SCENE 6


GM:では,そのまま待っていると,波と風の音に混じってエンジン音が聞こえてくる。
鵬也:まだ姿は見えないか?
GM:まだだね。ただ音が相当静かだから,それほど大きくはないと思うけど……。
真琴:む,そこなテンペスト,止まれ!
清人:まだそうと決まったわけじゃないと思うんだけど……。
鵬也:てか,気が早いな。
晟:真琴さんって,わりと「悪,即,斬」な人でしょ。
真琴:む……。
鵬也:(晟に)で,どうするんだ? このまま逃げ切るか,それとも応戦するか?
晟:……え,それって僕が決めちゃっていいもんなんですか?
鵬也:大谷さんに言われたところでは,一応おまえさんがリーダーだそうだぞ?
晟:僕,このなかで一番年下なんだけどなぁ……。
真琴:とりあえず話しかけてみたらどうだ。無線はないのか?
ユウキ:相手の周波数もわかんねえのに無線なんか使えるのかよ。
鵬也:無線は無理だが,拡声器ならあるぞ。
晟:拡声器ねえ……。
真琴:信号弾とかないのか? 手旗とか。白旗とか……。
晟:いきなり降服してどうするんですかっ(笑)。
鵬也:やあやあ,遠からんは音に聞け!
ユウキ:近くば寄って目にも見よ!
GM:どんな通信やねん(笑)。
鵬也:冗談はさておき,明かりはあった方がいいだろうな。こうも暗くては何も見えん。
晟:投光機なんて積んでるんですか?
鵬也:積んでないよ。作るんだよ(笑)。
晟:じゃあ,それお願いします。
鵬也:では《マシンモーフィング》で投光機を作るぞ。(ころころ)ぴかー!
GM:すると! 何と30メートルほど先に,全て真っ黒く塗られた船が先行しているではないか!
清人:それ,あからさまにアヤしー(笑)。
鵬也:Uボートとかじゃないの?
GM:も少し大きいでごわす。
鵬也:そうか。(晟に)で,どうするんだ?
晟:うーん,僕は逃げられるものなら逃げたいですが,どうも好戦的な人が多そうだからなぁ……。
鵬也:というか,船の性能的に難しそうな気がするなぁ。
晟:だからって先手必勝!ってわけにもいかないでしょうが。向こうの素性がわかんないんだし。
真琴:だから,とりあえず話しかけてみてはどうだ?
晟:はあ……こほん。えー,そこの船,止まりなーい。こちらは海上自衛隊,じゃなかった防衛隊〜!
鵬也:何で海自かっ!(笑)
晟:だって,ロシア海軍とか,ロシア語話せないから真似できませんし(笑)。
鵬也:これでテキが北○鮮だったら笑うぞ。
晟:そーゆー寒いネタはともかくとして! とにかくすぐに減速して停戦しなさ〜い!
GM:えーとそうするとだね,にゅい〜んと何かが出てきてですな。
真琴:……それはちょっと,イヤな予感が……。
晟:うっそ,機銃掃射!?
GM:いえーす。君らの上にばらばらばらっ!と弾が降り注ぐぞ(笑)。
晟:にゃーにゃーにゃー!(←何故か遙化)
真琴:ちっ,やはりダメか。応戦するぞ。
晟:応戦も何も話し合いを始めてさえいないような(笑)。
GM:やっぱり海上自衛隊とか言っちゃったのがマズかったんじゃないか? あ,このまま撃たれ続けると撃沈されるぞ?
鵬也:おお? 避ける避ける!
真琴:晟,向こうはやる気マンマンのようだぞ?
晟:えーとえーと,それじゃ応戦してください〜。真琴さんと鳥越さんのお二人は射撃準備お願いします。えと,ユウキさんは……。
ユウキ:もう少し船寄せてくんねえか? 30メートルは厳しいが,20なら跳び移れる。
鵬也:もしよければ俺が《リニアキャノン》で飛ばしてやるぞ?
真琴:人間機雷だ(笑)。
清人:微妙に強そうだな(笑)。
GM:それはいいんだが! バルカンをなんとかしろってのに!
鵬也:あ,そっちが先か。銃弾の雨の中をユウキかっ飛ばしても面白そうだったのに。
ユウキ:おーい。
GM:ホントに沈めたるぞコラ!?(笑)
晟:えーと《石壁》ぇ! (ころころ)どっから湧いて出てきたかしんないけど,石の壁が出現しました〜!
清人:ひょっとして流氷なんじゃないのか(笑)。
鵬也:とにかく,船を寄せるぞ。ユウキとやら,とりあえず敵船の制圧は任せた。
ユウキ:おうよ!
GM:あー,ちょい待ち。そうこう言ってる間にだね,後部デッキにぞろぞろと人影が集まり始めた。
真琴:どんな?
GM:どんなって……一言で言うと,卍兄弟みたいな感じ?
一同:…………?
GM:あっ,しまった。わかんないかこのネタ(笑)。
晟:いや,私はわかるけど……えーとね,わかりやすく説明すると,黒いレザースーツにごっついゴーグルつーかノクトビジョンつけた……。
清人:一言で言うと,雑魚っぽい?
晟:とりあえず殺っちゃっておっけー☆な感じですな(笑)。
GM:それがぞろぞろ12人くらいお出ましであるが。
真琴:うっとーしい……。
鵬也:とりあえずワーディングをかけてみるが?
GM:誰も倒れないよーん。
ユウキ:それくらいはマスクつければいいだけのことだからな。
GM:(にやり)そうすると向こうの船が急に減速してがーん!とぶつかってくる。その衝撃で石壁はこっぱみじんになり,破片が雨あられと降り注ぐ中,敵が猿のようにひょいひょーいと跳び移ってきたわけだ。
鵬也:……え?
清人:向こうから跳び移ってきちゃったの?
GM:うん。
晟:(首をかしげ)まぁ,ユウキさんが初手から動けるぶんその方が有利と言えなくもないですけど……あ,ユウキさん。1人は生かしといてくださいよ?
ユウキ:あいよ。
GM:それじゃものすごく狭いとこで5対12のバトルがスタートだ。
晟:……ちょっと待った。エンゲージどうなってる?
GM:ん? 全部いっしょくた。
一同:おい!?
GM:だってそんなに広い船じゃないし。
鵬也:待て。銃撃のダメージくらった上そんな大勢で暴れたら,この船沈まないか?
GM:その可能性も否定できないね〜。
鵬也:……死ぬだろ,それは。北極海だぞ?
GM:大丈夫,オーヴァードなんだし。
一同:死ぬわっ!
ユウキ:まぁ沈む前にカタぁつけりゃいいって気もせんではないが……。
GM:はいはい,戦闘戦闘。というわけで向こうのイニシアティブは一律8だ。
ユウキ:では普通に殴ります。(ざらららっとサイコロを振る)えーと18。
GM:またエフェクト使わないの?(笑)
真琴:てゆーか,なに,今の音は……。
ユウキ:(構わず)ダメージは……マイナス5して5点。
GM:かんっ。
ユウキ:ちっ!?
晟:だから,素直にエフェクト使ってくださいといつも言ってるのにぃ。
鵬也:(横から)あのぉマスター。
GM:はい?
鵬也:バイクぐらい乗りまわせるスペースはあるだろうか。
一同:(笑)
GM:悪いが,ない!と即答させていただこう(笑)。
鵬也:うーん,じゃあ仕方ないなぁ……《MAXボルテージ》《リニアキャノン》で,そのへんの浮き輪を飛ばそう。
GM:浮き輪?
鵬也:うん。あるでしょ,船に備え付けてあるよーな木製の堅い浮き輪。(ころころ)おや? 6?
GM:お,それはさすがに……避けた避けた。浮き輪は荒波にまぎれて飛んでいったな(笑)。
真琴:《小さな塵》《ピンポイント・レーザー》《シューティングシステム》《達人の業》で撃ちます。
晟:そんなに組み合わせて大丈夫?
GM:それ以前に《レーザーファン》持ってないの?
真琴:持ってないけど?
GM:あ,そう……。
真琴:あう,低いぞ。16で,そっちのダイスペナルティは3だ。
GM:避けられないよ! 1個しか振れないよ!
晟:(その傍らで,清人に)ねえ鳥越さん。範囲攻撃用のエフェクト持ってます?
清人:持ってないよ。
晟:……ひょっとして,範囲攻撃できる人おらんの?
一同:…………。
GM:いや,正確にはユウキができる。
晟:そうでしたっけ?
ユウキ:文字通り「全体攻撃」だけどな。
一同:(爆笑)
鵬也:味方もどーん! 船もどーん! はーいシナリオ終了〜な感じ?(笑)
晟:却下ですそんなのっ。
真琴:(ころころ)よしダメージは19点!
GM:はい1人死んだ〜。
真琴:……ん? 1人?
GM:だって単体攻撃でしょ?
真琴:それ以前に,トループではないのか?
GM:んにゃ? そんなことは一言も言ってないぞ?
晟:ちょっと待て。まさか,12人全員倒せと?
GM:うん。
晟:……正気?
GM:倒せるでしょ?
晟:私はそーゆー不毛な戦闘させんなー!という意味で言っているのだが……。
真琴:(横から)晟,晟。
晟:あ,はい。何ですか?
真琴:攻撃の範囲を拡大できるようなエフェクトをかけてほしいのだが。
晟:ありませんよ。
真琴:ち。使えんな。
晟:使えんな,じゃなくて! 他人様の攻撃範囲を変更するようなエフェクトはそもそも存在しないんです!
真琴:そうなのか?
晟:そうです!
清人:(さらにその横で)《オウガバトル》《シューティングシステム》《ロックオンサイト》で攻撃。(ころころ)20。
GM:(ころころ)ダメージちょーだい。
清人:15点では?
GM:あれ? ……生きてる。
一同:生きてるの!?
晟:いいのか? 本当に終わるのか,この戦闘?
GM:ははははー。ではこっちの攻撃なのだが……。
鵬也:GM。晟を抜かしてる。
GM:あ,あれ?
晟:(ジト目)別にいいですけどぉ。
真琴:晟,いじけてないで私にセカンドアクションをかけてくれ。
晟:はいはい,わかりましたよ。では《要の陣形》《リプレイコマンド》で真琴さんとユウキさんと……自分だな。とにかく数減らさなきゃなんない。
GM:そうなんだよね。まだ11人残っているので一人2発ずつ受けてね。あ,ユウキは3発。
一同:…………。

 ちなみに結果だけ言うと,
 相変わらず平目で全部避けたユウキ。
 エフェクトを使って避けた晟,清人。
 エフェクトを使っても当たってしまった鵬也,真琴ということになった。

真琴:ひー! リザレクトしまーす!(泣)
GM:ちなみにダメージもでかいです。31点(笑)
真琴:ひー!(泣)
ユウキ:装甲服着てたんじゃないの? 30点くらい防げよ。
真琴:HP10しかないんじゃあ!
鵬也:ユウキくん,自分と一緒にしちゃいけない(笑)。
真琴:晟。作戦変更だ。セカンドアクションではなく,回復魔法をかけてくれ。
晟:何言ってんですか。さっきセカンドエフェクトかけちゃいましたよ。
真琴:今から変更は効かんのか。
晟:効きません。それに10しかないんだったら,HP回復なんてターンの無駄ですよ。
真琴:……おまえ,やっぱり冷たいやつだ……たまの方が優しい。
晟:何でそうなるんですか!
ユウキ:えーと,マイナーで《一角鬼》使って,(ころころ)……お? 10?
鵬也:えーと,これだけ振って回ってないってどーゆーこと?(笑)
GM:(ころころ)あ,でも避けられなかったっ!
ユウキ:よっしゃ! (ころころ)18点!
GM:装甲値有効だと……ダメだ,死んでる。
鵬也:これでやっと2人か(笑)。次,君嶋だぞ。
真琴:それなんだが……私の侵蝕値はすでに60を超えてしまったのだった。
一同:おい!(笑)
真琴:……なんだか攻撃したくなくなってきたなぁ。
晟:あなたねえ!(怒)
真琴:いや,するけどね,攻撃。
ユウキ:エフェクト使わなければいいんだよ。普通に撃っても結構倒れるぞ?
一同:だから,あなたと一緒にしないで欲しいんだが……。
ユウキ:当たるって! 今10で当たっただろ!(笑)
真琴:……心配なので《小さな塵》だけ使っておこう。(ころころ)16点ではどうだ。
GM:避けられましぇーん。
真琴:(ころころ)お!? なんだ,この「6点」というのは!?
GM:(苦笑)まぁ,武士の情けでさっき鳥越が削ってたのがつぶれたことにしてあげよう。では次のターン……。
晟:だから,僕を抜かさないでください。
GM:あ,あれっ!?(笑)
ユウキ:きっと晟は女々しいから抜かされるんだな(笑)。
鵬也:だな(笑)。
晟:何でやねん!
真琴:いや,女々しいとかは関係ないだろう。存在感の問題だ。
晟:貴様らどいつもこいつもやかましいわ! 《要の陣形》《領域調整》《絶対の恐怖》……(ころころ)うわ,回らない! 12!
GM:あ,それなら避けられると……。
ユウキ:〈意志〉で避けてくださいよ?
GM:ぐふっ!? (ころころ)避けられん。
晟:しかし,問題はダメージが……う。7点。
GM:装甲値無視だっけ? それは結構痛いな。
晟:いや,この場合一撃で落とせないと意味がないんですよね……うーん,まずった……。
ユウキ:とりあえず一匹ずつつぶしてきゃいいんだよ! てなわけでひたすら普通に殴る! (ころころ)ダメージは10点では?
GM:んと,それで削れてたのが1人落ちたな。
鵬也:さっきと同じく《MAXボルテージ》《リニアキャノン》で浮き輪撃ち。(ころころ)ダメージは18点。
GM:(書き書き)また1人落ちた,と……。
清人:で,あと残り何人?
一同:(笑)
鵬也:えーと……7人かな(笑)。
ユウキ:このままいけそうじゃねえ?
鵬也:時間がかかるのさえ厭わなければね(笑)。
真琴:それ以前に侵蝕値がひどいことになりますが。
ユウキ:エフェクト使わずに攻撃すりゃいいんだよ。
真琴:だからそれができるのはおまえだけだぁ! ……GM,ここで新たに経験点を消費して《レーザーファン》をとってもいいか?
GM:いいことにしよう。俺もまさか範囲攻撃使いが1人もいないとは思ってなかったし(笑)。
晟:(ジト目)それ以前にトループにしろよ,こんな敵……。
GM:いやぁ,ザコに能力設定するとこんなに戦闘が大変だ!というのをやってみたくて。
晟:自分の首締めるってわかってるかGM!?
GM:わかってるよ。
晟:わかってるか,ホントにわかってるか!? すでに戦闘開始から20分は経過してるぞ!?
GM:わかってるって。

 とか言い争っている脇で,泣く泣く残り少ない経験点を削る真琴ちゃん。
 てか,まじ泣きなんですけど(笑)。

真琴:うう,経験点が……経験点が……というか,そこがとれよ! 経験点有り余ってるでしょ!
晟:私? とってもいいけど,《レーザーファン》はとっといて損はしないと思うよ。それに,私はあくまで支援キャラなのでRC攻撃したくないのだ。
GM:支援キャラが聞いて呆れるな。
晟:やかましい。
真琴:いいもん,もうとったもん。《小さな塵》《シューティングシステム》《レーザーファン》《ピンポイント・レーザー》で攻撃! 25!
GM:(ころころのころころ)うおう,全員避けられんかった。
真琴:ダメージ19点ではどうだぁ!
GM:おお,全員死亡だ。
清人:な,長かった……。
鵬也:(時計を見て)30分以上かかってるぞ……。
GM:あっはっは。
真琴:では,煙を上げる銃口を見ながら,ふと呟こう。……最初からこうすればよかった……。
晟:(甲高い声で)オマエモナ!
一同:(爆笑)
鵬也:(甲高い声で)ミトメタクナーイ!
清人:(甲高い声で)テヤンデェ!
ユウキ:ええい,やかましいっ!
GM:え,えーと……そんなこと言ってると演出が入るんですが。
一同:はあ?
GM:君たちが殲滅したザコ敵なのですが,いきなりバネ仕掛けの人形のようにぴょんと起きあがります。
真琴:え? ……全員?
GM:うん,全員。そんでもって,ざかざかざかっと走ってまたぴょーん,ぴょーんと元の船に跳び移っていく。
鵬也:……キョンシー?(笑)
晟:(ふと)あれ? ユウキさん,捕獲してくんなかったんですか?
ユウキ:ん? そう言えばマスター,判定は?
GM:演出だもん。
一同:ずるっ!?
GM:何とでも言ってくれ。というわけで向こうの船はさらにスピードを上げて離れていく。
鵬也:進行方向は?
GM:おんなじ。
鵬也:くうう,負けるかぁ!?
GM:無理だって。マシンの性能を限界近く引き出しても無理だと言っておこう。
鵬也:《マシンモーフィング》で対消滅エンジンを作っても,ダメか?
GM:作るんかい!
一同:(爆笑)
鵬也:では,百歩譲って核融合エンジンでもいいんだが。
GM:ニュートロンジャマーキャンセラーが普及してないから,ダメです(笑)。
鵬也:ちっ。
真琴:なんだ,つまりは逃げられたということか。
ユウキ:あー,殴り足んねえな。
GM:なに,多分行った先で出会えるであろう。多分ね。では,ここでシーンを変えます。

 

SCENE 7


GM:では夜が明けて,君らは島にたどり着いた。天候は曇りである。雪は降っていないが。
真琴:寒いんだろうなぁ。
GM:そりゃ寒いさ。船にはちゃんと防寒具も用意してあるよ。1点くらい装甲値も認めよう。
鵬也:ところで,ここに来るまでの海図はもらってるとして,この島の地図ってないの?
GM:こーんなんだけどね(と,いびつな楕円形を描く)。
一同:…………。うわあ。
鵬也:てか,豆?(笑)
GM:さて,君らが上陸した地点がこのあたりとして,かろうじて砂浜が残ってます。そこに申し訳程度の桟橋があって,船はそこについたわけだね。
晟:桟橋って,ここ孤島じゃなかったの?
GM:「地図に載ってない」と言っただけで,無人島とは言ってない。
真琴:何でも,訳あって隠匿されていると聞いたぞ。
清人:誰が? 訳って?
真琴:それは知らぬ。だが,例えば我らが今日のことを話そうとしても……。
GM:「俺さー,こないだ北極海のこれこれこういう島に行ってきたんだー」とか言ったりしたら,聞いた相手ともども,「はーい,こっち見てくださ〜い」で,ぴかー(笑)。
ユウキ:MIBかよ……。
GM:それはそうと,砂浜の両脇は岩場で,正面はうっそうとした林。中を,一本の道が通っている。
鵬也:そこって車通れそう?
GM:んにゃ,舗装してないし,道幅も狭いから車は無理だね。
真琴:それは,人が作った道なのか?
GM:微妙だな。獣道かもしれない。
ユウキ:とりあえず進もうぜ。道があったら進む,そーゆーもんだ。
真琴:こういう場合,まず海岸に沿って島の概略を知るべきではないか?
ユウキ:ただ1周したらどうすんだよ。
真琴:マスター,足跡などは?
GM:〈追跡〉技能持ってる人は? いないの? じゃあわからないな。
真琴:砂浜に足跡が残っているのではないのか。
GM:そんな足跡はとっくに流されてまーす。
晟:んーと,じゃあとりあえず正面に進んでみましょう。んでまず第一に,雨風をしのげる場所を探しましょう。あ,GM。たまちゃん飛ばして偵察させます。
GM:え? 何を?
晟:とりあえず,島の概略ですけど。
清人:この島がどのくらい大きいかしらないけど,そうとう高く飛ばないと全体は見えないんじゃないか?
GM:オウムってそんなに高く飛べるもんなの?
晟:さあ……飛ばしたことないし(笑)。
鵬也:まぁたまちゃんは普通のオウムではないからな。
晟:エフェクトも使えますしね。
鵬也:いざとなったら俺が背中にジェット推進装置をつけてやるから,問題なし。
一同:(爆笑)
清人:あ……お空の星になった(笑)。
晟:何故っ!?
真琴:やめろ,何でそうやってたまをいじめるんだ。たまは何も悪くないぞ。
晟:そうですよ。それだったら,ユウキさんの背中に推進装置つけて飛ばしても同じことじゃないですか。
鵬也:なるほど,それもいい手だな。
ユウキ:何でだよ!
鵬也:大丈夫,君ならあの巨人の星になれる。
ユウキ:誰が星くんかっ。
清人:(横から)……えーと,ちょっといい?
晟:はい?
清人:そもそも,何のために飛ばすんだっけ?
晟:えーと……何だっけ(笑)。
GM:おい。
晟:あー,いや,だから,島の概観を知りたいんだって。偵察偵察。
GM:(考えて)えーと,たまちゃんってどれくらいの遠隔操作が可能なの?
晟:さあ(笑)。ルール上は,地球の裏側でも可。
鵬也:独立してシーンに出られるくらいだもんな。
GM:なるほど。……ではここで別シーン扱いで偵察シーンをやろう。次のシーンプレイヤーはたまちゃんだ(笑)。
晟:たまちゃんかいっ。
真琴:(感慨深げに)おお,たまちゃん大活躍だなァ。
晟:でも侵蝕値振るのは私だが。(ころころ)で,9だし!
鵬也:コストの高い鳥だな(笑)。
晟:しかも《ハンドリング》も使わなきゃならないのでした(泣)。
GM:じゃあ,それは次のシーンということで(笑)。おお,このシーン短かったなぁ。

 てゆーか,何もしてない(笑)。
 さて,たまちゃんを先行させ,林の中を行く一行であるが……というかたまちゃんのシーンであるが。

 

SCENE 8


GM:では先行しているたまちゃんが林を抜けました。すると開けた風景は……。
晟:あ,ちょっと待って。紙あげるから図に描いて。
GM:えー? えーとね,正面に半ば朽ちかけた建物がある。
真琴:大きいの,小さいの?
GM:小屋……というには大きいが,みすぼらしいな。平屋で,どっちかっつーと納屋か倉庫みたいな。その後ろはこーゆー高台になっていて,そのふもとに建物が寄り添ってるみたいな感じだ。で,道はその建物の前まで続いてて,そこで西に折れている。それは西の海岸の方へ続いているようだね。
晟:ふむふむ?
GM:さて,そこでたまちゃん,てーか晟は気づいたわけなんだが,高台は建物の背後が一番高くなってる。
真琴:まさか,その後ろに洞窟の入り口があるとかいうオチか?
GM:んにゃ,そのすぐ横。
真琴:変わらんわっ。
一同:(笑)
晟:……なんかさらに帰りたくなってきたな僕……。
ユウキ:てゆーか,この高台自体もかなり不自然だよな……。
GM:そうだね。だからって人造のものとは思えないけどね。
真琴:ちなみに,西はどうなっているのだ?
GM:まだそこまでは見えないな。もうちょっと先に行かせてみる?
晟:そうですねえ……。
ユウキ:いや,危ねえんじゃねえの?
真琴:なあ晟。
晟:はい?
真琴:もしたまちゃんが死んだら,やっぱりタイタスになるのか?
晟:……したいんですか。タイタスに。
真琴:まさか,とんでもない。ただ訊いただけだ。
晟:そうですか。
真琴:どうせタイタスにするならおまえの方がいいな。
晟:…………。
GM:で,どうするの?
晟:……こーゆーこと言ってる人もいることですし,たまちゃんを行かせるのは遠慮したいところなのですが。
ユウキ:というか,行かなくてもいいんじゃねえかな。先に何があるか想像はつく。
鵬也:確かに。
晟:じゃ,とりあえず正面の建物から調べますか。
GM:ではたまちゃんの探索はここで終わりということなんだね。シーン戻します。

 さて林を抜け,ひとまず建物の中に入ってみた一行であるが(途中,人影はなっしんぐ)。中には長テーブルなどの粗末な家具と,錆びてボロボロになったツルハシ・スコップ等の山が積み上げられていただけであった。
 そして壁に貼られていた1990年のカレンダーが,何故か日本製……。 

清人:1990年てゆーと,何年前くらいかな?
GM:30年……はたってないな。レネゲイド・ウィルスが広まりだしたあたりじゃない?
真琴:カレンダーに何か書きこみはないのか?
GM:ないし,あったとしてももはやボロボロで読めません。
真琴:では日記はないか?
一同:ああ,今ヤツの手が私の肩に……(笑)。
GM:あるか!(笑)
真琴:(しつこく)では壁に文字が彫ってあるとか。
鵬也:「お国に帰りたい」とか?(笑)
晟:何かさ,雰囲気が戦前の強制労働だよね。
GM:うむ,それに近いな。
一同:…………。
晟:(遠い目で)佐度の暮らしは,そりゃあ辛ぇぞ……。
ユウキ:何故いきなり流刑オチになるか。
清人:まぁ,とにかくテンペストが使ってたっていう雰囲気じゃないよね。
GM:あ,言い忘れてた。ここにある品物,みぃんなメイド・イン・ジャパン。
真琴:……何故。
GM:そんなの,見ただけでわかるわけないでしょ。
晟:うーん……。
ユウキ:もう何だっていいだろ。とっとと奥へ行こうぜ。
鵬也:同感だな。ここにはもう何もないだろう。しかも今にも崩れてきそうだし(笑)。
清人:雨は何とかしのげても,風が吹いたら一発だよね(笑)。
晟:えーと,じゃあ洞窟の方へ向かうということでいいですか?
真琴:あ,ちょっと待った。ちなみに,西は探索してみないでいいのか?
ユウキ:ああ? だってどうせ港に続いてるだけだろ?
真琴:でも,一応確認しておいた方がよくないか。
GM:じゃあ行ってみる?
ユウキ:行ってこい行ってこい。俺ら,先に洞窟に殴りこんでるから。
一同:(笑)
真琴:い,いや……おいていかれるのはちょっと……せめて待っていてくれると……。
清人:だいたい,侵蝕値大丈夫なの?
真琴:え?
清人:だってさっき,侵蝕値がヤバいって……。
真琴:そうか! ここで私が偵察に行くと,1人でシーンに登場しなけりゃならなくなるのか!
GM:今さら何言ってんだっ!(笑)
ユウキ:ああ,もう面倒くせえなァ! わかったよ,俺がひとっ走り行って見てくるよ!
GM:え? 結局ユウキが行くわけなのね? じゃあまたシーン変えます。
晟:今回小刻みだなぁ……。

 

SCENE 9


GM:ではユウキのシーンです。君は「あ〜,かったりぃ……」とか言いながら道なりにぶらぶらと歩いているわけだ。そうすると,予想通りのものが見えてくる。
ユウキ:港?
GM:そう。こちらはコンクリート造りのね。そこには予想通り,黒い船が泊まっている。
ユウキ:1隻だけか?
GM:ですね。間違いなく,君らが夜に出会ったヤツですな。
ユウキ:船の周りに人はいねえのかよ?
GM:とりあえず人影はないね。
晟:無用心だなぁ。
清人:壊しちゃえ,壊しちゃえ(笑)。
ユウキ:壊せと言うなら壊してくるが,壊しちまっていいのかよ?(笑)
GM:その前に,〈知覚〉でチェックしてくれる?
ユウキ:(ころころ)あ,回らないな。10です。
GM:そうですか。で,船壊しに行くの?
ユウキ:いや,偵察しに行くだけって言ったからな。このまま帰る。
GM:あ,そう。そうやって振り向いたところで,いきなり撃たれます。
ユウキ:ああ?
GM:(ころころ)全部で4回。11,9,18,9。不意打ちだからクリティカル値が+1でどうぞ。
ユウキ:18だけ《ゆらめき》《全知の欠片》使って避ける。他は素で……(ころころのころころ)避けた。
鵬也:全部避けたのっ!?
ユウキ:避けたよ。だって9とかだろ。
鵬也:人じゃないな。
真琴:人外魔境だな。
ユウキ:いちいちうるせえなおまえらは。で? 襲ってきた連中は,もう姿を現したんだろうな?
GM:昨日船上で襲ってきたようなのが4人。さて,戦闘開始していいかな?
ユウキ:いや……プレイヤーとしては考えるわけなんだが,俺1人で戦っちゃっていいのか? ここで振りきって,引きつけて,巻き込んだ方が良ければそうするが。
鵬也:別に巻き込んでくれるのはいいけど……。
清人:俺は侵蝕値が厳しいから,戦闘したくないなぁ。
真琴:あ,じゃあやれるだけ潰しておいて,数が少なくなったらこっちにまわしてくれる?
一同:(爆笑)
真琴:え? 何?
晟:……何って,キミ黙って聞いてればすげえ勝手なこと言ってないか?(笑)
清人:全部片づけて,でも,全部まわして,でもないアタリがセコイよなぁ(笑)。
ユウキ:ああ,もう全部倒すぞ!? いいな!?
GM:はいはい,そこでまた〈知覚〉チェックをしてくれる?
ユウキ:(ころころ)12では?
GM:あ,そう。そしたらこいつらの動きが何となく人間のソレではないような気がしたな。
ユウキ:…………?
GM:4人全部動きが同じで,個性がないとゆーか。
晟:ロボットみたいな?
GM:というんじゃなくて,人形みたいな……。
ユウキ:……ええい,ウダウダ考えんのはヤメだ! 殴ってから決める! というわけで《一角鬼》使ってから(ころころ)18の,ダメージ20!
GM:(ころころ)そうすると,相手はぐじゃっと潰れて,赤い液体が飛び散ります。
ユウキ:赤い液体……。
晟:(横から)さあ,舐めて確かめてみるんだー!(笑)
ユウキ:何でだよ!
GM:ストロベリー味だー!(笑)
鵬也:おいちーぞー!?(笑)
ユウキ:んなわけあるか! つまりアレだろ,ブラム=ストーカーだろ!
GM:まぁそうなんだけどね(笑)。どうもかないそうにない,ということで残りがばんばんばん!と自爆するぞ。
ユウキ:避けられます?
晟:えーとそれ《闇夜の呪い》だよね? 「避け」でどうぞ。
鵬也:……この人,素でさらりと避けそうだよな(笑)。

 結論からというと,その通りだった。
 14,19,15は決して低くはないんですけどね(笑)。

GM:……鬼か,アンタわ。
清人:素で12個振れるんだもんなぁ。
鵬也:やっぱりキミ人間じゃないだろう。
ユウキ:(無視)んで,周りに本体の気配はないんだな?
GM:ないねえ。
ユウキ:けっ,卑怯もんが……。
鵬也:卑怯者って,だって,ねえ。
清人:姿見せたらやられるじゃん。
晟:ボコられて終わりですよね。
真琴:私でも遠くから狙い撃つな。
ユウキ:おまえら,どっちの味方だよ!?
一同:いや,だって,ねえ(笑)。
GM:(苦笑)えーと,どうする? とりあえず戻ります? じゃ,また合流ということで,シーンをきります。

 

SCENE 10


GM:では,ユウキが戻ってきました。
晟:おや,ユウキさんがペンキをかぶったような真っ赤に。
ユウキ:かぶってねえよ。
真琴:何かあったのか?
ユウキ:あー,港があって,例の船があったな。んで,帰ろうとしたら船の上で襲ってきたような連中がまた襲ってきやがった。
鵬也:何? 倒したのか?
ユウキ:1人はな。他のは,かなわねえと知ったら景気よく自爆しやがった。でも本体はどっか違うとこだな。
鵬也:ふむ,なるほど。敵はブラム=ストーカーか。
真琴:なるほど,従者か。それでそんなに真っ赤に。
ユウキ:なってねえって言ってんだよ!
清人:えーと……で,洞窟に行くの行かないの?(笑)
鵬也:行きます。
ユウキ:おう,とっととこんな島からはオサラバしようぜ。

 というわけで洞窟(?)に入る一行だったが……。

GM:ちなみに,明かりは?
晟:(面倒くさそうに)いくらなんでもマグライトくらい用意してるでしょ。てゆーか,いいかげんノクトビジョン補充してくれてもいいと思うんだけど……。
GM:ないものはありません(笑)。
真琴:(ぼそっと)ひとつ訊いてもいいか。
GM:何?
真琴:いったい,どうしてキルスはノクトビジョンを壊したんだ。
一同:(異口同音に)暴れたから。
真琴:だから,それが何でだって訊いてるんだよぉ!
一同:暴れたから(爆笑)。

 ちなみにお気づきの方も多かろうと思うが,真琴ちゃんがキルスプレイヤーである。

清人:ちなみに,何で暴れたんだろうね?(笑)
GM:おおかた大谷とケンカでもして,手近にあったから投げつけたんだろう。
鵬也:投げるならもう少し安いものにすればいいのにな。
晟:そこで高いものを見境なく投げてしまうのが,キルスのキルスたる所以というもので。
真琴:(ジト目)……何だか,全てを都合よくキルスのせいにしているとしか思えんのだが?
一同:(やはり異口同音に)そうだよ。
晟:少なくとも,久遠紫音が無くしたぶんに関してはね。間違いなくヤツがキルスに罪を押し付けてるな(笑)。
真琴:…………。
GM:(白々しく)さて,話を続けよう。入ってみると,緩やかに曲がりくねった道が続いている。道幅は,そうだな,2人並べるくらいかな?
鵬也:かなり狭いな。
晟:えーと隊列組みますよー。ユウキさんの他に前に出られる人,います?
一同:…………。
晟:……えと。ひょっとして,全員後列?
清人:俺とそこ(真琴)は射撃キャラだもん。
鵬也:俺は,前に出ようと思えば出られるのだが。
晟:だが?
鵬也:……この道でバイクに乗るのは無理だよなあ。
一同:(笑)
晟:ま,どっちにしろ1−2−2ですしね。じゃあユウキさんを前に出して,射撃系のお2人を中に挟みますか。沖さん,最後列でも問題ないですか?
鵬也:別に構わんぞ。
GM:ではそうやって少し進むと,どこからか水が染み出してくる。
真琴:まさか,海へと下ってるわけじゃ……。
GM:傾斜は確かにあって,水はちょろちょろと先の方へ流れてる。けど,目で見てわかるほどはっきりした傾斜じゃないね。……あ,そうだ。ちなみにそういう状態なんで道は非常に滑りやすいです。とゆーわけで,行動にマイナス1個のダイスペナルティね。
真琴:またかー!?
晟:ちょっと待った! 僕なんか攻撃するのに身体全然動かしませんけど,それでもペナルティつくんですか?
GM:む,そうだな。それでは身体を動かす必要がある場合,マイナス1だ。
ユウキ:それって【肉体】にペナルティつくってこと?
清人:〈射撃〉は?
GM:〈射撃〉もマイナス1。
真琴:何故だ。身体動かしてないだろう。
GM:撃つとき脚ふんばるから。マイナス1。
真琴:むー!?
鵬也:〈運転〉は?
一同:(笑)
GM:地面につくものはマイナス1だ!(笑)
鵬也:ほう,ではホバリングしていればいいというのか?
晟:ではたまちゃんが真琴さんをくわえてぱたぱたと(笑)。
ユウキ:無理だろうそれは……。
晟/たま:(甲高い声で)「タマ,ガンバル! ガンバル!」
真琴:待てたまちゃん,私は結構重いんだ。
晟/たま:(←必死に羽ばたく)「タマ,ガンバッタ! ケド,ダメダッタ……」
真琴:いいんだたまちゃん。気持ちだけ受けとっておくよ。
晟/たま:「毎度,毎度ぉ!」
清人:……なんか,またハートウォーミングな物語が展開してるんだけど(笑)。
鵬也:よしわかった。そこまで言うなら俺がジェット推進機をつけてやろう。
一同:(爆笑)
真琴:天井に頭ぶつけるわー!
GM:はいはい,わかったから,続けるぞ(笑)。……一応道は一本道なんだけど,周囲の壁にはあちこち穴が空いている。誰か,人の手が掘ったものみたいだ。
晟:ここって,本当に佐渡の金山だったのか?(笑)
GM:坑道のたぐいではあったんじゃないだろうか。
鵬也:おや? ということはトロッコが!
GM:ははは。実はあったんだ。
一同:おお!?
GM:だから「あった」んだってば。レールはとっくに錆びて使い物にならないよ。
晟:なんだ……レールがあるなら沖さんにトロッコ作ってもらおうと思ったのに……。
鵬也:俺もそれを考えてたんだけどな。
ユウキ:それはいいが,誰がこぐんだよ?
一同:(いっせいにユウキを指さす)
ユウキ:……そうじゃなくて! トロッコは2人いなきゃこげねえんだよ!
鵬也:なに,エンジンとハンドルをつければノープロブレムだ。
ユウキ:それはすでにトロッコじゃねえ!
GM:だから,何度も言うがレールは壊れてるんだってば(笑)。
晟:じゃあ,仕方がないので先に進みます。
GM:すると,壁もだんだん濡れてきて,天井からも水滴が落ちてくる。あ,当然だけど水はめっちゃ冷たいからね。
一同:ひー!?
GM:でも,ダイスペナルティは1個のまま。……まだ。
鵬也;「まだ」とか言ってるよこの人。
晟:水の中を歩かされるようなことにならないといいですけどね……この装備じゃどうしようもないですよ。
清人:場所柄を考えると,凍ってないだけいいんじゃないの?
真琴:GM。凍っていないということは,これってやっぱり海水なのか?
GM:いや,淡水。では,そうやってたらたら進むわけだけど……。
晟:方角は?
GM:えーと,いまのところ西へ向かって進んでる。
晟:この地図でいうと?
GM:こーんな感じかな?
清人:とりあえず海には突入してなかったな(笑)。
鵬也:(ふと)あ,そうだ。このレールってひっぺがせる?
GM:かなりボロボロになってるからな。でも何に使うの?
鵬也:《リニアキャノン》の弾にしようと思ってさ。
GM:いいけど……レールってかなり重いよ。1メートルでも10キロくらいしたりするよ。
鵬也:大丈夫,ユウキくんに持ってもらうから。
一同:(笑)
ユウキ:…………。
鵬也:ほら,だって【肉体】俺の6倍だし!(笑)
ユウキ:……そういう問題なわけか?。
鵬也:何本くらい持てるかな。3本いける?
ユウキ:(眉間にシワ)そりゃ,持てなかねえけどな。
GM:すごいかさばるから,せめて2本にした方がいいんじゃない?
鵬也:じゃっ。頼んだよユウキくん。
ユウキ:…………。
真琴:いいじゃないか,【肉体】私の12倍あるんだし(笑)。
晟:そーそー。タダでさえ脳ミソが筋肉になってるタイプなんだから,こーゆー時こそ役にたたんと……。
ユウキ:鉄骨フルスイングします。
晟:はううううっ!?
一同:(爆笑)
清人:な,殴ったのか? 鉄骨で?
真琴:あ……晟。生きてるか?
晟:…………。
ユウキ:……おお。いいかもしんない。
晟:(←復活した)何がっ!?
ユウキ:よしわかった。オッサン,これは俺が運んでやるから安心しな。
晟:ちょっと待ってください。まさかと思いますが……。
鵬也:コイツが何か余計なことを言ったら,今度からは鉄骨でぶん殴ると?
ユウキ:(←微妙に晴れやかな笑顔)振りまわすのにちょうどいいかげんだしな。
晟:殺す気ですかっ!?
ユウキ:てめえが毎度毎度いらん口たたかなきゃ済むことだろが!
晟:横暴だー! 言論の自由はどこに言ったー!
清人:えーと……(笑)。
鵬也:ま,俺はレール持ってもらえれば,それでいいんだけどね?
晟:横暴だ横暴だー!
ユウキ:だぁら,うるせえってんだよてめえは!?(←早速鉄骨スイング)
晟:はうっ!

 ……閑話休題。
 さて,そのまま先へ進んだ一行は,巨大なホールのような場所に出る。錆びたレールはここで三方に別れ,新たな道へ続いているようだが……。