#4 Ace in the Hole
 

 

PRE-PLAY


GM:えー,ではとりあえず4回目を始めようと思います。今回は,前回のシナリオが終わってから2週間ばかり経ってます。そうするとだね,前回参加してない人は,1ヶ月くらいのブランクがあいちゃうわけなんだね。
ユウキ:でしょうね。何でだか知らないけど,わざわざ北極海まで船で行きましたからね!
晟:そうですよね。普通船では行きませんよね!
ユウキ:普通飛行機だと思うんだけどなぁ!
晟:普通そうしますよねえ!
GM:……ごめんよ。
一同:(笑)
GM:だって飛行機だとバトルがしにくいんだもんよ! 俺も失敗したなぁと思ってるよ!
尚也:はいはい。で?
GM:……ええと,前回参加してなかった人は,その間に何をしてたか決めてくれ。ちなみに,オーヴァード関係の事件は特に起こってないよ。少なくとも市内ではね。ああ,あと今回初参加の人がいるんで,まず自己紹介から。
悠貴:ええと,藤原悠貴,17歳です。身分はUGNのイリーガル。一応,母親の胎内で感染したケースで,生まれながらにして能力を持っています。
GM:17歳っつーと,デモンズシティができたころに生まれた感じ?
遙:私が生まれたのと同時なので,2歳の時なのですよ。
GM:すると悠貴が……あ,いや。ユウキじゃない。こっちの悠貴ね。
悠貴:気がつくと同じ名前でしたね……。
GM:ややこしいな。じゃあ悠貴ちゃんと呼ぼう。
悠貴:男なので「ちゃん」はやめてください。藤原って苗字で呼んでくれればいいですから。
GM:じゃあ藤原組長?
悠貴:何故組長!?
晟:じゃあ「ゆーちゃんその1」と「ゆーちゃんその2」で。
悠貴:えと,それは僕がゆーちゃんその2ってことなの?(笑)
ユウキ:そう呼んだら殺す。
晟:でもわかりやすい……。
ユウキ:呼んだら殺す。
遙:こっち(ユウキ)がゆーちゃんで,こっち(悠貴)はゆーきちゃんなのです。
ユウキ:それも殺す!
晟:すでに呼ばれてるじゃないですか……。
ユウキ:呼ばれてねえ!
尚也:じゃあ「ゆーくん」でもよかろう。
晟:「ユウくん」はすでにユウキさんが呼ばれてるんでダメですよ。
ユウキ:呼ばれてねえ!
晟:ゆかりちゃんにそう呼ばれてるじゃないですか!
悠貴:だから藤原でいいんだけど。
GM:藤原だと「やぁってやるぜ!」になっちゃうのでダメです。
悠貴:ほ,ほえ? なんで?
晟:(ぼそっと)今どき藤○忍なんて誰もわかんねーよ。
GM&ユウキ:え〜〜〜!?(←すげえ非難がましい口調)
晟:(悠貴に)知ってる?
悠貴:わかりません。
尚也:私もわからん。
遙:それ,何なのですか?
ユウキ:超獣○神ダン○ーガだよダ○クーガ!
GM:人を超え,獣を超え,だよ?
ユウキ:出でよ神の戦士,だぞ!? 知らねえのかよ!
悠貴:知らないよ(笑)。
GM&ユウキ:え〜〜〜!?
真:(隣の卓から)……おまえら,濃いよ。
一同:(笑)
ユウキ:濃くねえ! ダンクー○は基本だ! 15話になるまで合体しなかったロボットアニメはあれくらいなんだぞ!?
GM:そうだ! しかも合体したとたん,「次回に続く!」だったんだぞ!
遙:どうでもいいから戻ってこーい(笑)。

 毎度のことだが,すげえどうでもいい話で時間を費やしておるのぉ。
(注:リプレイに収録しなければいいという説もある)

GM:(咳払い)とりあえず悠貴はイリーガルなので,仕事が入ってこない間は普通に学校行ってるわけだね。
悠貴:そうですね。
GM:じゃあ学校に通ってる面子にロイスを結んでもらおう。えーと,学校行ってる人は?
遙&晟&尚也:はーい。
晟:ただ僕は藤原さんより3歳も下なんだけど,いいんだろうか。
GM:でも皆同じクラスだから。
一同:何で!?
GM:面倒くさいから。
悠貴:(サイコロを振って)じゃあ晟にお願いします。「親近感」と「不信感」でポジティブが表です。
遙:(手を挙げて)私はゆーきちゃんにロイスをとったのですよ。ポジティブで「憧憬」なのです。
悠貴:え? 何に憧れてるの?
遙:わかりませんが,優しいし,憧れのお兄さんなのです。
晟:……ふーん。
悠貴:まぁ僕にとっても遙ちゃんは妹みたいでかわいいなぁ,みたいな感じですけど。
尚也:おや,三角関係か?
晟:……ふーん。
悠貴:いや,そういうんじゃないけど。
晟:……ふーん。
悠貴:ないんだけどね?(笑)
ユウキ:おまえ,毒盛られないように気をつけた方がいいぜ(笑)。
GM:ちなみに晟が帰ってきて,ようやく風邪も治って学校へ来てみると。今まで影の薄かったクラスメートの一人が,遙と仲良くしてる。
晟:…………。
遙:(明るく)ゆーきちゃんゆーきちゃん,見てくださいなのです!
悠貴:へー,すごいね。こんなに早く解けるんだな。
遙:えへへー,照れるのです! でもがんばったので誉めてもらえると嬉しいのです!
悠貴:ははは,かわいいなぁ遙ちゃんは。
GM:ドアを開けたとたん,というような光景が繰り広げられているわけだけども。
晟:……では衝動判定を。
一同:(笑)
晟:それは冗談ですけど。でも教室の入り口で固まってます。
尚也:おや晟,久しぶりだな。
悠貴:ああ,今日から登校なの? もう風邪はいいんだ?
遙:あっ,あきちゃんだー! あきちゃん久しぶりなのです!
晟:(固い声で)久しぶり。こんにちは。で,いったい何をやってたんです?
悠貴:何って,こないだの宿題。遙ちゃんは勉強できるんだなーって感心してたところだけど。
尚也:ああ晟,同じ宿題がおまえにも出てるからな。はい,プリント。
晟:……何で尚也さんが預かってるんです?
尚也:私が君の前の席だからだ。他に何かあるか。
GM:だんだん何の話をしてたかわからなくなってきたな。ええと……悠貴はこのへんにして(笑),遙と尚也。この間どうしてた?
遙:前回自分に起こったことを,所長に相談しに行ってると思うんですけど。
GM:そうですね。じゃあ前回晟のへたれーが外出中にだね。
晟:ああ!?
GM:(無視)遙は自分のルーツを求めて,資料探し。
遙:ほえ?
GM:かいつまんで説明しちゃうとね。実は明日香のお母さんの家ってのが,東北にあってね。かなりの旧家なのだ。
遙:地主さんとか?
GM:それもそうなんだけど,ちょっと特殊な家だったらしくてね。何でも……(口ごもる)代々,その,巫女さんを輩出しているらしくて……。
晟:はい,お休み〜。
悠貴:あ,寝た寝た。
一同:(笑)
GM:寝るなぁ! じゃあ何て言えばいいんだよ!
晟:(半眼)いやぁ,何となく言いたいことはわかるけどね。つまり,地元の神社で巫子を受け継いでたってことでしょう。
悠貴:んで,代々アヤカシのものと戦ってたとか?
GM:そうそう,代々異能者の家系なのだった!
晟:マスター,最近『異能使い』買ったでしょ。
GM:いちいちうるせえ! ともかく! 紫音やら泪やらまで動員して調べたところ,そこに古くから伝わっている文献を送ってもらうことができたのだった。それによると,明日香んとこ,つまり茶山家は代々女系で,本家の女の子には必ず特殊な力が備わっているそうな。
遙:あれ? 明日香も?
GM:んと,今までほとんど出てこなかったけど,明日香の場合は変身能力。だから1話で獣になったわけで。
遙:ああ。そんなこともあったねえ。
GM:おう,俺もつい最近まで忘れてたさ(笑)。でね,話を戻すと,茶山家の始祖は炎華姫(ほのかひめ)という女性でね。遙の能力は,どうもそれに近いんじゃないかという話。
晟:どうでもいいが,あまりにベタな名前だ。
GM:だからいちいちうるせえ!(笑)
遙:近いって,具体的にどう近いのですか。
GM:その本質は「略奪」と言われている。
遙:りゃ,略奪?(笑)
GM:具体的には熱を操って敵を燃やしたり,体温を奪ったりということだけど,他にもありそうではある。何せ初代炎華姫は室町末期の人なので,そこまで詳しくは伝わっておらんのだった。
遙:ほえ〜。いきなり話が大きくなってきたのですよ……。
晟:ちなみにこれ,レネゲイドウィルスとは関係なし?
GM:なし。そういう家系の人が,さらにウィルスに感染しちゃったと思いねえ。
ユウキ:(ぼそっと)ううむ……そうすると俺は遙の肋骨をぶち折ってパワーアップせにゃならんのか……。
遙:ほえっ!?(一同笑)
晟:どうしてそうなる!
ユウキ:そらやっぱりお約束だし?(←返す返すもスクラ○ドネタです……涙)
晟:だからって遙ちゃんの肋骨もってくことないでしょ!
ユウキ:じゃあ晟の肋骨。
晟:ちーさんの肋骨でも折ってろ!
GM:それが一番正しいような気もするが……もとい,とにかく遙が得た情報とはそんな感じだ。で,尚也。特に何かしていたことは?
尚也:私は和也を探している。今まで通りだ。
GM:そうか。実は君,和也と1回戦闘を行っているのだ。
尚也:おや?
GM:他の仕事をしている最中に,ばったりね。どうも和也は,君のことを兄と認識していないようだ。
尚也:私を他人だと思っている?
GM:わからない。しかし,何か記憶の改竄が行われているのは間違いないだろう。
ユウキ:(←嬉しそう)改造だ,改造。99パーセントの同調と,1%の反逆!
尚也:そうか,改造人間にされちまったのか……。
GM:そう,精製されたの(笑)。ちなみに,弟は結構強かった。君と同じくらい。
尚也:むう……。仕方ない,孝太郎にエサをやってこよう。
GM:……はい? 何それ。
尚也:何って,私が飼っている犬だが。
ユウキ:林○こぶ平な声で鳴くのかよ……。

 

SCENE 1


GM:ではオープニング。しかし他のキャラたちはさっき終わってしまったようなもんなので……。
一同:何ぃ!?(笑)
ユウキ:えらく大雑把に省かれたな。
GM:とりあえず学校に行ってない君だけ,別にね(笑)。ゆかりちゃんと山崎くんは君が出かけてる間UGNに保護されてたんですが,もう戻ってきてますね。いつもの通り,朝食の時間です。山崎くんが当然のようにばくばくご飯食べてます。「いやぁ,最近食材が豊富でいいねえ」(笑)
晟:(←またまたゆかりちゃん)今日は鰆の西京漬けです。まだ食料庫は潤ってますから,たくさん食べてくださいね。
ユウキ:……じゃあぶすっとして朝飯食ってます。
GM/イサム:「そういえば,こないだの仕事の実入りはどうだったの? 随分長いこと出かけてたみたいだけど」
ユウキ:確認してねえから,知らん。
晟/ゆかり:「ここに伝票がありますけど……」
GM/イサム:「どれどれ? ……あれ!? ちょっと待てよユウキ!」
ユウキ:ああ?
GM/イサム:「確か最初の話では,この倍は報酬あったはずだぞ!? いったいどうしたんだよ!」
ユウキ:知らねえよ。食ったんだろ。
GM/イサム:「食ったも何も,伝票の時点から2分の1だっつーの! ったく,どうしてこういいかげんなんだよ!」
晟/ゆかり:「仕方ないです。ユウくんは,以下略,ですから」
GM/イサム:「まあ確かにユウキは,以下略,だけどさー」
ユウキ:とりあえず山崎だけぶっとばします。
GM/イサム:「ぐはあっ!」
晟/ゆかり:「ユウくん,食事中は暴れないでって言ってるのに……」
ユウキ:へーへー,わかってるよ。
GM/イサム:(←復活)「わかってねえじゃんかよ!」
ユウキ:うるせえな。だいたい今日は何の用なんだよ。
GM/イサム:「あ,そうそう。また実入りのよさそな仕事があったんだ。今話つけてるところだから,まとまったらまた連絡するわ」
ユウキ:おー,期待しねーで待ってるよ。
GM:さて,そんなこんなで山崎くんも帰っていきまして,ゆかりちゃんは忙しそうに掃除とか洗濯とかに励んでおります。そんな中,君は何をするでもなくぼーっとしてるわけですが……突然,家の外にある気配を感じます。君のよく知っている気配です。
ユウキ:どっち?
GM:え? 身長178センチの方(笑)。
ユウキ:では急いで外に飛び出しますが。
GM:すると予想通りのモドキちゃんが家の前に立っている。とりたてて殺気とか敵意はなさそうだが。
ユウキ:てめえになくてもこっちにあるんだよ。
晟/ゆかり:「……ユウくん? 誰か来たの?」
ユウキ:家に入ってろ。
晟/ゆかり:「え? でも……」
ユウキ:いいから入ってろ!
GM:するとモドキちゃんが「場所を変えないか?」とばかりにアゴを向こう側へしゃくります。
ユウキ:……仕方ない。もう一度「家入ってドア閉めてろ!」と叫んでから,ついていきます。
GM:で,あたりに何もなさそーなところまで来ると,言います。「安心しろ。コトを荒立てるつもりはない」
ユウキ:こっちにはありありだっつーの!
GM/楓?:「……ひとつおまえに訊きたいことがある」
ユウキ:あ?
GM/楓?:「新条楓という男を知っているか?」
ユウキ:誰だ,それ。
GM/楓?:「強いて言うなら,俺を30歳程度にしたような男だな」
ユウキ:は? 何だそりゃ。
GM/楓?:「知らないのか」
ユウキ:知らねえよ。で,用はそれだけかよ?
GM/楓?:「実は,頼みたくはないがおまえに頼みがある」
一同:(笑)
尚也:頼みたくないなら頼まなければよさそうなものだが。
遙:まったくまったく。
GM/楓?:「(構わず)もしおまえが新条楓に会ったら,殺してくれ」
ユウキ:…………。
GM/楓?:「……返事は?」
ユウキ:……ああいいぜ。もし出会ったら,殺してやってもいい。だがな。
GM/楓?:「だが?」
ユウキ:その前に,おまえをボコらせろ!
GM:と言って,殴りかかるわけなの?
ユウキ:こいつは俺の「借りを返したいリスト」の筆頭ですからね! あれだけ色々やってくれてんだから,ちったぁ返させろ!
GM:モドキはユウキには何もしてないよ。
遙:そうだったっけ?
GM:殴りかかってくるのはいつもユウキで,モドキちゃんはそれを受け流してるだけだもん。
晟:あ,確かに……。
ユウキ:ちっ。それはそれでムカつくんだよ。
GM:もちろん,受け流す時に「馬鹿が……」とか「クズが……」とか言うのも忘れないけど。
ユウキ:それがムカつくっちゅーんじゃあ!
GM:ちなみに今回も君の拳を,わざわざポケットに手を突っ込んで,バックステップで避けます(笑)。
ユウキ:てめえっ,逃げんのかよ!
GM/楓?:「そんなに俺と戦いたいなら,いずれ機会を作ってやってもいい。だが,今はまだその時ではないな。それと……俺が言うのもなんだが,千葉には気をつけろ」
ユウキ:……はあ?
GM:彼は答えずに悠然と去っていきます。何かする?
ユウキ:とりあえず,後ろから殴りかかるような真似はしませんが……。
GM:では,そこでオープニングは終わりですね。

 

SCENE 2


GM:次,遙のシーンです。学校に通ってる人間は好きに登場してOK。今は昼休みです。あ,そうそう。今回特別ルールを適用します。登場判定の時に振るダイスを1D5にしてください。つまり,1D10で出た数字を2で割って切り上げしてね。エフェクトの際に上がる侵蝕値は通常通りです。あくまで登場判定の時だけだから,注意するように。
一同:はーい。
遙:ゆーきちゃんゆーきちゃん。ちなみにゆーきちゃんは,いつも学食ですか? お弁当ですか?
悠貴:んー,父と二人暮しだからなぁ。父と自分のぶんを作ってます。
GM:ええ子やね。そこんとこのように自分のメシも作れんようなヤツとは一味違う。
晟:それって僕のこと? 言っときますけど,僕はこのメンバーの中で一番料理上手いんですよ。
GM:そうなの?
晟:そうです。だって料理って【社会】基準だもん(←〈芸術:調理》で判定)。
悠貴:え,そうだっけ? 僕,【社会】1なんだけど(笑)。
遙:私も【社会】1なのですね。でも料理が趣味なのですが。
GM:それは10分の1の確率で何かすごい弁当が……。
晟:だからね,僕は遙ちゃんがファンブった時のために,一応2人ぶん作ってきてるんですよ。
遙:(いっころ)でも,今日は7なのです!
GM:えーと,結局何の話なんだっけ(笑)。教室でお弁当を食べてるところから……。
遙:あ,屋上がいいのです。あきちゃんあきちゃん,お弁当食べに屋上へ行くですよ!
晟:うん,そうだね遙ちゃん。
遙:ゆーきちゃんゆーきちゃん,ゆーきちゃんも一緒に行くですよ!
悠貴:うん,今日は天気もいいしね。
晟:…………。
悠貴:あはは。そんな怖い顔しなくても,とったりしないから。
晟:…………。
悠貴:応援してあげるから。大丈夫だよ?
晟:…………。藤原さん。
悠貴:え? 何?
晟:ぼ,僕は……その,何と言ったらいいのか……。
悠貴:何故目頭を抑えるかな。
晟:いや,何て言うか……僕もこの件に関しては苦労が多くて……。
悠貴:言いたいことはわからないでもないけどさ(笑)。
遙:二人とも,どうしたですか? 早く行くですよ。
GM:では,そういうわけでシーンは屋上から。登場してるのは遙と悠貴と晟でいいのかな?
晟:あ,たまちゃんも。
GM:え? たまちゃん学校に連れてきてんの? 没収されると思うけど。
晟:授業中はそこらへんで遊ばせといて,休み時間になると戻ってくる。
GM:そんな便利な……。
晟:たまちゃんは利口だから,問題なっしん。
ユウキ:カラスとかに襲われて,食われてるんじゃねえの?
晟:エフェクトも使えるし,問題なっしん! ……だよね?
GM:実は屋上ではたまちゃんとカラスたちの熾烈な争いが繰り広げられているのだが。
晟:おい!?
GM:いつの間にか負かして,ボスになっていたらしい。
一同:(笑)
GM:たまちゃんは君たちに気づいて,首をくいっとやると,カラスが「へい,わかりやした!」って感じで飛びさっていく。
晟:…………。
GM:ちなみに飼い主の君にはわかるけど,たまちゃん得意そうです(笑)。
晟:(遠い目)あー……すごいすごい。偉い。撫でてあげよう。
悠貴:このオウム,君の?
晟:あ,そうです。ほらたまちゃん,ご挨拶は? (甲高い声で)「毎度,毎度ぉ!」
遙:すごいです頭いいのですかわいいのです!
晟/たま:「ミトメタクナーイ!」
悠貴:み,認めたくないの?
遙:いいのですいいのです,かわいいからいいのです!
晟/たま:「オマエモナー!」
遙:わーい,たまちゃんにかわいいって言われたです!
悠貴:(首をかしげて)晟。このオウムはちゃんと理解して発言してるのかい?
GM:いや,ランダムだろう(笑)。それはそうと,とにかく君たちは昼食をとるわけだけど……。
遙:(すかさず)たまちゃんをお膝にのせて,色々食べさせてるですよ!
GM:…………。では遠慮なくがつがつ食ってます。
悠貴:が,がつがつ?
GM:ええ。出されたものは何でも食べます。そのうち遙の弁当箱に顔突っ込んで,食べます。
晟:たまちゃん,そのうちハ○みたいに丸くなるよ。
遙:それはそれでかわいいのですよ!
晟:……どうでもいいけど遙ちゃん,自分のぶんも食べなね? これあげるから。ハムチーズ好きでしょ?
悠貴:晟,それじゃ君のぶんが少なくなるだろ? じゃあ僕のをあげるよ(笑)。
GM:うむ,微笑ましいのぉ。
ユウキ:微笑ましいっつーか,いったい何してんだこいつら。
尚也:(いきなり)ちなみに私は屋上で素振りの練習をしている。む。あいつら,ここで一体何をしているんだ?
GM:って登場するんかい!(一同笑)
遙:あ,なおちゃんだ。なおちゃーん。
尚也:(頷いて)君ら,ここで何をしているんだ。
晟:何って,お弁当食べてるんですが……。
尚也:ここは屋上だぞ。
晟:屋上だからお弁当食べてるんだと思うんですが……てか尚也さんこそ,なぜに屋上で素振りを……。
ユウキ:屋上ってのは,ヤンキーが隠れてタバコを吸うか,野球部がスイングの練習をする場所と相場が決まってんだよ。
晟:んな無茶な!?
遙:(聞いてない)なおちゃん,お昼ご飯はどうしたですか? 一緒に食べませんか?
尚也:うむ,では失礼していただこう。私も弁当とコーヒーを持参しているのだ。
晟:尚也さんも自分でお弁当作ってるんですか?
尚也:いや,私は両親と同居しているのでな。作ってもらっている。
晟:…………。失礼ですが,ご両親がいらっしゃったんで?
尚也:健在だ。どうも周りには死んだと思われているようだが。
GM:どういうわけかね(笑)。
尚也:む。遙,オウムにエサをやるのはいいが,自分のぶんが半分以下に減っているぞ。
晟:ええ。なので僕と藤原さんがその遙ちゃんにエサをあげてます(笑)。
尚也:仕方ないな。たくさんあるので,私もサンドイッチをあげよう。
遙:ありがとなのです!
GM:そうすると,遙が受け取るより早く,オウムがぱくっとな。
遙:ほえ?
尚也:待て。このオウム,この私より早く動いたというのか!
晟:一応,能力値は僕と同じはずなんだけどねえ。
遙:ごはんの時はまた別なのですよ。お腹すいてるのですね。
尚也:それにしても私のイニシアティブは23だぞ。どういうオウムだ。
GM:まぁまぁ,いいかげん話進めるぞー。そんなところへ,遙の携帯が鳴ります。
遙:ほえ? はいはい,どなたなのですか?
GM:「ああ,遙ちゃんかい?」と面倒くさそーな声がします。紫音ですな。
遙:あれあれ? 紫音さんなのです。その節はどうも,お世話になったのです。
GM/紫音:「悪いんだが,今日の放課後,UGNに顔出してくれるかな」
遙:わかったです。私1人でいいのですか?
GM/紫音:「君に関する話だからね,君だけでいいよ。別に他の連中が来ちゃダメってこともないけど」
遙:はい,わかったのです。
GM/紫音:「じゃ,また後で」と電話は切れます。
晟:……遙ちゃん,誰からだったの?
遙:紫音さんからなのですよ。
晟:(即座に)断りなさい!
GM:何ぃ!?(笑)
晟:あんな変態に関わっちゃいけません!
GM:誰が変態だ!
晟:こないだ人をベッドに縛り付けて,さんざんおもちゃにしてくれたのは誰だ!
GM:触ってないぞ! 計器類を操作しただけで!
晟:ほぼ同じだ!
遙:そんなことないですそんなことないのです。紫音さんはいい人です。私のために,色々調べてくれてるのですよ。
晟:それは騙されてる。騙されてるんだよ遙ちゃん。
ユウキ:(横からぼそっと)確かにあいつは信用ならねーが。
GM:おーい。
ユウキ:得体の知れねえ薬を,いきなり「いいから飲め」だぞ? 信用できるかよ。
悠貴:(首をかしげつつ)行くの,遙ちゃん?
遙:行くですよ。大事なことですから。
悠貴:それに,1人で行くの?
遙:とりあえず,誰かと一緒に来てくれ,とは言われてないですから。
晟:え? でも,遙ちゃん……。
遙:(にこっ)紫音さんはいい人なのです。そんなに心配しなくても大丈夫なのですよ。
悠貴:晟,いいの?
晟:……遙ちゃん。
遙:はい?
晟:はいこれ。たまちゃん。
遙:(いきなり声が裏返る)あっ,かわいいのですたまちゃんなのですかわいいのです!
晟:……というわけで,監視はつけておきます,GM。
GM:いいけどさぁ……。では,シーンを変えます。

 

SCENE 3


GM:では,ユウキのシーン。説明してなかったけど,オープニングシーンは昨日のこと。で,同じく今日の昼飯時ですね。例によって山崎くんがいます(笑)。
ユウキ:……おい。山崎。
GM/イサム:「んー?」
ユウキ:おまえは毎度毎度当然のようにウチでメシ食ってってるけどな。自分の食うもんの面倒くらい,自分で見られねーのかよ?
GM/イサム:「んー。でも仕事見つけてきてんのは俺だし,報酬の半分くらいは俺のものみたいなもんだし」と,目がうつろなまま,メシばかりばくばく食ってます。
悠貴:何で目がうつろなの?
GM:何ででしょう(笑)。ちょっと元気がないみたいですね。
晟/ゆかり:「山崎さん,もうお代わりはいいんですか?」
GM/イサム:「んー……」(と言いつつ茶碗を差し出す)
ユウキ:おい山崎。おまえ何かあったのかよ。
GM/イサム:「んー……あったっつーか,なんつーか……あーっ,忘れてえーっ!」
ユウキ:忘れてえ?
GM/イサム:「いーんだよ,もぉ。どうせ俺なんか」
晟/ゆかり:「山崎さん,そんなにいじけてないで話してみてください。ほら,ユウくんは,以下略,ですけどこれで結構頼りにはなるんですから!」
GM/イサム:「うーん,確かにユウキは以下略,だけど……どうしようかなぁ」
ユウキ:……おまえ,話すのと殴られるのとどっちがいいんだ?
GM/イサム:「え,えーと,じゃあ話すけどさー」と言って彼が話してくれたところによると,昨日結構実入りのいい仕事を取り付けたんだそうだ。で,君んとこにオファーしに行こうとしたその途中で,1人の男が現れた。その男が言うには「その仕事はもう片づけた。今さら行っても無駄だぞ」だそうな(笑)。
ユウキ:…………。ほー(怒)。
GM/イサム:「ほんっとにオイシイ仕事だったんだよー。何なんだ,あの男は!?」
晟:じゃあ訊いてあげよう(笑)。「山崎さん,それってどんな人だったんですか?」
GM:つまるところ,モのつく人(笑)。
ユウキ:……まぁいいや。それはおまえのせいじゃねーしな。だがな山崎。
GM/イサム:「んー?」
ユウキ:それと,俺んちでさんざんメシたかってくこととは,まったく別だ。
GM/イサム:「んー,でも〜……」
晟/ゆかり:「ユウくん,山崎さんだいぶ重症みたいだね。今日くらい優しくしてあげても……」
ユウキ:そうだな。たまには優しい言葉でもかけてやるか。(ドスのきいた声で)おいこら山崎。
GM/イサム:「え?」
ユウキ:いつまでもウダウダ言ってねーで,とっとと働いてこいっ!(鉄骨,もといモップでスイング!)
GM/イサム:「あ〜れ〜〜〜〜!」(一同笑)
悠貴:優しくないよ。ちっとも優しくないよ(笑)。
ユウキ:うるせえ! いいか山崎,てめえ別の仕事見つけてくるまでこっちくんな!
GM/イサム:「ち,ちっきしょう,ユウキのおたんこなす〜〜! 甲斐性なしのダメ人間のあんぽんたん〜!」
ユウキ:何か言ったか,この野郎!?
GM/イサム:「へーんだ,もう誰が来てやるもんかー!」
尚也:子供のケンカか。
GM:さて,とりあえず山崎くんは走り去ったわけですが,そこへ電話がかかってきます。
ユウキ:あ?
GM:「おー,ユウキかー?」
ユウキ:あ? てめえ誰だ?
GM:「薬はちゃんと飲んでるかー?」(笑)
ユウキ:てめえか……ああ,ちゃんと飲んでるよ。
GM/紫音:「ホントか? 飲まねーと死ぬぞー。とりあえず,おまえさんの能力についてわかったことがあるから,ちょっと来てくんねえか?」
ユウキ:ああ,まぁいいけどよ。
GM/紫音:「じゃあ3時にゲートの前に迎えよこすから。遅れんなよ? サボるなよ?」
ユウキ:うるせえな。わかってるよ。
GM:では,ここでシーンを変えます。

 

SCENE 4


GM:では学校組に戻りまして,放課後です。シーンプレイヤーは藤○紀香。
悠貴:何で紀香やねんっ。
GM:ちなみに,掃除も終わりましたがどうします? 下校する?
悠貴:いや,弓道部に所属してるんで。弓抱えて弓道場に行きます。
GM:なるほど。ではその途中で携帯がなります。番号を見るとUGNですね。
悠貴:? はい,もしもし?
GM:すると電話口から大谷ではなく,知らない男の声がします。「ええと,藤原悠貴?」
悠貴:そうですけど。
GM/紫音:「俺はUGNの久遠紫音だ。ちょっと仕事を頼みたいんだが,明日以降の予定は?」
悠貴:学校は普通にありますけど,それ以外は,特に。
GM/紫音:「そうか。詳しいことがわかったらまた連絡するから,いつでも動けるように時間を空けといてもらえるか?」
悠貴:はい,わかりました。
GM:ではそこで電話がきれるのですが……君は今,弓道場と校舎を結ぶ渡り廊下にいます。電話をきって,顔をあげると,向こうに君の知らない男が立っています。これがまた,見るからに怪しい男ですね。
悠貴:え?(笑)
GM:何せ身長は190を超え,冬でもないのに薄手の黒いコートを着ています(笑)。
悠貴:では訝しげに見つめていますが……。
GM:するとその男が視線に気づいたように振り向きます。で,目が会った瞬間,(ころころ)君の侵蝕値は8点上昇します。
悠貴:のおおおっ!?
GM:体内のレネゲイド・ウィルスがバリバリに活性化しているのですね。さらにあなたの身体は本能的な恐怖に凍りつきます。
悠貴:蛇に睨まれた蛙というか……真っ青になって震えています。ここから逃げなきゃ,でも背中を見せたら殺される,みたいな……。
GM:ああ,まさしくそんな感じですね。
遙:はい。ここで登場してよろしいでしょうか?
GM:学校にいる人なら可能です。
遙:では登場しまーす。
尚也:私も登場しよう。……おや? 遙,あれは千葉じゃないのか?
遙:みたいなのです。えと,なおちゃん,ゆーきちゃんが……。
尚也:(頷いて)悠貴と千葉の間に割って入ります。あんた,今日は何の用だ。
GM/千葉:「実は,あなたがたを探していたのですよ。……おや,そこの彼はいったいどうしたんですか?」
尚也:気にしないでくれ,人見知りするのでね。それで,我々を探してどうするつもりなんだ?
GM/千葉:「ひとつ仕事を頼みたいのですよ」
尚也:ほお?
GM/千葉:「実は,ある人物を殺してほしいのです」
尚也:それは穏やかじゃないな。しかも何故我々に?
GM/千葉:「私には殺せない相手なのでね」
尚也:「あなたに殺せない人物が,我々に殺せるとは思わないが……」
GM/千葉:「いや,力量の問題ではないのでご安心を。ただ私には殺せない。それだけです」
尚也:どうも話が見えないな。相手はオーヴァードか?
GM/千葉:「ええ。現役を退いたオーヴァードです」
尚也:は? ……オーヴァードに現役とか引退あるのか?
GM/千葉:「あー,用は今はもう戦線を退いていると言いますか,仕事をしていないと言いますか。……引退しているとしか言いようがないんですが」
ユウキ:(横からぼそっと)体力の限界を感じたとか?
GM:(妙な声音で)体力の限界ですぅ!と言って引退した……というわけじゃないんだが(笑)。
一同:(笑)
尚也:いや,それは何かの組織から退いたんじゃなくて? UGNとかファルスハーツとか。
GM/千葉:「元々何の組織にも属してないので,それもちょっと……」
尚也:まぁいいけどね。何にせよ,それだけの情報じゃ仕事は受けられない。相手がどんな人物かはっきりさせてくれないと。
GM/千葉:「私にとっては絶対に許せない相手ですね」
尚也:おいおい。もしかしてあなたの個人的恨みのために殺人を犯せと?(笑)
GM/千葉:「いえいえ。恨みというか,生きていて欲しくないだけですが」
一同:(一斉に)同じだ。
GM:あう(笑)。
悠貴:……何であろうと,俺は人を殺すのは嫌だけどな。そりゃ,ジャームとか殺してこなかったわけじゃないけど……。
尚也:ジャームはまた話が違う。そうだな,例えば,その人物が非常な危険人物で,我々や無辜の人々に害を及ぼすと言うならまた別だが……。
GM/千葉:「いや,まさにその通りの人物だと思うんですが」
尚也:ほう? 具体的には?
GM/千葉:「うーん……ここから先は,仕事を引き受けてくれないとお話しできないんですがねえ」
尚也:(肩をすくめて)では多数決をとろうか。こう言ってるが,どうする?
悠貴:俺は嫌だ。人殺しも嫌だし,ましてや何で殺さなきゃいけないかわからないのに,そんなことできない。
遙:(こくこくと頷く)
尚也:なるほど。ちなみに私の意見だが,現時点の情報ではとてもその依頼は受けられない。その人物が危険と言うが,具体的にどう危険なのか示してくれない限りは,単にあなたの主観でしかないからな。
GM/千葉:「そうですか。それは残念だ」
尚也:つまりだ,単に戦略核兵器を「持っているかもしれない」という理由で他国に攻め込……。
一同:(大爆笑)
晟:ぴーっ! 教育的指導ーっ!(笑)
尚也:(構わず)「所有していてさらに使っている」という物的証拠がないといけないな。この前の歴史の授業で習ったのだが,21世紀初頭にアメ……。
悠貴:はい,やめやめーっ!(笑)
GM:……い,いや,まさしくその通りなんだけど……えー,表現に不適切なところがありましたところをお詫び申し上げますというか……(笑)。
尚也:(←へーぜん)とにかく,我々に殺人を犯せというなら,そんな罪を犯すに足る理由を示してくれなければ困る。
ユウキ:(横からぼそっと)そうだよな。殺したところでこの場合石油が手に入るわけじゃないし。
一同:(再度爆笑)
遙:だからそういうネタはやめーっ!(笑)

 文部科学省から検定意見通知が来ても知らんぞ。

GM/千葉:「ではもう少し手札を見せましょうかね。つまり……殺してほしいのは私なんです」
一同:…………。
尚也:それはどういうことだ? 死にたいということか?
GM/千葉:「そうではありません。あなたがたの前にいるこの『私』ではなく,『私』を殺して欲しいんです」
悠貴:……さっぱりわかんない。
尚也:まったくだ。
遙:あなたの偽物ですか?
ユウキ:双子?
晟:複製体?
GM/千葉:「そうではなく,『私』です。そうとしか言いようがないのですが」
悠貴:同じ人間が2人いるわけないじゃん。
遙:(ぽんっ)ああ。ひょっとしてアメリカにいるあの人?
GM:そうでーす。
晟:(露骨に嫌な顔)……えー。ユージン出すの?
GM:ダメっすか?
晟:ダメじゃないけどさ。あんな設定矛盾の塊みたいなのが出てくると,話が混乱するぞ〜。
尚也:ちなみにユージンって誰。
遙:んーとアメリカに渡米した千葉さん?
尚也:それじゃさっぱりわからんし,第一アメリカに「渡米」はしない。
一同:(笑)
遙:あーうー。渡米した千葉さん(笑)。
晟:あー……だから説明するのが難しいんですがぁ……ともかく,これとほとんど同一存在がもう1人いると思ってください。
尚也:こんなのがもう1人いるのか?
晟:いやぁ……どうなっても知らないよ,私は……(笑)。

 詳しくはリプレイお読みください(笑)。

GM:ともかく,千葉は遙に向けてにっこり微笑む。「そうです,その男です。ですから,私には殺せないと言っているわけで」
尚也:何のことだかわかっているのか,遙。
遙:私もよくは知らないのです。お父さんとお母さんに聞いたことがあるだけで。(千葉に)でも,あの人はアメリカにいるんじゃ?
GM/千葉:「どうでしょうね。そのうち会えると思いますよ」
遙:えーと……。
GM/千葉:「また明日訊きにきますよ。彼に会えば考えも変わるかもしれないし」
遙:……あなたは何者なのですか? 彼にとって,何なのですか?
GM:…………。
遙:…………?
GM:……おお。マトモなセリフをしゃべってる。
遙:ええっ!?(一同爆笑)
ユウキ:そんなの遙じゃねえ……。
GM:そんなの遙じゃなーい。
遙:ええっ!? ひどいです,たまにはマトモにしゃべらせてほしいのです!(笑)
GM:それはともかく(笑),千葉はその質問には「そうですね,私は今,ここにいる者です。それ以外の何者でもありませんよ」と答えて,消えます。
晟:(ぼそっと)相変わらず答えになってねえしよ……。
悠貴:じゃあ,千葉がいなくなった瞬間,緊張の糸が切れて崩れ落ちます。
遙:は。ゆーきちゃん,だいじょぶなのですか?
悠貴:大丈夫だけど……おまえら,よく平気だなぁ。
尚也:うん? まぁ,慣れたかな? 最初に会った時には驚いたけどな。
GM:うん,まぁ最初から平気という人はあんまりいないかな。例外もいるわけだけど。
遙:私は「きゅ?」でしたねえ……(一同笑)。
悠貴:怖くないわけ,遙ちゃんは。
遙:ふるふる。あんまり。
悠貴:ふーん。あ,それよりも,遙ちゃんは知ってるの? その,「もう1人の」とかいう。
遙:んと,だからお父さんとお母さんからのまた聞きなのですよ。
尚也:ふむ……では君のご両親に話を聞いてみた方がいいのかな? 今からお菓子の家に行ってみるか。
遙:あ。そう言えば,お父ちゃんはどうなったんですか。
GM:光? 一応,日常生活を送れるくらいにまでは回復してますよ。オーヴァード能力がどうなったかは謎だけど。基本的には,いつものテンションのまま生活してます。
尚也:(ちょっと遠い目)いつもの,というと……。
晟:(いきなり明日香)はい,コウくん。アーンして?
遙:(いきなり光)やだなぁ明日香,照れるじゃないか……と言いつつアーン。
ユウキ:してんのかよ!
遙:してるのではないでしょーか(笑)。
GM:本当に地獄を見てきた人間なのか,よくわかりませんが。まぁそんな感じ。
尚也:例のお菓子の家は再建されたのか。
ユウキ:そう言えば俺,崩壊にとどめをさした覚えがある。
一同:(笑)
GM:かなり完膚なきまでに破壊されたんで,再建中。今はUGNの中で借り住まいです。
晟:それすげえ迷惑って言わない?
GM:他にどうしようもないんだもん(笑)。ああ,もういいかげん再建されててもいいかな?
晟:どっちにしろ,光はユージンについてはあまり知らないと思うけど。
尚也:では誰に訊けばいいのだ?
晟:今連絡がとれるとなると,大谷か,紫音か……。
尚也:なんだ。それではUGNに連絡すればよいのではないか。
遙:なおちゃんなおちゃん。私,今日の放課後紫音さんに呼ばれてるのですよ。
尚也:おや。それは渡りに船。
遙:本当はそろそろ行かなきゃならないのですが(笑)。
悠貴:僕も当事者になっちゃったみたいだからなぁ。弓道部に連絡してから,同行します。
GM:では,3人はUGNに行くということで。そこでシーンを変えます。