GM:では,残った2人にシーンを戻そう。えーと……片方は何故か線路を飴にして遊んでますが(笑)。
尚也:…………。
遙:(←すっげえ楽しそう)えーと,えーと,さっきはおリボンだったから今度はハートなのですー。
尚也:……一応後方を警戒しておこう。
遙:ほらほらなおちゃん,ハートなのですよ? かわいい? かわいい?
尚也:(頑なに)後方を警戒しています。
GM:ほう。すると君は背後で何が起こっているか見ていないのだね?
尚也:私は何も見なかった(笑)。
GM:(にやり)するとだね,遙。君の隣で「やあ,なかなか上手だね」という声がする。
遙:(思わず)ありがとなのです! ……あれ? ちなみにどなた?
GM:えーとね,わりと背の高いお兄さんがいつの間にか隣に立ってます。君より2歳くらい年上かな。
晟:……2歳? てーことは,17歳?
GM:(にやにや)そう,17歳。ちなみに君のよーく知っている人によーく似ています。
遙:この人?(一同,そろって尚也を指差す)
GM:(がっくり)いやそーでなくて。
遙:だって,私の知ってる人によーく似てるということは,なおちゃんの弟さんじゃないですか?
GM:いや,もっとよーく知ってる人。
遙:ほえ?
一同:…………。
晟:……ひょっとして,僕?
GM:はい,その通りぃ〜♪
晟:…………。
遙:ほ,ほえ?
晟:……え,えーと(汗)。
GM:(さらににやり)晟くん,君確か楓にクリソツって設定なんだよね。
遙:えーと? 私って楓の顔知ってましたっけ?
GM:会ったことはあるはずでしょ?
晟:会ったことがあっても3歳じゃ記憶が曖昧ですよ。
GM:はっ,しまったっ(笑)。
晟:13年前に出奔したっきり帰って来ないんだよね,あンの馬鹿親父は〜?
遙:(←フォロー)でもでも,多分写真とかで見たことあるですよ。お父さんとかお母さんが見せてくれてるです。
GM:そうだな,その方が都合がいいかな。何せこのお兄さん,17歳時の楓とぜーんぜん変わってないんですよ。
遙:ほえっ? どゆことですか?
晟:(ぼそっと)ああ,何かどんどんイヤな予感がしてきたぞ……。
ユウキ:つまりここの家系って全員若作りだと?
一同:(笑)
GM:無茶言うなー!(笑)
ユウキ:いや,わかりませんよ。あの母親にしてこの息子ありかもしれない。何せオチが単なる若作り!
晟:だぁら,悪かったって言ってんでしょ!(笑)
綾:ま,とにかく話を元に戻しましょうよ。ちなみに,遙の知る限り楓はちゃんと年とってんですか?
晟:一応老けにくい家系って設定はあるけど,いくらなんでも17のまんまということはないはず。
GM:そうですね,写真で見比べたこととかあると思うけど,ちゃんと年とってますよ。
綾:写真ったって,モーモーさんパジャマの写真じゃあ仕方ねーよな。
晟:何故わざわざモーモーさんパジャマの写真になるか!(笑)
……だんだん,収拾がつかなくなってきたぞ(笑)。
尚也:だから,話を戻そうといって脱線させちゃいけませんよ瀞南寺さん。
綾:はい,すいません。進めてください(笑)。それとさGM。
GM:うん?
綾:楓ちゃんの服装って,ひょっとして,黒?
GM:ぴんぽんぴんぽーん♪
晟:うっきゃーっ! やっぱりーっ!
GM:髪は烏の濡れ羽色よ(笑)。
遙:(首をかしげ)えとえと……あきちゃんじゃ,ないよねぇ?
GM/楓?:「あきちゃん? ああ,晟のことか。違うよ」
晟:(じたじたしている)うにゃあああっ! 「あきら」とか呼ばないでえええっ!
遙:えっと……あきちゃんの親戚の方ですか?
GM/楓?:「親戚? どうかな。彼と俺は,そうだな。むしろ……」
晟:うきゃーっ! 私は何も聞きたくなーい!
GM/楓?:(構わず)「そう,兄弟といった方がいいんじゃないかな」
晟:(←ある意味楽しそうだ)うにゃあああああっ!
綾:そこ,何だかよくわからんがとにかく少し落ち着きなさい(笑)。
尚也:ええと……私はそろそろ背後の異変に気づいていいんだろうか……(笑)。
GM:そうですね。君が振り向くと,黒衣の少年が遙のすぐ隣に立っている。その顔は,コレ(晟)を少し大きくしたような感じかな。
尚也:……誰だ,おまえは。
GM/楓?:「名前ね。そうだな……新条楓とでも名乗っておこうか」
遙:ほえほえ!? でも,それは楓くんのお父さんの名前では……。
晟:(絶叫)楓の親の名が楓でどーするー!
一同:(爆笑)
ユウキ:それを言うなら「あきちゃんのお父さんの名前」だろが!
遙:はううっ! すいません,今の素で間違えましたー!(笑)
綾:遙も混乱してるみたいだな。気持ちはわかるが(笑)。
遙:やりなおしー! それはあきちゃんのお父さんの名前ではないのですかー!?
GM/楓?:「そうだね。でも,俺の名前でもある」
晟:(さらに絶叫)にゃああああああっ!
GM:で……っておい。晟。
晟:にゃ?
GM:遙が混乱するのはともかくとして,君はさっきから何をやっているのだね。
晟:うう……だって……。
GM:言っておくが,こーゆー設定を最初に考えたの,そっちだぞ(笑)。
晟:いや……てゆーより……。
GM:ん?
晟:その顔と声でその口調,やめてくんないですか!? 死ぬほど気色悪いっすよ!?
一同:(爆笑)
晟:怖いよー! 気持ち悪いよー!(泣)
GM:そこまで言うかアンタ。
晟:だって楓の顔した千葉がしゃべってるみたいだよー!
遙:えーと,えーと,よくわからないのですが,それで結局何のご用ですか?
GM/楓?:「すまない,君を混乱させるつもりはなかった。とにかく,俺は君を迎えに来たんだよ」
遙:って,え? 迎えって,どうしてですか!? どこにですか!?
GM/楓?:「どこ? さてね,来ればわかるよ」
遙:ほえー!?
尚也:(嘆息)……そろそろ話に入っていいだろうか。
GM:じゃあ一応君の方をちらっと見て,「ああ,ごめん。いたのか」と。
尚也:意図的に無視するな。その娘に何をする。
GM/楓?:「連れて帰るのさ」
尚也:どこにだ。勝手なことを言うんじゃない。その子にはちゃんと家もあるんだぞ。
GM/楓?:「説明してあげたいところだが,俺にも時間がない。ここでさよならだね」と言って……。
尚也:投げる。
GM:は?
晟:……ひょっとして,魔球を投げるんですか?
一同:(笑)
尚也:そのために〈射撃〉技能を持ってるんですよ私は。
GM:では一応振ってみてくれる? 多分間に合わないと思うけど……。
尚也:では〈射撃〉《電光石火》で……いかん,13だ。
GM:ふむ,では2人が消えた後にボールが通りぬけ,壁にめり込むね。
尚也:……というか,消えた? どうやって消えたのだ。
GM:さてね〜♪
綾:でたぞ,摩訶不思議エフェクトが(笑)。
ユウキ:は! 熱光学迷彩か!
GM:違います(笑)。投球ポーズとってる間に逃げられたんじゃないの?
晟:(両腕を振り上げ)はっ。
尚也:ワインドアップしない! 誰がそんなマヌケな真似しますか!
晟:魔球を投げるのはマヌケじゃないんですか(笑)。
尚也:私は最大限の努力はしているぞ。それに今のは何をやってもどうせマスターの演出だ。
綾:それを言っちゃあ……(笑)。
GM:(咳払い)あー,いいかね。そこでちょっとそこの回想シーンに入るのでシーンを切ろう。
晟:え? 僕?
GM:そうです。君,確か2年前に1週間ばかし行方不明になってたんだよな?
晟:です。実は謎の集団にさらわれて,殺されそうになったところを助けてもらったのです(笑)。
GM:よりによってアノ人に。
晟:そう,例の「黒いおじさん」に(笑)。そこで出生の秘密とか吹き込まれちゃった。
GM:「君はご両親の本当の子供ではない!」ってヤツですね。ではそのシーンである。 |