SCENE 7


GM:では次のシーンですが……。
尚也:まずは彼をUGNに連れていくのが先決だろう。今後のことも大谷さんに相談せねばならんしな。
綾:だね。情報屋サンも待たせっぱなしだし,そろそろ戻ろう。
遙:(へろへろした声で)そのことなんですが〜。
晟:ん? 何?
遙:ゆーちゃんの彼女とか〜,お友達とかも〜,狙われるかもしれないので〜,保護してあげた方がいいのでは〜?
晟:うーん,まぁ早々には必要ないと思うけど……それに下手なことすると,このヒトってば怒りだしそうだし。
遙:でも……。
晟:じゃあとりあえずユウキさんを運んで,それからそのお友達だの彼女だのに連絡をとろう。それで間に合うと思うよ。
ユウキ:んで,気絶してる人間から言うのもなんだが。
晟:はい?
ユウキ:いつからゆかりは俺の彼女になってんだよッ! 俺ァロリコンか!?
遙:(へろへろ)だって〜,あの情報屋さんがそう言ってたですよ〜?
ユウキ:へろへろしながら余計な気を回さんでいいっ。
綾:はいはい,君も大人しく気絶してなさいね(笑)。

 一行はユウキをかついでビルの外へ。
 待っていたイサムに,ゆかりちゃん(笑)を連れて隠れているように忠告して,UGNに戻る。

GM:ではユウキは速攻研究室のベッドに縛り付けられて,検査&治療を受けることになりました。
ユウキ:なぜ縛る。
綾:暴れるとマズイからじゃない? ちなみに俺は大谷んとこに報告にいきますよ。
GM:じゃあシーンプレイヤーはお父さんかな。どこまで報告する?
綾:相手大谷でしょ? 全部報告するよ。例の石のことと,ユウキのことと,あと千葉のこともだね。
GM/大谷:「そうか……あの男が15年ぶりに現れたか」
晟:え? 15年?(笑)
GM:大谷が認識しているところでは15年ぶり。てーか,その話はまた次回。「で,また何か言ってきたのか」
綾:さぁ,よくわかりませんが,「黒衣の男に気をつけろ」と。
GM/大谷:「何だい,それは」
綾:知りません。意味不明です。それと,やっぱり千葉は松山さんと新条さんを狙ってるみたいですよ。
GM/大谷:「うーん……やっぱりあの2人なのか……」
綾:いいんですか,あの2人をこのまま実戦に投入しといて。
GM/大谷:「あの2人?」
綾:晟くんと遙ちゃんですよ。
GM/大谷:「だからって,千葉ばかり気にして動かないわけにもいかないだろう」
綾:そりゃそうなんですが……。
GM/大谷:「それに私の勘だと,彼らはまだ千葉には狙われないと思う」
綾:どうしてです?
GM/大谷:「何せヤツは,おいしくなってからでないといただかない主義だからな」
綾:おいしくなってからって,アンタな。
晟:大谷,霧谷サンがのりうつっとらんか?
GM:大谷も成長してますから(笑)。
綾:それはともかく,彼のことなんですけど。草薙ユウキ。
GM/大谷:「ああ,私も後で様子を見にいってみましょう」 んで,今は皆で研究室に集まっていると思いねえ。ユウキはまだ目を覚まさないね。
遙:(←とりあえず《癒しの水》してもらった)ずいぶんよく寝てるのですねえ。
晟:てか,起きるのかなこの人。
GM/大谷:「まさか,このままということはないでしょう」と言って,大谷は例の宝石が嵌っていたという右腕を持ち上げたり撫でたりしている。
ユウキ:撫でるのッ!?
一同:(爆笑)
遙:ああ〜!? 冷静になって考えると,相当気持ち悪いのです〜!
綾:大変だユウキ! 怪しい男が近づいてきているぞ! 早く逃げろ!
ユウキ:逃げたいところだけど気絶してるから逃げられない! 誰か何とかしてくれ!
GM:(慌てて)本当にそういうつもりはなかったんですが。
晟:でも,僕の聞いた話では所長は男キラーということで……。
キルスティン:(何故か背後にいた)それは本当よ。
晟:うあっ!?
キルスティン:(重々しく)私は確かめたのよ。
一同:何をっ!?(大爆笑)
キルスティン:決まってるじゃない,私はエンジェルハイロゥよ。姿を消して真の部屋に忍び入っていたのよ。
ユウキ:ストーカーかアンタ。
キルスティン:いえタダの覗きよ。
晟:同じだ!
GM:威張って言うな!
尚也:(←何故か一人で冷静)で,この人は一体誰なんです。
GM:キルスティンというヒトです。所長の愛人です。
ユウキ:遠くから見てるぶんなら眼福だが,近くに寄って欲しくないというか。
綾:鬼ババです。
晟:あんまりお近づきにならないほうがいいです。
キルスティン:失礼ね。私は日本政府や司政局高官ともツテがあるのよ。
尚也:ほほう?
キルスティン:私と友達になっておくと色々便利よ?
尚也:ほほう。それではもしや,私の弟の情報も?
キルスティン:いえそれは知らないわ。
一同:ダメじゃん。
キルスティン:私が知っているのは……そう,大谷真は男キラーで,ある日楓と二人っきりでいる時に……。
一同:そのネタはもうええから!!(爆笑)

 そして高笑いしながら隣の卓に戻っていくキルス(のプレイヤー)。
 てか,マジで何しに来たんだ。
(こんな会話をいちいち収録してる私も私だが)

GM:話を元に戻しましょう(笑)。その頃のユウキくんですが。
ユウキ:は? 俺気絶中っすよ?
GM:気絶しながら変な意識体と交信中なのだ。
遙:ほえ? つまり電波ですか?
一同:(笑)
綾:それってどんな電波なの?
晟:(ぼそっと)夢を見ていました。夢の中の私は,またあの人に出会っていました。
GM:夢の中のあの人は,とってもバカで乱暴で,ロクに金も稼いでこない甲斐性なしのダメ人間で……(笑)。
ユウキ:ええい,やかましい! 散れ散れ電波!
GM:それは冗談として,交信の相手は不明である。
ユウキ:男とか,女とかもわからんですか。
GM:人かどうかもわかりません(笑)。しかも,微妙に何言ってるかわかりません。
ユウキ:ったく,るっせーなー……静かに寝かせろよ……。
GM/声?:「同志を探せ……同志を探し出すのだ……」
ユウキ:はァ?
GM/声?:「……気をつけろ……『始まりの者』には……気をつけろ……」
ユウキ:始まりの者?
GM/声?:「この地の……始まりの……」
ユウキ:おい?
GM/声?:「……我は汝なり……汝は我なり……」
晟:ペ,ペ○ソナ?
GM:(無視)「行け……同志を探せ……」
一同:……?
ユウキ:がー! いいかげんうざってー! おまえは一体何なんだよ!?
GM:と,怒鳴ったところで君は目を覚まします。そこは知らない部屋で,他のメンツが君を見下ろしていますね。
遙:あ,ゆーちゃん目が覚めたのですか。
ユウキ:……あん? どこだ,ここは。
綾:UGNの支部だよ。気分はどうだい?
ユウキ:あ,そういや例の宝石は?
GM:とりあえず影も形もない。君の右腕もフツーだね。
ユウキ:……一体何があったんだよ。
綾:さあね,それはこっちが知りたいよ。とにかく,例の宝石が犬から君の右手に移ったように見えたんだが……。
ユウキ:あの犬は?
尚也:宝石がとれた途端に普通の犬に戻って,逃げていったな。
ユウキ:よくわかんねえけど,世話になったみたいだな。俺はこれで帰る。
晟:え,ちょっと?
綾:こっちの話は終わってないんだが……。
ユウキ:俺にもう話はねえよ。
GM/大谷:「帰るということなら,部下に送らせますが?」
ユウキ:いらねえよ。一人で帰れる。
GM/大谷:「ゲートはどうするんです?」
ユウキ:ゲート? ……ここ,市内なのか?
晟:そうですよ。あなただけでどうやって市外に出るつもりなんです。
GM/大谷:「(にっこり)騒ぎは起こさないでいただきたいんですが?」
ユウキ:…………。
GM/大谷:「そうそう,それと君にお願いがあるんですが,これからは定期的にここに通ってくれないでしょうか。もちろん,通行許可は手配します」
ユウキ:何のために? 定期検診ってか? 俺は実験動物じゃないんでね。遠慮する。
GM/大谷:「そうは思っていない。人間だからこそ,検診が必要なんです」
ユウキ:…………。
GM/大谷:「もちろん,お礼はいたしますよ?」
遙:(ぼそっと)その時,彼の耳に再び幻聴が聞こえてきた。
晟/ゆかり:「ユウくん……米と味噌と野菜と醤油……」(一同笑)
ユウキ:…………。
綾:(にやり)もうトラックに用意はしてあるんだよ。
晟:はい,おおよそ1ヶ月ぶんの米,味噌,野菜,醤油,その他もろもろです。
綾:でも,どうしようねコレ。
尚也:もう来ないということなら,必要なかろう。
ユウキ:……わーったよ! 来りゃいいんだろ,来りゃっ!
綾:これからもよろしく頼むよ。とりあえず,家まで送っていこうか。
GM:では,ここでシーン変えます。

 

SCENE 8


GM:で,エンディングなんだが……今回はホントにさわりなんでねえ。ユウキだけだな。
晟:僕ら何もなしですか?
綾:いや,家に帰ったら『祝!初陣』パーティーが(笑)。
遙:わーい,お母さんのショートケーキだ! 嬉しいです!
晟:いやケーキはもうええから!
GM:そういうエンディングをして欲しければやってあげるが?
晟:いえ,結構です(泣)。
GM:じゃあユウキだな。
ユウキ:おう。今帰ったぜ。
晟/ゆかり:「おかえりなさい,ユウくん……あ,お米とお味噌とお野菜だ!」
ユウキ:あー,まぁな。
GM/イサム:「はっはっは,すげーだろゆかりちゃん!」
ユウキ:おまえが一体何したってんだよ。
GM/イサム:「何を言うユウキくん。これというのも,俺が苦心して探してきた仕事が,こーんなにワリのよかったおかげなんだぜ?」
晟/ゆかり:「すごいです。私,ユウくんがこんなに甲斐性アリに見えたのって初めてです」
ユウキ:…………。
GM/イサム:「(横から)だっろー? これからもこの山崎くんを頼りにしてちょーだい。な,ユウキ?」
ユウキ:だぁら,てめえは一体何したってんだよ!(殴る)
GM/イサム:「何でいちいち殴るんだよっ!?」
ユウキ:うるせえっ!
GM:あー,そうこうしているうちにゆかりちゃんが,君をじっと見つめて,
晟/ゆかり:(←まだゆかりちゃん)「……ユウくん,右手どうかしたの?」
ユウキ:あ? ……別に何ともなってねえだろ。
晟/ゆかり:「でも,さっきから右手気にしてない?」
ユウキ:そんなんじゃねえよ。
晟/ゆかり:「でも……」
ユウキ:いいから,気にすんな。俺はいつも通りだよ。
晟/ゆかり:「うん……」
GM:じゃあゆかりちゃんは首をかしげながら黙りますね。
ユウキ:俺は右手をちらりと見て,けっ,とか呟いてますよ。
GM:では,短いですがこんなところで今回のシナリオを終了させていただきます。
一同:お疲れ様でしたー。

 

どもども,遙なのです〜。
皆さん読んでくれてありがとうです。
えと,「こっちのほーがらくだから」とかまついさんがゆっているので,私が次回予告するです。
次回は黒い服をきた「ふりょー」な人が出てきて,でもその人は黒い服を着てるけどちーちゃんじゃないよってあきちゃんは言ってました。その人をみんなで捕まえに行くお話です。あきちゃんも綾さんもゆーちゃんも一緒です。なおちゃんも他のお仕事があるから,とか言ってたので一緒に来てくれました。みんな一緒で楽しいです。あ,そうだ。なおちゃんと同じお顔をした人がいて,その人は黒い服のおにーさんとお友達みたいです。綾さんが「すとれんじゃーず」だよって言ってました。えとそれからそれから,線路でリボンとかハートとか作って遊びました。楽しかったです。遊んでいたら私はちょっと大きいあきちゃんにゆーかいされちゃってびっくりです。ゆーちゃんは3回まで「ひっさつぱんち」が使えます。すごいです。えと,それから……ほえ? 誰ですか?

ちなみに,次回からは俺が主人公として活躍します。
少しは面白くなると思うよ。ご期待ください。
あ,そうだ。
どうでもいいけど,人を勝手に「ふりょー」にしないでくれるかな,お嬢さん。

ほえ? お兄さん誰なのですか?
てゆーか,どこへ連れてくですか〜?

Next, “Double Solitaire,” see you later.

(注:上記予告は相当嘘っぱちなので信じないように)