SCENE 11


GM:と,言っても全員登場してることには変わりないんだよな(笑)。じゃあ同じく廃ビルからスタートだ。何かしたいことのある人は?
晟:うーん,暇(笑)。
綾:待ちの体制から動けないな。まだこっちは何も進展はないんだが。
尚也:私は仕事,終わってしまったけどな(笑)。
GM:ワタシもこれで主要NPCの顔出しは終わったんで,ずいぶん楽になった。まぁ,まだ出てきてないのもいるけどな。
晟:誰?
綾:久島二世とか?
尚也:二世!? おるのかそんなの!?
GM:娘がいますよ。
一同:娘っ!?
GM:え,何? 何かヘン?
晟:あ,いや。ヘンではないんだけど……あれに,娘?
綾:久島そっくりの性格だったら,面白いなーという気はするけどね。
尚也:面白くないわ,そんなもの!(一同爆笑)
GM:さすがにあのまんまの性格ってことはないだろう。むしろ親を反面教師として育ってるんじゃないか?
綾:そこをあえて,という説もある。磨亜矢の顔に久島の本性を持つ娘。これでどうだ。
GM:それ,救いようないし!(笑)
遙:逆だったら良かったのにねえ。
ユウキ:いや,逆だってイヤだろう。
尚也:お父さんの顔にお母さんの本性を持つ娘?
晟:すでにサイアクって言わんかね。
綾:そうか,かわいそうな子供は晟だけじゃなかったんだね(笑)。
晟:あはははは。
GM:えー,久島ネタはそのくらいにしておこうと思うのだが……。
尚也:あ,そうだ,忘れていた。私は水上真二にロイスを結びたいのだが。
晟:即座にタイタスになりそうなロイスですね。
尚也:……とりあえずポジティブは「同情」,ネガティブは「不安」。ネガティブが表だ。
GM:不安かい(笑)。
晟:先行きが不安。
遙:あの性格が不安。
綾:あれが同じ人間かと思うと不安。
晟:全てが不安。……ま,とりあえず久島ネタはそこまでにして,私らどうすればいいんでしたっけ?
綾:どうするも何も,見張り続行。あとは待ち(笑)。
GM:うーん,では2日目のお昼になりました。
遙:シーチキンの缶詰開けてサンドイッチ作るですー。
綾:俺はカップ麺に魔法瓶のお湯(笑)。それはそうとGM,何か進展は?
GM:では全員〈知覚〉判定。目標値は15。成功した人は?
ユウキ:はーい。
GM:何だ,ユウキが気づいちゃったの? えーと,眼下の通りには人通りがまったくないというわけではない,と昨日も言ったよね? それを眺めていた君は,あることに気づいた。中には2,3人で連れ立って歩く連中もいるのだが,それがある一定方向に集まっていくようなのだ。
ユウキ:えーと,歩き方に特徴とかあります?
GM:うむ,注意深く見ているならば気づくのだが,どうも訓練された歩き方のようだ。
尚也:確認しますが,ある一方向に向けて歩いているのですよね?
ユウキ:では瀞南寺か上杉に声をかけます。
晟:……私ら無視ですかい(笑)。
ユウキ:(きっぱり)そりゃそうだろう。
晟:ほほーう……。
尚也:まぁそれはともかく,どうしたユウキくん。
ユウキ:つまりかくかくしかじかで,そういうことだ。
尚也:なるほど,確かに何となく歩調がそろっているな。
遙:ざっざっざ……と行進してるですか?
ユウキ:んなわけあるかいっ!(一同笑)
GM:違うから! そんなあからさまにアヤシイ行動とってないから!(笑)
綾:(気をとりなおして)ストレンジャーズ……今夜何かやらかす気なのか,それとも真昼間から何かやらかす気なのか。さてどうするかな。
尚也:後をつけてみますか?
綾:そうだね。またお願いしていいかな?
GM:えーと,上杉が離脱なんだな? ではシーンを変えます。

 

SCENE 12


G さて,整然と歩く(笑)3人組をつけていった尚也は,彼らが廃ビルのひとつに入っていくのを目撃する。
 とりあえず何か動きがあるまで「待ち」を宣言した尚也だが,

GM:では見張りを続けて,30分たった。
尚也:うむ。
GM:……何もないね(笑)。
尚也:…………。
GM:どうする? まだ見張る?
尚也:内部で何か物音は?
GM:入った直後はしていたけど,その後は何もないな。
綾:そこって,例の「取引予測ポイント」に近いわけ?
GM:可能性はないわけではないけど,ちょっと外れてるかなー?というところ。あくまで「予測」で,そんなに絞り込めてるわけじゃないからね。
尚也:仕方ない,瀞南寺さんに電話しよう。
綾:また俺が登場かい(笑)。
尚也:だって他に連絡しようがないじゃないですか。ともかく,現在の状況を報告します。
綾:(←登場)そうか……いっぺん戻ってくる?
尚也:どうでしょう。もし取引現場がここだったとしたら,我々は何の収穫もないまま待ちぼうけをくうことになりますが。
綾:そうだな……じゃあ引き続き張ってくれ。それと,一人で大丈夫?
尚也:大丈夫だとは思いますが。増援などはそちらの判断にお任せします。
綾:えーと……。
GM:あ,お父さん。君はそこで……そうだな,【精神】チェックを。
綾:え? じゃあ《天性のひらめき》使いまして24です。
GM:そうですか。それではあることに気づきました。

 ここからのGMの説明は文では少々わかりにくいので,こちらの図も合わせてご覧ください♪

GM:まず,君らが拠点にしているのがここ(1)。尚也が張っている地点がここ(2)です。実は,ここらへん(2)は魔街出現前は地下鉄の駅だったところなのだ。
綾:ほう?
GM:市内の方へ向かって2本の路線が延びてまして(AとB),この交わっている地点(3)が乗り入れ駅であったと思われますが,今は地下におりられるような入り口はありません。あと,君らがいる地点の側にも同じように駅がある(4)。
晟:この路線,当然今使っていないんだよね?
GM:もちろん。ただし,市外と市内の境目まで伸びてきてる。
綾:お,おや?
GM:中に後ろ暗い連中やら何やら住みついてるし,UGNでも埋めちまった方がいいんじゃないかという計画があがっていたのだ。
綾:そ,そりゃまずい。まずいよ。2ルートあるというのが特にまずい。
GM:と,君は尚也と話しながら,そういう冷や汗たらりなことを思い出していたのであったよ。
尚也:もしもし? もしもし,瀞南寺さん?
綾:え,えーと上杉。ちょっとそのままそこで待機していてくれる?
尚也:構いませんが?
綾:一旦電話を切って,所長に連絡します。

 大谷に電話し,正確な地図と照らし合わせて事実確認をするお父さん。
 「できればふさいでおいて欲しいな」という場当たり的指令はともかく,このままここで張っていても仕方ないんじゃないかな,と暗に言われてしまった一行であった。
 さらに尚也に事情を話し,彼を(というか尚也プレイヤーだな)を交えて作戦会議。 

晟:えーと,でも,ストレンジャーズなら僕らより市内と市外の行き来が簡単なはずでしょ? 何でこんなところをわざわざ通って……。
ユウキ:この合流地点(3)付近が取引場所ってことも十分あり得るだろ。
尚也:あるいは,何か大っぴらにできないモノを市内に運び込もうとしているか,何にせよ,そこにとどまっても徒労に終わる可能性が高かろう。
晟:つまり,二手にわかれて合流地点を目指せばいいということですか?
綾:そうなるだろうな。向こう側は上杉に任せて,俺らはもう一方の入り口へ行ってみよう。
尚也:あ,結局増援ってどうするんですか?
綾:じゃ,晟くんをよこすよ。
晟:え? 僕?
綾:そう。単純に上杉が白兵型で,支援系がサポートにまわった方がいいから。ま,君は遙ちゃんと離れたくなーい!とかぬかすかもしれんが(笑)。
晟:(のプレイヤー)キャラクターとしてはそう言うと思いますけどね(笑)。
綾:ここは聞き分けてもらおう。予備の地図とか装備とか持たせて,晟を送り出します。それから俺らはすぐにもうひとつの入り口に向けて移動。
GM:じゃあ,お父さんはシーンから退場,と。
晟:え,シーン切るんじゃないの? てことは,私が登場することになってしまうのかな?
綾:そう,シーン・プレイヤーは実は上杉だったのだな(笑)。
尚也:というわけで,彼が私の元へ現れるところからシーン再開だな。
晟:はーい。そういうわけなんで,僕がお手伝いに来ました。
尚也:うむ。まずはだな,瀞南寺さんと連絡をとって,タイミングを合わせて潜入しよう。
綾:おい,また俺登場せにゃならんのかよ?(笑)
尚也:地下に降りたら通信も途絶するでしょうからな。
GM:ま,そういう取り決めはさっきしていたことにして,お父さんは登場しないでいいよ(笑)。
尚也:よし,それでは私がまず中に入って安全を確認する。合図したら入ってきてくれ。
晟:はあ。
GM:では,君がさび付いた扉をぎい……っと開けて入ってみると,中は真っ暗。人の気配もないね。
尚也:ではライターでそのへんを照らしてみよう。
GM:ここはオンボロの典型的廃ビルなんだけど,ひとつ妙に新し目の扉があるね。
尚也:これか……。よし晟,中に入っていいぞ。
晟:はーい。えーと,これが入り口ですか?
尚也:これだろう。
晟:へえ……蝶番とか新しそうですね……。
尚也:とりあえず私が先に入ってみる。君は合図したら入ってきてくれ。
晟:はーい。
尚也:(何か考えるそぶり)もしくは……。
晟:もしくは?
尚也:戦闘が始まったら入ってきてくれ。
晟:無茶言わないでくださいよ……。

 さて,順調に暗いビルの中を順調に進んで行く上杉尚也氏。
 鍵のかかった扉も,〈精密作業〉《電光石火》(←!?)で見事にクリアー。

GM:室内はボロボロなんだけど,一応瓦礫とかを丁寧に片付けた痕跡がある。その隅っこに,1メートル四方の穴が空いていて,そこから鉄製の梯子が下ろしてあるね。
尚也:よし,ここだな。……晟,入っていいぞ。
晟:はあ。
尚也:どうかしたか?
晟:いや,別にどーでもいいっちゃあいいんですけど……今どーやってこの鍵開けたんですか?
尚也:そのへんに針金が落ちていたろう。
晟:針金で鍵を開ける技術はどこで手に入れたんです? てか,一体どーゆー人生送ってきてます?
尚也:昔のことはあまり話したくないな。
GM:つまりまっとうな人生は歩んでないらしい(笑)。
尚也:(無視)ちなみに明かりはどうなっている?
GM:ん? 普通に電気がついてるよ。
尚也:何故こんなところに電気がひいてあるのだ。
GM:それが,実は何てことはなくてね。その穴には梯子と一緒に,コードが何本か垂らしてあるのだよ。ちなみに下からモーターの音とか響いてくる(笑)。
晟:なんつーか,微妙に大雑把なような……。
尚也:とは言え,我々が用心するに越したことはあるまい。晟,私が先に入って安全を確かめるから……。
晟:ああ,ここで待ってて合図したら降りろっていうんですね。どうぞ。
GM:では,降りるとそこにはディーゼル発電機があって,弱々しいながらも工事用のランプがついている。んで,あんまり遠くまでは見えないけど,地下鉄の線路らしいものも続いているね。
尚也:よし,晟。降りてきていいぞ。
晟:はーい。
尚也:それでは,私の10メートル後ろをキープしてついてくるのだ。
晟:あのー,この暗さで10メートル離れると,わりと見えないって言いませんか?
尚也:仕方ないな。では視界が及ぶ範囲でついてきたまえ。その代わり,敵が銃器を所持していた場合,射程に入る可能性もあるぞ。
晟:あー,ご心配なく。その場合は素直に逃げますから。
尚也:逃げるなよ。
一同:(爆笑)
尚也:それに,君の足では敵に追いつかれてしまうと思うが……。
晟:《群れの召喚》とか使ってシーンから消えますから,大丈夫ですって。
尚也:だから消えるなよ。

 ……なんというか,こう……かみ合ってない会話だなぁ……。
 さて,結局「僕は尚也さんと同じエンゲージにいませんからそういうことで!」な距離を保って歩く2人であるが……。

GM:では2人とも,〈知覚〉で振ってくれたまい。
晟:7。
尚也:13だ。
GM:すると,誰かが先行しているらしき足音がするね。
尚也:さらにスピードを落として慎重に進もう。相手のペースに合わせてだ。
GM:じゃあ〈隠密〉で振って。
晟:2!
GM:……2?
晟:僕に【肉体】と【感覚】基準の判定は求めないでくれと言ってるじゃないですか(笑)。
尚也:こっちは15だが,どうだ?
GM:(ころころ)すると前方で足音が止まり,かちっと音がする。
尚也:晟に伏せろ!と叫んで自分も伏せる!
GM:うむ,いい判断だ。君の頭をかすめて,何百発という銃弾が飛んで行くね。
尚也:今のマズル・フラッシュで距離はわかりましたよね? 相手の銃撃が止まったら,起きあがって,一気に距離をつめます。
GM:では,向こうの方でがしゃがしゃっと音がしている。
尚也:つまり再装填しているのだな? その隙に突っ込んで攻撃だ。何人います?
GM:3人横並び。
尚也:ラッキー。《電光石火》《吼え猛る爪》《獅子奮迅》で一網打尽だ。(ころころ)36! ダメージが38点防護点無視!
GM:ぐはあ。一応振るだけ振ってはみるが……ダメだ,全員吹っ飛んだ。
晟:(ぼそっと)……金属バットで?
一同:(爆笑)
GM:そうなんだよ! それがイヤなんだよ!
ユウキ:めちゃくちゃいいスイングなんじゃないスか?
GM:カキーン!という快打音とワー!という歓声とともに全員死亡しました(笑)。
綾:どういう音だよ!(笑)
遙:きっと首だけかっ飛ばされているのですね……。
晟:やめて,怖いから!(泣)
尚也:それはそうと,晟。はいこれ。
晟:え? これ,って……。
尚也:サブマシンガン。一丁は君が持っててくれ。
晟:ええ? 僕そんなの撃ったことも持ったこともありませんが?
尚也:威嚇になればいいんだこんなもんは。ちょうど再装填もしたことだしな。
晟:んー……もう一丁は弾抜いて,ここに置いときませんか? これ結構重いです。
尚也:そうだな,マガジンだけいただいていこう。
晟:ふう……あとで売り払えるかな……。
尚也:売るな。だいたい,どこに売る気だ。
晟:(きっぱり)所長。
遙:高く買ってくれそうなのです!
GM:……それはともかく,ここで1回シーンきりまっせ。

 

SCENE 13


GM:では,お父さん・ユウキ・遙組だ。君らは尚也たちと同じように地下鉄への入り口を見つけた。降りてみると,ここの線路は補修されてるね。
綾:は? つまり,使えそうってこと?
GM:そうそう。
遙:(朗らかに)それじゃ《ブリザードブレス》で……。
綾:待たんか! 何故即座に破壊する!(笑)
ユウキ:こいつの言いぐさはともかく,壊しておいてもいいって気はするけどな。こんなとこでこんな線路使ってる連中なんざ,ロクなもんじゃねえ。
綾:列車で運んでるものが何かによるだろ。
GM:いきなり爆弾とか運んでたりしてなー♪ 脱線したとたんに爆・発!とかなー♪
綾:とにかく,2人に追いつこう。ユウキくん,先頭行ってくれ。遙ちゃんが真中で,俺が殿。
GM:それでは,先ほどと同じように仄かに明かりが灯った線路が続いている……ところで,全員〈知覚〉チェック。
綾:《天性のひらめき》使う。
遙:同じく《ブレインコントロール》で20なのです〜。
晟:遙ちゃん,《ブレインコントロール》は単体で使えないよ。《炎神の怒り》を合わせないと。
遙:にゃー!?
GM:今から組み合わせ変えてもいいけど?
綾:てゆーか,俺が33出したから構わない。そんなことでHP減らさないでくれ(笑)。
GM:すると,あなたは背後から殺気を感じるな。ちなみにイニシアティブいくつ?
綾:7です。
GM:んー,するとどこまで行動できるか……。
綾:とりあえずユウキが俺と同じエンゲージに来てもらって,逆に遙は離れて欲しいんだけど。
GM:認めましょう。では戦闘開始。
ユウキ:戦闘移動って【肉体】メートルまで進めるんですよね? マイナーで接敵できます?
GM:12メートルかぁ(笑)。それは可能だな。
ユウキ:じゃあ普通に殴って……あれ,9だ。
GM:お,それは……(ころころ)避けたよーん♪
尚也:あ,避けられた。
晟:トループに避けられたな……。
遙:それでは《ブレインコントロール》《ブリザードブレス》で(ころころ)25なのです。
GM:あー,それはもうダメージださんでええわ。多分全滅だから。
遙:わーい,やったのですゆーちゃん!
ユウキ:……けっ。俺が外した敵を倒すたぁ,ちっとはやるじゃねえか。
遙:わーいなのです!
ユウキ:と,いうところで遙にロイスをとっておこう。
綾:せ,せこぉ!(笑)
ユウキ:うるせえな。
GM:ちなみに相手はサブマシンガン抱えたまま氷漬けです(笑)。
綾:それって,ストレンジャーズの標準配備なわけね。
GM:うん。さて,先を進んでいるうちに,君らは地面が微妙に震えているのに気づきます。ちなみに地震じゃないよ。
綾:えーと,とりあえず線路から離れて戦闘態勢。
GM:すると,背後(市外側)からがたんごとん,がたんごとんと音がする。
ユウキ:ライトは?
GM:ないよ。
晟:まさか,幽霊列車?
GM:ううん。もっとアレなもの。
綾:じゃあトロッコとか?
GM:うん。
一同:(爆笑)
GM:説明しよう。フツーのトロッコに無理やり台車つなげたヤツがガタコンガタコンとやってくる。先頭車両,いや先頭トロッコにはあからさまに下っ端っぽいストレンジャーズが4人,えっほえっほとトロッコをこいでいるのだった。
晟:下っ端っぽいって……(笑)。
GM:トロッコは君たちが降りてきた梯子のあたりでききーっと止まります。んで,仲間が氷漬けになっているのを見て,「何ぃ,やられてる!?」「警戒しろ!」
ユウキ:ヤラレっぽい……。
綾:あからさまにヤラレだろ。
遙:ヤラレって何なのですか?
綾:襲っちゃっていいってことかな(←違います)。とりあえず襲っとく?
ユウキ:あーい。ではとりあえず近寄って殴ります。
晟:結局それかよぅ。

 結局それだった。
 とりあえず人海戦術を何度も書いても仕方ないので,省く。

綾:さて,積荷を調べてみますか。
GM:荷台には小型のトロッコがいくつか積んであります。全部鎖でかんじがらめに縛られてて,さらに南京錠がかけられてますが?
綾:それ,無理やりひきちぎるとしたら目標値いくつ?
GM:30と言っておこうか。
綾:(ユウキに)いけそう?
ユウキ:やってやれないことはないが,そのためだけに《完全獣化》するのはイヤだ(笑)。とりあえず平目で……無理だな。
綾:判定【肉体】だよね? じゃあ俺も……。
ユウキ:(サイコロを振っている綾を横目で見つつ)あのさぁ。ひきちぎるのはいいんだけど,〈精密作業〉で錠を開けてみようという発想はないわけか?
一同:(笑)
尚也:……普通,その方が楽だと思うのだが。
GM:でもお父さんはひきちぎる気まんまんみたいですよ(笑)。
綾:(←判定に失敗した)〈精密作業〉より確率高いかな,と思ったんだけどさ。
遙:では私がやるですか。
ユウキ&綾:おいおいおいおい!(笑)
遙:《炎神の怒り》《ブレインコントロール》使えばできるかもです。
晟:これで遙ちゃんがひきちぎっちゃったら笑うよなァ……。
ユウキ:エフェクト使えばこっちでも可能なんだよ! 侵蝕値上げたくないの!
GM:(横から)あのさぁ。俺からこーゆーヒントを出すのはどーかと思うのですが,せっかくサラマンダーがいるんだから,熱して冷やして金属疲労を狙ってみるとか,しないの?
ユウキ:でもこの人,《ブリザードブレス》うちまくって侵蝕値が70超えてんですよ?
GM:そこらへんは演出ということで,エフェクト使わなくてもOKにしてあげるけど?
ユウキ&綾:それを先に言えよ!(笑)

 というわけで,「熱して冷やして金属疲労」作戦でまず1つのコンテナを開けてみる一同だが……。

GM:あ,ちなみにそのコンテナって黄色と黒の縦縞なんだわ。
綾:だから! 先に言ってよそういうことは!(笑)
ユウキ:いいのか? 熱していいのか!?
GM:とりあえず爆発はしなかったようだ(笑)。
綾:ちなみに中は何?
GM:え? だから原子力発電所マークな感じ?
一同:ちょっと待てえい!(爆笑)
晟:(ぼそっと)ウィルスでテロと核爆弾でテロ,どっちがイヤかなぁ。
尚也:そんなのはウィルスに決まっている。ウィルスは無差別に広がるが,核なら効果が及ぶ範囲はコントロールできるからな。その場にいるヤツが死ねば済むことだ。
綾:ちょっと待たんか!(笑)
尚也:(淡々と)私は一般論を述べたまでだが?
綾:当事者として言わせてもらおう,どっちもイヤだ(笑)。
遙:それはともかく,凍らせておくですか?
綾:プルトニウムって凍らせてどうこうできるもんなの?
GM:プルトニウムとは言ってない。TNT火薬くらい?
綾:あ,それなら怖くない。凍らせちゃえ。

 TNTなら怖くないというのも,どーかと思うが……。
(プルトニウムより怖くないというのは確かである)

綾:それで,他のコンテナは? やっぱり虎縞?
GM:コンテナは4つあるんだけど,2つ目には武器弾薬の類が入ってました。主にサブマシンガンですね。3つ目には何故かストレンジャーズの制服があるんですが……。
綾:これは……何?
ユウキ:ひょっとして,実はこいつらストレンジャーズじゃないとか? テロやっといて,罪をストレンジャーズにかぶせようってこと?
GM:いや,そうではないのだ。この制服,確かにストレンジャーズのものなのだが,ちょっとデザインが違うのだな。
綾:えーと,パチモン?
GM:そうでもなくて,ストレンジャーズの中の一派閥の制服なんじゃないかね。いい例えが思いつかんが。
ユウキ:それはつまり,連邦軍の中のティ○ーンズみたいなもの?
GM:まぁそんなようなもんだ(笑)。
遙:(←何故か楽しそう)これも凍らせておくですか?
綾:うん,念のために言っておくけど武器弾薬の方をね(笑)。
尚也:制服を凍らせても仕方あるまいよ。
遙:むー。それくらいわかっているのです。
綾:わかってるか? 本当にわかってるか?
遙:はいです!
ユウキ:……それはともかく,4つ目のコンテナの中身は?
綾:は! まさか千葉が!
GM:入ってねえよ! いくらヤツでもそこまでせんわ!
晟:で,中身は何なの?
GM:現金。
一同:おおっ!?
GM:現金の詰まったアタッシュケース。それが2つ。
綾:取引代金ってヤツ? いくらくらい?
GM:えーとアタッシュケース1つに1千万入るとして,2千万ってとこ?
綾:1個もらってこ。(ユウキに)はい。
一同:おい!(笑)
ユウキ:はい,って……俺がもらってどーすんだという……。
尚也:待て待て。それ以前に市内の流通貨って意味あるのか?
ユウキ:多分信用されねえだろ。
晟:それ以前に金の価値なんてわかってないくせに……。
ユウキ:うるせえな。
GM:……あー,盛り上がってるところ悪いんだが,そもそもこれ日本円よ。
晟:おや? ということは私らでも使えない?
GM:そう。デモンズシティの外でしか使えない。
遙:じゃあこれも凍らせるですか?
一同:凍らせません!
綾:やっぱりわかってないじゃないかよ!(泣)
ユウキ:アタッシュケースが2個だろ? とりあえず持っていかねえ?
綾:そうしよう。さて……。
ユウキ:荷台を切り離そう。
綾:うん。それで?
ユウキ:トロッコで行こう。
一同:ええ!?(笑)
ユウキ:(←結構本気らしい)多分その方が速いぞ?
綾:あのー……速いかもしれないけど,そのぶん見落としも増えるのでは……。
晟:……黒衣の男とストレンジャーズの脇を,がーとかいって通りすぎて行ったら,笑いますよね。
一同:(爆笑)
遙:ばいば〜い♪
綾:そこ,手ェ振らんでいいっ!
ユウキ:じゃあこうしましょう。この火薬を積んでって,何かアヤシイのがいたらがーん!と突っ込んでどーん!と爆発して,俺ら降りればいいんですよ。
一同:何故!?
尚也:それはキミだけ降りられて,他の2人は遠いお星様になりかねん戦法のような。
GM:それ以前に全員生き埋めじゃないの? てか,それで第3部終了じゃねえかよ!
ユウキ:俺は生き残る自信がありますよ?
綾:そういう問題じゃないでしょ! ……ねえ,キミだんだん面倒くさくなってきてない?
ユウキ:(ちょっと遠い目)てーか,俺は本来こういうキャラのはずだったんだよな……。
遙:そうなのですか?
ユウキ:おまえのせいだよ! またしてもおまえのせいだよ! 何で俺にツッコミをやらせるんだよ!?
遙:ほえ!?
綾:わかった,わかったから……とにかく2人と合流しようね。歩いて。

 注:お気づきの方もいらっしゃるかと思うが,遙と光,ユウキと伊織は同プレイヤーが演じている。ユウキさんが何を主張したいかは,番外編を読まれたし。
 ……世の中,わりとそんなもんだよな(遠い目)。

 

SCENE 14


GM:さて,シーンを尚也&晟に戻すのだが……君らは先に合流地点に到着した。そして待つこと10分あまり,向こうの方から近づいてくる3つの人影がある。
尚也:(サブマシンガンを構えるポーズ)がしゃっ。
綾:いや,がしゃっ!じゃないから!(笑)
尚也:いいか晟,私が撃てと言ったら撃つのだぞ。
晟:えーと,安全装置ってこれですか?
尚也:そうだ。そのレバーでシングルショットとセミオートとフルオートの切り替えをするのだ。
晟:この「FA」がフルオートですね。切り替えておこう。
綾:おまえらー!(笑)
GM:早速パーティーアタックかよ!(笑)
尚也:(構わず)よし,構えろ!
晟:はい!
綾:……GM,こちらは向こうに気づいていいのでしょうか。
GM:いや,てゆーか全員【感覚】判定。成功したらお互いに気づいていいから(笑)。
一同:(いっせいにサイコロを振り始める)
晟:あ,回った! 18!
綾:《天性のひらめき》使います! 22!
尚也:それでは私は《電光石火》を……。
遙:私は《炎神の怒り》と《ブレインコントロール》を……。
GM:おまえら,その前に目標値を聞けー! 8で気づいていいっちゅーねん!
晟:(もはや誰も聞いていない)あ,あれは遙ちゃん!
遙:(手を振る)あきちゃーん!
晟:遙ちゃん,無事だったんだね!と駆け寄りながらサブマシンガンをぽいっと尚也さんに投げ渡します。
尚也:うわあ! 投げるなァ!
一同:(爆笑)
尚也:何を考えている,君は!
晟:何で殴るんですか!
尚也:まず安全装置をかけろ! 銃口を人に向けるな! てゆーかそもそも銃を投げるな!
晟:あ,そういうもんなんですか。
尚也:そういうもんなんですかって……しかも君,さっき思いきりフルオート射撃にしてなかったか?
晟:(しばし黙る)……やだなぁ。ちょっとしたアメリカン・ジョークじゃないですか。
尚也:アメリカン・ジョークの定義を正確に言ってみなさい!
晟:(聞いてない)遙ちゃん,遙ちゃーん!
遙:あきちゃーん!
綾:(頭を抱えている)……いや,ご苦労だった上杉。とりあえず相互の状況確認をしようか。
GM:では,お互いかくかくしかじか,とやっているところで,また妙な音が聞こえる。
綾:妙な音って?
GM:がたんごとん,がたんごとん,がたんごとん……(笑)。
一同:またぁ!?(笑)
尚也:いや,トロッコとは限らん。電車かもしれん。
綾:電車が通れるほど整備されてないと思うんだけどなぁ……どっちにしろ,脇に避けて待機。
GM:では,市内の方から四角い箱が近づいてきます。
尚也:四角い箱? 電車ということなのか?
GM:んにゃ。トロッコですよ。
綾:……四角い箱?
GM:少し大きめのトロッコを,四方八方ジェラルミンの盾で覆っているのだった。その隙間からストレンジャーズたちがサブマシンガンで狙っているぞ!
晟:おまいら,特攻○郎A○ームかよっ!?(一同爆笑)
綾:……なんかもぉ,まるごと《ブリザードブレス》で打ち落としてやれって感じなんですが……。
遙:(←何で楽しそうなんだろう)やるですか?
綾:いやちょっと待って(笑)。どうする?
尚也:とりあえず飛び乗って止めてみてはどうだ?
綾:飛び乗るの? えーと,飛び乗る自信のない人は?
晟:はーい。
遙:はーい。
晟:あ,いや,遙ちゃんはいざとなったら《ブレインコントロール》《炎神の怒り》という手があるけど,まったく手がないのは僕です。
ユウキ:そいつは俺が襟首つかんで飛び乗るから。
晟:イヤだー!
ユウキ:うるせえ,ぐだぐだ言うんじゃねえ!
綾:あ,いや。よく考えてみればやり過ごしちゃえばいいんじゃないのか? つまり俺らを狙ってきてるわけだから,後で向こうが止まってくれるだろ。
GM:うむ。トロッコは猛然と君らの横を通りすぎていくのだが,向こうで必死にききーっとブレーキかけている音が聞こえるな。
一同:うわぁ,バカっぽぉ。
GM:そう言うな(笑)。
晟:何か,無視してここで待ってた方がいいような気もしますが。……引き返してきてくれそうだし,僕らのお目当てって黒衣の男なわけだし。
ユウキ:だけど黒衣の男がここで取引をするって決まったわけでもないからな。ここでじーっと待ってて,何もなかったら笑えるぞ。
綾:あの馬鹿トロッコ,結構人が乗ってたよな? 奴らをひとりとっ捕まえて話を聞くって手もある。
尚也:総大将,どうします?
綾:え? 総大将って俺かよ?
尚也:あなた以外誰がいます?
綾:そ,総大将……。
尚也:(淡々と)私は二手に分かれることを提案します。一方はヤツらが引き返してくる前に襲撃して一人確保。もう一方はここで網を張る。
綾:うーん,そうだな。
ユウキ:どっちにしろ線路は壊しておいた方がいいんじゃねえ? なんか,どっからどう応援が出てんだかよくわかんねえし。
遙:はいはい。それは私が壊すですよ〜。
綾:んーと,わかった。じゃあ遙ちゃんは線路を壊して応援を遮断する。上杉がその護衛。
尚也:了解した。
綾:で,残りの3人は引き返して今のトロッコを襲うと。これでいいな?
一同:はーい。
ユウキ:で,そこはまたぶつぶつ言ってるわけ?
晟:言ってるんじゃないかな。まったく,せっかく会えたのに……とか言って。
ユウキ:じゃあぐだぐだうるせえよ!とぶん殴っておこう。
晟:あ,殴った! とうとう殴ったな!
ユウキ:(晴れ晴れとした表情)いやあ,ずっと殴ってやりたくて仕方なかったんだ。
晟:むー……。
ユウキ:これで晟にもロイスがとれるな。
一同:(爆笑)
晟:だから! そういうセコいロイスの取り方やめてくださいよね! てかそれだけのために殴ったんですかアナタは!
ユウキ:うるせえ! てめえがそうやっていちいちウダウダ言うからに決まってんだろ!
晟:覚えてろー! いつか裏切ってやる!
ユウキ:(晴れ晴れとした表情)いや,そもそも仲間じゃないじゃん。
綾:はいはい! 裏切るのも騒ぐのも今はやめてね。とりあえず行動!
ユウキ&晟:はーい。
GM:ではまた二手に分かれるということで,シーンを変えます。

 

SCENE 15


G M:ではまず,ユウキ・綾・晟組。君らが引き返してみると,10人の男たちがトロッコの周りにいる。こちらがわに4人,トロッコ挟んで向こう側に2人。それと荷台のあたりに4人いて,何かごそごそやっているな。あ,一応ワーディングはかけてみるだろうけど,倒れない。最初に言っておこう。
綾:じゃ,とりあえず俺とユウキが突っ込むから,晟くんは後方で待機ね。
晟:はーい。
GM:じゃあ2人は一番近場にいた敵にエンゲージと。じゃあフルオートでそのエンゲージを攻撃。9,8,7……じゃ当たらんよなぁ(笑)。
ユウキ&綾:当たらない。
晟:あー,ちなみにお父さんにもGMにも抜かされているのですが(笑),イニシアティブ10で動きます。《リプレイコマンド》《要の陣形》で……(ころころ)全員にセカンドアクションはいりまーす。
ユウキ:じゃあセカンドアクション,(ころころ)16といって普通に殴る。
GM:(しくしく)一応殺さないようにはしてるの?
ユウキ:一応。
GM:うう……じゃ気絶。
晟:んで私休憩。二人ともがんばってねー♪
GM:セカンドアクションかけといてそれか?
晟:そりゃ,2人にかけても3人にかけても侵蝕値は変わらないからだ(笑)。
綾:そんで俺もセカンドアクションで。とりあえず普通に殴ります。
GM:二人とも,エフェクト使わないの?
綾:(ころころ)9が出たから,〈白兵〉レベル足して17だな。
一同:(笑)
GM:おまえら……。
綾:えーとダメージが……。
GM:いい,ダメージださんでいいから(泣)。えーと,それじゃターン変わりまして……。
晟:あ,ちょっと待って。まだ敵残ってるんだっけ?
綾:こっちはすぐに片付くから,休んでくれてて構わないけど?
晟:んーと……そのエンゲージの向こうに,敵はいるんだっけ?
GM:だから,一番近くに4人いて,今2人になった。中央の積荷の側に4人いて,あと向こう側のはしごの側に2人。
晟:じゃあ一番遠くの2人と,中央の1人を狙って《絶対の恐怖》《要の陣形》で……12で効くかなあ。
GM:それなら何とか……(ころころ)ダメでした……。
晟:(お茶を飲みながら)ユウキさーん,あとよろしくねー。
ユウキ:おう!と言いたいところだが,何かひっかかるなその言い方。
綾:あとは侵蝕値温存する?
晟:そうですな。アンタらみたく平目で戦闘できるバケモノと一緒にせんでもらおう(笑)。

 ま,そんなこんなで戦闘は省く。
 そりゃ省くよな(笑)。

綾:いやぁ,エフェクトを一切使わず戦闘するって新鮮な体験だなぁ(笑)。
GM:鬼ー! 悪魔ー!
綾:てか,全滅するまで抵抗する方が悪いんじゃないか。
晟:降伏しなさーい♪ キミのお母さんは草葉の蔭で泣いているぞー♪
GM:えーと,一応士気のチェックを……(ころころ)おや? どうも無線機を取り出したようだ。
晟:え?
GM:応援を! 応援を頼む!(笑)
晟:あっ,しまった!
尚也:いや,問題はなかろう。
ユウキ:どうせ応援呼んでも,線路がぶっ壊れてるんだからここまで来られねえよ。
晟:あ,そうか……。
遙:あきちゃん,あきちゃん,大丈夫ですよ。
晟:ん,何が?
遙:線路ちょうちょ結びにしちゃったですから。
一同:(爆笑)
晟:ちょ,ちょうちょ結びっ!?
遙:(←嬉しそう)はいです! ちなみにこんな感じです!
一同:え?

 と,一同遙プレイヤーの手元を覗き込み……。

ユウキ:こ,こンのドアホがああああッ!(一同大爆笑)

 どんな絵かっつーと,遙が楽しそーに線路を飴状にしてリボンやらハートやら作っている図なのだね。
(遙プレイヤーの描いてくれた絵は是非お見せしたいのですが,松井のスキャナでは歯がたちませんでした。てなわけでまたいずれ)

綾:……あ……あのさぁ……(笑)。
晟:ほ,ホントに楽しそうね遙ちゃん。
遙:はいはい。
ユウキ:てか,止めろよな上杉!
尚也:(厳かな口調で)私は何も見なかった。見なかったのだ。
GM:え,えと,話戻そう。とりあえず増援は来ないということで,残った1人は……。
ユウキ:ああ,面倒くせえなぁ。とりあえずぶん殴ってとり押さえてやる。これってどういう判定だっけ?
綾:一応エフェクトに《グラップル》はあるけど,そこまでする必要ないんじゃない?
GM:じゃあ〈運動〉で判定。……ってやるだけ無駄なような気もするが(笑)。
ユウキ:(ころころ)21! うざってえんだよ,ああ!?
GM:「ちいッ!?」とか言いながら這いつくばっていよう(泣)。
綾:さて,答えてもらおうか。ここで何をしていた?
GM/ストレンジャーズ隊員:「わ,私は何もしゃべらんぞっ」
晟:やめた方がいいですよ,痛い思いはしたくないでしょ,と言って……。
ユウキ:しゃべらねえ,だ? そういうこと言うなら一発がごぉ!とぶん殴ってやる。
晟:あ,ちょっと待って……。
GM:んじゃ「ぐべらぼ!」となんバウンドかしながら気絶(一同笑)。
ユウキ:いや,捕まえたまま殴りますから。
GM:変わらんわ!(笑)
晟:あの……。
ユウキ:頭が地面にぶつかって跳ね返るくらいは殴ってるかもしんないけど。おら,とっととしゃべらねえと……。
晟:おーい,だから待てって!
綾:あのね,ソラリスがいるんだからちょっと待とうよ(笑)。
ユウキ:(素に戻る)あ,そうか。すみません。昨日汚職刑事のドラマ見たもんで,つい。
綾:お,汚職刑事? 誰が?
GM:誰か弁護士を呼んでくれー!
一同:(笑)
晟:とりあえず官憲の横暴(?)からは救い出してみよう。《竹馬の友》《領域調整》で……(ころころ)28を〈意志〉で抵抗。失敗するとワタシを信頼できる人物とみなします,だって。
GM:(ころころ)……オオ,トモヨー。
一同:(爆笑)
晟:ほら,あの人に殴られるより僕を信じた方が得ですよ。
GM:(←奇妙な棒読み口調で)ウン,キミナラシンジラレル。
晟:そうでしょうそうでしょう。そういうわけで,友達の僕から訊きたいことがあるんですけどね。
GM:トモヨ,ワタシニナンデモキイテクレタマエ……って,そんなに極端に変わるわけねーだろ!
晟:そうですか? 無駄な抵抗はやめた方がいいと思いますよ? ほら,ここで彼に殴られたり拷問されたり腕を折られたり指を一本ずつへし折られたりするよりは……。
ユウキ:そこまでしねえよ!
一同:(爆笑)
ユウキ:てか,おまえは俺をいったいどういう目でみてるんだよ!?
綾:てゆーか,つまりそれがキミの本性なわけなんだな?
晟:え?(笑)
GM:ともかく,友達がそういう脅しをかけるな。術解けるぞ。
晟:えー?
GM:もっと友達らしく語りかけてくれ。そしてまずはこの暴力男を何とかしてくれ(笑)。
晟:わかりましたよ。ほらほらユウキさん,離してあげてくださいよ。
ユウキ:ちっ。
晟:大丈夫ですか?
GM/隊員:「ウー,イタカッタデス」
晟:災難でしたね。でも,あなたの友達である僕がいるからには,もう安心です。
GM/隊員:「オー,トモヨー」(笑)
晟:ええと,それじゃ訊きたいことがあるんですけど……まず,ここで何をしていたんですか?
GM:(黙ってサイコロを振る)
綾:抵抗するなよー(笑)。
晟:するなよー(笑)。
GM:と言っても28だからなぁ……「人を待ってました」
晟:人って誰ですか?
GM/隊員:(ころころ)「……取引相手」
晟:取引相手って誰です?
GM/隊員:(ころころ)「それは知らない」
晟:知らない……って,見たことはないんですか?
GM/隊員:(ころころ)「見たことはある。でも,名前は知らない」
晟:それは,ひょっとして黒い服を着た男?
GM/隊員:(ころころ)こくこく。
晟:あなたは彼とどういう取引をしてたんですか?
GM:(ころころ)……お?
晟:あれ。
GM/隊員:「……それは言えない」
晟:言えない? 知らないじゃなくて,言えない?
GM/隊員:「……言えない」
晟:ユウキさーん,こういうことおっしゃってますけどー?
ユウキ:おらおらてめえ,往生際悪いんだよッ!
GM/隊員:「あべし!」(一同笑)
晟:また気絶するとまずいから,関節技とかの方がいいですよ。コブラツイストとか。
ユウキ:なるほど,じゃあそうことで,めきめきめきっと。
GM:ロープロープロープ! トモヨ,キミハワタシヲミステルノカー!(笑)
綾:(苦笑)えーと……もういいよ気の毒だから……とりあえず,ヤツがどこにいるかだけ訊いておいてくれる?
晟:えーと,その黒い服を着た男とはどこで会うつもりだったんですか?
GM:「あっち」と市内の方を指します。
晟:……この合流地点のあたり? そこで彼が待っているはずだったんですか?
GM:こくこく。
綾:そうか。じゃあそんなところで(ユウキに)落としといて。
一同:(笑)
GM:結局,あんたもその扱いかよ!(笑)
綾:(無視)急ごう。戻ろう。で,あの二人と合流して市内へ行こう。OK?
ユウキ&晟:はーい。
GM:……じゃ,ここでシーンを変えます。