GM:では,そのまま待っていると,波と風の音に混じってエンジン音が聞こえてくる。
鵬也:まだ姿は見えないか?
GM:まだだね。ただ音が相当静かだから,それほど大きくはないと思うけど……。
真琴:む,そこなテンペスト,止まれ!
清人:まだそうと決まったわけじゃないと思うんだけど……。
鵬也:てか,気が早いな。
晟:真琴さんって,わりと「悪,即,斬」な人でしょ。
真琴:む……。
鵬也:(晟に)で,どうするんだ? このまま逃げ切るか,それとも応戦するか?
晟:……え,それって僕が決めちゃっていいもんなんですか?
鵬也:大谷さんに言われたところでは,一応おまえさんがリーダーだそうだぞ?
晟:僕,このなかで一番年下なんだけどなぁ……。
真琴:とりあえず話しかけてみたらどうだ。無線はないのか?
ユウキ:相手の周波数もわかんねえのに無線なんか使えるのかよ。
鵬也:無線は無理だが,拡声器ならあるぞ。
晟:拡声器ねえ……。
真琴:信号弾とかないのか? 手旗とか。白旗とか……。
晟:いきなり降服してどうするんですかっ(笑)。
鵬也:やあやあ,遠からんは音に聞け!
ユウキ:近くば寄って目にも見よ!
GM:どんな通信やねん(笑)。
鵬也:冗談はさておき,明かりはあった方がいいだろうな。こうも暗くては何も見えん。
晟:投光機なんて積んでるんですか?
鵬也:積んでないよ。作るんだよ(笑)。
晟:じゃあ,それお願いします。
鵬也:では《マシンモーフィング》で投光機を作るぞ。(ころころ)ぴかー!
GM:すると! 何と30メートルほど先に,全て真っ黒く塗られた船が先行しているではないか!
清人:それ,あからさまにアヤしー(笑)。
鵬也:Uボートとかじゃないの?
GM:も少し大きいでごわす。
鵬也:そうか。(晟に)で,どうするんだ?
晟:うーん,僕は逃げられるものなら逃げたいですが,どうも好戦的な人が多そうだからなぁ……。
鵬也:というか,船の性能的に難しそうな気がするなぁ。
晟:だからって先手必勝!ってわけにもいかないでしょうが。向こうの素性がわかんないんだし。
真琴:だから,とりあえず話しかけてみてはどうだ?
晟:はあ……こほん。えー,そこの船,止まりなーい。こちらは海上自衛隊,じゃなかった防衛隊〜!
鵬也:何で海自かっ!(笑)
晟:だって,ロシア海軍とか,ロシア語話せないから真似できませんし(笑)。
鵬也:これでテキが北○鮮だったら笑うぞ。
晟:そーゆー寒いネタはともかくとして! とにかくすぐに減速して停戦しなさ〜い!
GM:えーとそうするとだね,にゅい〜んと何かが出てきてですな。
真琴:……それはちょっと,イヤな予感が……。
晟:うっそ,機銃掃射!?
GM:いえーす。君らの上にばらばらばらっ!と弾が降り注ぐぞ(笑)。
晟:にゃーにゃーにゃー!(←何故か遙化)
真琴:ちっ,やはりダメか。応戦するぞ。
晟:応戦も何も話し合いを始めてさえいないような(笑)。
GM:やっぱり海上自衛隊とか言っちゃったのがマズかったんじゃないか? あ,このまま撃たれ続けると撃沈されるぞ?
鵬也:おお? 避ける避ける!
真琴:晟,向こうはやる気マンマンのようだぞ?
晟:えーとえーと,それじゃ応戦してください〜。真琴さんと鳥越さんのお二人は射撃準備お願いします。えと,ユウキさんは……。
ユウキ:もう少し船寄せてくんねえか? 30メートルは厳しいが,20なら跳び移れる。
鵬也:もしよければ俺が《リニアキャノン》で飛ばしてやるぞ?
真琴:人間機雷だ(笑)。
清人:微妙に強そうだな(笑)。
GM:それはいいんだが! バルカンをなんとかしろってのに!
鵬也:あ,そっちが先か。銃弾の雨の中をユウキかっ飛ばしても面白そうだったのに。
ユウキ:おーい。
GM:ホントに沈めたるぞコラ!?(笑)
晟:えーと《石壁》ぇ! (ころころ)どっから湧いて出てきたかしんないけど,石の壁が出現しました〜!
清人:ひょっとして流氷なんじゃないのか(笑)。
鵬也:とにかく,船を寄せるぞ。ユウキとやら,とりあえず敵船の制圧は任せた。
ユウキ:おうよ!
GM:あー,ちょい待ち。そうこう言ってる間にだね,後部デッキにぞろぞろと人影が集まり始めた。
真琴:どんな?
GM:どんなって……一言で言うと,卍兄弟みたいな感じ?
一同:…………?
GM:あっ,しまった。わかんないかこのネタ(笑)。
晟:いや,私はわかるけど……えーとね,わかりやすく説明すると,黒いレザースーツにごっついゴーグルつーかノクトビジョンつけた……。
清人:一言で言うと,雑魚っぽい?
晟:とりあえず殺っちゃっておっけー☆な感じですな(笑)。
GM:それがぞろぞろ12人くらいお出ましであるが。
真琴:うっとーしい……。
鵬也:とりあえずワーディングをかけてみるが?
GM:誰も倒れないよーん。
ユウキ:それくらいはマスクつければいいだけのことだからな。
GM:(にやり)そうすると向こうの船が急に減速してがーん!とぶつかってくる。その衝撃で石壁はこっぱみじんになり,破片が雨あられと降り注ぐ中,敵が猿のようにひょいひょーいと跳び移ってきたわけだ。
鵬也:……え?
清人:向こうから跳び移ってきちゃったの?
GM:うん。
晟:(首をかしげ)まぁ,ユウキさんが初手から動けるぶんその方が有利と言えなくもないですけど……あ,ユウキさん。1人は生かしといてくださいよ?
ユウキ:あいよ。
GM:それじゃものすごく狭いとこで5対12のバトルがスタートだ。
晟:……ちょっと待った。エンゲージどうなってる?
GM:ん? 全部いっしょくた。
一同:おい!?
GM:だってそんなに広い船じゃないし。
鵬也:待て。銃撃のダメージくらった上そんな大勢で暴れたら,この船沈まないか?
GM:その可能性も否定できないね〜。
鵬也:……死ぬだろ,それは。北極海だぞ?
GM:大丈夫,オーヴァードなんだし。
一同:死ぬわっ!
ユウキ:まぁ沈む前にカタぁつけりゃいいって気もせんではないが……。
GM:はいはい,戦闘戦闘。というわけで向こうのイニシアティブは一律8だ。
ユウキ:では普通に殴ります。(ざらららっとサイコロを振る)えーと18。
GM:またエフェクト使わないの?(笑)
真琴:てゆーか,なに,今の音は……。
ユウキ:(構わず)ダメージは……マイナス5して5点。
GM:かんっ。
ユウキ:ちっ!?
晟:だから,素直にエフェクト使ってくださいといつも言ってるのにぃ。
鵬也:(横から)あのぉマスター。
GM:はい?
鵬也:バイクぐらい乗りまわせるスペースはあるだろうか。
一同:(笑)
GM:悪いが,ない!と即答させていただこう(笑)。
鵬也:うーん,じゃあ仕方ないなぁ……《MAXボルテージ》《リニアキャノン》で,そのへんの浮き輪を飛ばそう。
GM:浮き輪?
鵬也:うん。あるでしょ,船に備え付けてあるよーな木製の堅い浮き輪。(ころころ)おや? 6?
GM:お,それはさすがに……避けた避けた。浮き輪は荒波にまぎれて飛んでいったな(笑)。
真琴:《小さな塵》《ピンポイント・レーザー》《シューティングシステム》《達人の業》で撃ちます。
晟:そんなに組み合わせて大丈夫?
GM:それ以前に《レーザーファン》持ってないの?
真琴:持ってないけど?
GM:あ,そう……。
真琴:あう,低いぞ。16で,そっちのダイスペナルティは3だ。
GM:避けられないよ! 1個しか振れないよ!
晟:(その傍らで,清人に)ねえ鳥越さん。範囲攻撃用のエフェクト持ってます?
清人:持ってないよ。
晟:……ひょっとして,範囲攻撃できる人おらんの?
一同:…………。
GM:いや,正確にはユウキができる。
晟:そうでしたっけ?
ユウキ:文字通り「全体攻撃」だけどな。
一同:(爆笑)
鵬也:味方もどーん! 船もどーん! はーいシナリオ終了〜な感じ?(笑)
晟:却下ですそんなのっ。
真琴:(ころころ)よしダメージは19点!
GM:はい1人死んだ〜。
真琴:……ん? 1人?
GM:だって単体攻撃でしょ?
真琴:それ以前に,トループではないのか?
GM:んにゃ? そんなことは一言も言ってないぞ?
晟:ちょっと待て。まさか,12人全員倒せと?
GM:うん。
晟:……正気?
GM:倒せるでしょ?
晟:私はそーゆー不毛な戦闘させんなー!という意味で言っているのだが……。
真琴:(横から)晟,晟。
晟:あ,はい。何ですか?
真琴:攻撃の範囲を拡大できるようなエフェクトをかけてほしいのだが。
晟:ありませんよ。
真琴:ち。使えんな。
晟:使えんな,じゃなくて! 他人様の攻撃範囲を変更するようなエフェクトはそもそも存在しないんです!
真琴:そうなのか?
晟:そうです!
清人:(さらにその横で)《オウガバトル》《シューティングシステム》《ロックオンサイト》で攻撃。(ころころ)20。
GM:(ころころ)ダメージちょーだい。
清人:15点では?
GM:あれ? ……生きてる。
一同:生きてるの!?
晟:いいのか? 本当に終わるのか,この戦闘?
GM:ははははー。ではこっちの攻撃なのだが……。
鵬也:GM。晟を抜かしてる。
GM:あ,あれ?
晟:(ジト目)別にいいですけどぉ。
真琴:晟,いじけてないで私にセカンドアクションをかけてくれ。
晟:はいはい,わかりましたよ。では《要の陣形》《リプレイコマンド》で真琴さんとユウキさんと……自分だな。とにかく数減らさなきゃなんない。
GM:そうなんだよね。まだ11人残っているので一人2発ずつ受けてね。あ,ユウキは3発。
一同:…………。
ちなみに結果だけ言うと,
相変わらず平目で全部避けたユウキ。
エフェクトを使って避けた晟,清人。
エフェクトを使っても当たってしまった鵬也,真琴ということになった。
真琴:ひー! リザレクトしまーす!(泣)
GM:ちなみにダメージもでかいです。31点(笑)
真琴:ひー!(泣)
ユウキ:装甲服着てたんじゃないの? 30点くらい防げよ。
真琴:HP10しかないんじゃあ!
鵬也:ユウキくん,自分と一緒にしちゃいけない(笑)。
真琴:晟。作戦変更だ。セカンドアクションではなく,回復魔法をかけてくれ。
晟:何言ってんですか。さっきセカンドエフェクトかけちゃいましたよ。
真琴:今から変更は効かんのか。
晟:効きません。それに10しかないんだったら,HP回復なんてターンの無駄ですよ。
真琴:……おまえ,やっぱり冷たいやつだ……たまの方が優しい。
晟:何でそうなるんですか!
ユウキ:えーと,マイナーで《一角鬼》使って,(ころころ)……お? 10?
鵬也:えーと,これだけ振って回ってないってどーゆーこと?(笑)
GM:(ころころ)あ,でも避けられなかったっ!
ユウキ:よっしゃ! (ころころ)18点!
GM:装甲値有効だと……ダメだ,死んでる。
鵬也:これでやっと2人か(笑)。次,君嶋だぞ。
真琴:それなんだが……私の侵蝕値はすでに60を超えてしまったのだった。
一同:おい!(笑)
真琴:……なんだか攻撃したくなくなってきたなぁ。
晟:あなたねえ!(怒)
真琴:いや,するけどね,攻撃。
ユウキ:エフェクト使わなければいいんだよ。普通に撃っても結構倒れるぞ?
一同:だから,あなたと一緒にしないで欲しいんだが……。
ユウキ:当たるって! 今10で当たっただろ!(笑)
真琴:……心配なので《小さな塵》だけ使っておこう。(ころころ)16点ではどうだ。
GM:避けられましぇーん。
真琴:(ころころ)お!? なんだ,この「6点」というのは!?
GM:(苦笑)まぁ,武士の情けでさっき鳥越が削ってたのがつぶれたことにしてあげよう。では次のターン……。
晟:だから,僕を抜かさないでください。
GM:あ,あれっ!?(笑)
ユウキ:きっと晟は女々しいから抜かされるんだな(笑)。
鵬也:だな(笑)。
晟:何でやねん!
真琴:いや,女々しいとかは関係ないだろう。存在感の問題だ。
晟:貴様らどいつもこいつもやかましいわ! 《要の陣形》《領域調整》《絶対の恐怖》……(ころころ)うわ,回らない! 12!
GM:あ,それなら避けられると……。
ユウキ:〈意志〉で避けてくださいよ?
GM:ぐふっ!? (ころころ)避けられん。
晟:しかし,問題はダメージが……う。7点。
GM:装甲値無視だっけ? それは結構痛いな。
晟:いや,この場合一撃で落とせないと意味がないんですよね……うーん,まずった……。
ユウキ:とりあえず一匹ずつつぶしてきゃいいんだよ! てなわけでひたすら普通に殴る! (ころころ)ダメージは10点では?
GM:んと,それで削れてたのが1人落ちたな。
鵬也:さっきと同じく《MAXボルテージ》《リニアキャノン》で浮き輪撃ち。(ころころ)ダメージは18点。
GM:(書き書き)また1人落ちた,と……。
清人:で,あと残り何人?
一同:(笑)
鵬也:えーと……7人かな(笑)。
ユウキ:このままいけそうじゃねえ?
鵬也:時間がかかるのさえ厭わなければね(笑)。
真琴:それ以前に侵蝕値がひどいことになりますが。
ユウキ:エフェクト使わずに攻撃すりゃいいんだよ。
真琴:だからそれができるのはおまえだけだぁ! ……GM,ここで新たに経験点を消費して《レーザーファン》をとってもいいか?
GM:いいことにしよう。俺もまさか範囲攻撃使いが1人もいないとは思ってなかったし(笑)。
晟:(ジト目)それ以前にトループにしろよ,こんな敵……。
GM:いやぁ,ザコに能力設定するとこんなに戦闘が大変だ!というのをやってみたくて。
晟:自分の首締めるってわかってるかGM!?
GM:わかってるよ。
晟:わかってるか,ホントにわかってるか!? すでに戦闘開始から20分は経過してるぞ!?
GM:わかってるって。
とか言い争っている脇で,泣く泣く残り少ない経験点を削る真琴ちゃん。
てか,まじ泣きなんですけど(笑)。
真琴:うう,経験点が……経験点が……というか,そこがとれよ! 経験点有り余ってるでしょ!
晟:私? とってもいいけど,《レーザーファン》はとっといて損はしないと思うよ。それに,私はあくまで支援キャラなのでRC攻撃したくないのだ。
GM:支援キャラが聞いて呆れるな。
晟:やかましい。
真琴:いいもん,もうとったもん。《小さな塵》《シューティングシステム》《レーザーファン》《ピンポイント・レーザー》で攻撃! 25!
GM:(ころころのころころ)うおう,全員避けられんかった。
真琴:ダメージ19点ではどうだぁ!
GM:おお,全員死亡だ。
清人:な,長かった……。
鵬也:(時計を見て)30分以上かかってるぞ……。
GM:あっはっは。
真琴:では,煙を上げる銃口を見ながら,ふと呟こう。……最初からこうすればよかった……。
晟:(甲高い声で)オマエモナ!
一同:(爆笑)
鵬也:(甲高い声で)ミトメタクナーイ!
清人:(甲高い声で)テヤンデェ!
ユウキ:ええい,やかましいっ!
GM:え,えーと……そんなこと言ってると演出が入るんですが。
一同:はあ?
GM:君たちが殲滅したザコ敵なのですが,いきなりバネ仕掛けの人形のようにぴょんと起きあがります。
真琴:え? ……全員?
GM:うん,全員。そんでもって,ざかざかざかっと走ってまたぴょーん,ぴょーんと元の船に跳び移っていく。
鵬也:……キョンシー?(笑)
晟:(ふと)あれ? ユウキさん,捕獲してくんなかったんですか?
ユウキ:ん? そう言えばマスター,判定は?
GM:演出だもん。
一同:ずるっ!?
GM:何とでも言ってくれ。というわけで向こうの船はさらにスピードを上げて離れていく。
鵬也:進行方向は?
GM:おんなじ。
鵬也:くうう,負けるかぁ!?
GM:無理だって。マシンの性能を限界近く引き出しても無理だと言っておこう。
鵬也:《マシンモーフィング》で対消滅エンジンを作っても,ダメか?
GM:作るんかい!
一同:(爆笑)
鵬也:では,百歩譲って核融合エンジンでもいいんだが。
GM:ニュートロンジャマーキャンセラーが普及してないから,ダメです(笑)。
鵬也:ちっ。
真琴:なんだ,つまりは逃げられたということか。
ユウキ:あー,殴り足んねえな。
GM:なに,多分行った先で出会えるであろう。多分ね。では,ここでシーンを変えます。 |