱に注目していたはずだぞ。
GM:あ,そう? すると柱は君の目の前で音をたてて崩れ落ちる。そしてその中には,まばゆく光る青い宝石が浮かんでいたりするのだった。
一同:…………。
晟:……えーと,これ,欲しい人います?
真琴:所長の言っていた謎のウィルスと,関係がありそうだな。もらっていこう。
ユウキ:あ! そう言えば俺,手が痛かったりするんだろうか。
GM:そうね。したくもないのに勝手に再構成。
一同:(笑)
ユウキ:あ・れ・だ・け! 侵蝕値を節約しても,結局こういうことになるわけなんだな!?
GM:うん,悪いけど侵蝕値100パーセントだから(笑)。例によって! 篭手のようになった君の右手ががばっと割れ,金色の光が溢れ出す。その光と共鳴するように,青い水晶が輝きだし,皆,眩しさに一瞬視界を奪われる。……で,その時,「あ,痛っ」と思った人がひとり。
一同:…………。
鵬也:……どっち?
ユウキ:……俺か,そっちか……。
晟:…………。
GM:あっち(笑)。
晟:…………。
GM:(構わず)とりあえず青い水晶は君の体の中に吸い込まれて消えて,後は何も起こらない。ユウキも元に戻った。
ユウキ:俺,また気絶ですか?
GM:いや,今回は気絶しなくていいよ。
晟:(ぼそっと)あの,吸い込まれて消えたって,何さ?
GM:言葉の通りさ。「謹呈」って感じ?(笑)
晟:つまり何かよ。私は最終的には聖○士星矢かサ○ライト○ーパーみたいな青い甲冑着にゃならんのかい!
一同:(爆笑)

 えーとつまり……。
 いいや,もう説明したくない。
 「つまりどういうことですか?」という疑問を持たれた方,松井ではなくGMに訊いてやってください。私は悪くない。悪くないんだ。
 ってか,もう説明してられっかー!(ヤケ)

GM:「楓の複製体」なんて設定作るからいけないんだろ(笑)。
晟:だからって,こんなのはイヤだー! ユウキさんと同じバケモノになってしまったー!(笑)
ユウキ:ふざけんな! 俺だって好きでこんなになってるわけじゃねえんだよ!
真琴:それよりサンプル! 水晶はどこへ行ったんだ!?
清人:消えたね。
真琴:消えたとは,どういうことだー!
清人:さあ(笑)。なんか,新条の身体に吸い込まれたように見えたけど……。
鵬也:しかし,それも定かではない,と。ちなみに私はシャイニングカンダムのコクピットにいたのでよく見えなかったのだ。
真琴:ロボットオタクは黙ってろー!
鵬也:ヲタクって言うなー!?
GM:……あー,うるさい(笑)。ところでユウキくんや。
ユウキ:はい? 俺ですか?
GM:(にやり)そこでまた死刑宣告を。
ユウキ:は!? 死刑宣告!?
GM:(構わず)かつて聞こえてきたあの声が,君にだけこう告げます。「……あとひとつ」
ユウキ:あとひとつぅ?
晟:……遙ちゃんのような気がする(泣)。
鵬也:緑,青,ときたら赤だな。
清人:赤だね。
晟:というか前に赤って言ってた。(隣の卓に)遙ちゃーん,次は赤い宝石をプレゼントだってさー!(笑)
遙:はーい? 何か言いましたー?
真琴:おめでとう,これで君もバケモノの仲間入りだ。
遙:ほえ?
GM:あー,はいはい,よその卓の人にまでネタばらしをしないように(笑)。というわけで話を戻したいんだが……。
真琴:と,いっても肝心の水晶が消えてしまったのでは……マスター,敵は全員倒してしまったのだよな?
清人:リザレクトは?
GM:いや,起きあがってきてもどうせ倒されるだけだから,リザレクトはなし。全員死亡。
真琴:とりあえず,死体は残っているのだな?
GM:崩れ去ったりはしてないよ。
真琴:ではマスクを剥いでみよう。
清人:あ,俺も。
晟:(慌てて)あ,僕も僕も。
GM:え? そんな皆してやらなくたって,別にどうということはない顔だよ?
真琴:全員のマスクを剥ぐぞ? 余さず剥ぐぞ?
GM:いや,だから(笑)。
晟:本当に何もないんですか?
GM:ない。「か」がつく人だったりはしないから,安心してくれ。
晟:ふー……。
GM:だからー。モドキは君を含めて2人しかいないって言ってるだろー?
晟:「含めて」って言うなぁー!?
鵬也:(無視)で,ドッグタグはないよな。
GM:そんな身元を確認できるようなものはつけましぇん。
ユウキ:とりあえず,外人かどうかだけわかればいいと思うんだが。
GM:とりあえず外人さんなのは間違いないです。
真琴:なるほど,やはり彼らはテンペストだったのか。先ほどの青い水晶を探していたのだろうな。
晟:……えーと。
真琴:(構わず)ところで,こいつら何か調べていたな? そのデータは残ってないか?
GM:ないよ。
真琴:え?
GM:そんなの,《サイレンの魔女》がガンガンにかかったせいで,全部ふっとんでるよ。
一同:…………。(晟を見る)
GM:ほら,精密機械は超音波に弱いし?(笑)
ユウキ:もうデータもクソもないと。
真琴:晟……。
晟:……ぼ,僕のせいじゃないですよ? さっきのはあのバカ親父のせいで……。
GM:いや,君のせい。
晟:違ううー!(泣)
鵬也:裏の事情はどうあれ,傍から見ているぶんには明らかに君のせい。
一同:(笑)
晟:(遠い目)父さん……僕はこうやって,世の中の無情を感じたわけで……。
鵬也:逃避して済むと思うなよ。
真琴:とにかく,テンペストの手に例の水晶が渡ることは防げたわけで,それは良かったと思うのだが。
晟:そ,そうですよね!
真琴:しかし,その水晶はどこへいったのだ。
晟:…………。えーと。
真琴:(構わず)割れた岩も調べてみるが,欠片も残っていないのか?
GM:うん。もう跡形もないね。
ユウキ:(投げやりに)とりあえず,石とか氷とか持って帰ればいいんじゃねえ?
晟:そ,そうですね。それ持って早く帰りましょう。ねっ?
真琴:晟。
晟:は,はい?
真琴:どうも例の水晶は,おまえの身体に吸い込まれたように見えたのだが……。
晟:え? え? 別に何ともないようですじょ?
真琴:そうか? どこかにくっついたりはしてないか?
晟:ないない。ない。ありません。
真琴:よしわかった。晟。
晟:は,はい?
真琴:おまえを大谷所長のところへ連れていこう。
晟:い,イヤ……。
真琴:サンプルが欲しいと言われたのだ。
晟:だからイヤ……。
真琴:協力してくれるな?
晟:…………。
GM:きっと帰ったら解剖だな。
ユウキ:そこまでいかなくても,ベッドに縛りつけられてあちこち触られるのだけは決定項だな。
一同:(爆笑)
晟:ひいいいいいっ!? やーめーてー!?
ユウキ:(微妙に晴れやかな笑顔)ま,今回は俺も気絶しなかったし,がんばって勤めてこいや。
晟:イヤだー! ユウキさんならともかく,僕みたいなかよわい美少年が相手じゃシャレになんないじゃないですかー!
ユウキ:ツッコむのはそこかよっ!?
晟:はう!(←また殴られた)
清人:……えーと……鉄骨はもうないんじゃなかったっけ?(笑)
鵬也:うん,俺が全部撃っちゃった。でもユウキの場合,鉄骨があってもなくても似たようなものだと思うけど。
ユウキ:再構築した拳で殴りますからね! 鉄骨よりも硬いかもしれない(笑)。
晟:(しくしく)ひどいやひどいやっ。
真琴:(横から)ひどいのはおまえだ。だいたいさっきから聞いていれば何だ? 大谷所長はそんな人ではない。
ユウキ:え?
晟:知らなかったんですか?
真琴:…………。
晟:…………。
真琴:…………。
GM:(咳払い)さて,どうしようね。他に,ここにめぼしいものはありそうにないし。
真琴:多分,所長がおっしゃってたのはアレだと思うのだがな。
鵬也:ないものは仕方ないだろ?
真琴:うむ。仕方がないので,無駄だとも思いつつも,周囲の石や氷やらを持ちかえってみよう。
晟:……あー。そうやって作業してる間に,ユウキさんだけに耳打ちしておきたいんですけど。
ユウキ:あ?
晟:実はですね。さっき,ちーさんかモドキのどっちかが覗いてたような……。
ユウキ:……ぬぁにぃ!?
晟:いや,今から追いかけても無駄だとは思うんですが一応……。
ユウキ:では全速力で飛び出します!
晟:え? あ,いや,だから……って,あー……行っちゃった……。
清人:あれ?(笑)
真琴:ん? ユウキはどうかしたのか。
晟:(遠い目)あー……いや,トイレか何かじゃないですかね。
GM:えーと,結局走って行ったの?
ユウキ:行きましたね。
GM:そうか。ではシーンを変えるしかあるまいな。
一同:(笑)

 

SCENE 14


ユウキ:……あ! よく考えてみると,侵蝕値100超えてんじゃんか!
真琴:参ったな(笑)。
GM:実際戦闘が起こるとは思わないけどなぁ……では,先ほど歩いていた通路の途中で,黒服の男の後姿が目に入る。
ユウキ:黒服……ってどっちも黒服のような気がするんだけど(笑)。
晟:背の高さで判別すればいいんですよ。身長は?
GM:178センチの方。
真琴:おお。モドキか。
ユウキ:じゃあ待ちやがれ!と怒鳴る。
GM:そうすると予想通りモドキちゃんですね。
ユウキ:唇の端を吊り上げてニヤリと笑おう。北極くんだりまで来て,何の挨拶もなしに帰る気かよ?
GM:彼は黙ったまま,君を……そうですな。めっちゃ見下すような目で見ている。
清人:うはあ(笑)。
真琴:なるほど,こーゆーヤツか(笑)。
ユウキ:……そうすると……(少し口ごもって)この場合,「よっしゃ刻んだ! てめえも俺を刻め!」とか言わなきゃいけないんだろうか。
一同:(笑)
真琴:しかし,このセリフってよくよく聞いてると変だよね(笑)。
GM:よっしゃ,それでは刻んでやろう!(笑)
鵬也:千切りー!
真琴:みじん切りー!
晟:乱切りー!
ユウキ:(←もはや無視することにしたらしい)……とにかく,やられっぱなしは性に合わないんでね。借りは返させてもらうぜ。
GM:それでもモドキちゃんは黙って立っているが……。
ユウキ:侵蝕値は100パーセント超えたんですよね? それでは,今回名づけた……(また口ごもって)ぱ,“パンツァークーゲル”を……。
晟:うあ,そのまんまっ!?
ユウキ:(無視)というわけで! 撃砕のぉ! エアストクーゲルぅ!
一同:(爆笑)
晟:ドイツ語に直せばいいってもんでもないぞ……。
ユウキ:……いちいちドイツ語の辞書とか調べてる俺って,マメですよね。

 いちおう念のため。
 ファーストブリット(first bullet)をまんまドイツ語に直すと,エアストクーゲル(erst Kugel)である。
 (ってこれだけじゃわけわからんやんけ!)

GM:ではとりあえず達成値くれい。
ユウキ:ええと,ちょっと待ってくださいね。マイナーで《完全獣化》の,《全知の欠片》《ピンポイント・レーザー》で,ダイスが+2の,侵蝕値で+6,《完全獣化》で+6だから,全部で24個……。
真琴:(ダイスを振っている横で)むう,よく考えてみれば我々も見物に行けばよかったな。
清人:見物……(笑)。
ユウキ:…………(←懸命にダイスを振っている)。
晟:そうですねえ。僕もせっかく侵蝕値が80超えたんだから,ユウキさんに《狂戦士》かけたかったです。夢だったんです。
鵬也:ゆ,夢?
ユウキ:…………(←懸命にダイスを振っている)。
晟:そうそう。ついでに《熱狂》もかけて,バカをさらにバカにしてみたいなー,なんて。
ユウキ:……うるせえっ! 人がダイス振ってる横でごちゃごちゃ抜かすなっ!
一同:(爆笑)
GM:で,達成値はどうなったの?
ユウキ:(ころころのころ)うわー! 36は,低いかー!?
鵬也:普通でいけばめちゃくちゃ高いと思うんだけどねえ。
清人:今回相手が相手だからなぁ。
GM:(にやり)ではモドキは迫りくる君の拳を冷静に見つめたまま,棒立ちになっている。避ける気配はないようだ。
ユウキ:む,ムカツクっ。
真琴:てゆーか帰ってくるな。ダメージ。
ユウキ:俺もそう思うけどさ。
晟:大丈夫,もう《ヨモツヘグリ》が使えるようになりましたし。
真琴:そうか。それはよかった。
GM:とりあえずダメージをカモン。
ユウキ:えーと4Dの(ころころ)……4の,6の……。
晟:(ぼそっと)いやぁ,ユウキさんが倒れたあとで,ネチネチ嫌味をいいながら治療するのがもう楽しくて楽しくて……。
ユウキ:……だぁら,いちいちうるせえよてめえはっ!?(一同笑)
清人:キミ,本当に根が暗いね(笑)。
晟:否定はしませんが。
ユウキ:(晟を睨みつけつつ)ダメージは27点,装甲値無視です。
GM:そうですか。それでは皆さんお待ちかね,すでにコイツの代名詞となりましたはね返し攻撃……。
ユウキ:くあー,やっぱりか!
GM:……の,見下しバージョン。
一同:(爆笑)
ユウキ:…………。
GM:いや,単にはらいのけるだけなんだけどね?
真琴:じゅーぶんムカツクって。
GM:(無視)というわけでモドキは君の拳を冷静に受け止め,横に流す。んで君は勢い余って横の壁にどーん!と拳を撃ちこんでしまうわけだ。
清人:(ぼそっと)あ。洞窟が。
GM:うん。金色の光が溢れ出すように壁には亀裂が入り,海底トンネルがぐらぐらっと揺れだすね(笑)。
真琴:な,なんだこの衝撃は。アイツはいったい何をしているのだ。
晟:う,うーん……(笑)。
真琴:様子を見に行った方がいいのではないのか?
晟:行かないほうがいいと思いますけど……(笑)。
真琴:(構わず)というわけでGM。ここらで登場してもいいか?
GM:うむ,いいだろう。で,他に見に来る人は?
清人:(手を挙げて)見物しに。
鵬也:(手を挙げて)興味本位で。
ユウキ:おまえらなぁ!
GM:結局誰が登場するの? あ,全員? では,自慢の拳を壁にめり込ませて屈辱に震えるユウキがいるね。
一同:うわ,カッコ悪ぅ(笑)。
ユウキ:…………。
GM:んで,さらにその隣には,冷たい目でユウキを見下ろしながらモドキちゃんが,(低い声で)「馬鹿が……」
一同:うわぁ!(笑)
GM:で。君らを一瞥して,また消えた(笑)。
晟:あれっ。僕には一言もなし?
GM:うん,何もなかったね。何か言って欲しかった?
晟:いや,ないならないでいいんだけど……。
鵬也:ちなみに何も事情を知らないワタシは,「おや? あいつの顔は……」とか呟いているが。
晟:ああ……えーと。
清人:親戚?
真琴:兄弟か?
晟:……認めたくないけど,兄弟かもしんないです。
真琴:おまえ,兄がいたのか? そんな話は聞いたことがなかったが……。
晟:…………。
GM:おお,弟よ! 兄さんだよー!(笑)
晟:貴様みたいな兄はいらんわああっ!?
一同:(笑)
GM:……と,叫ぶと天井からぱらぱら砂が降ってくるんだが(笑)。
清人:えーと……壁に亀裂が入ってたんだよね?
GM:ユウキの拳のところからどんどん金色の光が広がっていってるが(笑)。
晟:ゆ,ユウキさんユウキさんっ。早いトコそれなんとかしてくださいよ。
GM:もちろん,拳を元に戻したところで金色の光はどんどん広がっていっているが。
晟:ええっ?(笑)
真琴:どうする,晟。
晟:どうするって……えーとGM。ここは演出として,沖さんに何か乗り物作ってもらうということでどうでしょうか?
GM:普通に脱出したら生き埋め間違いなしだからな。認めよう。
真琴:ということで,頼む。
鵬也:わかった。ではサンダー○ード4号を作るぞ!(注:後にプレイヤー自らが懺悔したところによると,ドリルがついているのは4号ではないそうである)
一同:(爆笑)
GM:またレアな真似を(笑)。
鵬也:もちろん,ドリルがついて地中を掘り進めるぞ!
清人:えーと……すごいね……。
ユウキ:なんちゅー便利なヤツ……。
鵬也:(構わず)さあみんな,乗れ! 崩落は近いぞ!

 サン○ーバード4号で一同が脱出した直後,洞窟は音をたてて崩れ落ちた。
 そして,海底洞窟と,青い水晶の眠る謎の広間は,永遠に閉ざされたのである。

真琴:いや? でも水晶はここに……。
晟:さあ,そういうわけで帰りましょう,皆さん!
GM:はいはい。ではシーンを変えます。

 

SCENE 15


GM:ではエンディングになりますので,この後の脱出劇は省きます。
真琴:一応訊いてみたいんだが,テンペストが乗って来た方の船とかどうなった?
GM:ああ,あれ? みじん切り。
一同:みじん切りぃ!?
GM:うん。もう跡形もなく,みじん切り。
真琴:爆発とかじゃなくて?
GM:だから,みじん切りだってば。
ユウキ:……それって,アレだよな?
晟:え,エゲツないなぁモドキちゃんは。
清人:やることが徹底してるよね。
鵬也:ふむ。なかなかロクでもないお人のようだな,君の兄さんは?
晟:あんなの兄さんじゃないやーい!(泣)
GM:(無視)そんなわけで,黒い船を調べることはできませんでした。他には何もないんで,まぁ行きと同じく船に乗って島を出て,1週間くらいでデモンズシティに戻ってきました。んでそんなとこからエンディングなんだけど……ちなみに大谷んとこに行くのは誰?
鵬也:俺は報酬さえもらえれば報告する義務はないように思うのだが。
清人:あ,俺も。
ユウキ:俺もそうだな。(晟に)ま,がんばれや?
清人:次も元気で会えるといいね(笑)。
晟:み,みんなヒドイ……(泣)。
真琴:安心しろ,晟。私はちゃんと所長に報告しに行くぞ?
GM:じゃ,エンディングに登場するのは晟と君嶋だな。で,大谷には何て言って説明するよ?
晟:え,えーとですね,所長。とりあえずあーんな洞窟に潜ってわけわかんない敵と戦ってくる程度じゃあ,人間成長しませんってことでどうでしょう。
GM/大谷:「ほう。ダンジョンシナリオではダメかね」
晟:ダメです。やっぱりシティ・アドベンチャーじゃないと。
GM/大谷:「次回からは考慮しよう」
晟:お願いします。でわ,そゆことでっ。
GM/大谷:「で,道中何もなかったのか?」
晟:…………。
真琴:あ,それについてはですね。かくかくしかじかで,例の島の洞窟の中に青い水晶がありました。で,これはその水晶を包んでいたと思しき石と氷です。
GM/大谷:「ほう。で,本体は?」
晟:じゃ,僕はこれで……。
真琴:ここにあります。
晟:腕を引っ張らないでくださいよっ!?
真琴:こいつの身体の中に吸い込まれたみたいです。
GM:大谷は「そうか」と言いながら君の元に歩いてくる。
晟:(じたじた)いやー,いやー! 真琴さん,離してくださいぃ!
GM:んで,君の頭にぽんっ,と手をおいて。「ま,がんばれ」
晟:…………。それだけ?
GM:うん。
晟:…………。ユウキさんユウキさん。
ユウキ:あん? 俺はこの場にいねえぞ?
晟:(しゅたっ,と手を挙げ)セクハラされなかったー。
一同:(笑)
真琴:だから,おまえはさっきから何を言っているのだ! 所長はそんな方ではない!
晟:知らなかったんですか?
真琴:何をだ。
晟:知りたいんですか?
真琴:だから,何をだ。
GM/大谷:(咳払い)「で,晟。明日は暇かね」
晟:えっ。いや,僕ちょっと忙しくて。
GM/大谷:「そうか。忙しくても出頭するように」
晟:イヤですって。
GM/大谷:「まぁそう言わずに。しっかりたーっぷり,検査してやるからな」
晟:だからイヤだって言ってんのに!?
真琴:…………。今,ちょっと疑惑が脳裏をよぎったぞ。
GM:(しらっと)で,明日のことになるんだけど,君はやっぱりベッドに縛りつけられて。
ユウキ:(←微妙に嬉しそう)しかも,俺と違ってベルトをひきちぎれねえしな。
晟:ひいいいいっ!?
鵬也:ぺたぺたぺた(笑)。
清人:なでなでなで(笑)。
晟:やーめーてー!?
真琴:両手縛ってー,お腹めくりあげてー,胸撫でてー。
GM:あー,ちなみに検査するメンバーなんだけど。大谷と紫音と栄吉っちゃんね。
一同:うわサイアクっ!(爆笑)
真琴:どーゆーメンバーだ,それは!?(笑)
GM:さあ。ちなみに紫音がノリノリで,「さぁ,お兄さんに全て任せなさい。君の身も心も調べつくしてあげるからねえ?」とか言って機材をいじくってますが(笑)。
晟:こ,この変態っ! 児童虐待で訴えてやるううっ!
GM/紫音:「はっはっは,たーのしーぃなー?」(笑)
真琴:では,私は晟の悲鳴を聞きながら……やはり黒い疑惑の雲が湧き上がってくるのを抑えられなかったのであった……。
GM:では,今回は外伝的なお話でしたが,これで終了とさせていただきます。お疲れっしたー。
晟:(←まだ騒いでいる)ばけやろー! 離せー! 真琴さーん! ユウキさーん! へるぷみーっ!?
真琴:(首をかしげて)……所長って……。
ユウキ:さぁて,俺はどこかにある「オーヴァードの森」でも探してくるか……(笑)。

 どこだよ,それは?

 

「どもどもこんにちは,遙なのです。それと……」
「……よくわからんが,『最近遙はマトモ化が著しく,予告ができない』などという戯言をぬかす奴がいるので(ちなみに松井暁という馬鹿だ),俺が手伝いをすることになった。とりあえずよろしく」
「よろしくなのです〜♪」
「しかし,そもそも『マトモ』になったから予告が『できない』とはどういう意味だ? 逆だろうが」
「えとえと,何だかひどいことを言われているような気がするのです……」
「気がする,じゃなくて言われているんだと思うが?」
「でも『遙は最近がんばってる』って皆が言ってくれるから嬉しいのです!」
「それはいいことだな。それに比べてあいつときたら……まあいい。とりあえず下らん仕事は手早くすまそう。次回は2人の人物からそれぞれ『相手を殺してほしい』と依頼がある。その『人物』というのが,ユ……」
「ミトメタクナイ,ミトメタクナーイ!」
「……なんだ,このオウムは」
「えと,通訳するのですよ。『これはあくまで予告なんで,具体的な固有名詞は出さないようにするのが礼儀でしょうが。どーしてそう気が利かないんです?』ってゆってます」
「……何となく腹のたつオウムだな」
「かわいいのですよ?」
「かわいいか? ……まあいいが。協議の結果,一同は一方の依頼を受けることにしたわけだが,いかんせん,奴は普通の手段では倒せない。そこで,UGNのバックアップのもと情報を集め,その方法を訊くことになる。そして目指すは,残る1つの宝……」
「ミトメタクナイ,ミトメタクナーイ!」
「今度は何だ!」
「『そのへんもオフレコに決まってるでしょ。てゆーかその前あたりもダメ! とりあえずダメダメって感じ?』って言ってるのです」
「……ちょっと待て。本当にそのオウムが,そう言ってるんだろうな?」
「言ってるですよ? えと,たまちゃんてゆーか,あきちゃんが……」
「…………」
「ああっ!? おじさん,たまちゃんの首しめちゃダメなのですよー!」
「…………。お,おじ……?」


Next, “Ace in the Hole,” see you later.

まだ若い気でいたんだろうか。
てゆーか,予告はどうした?