GM:さて……では次のシーンなんですが,Xデイになるまでにすることある人いますか? いなければ進めてしまいますが……。
真:(手をあげて)はーい。
紫音:はい,俺も。
キルスティン:あ,ちなみに2人とも解散してから何かするんですか?
紫音:そうだけど?
キルスティン:その前に私,皆に言いたいことがあったんですけど。
真:そういやそんなこと言ってたなぁ。
キルスティン:忘れないでくれよぉ。大事なことなんだよぉ。
GM:とか言いつつピーピングにうつつを抜かしてたのは,どこのどいつだ。
キルスティン:(無視)あのね,私,皆に頼みがあるの。
GM:だからいきなりシリアスになるな!(笑) えーと,じゃあ時間を戻しまして,まだ泪ちゃん家にいるということで。シーンプレイヤーはキルス。
真:ところで相模原さんはどうしてんだ?
GM:泪ですか? さっき「もぉ知りません!」と捨てセリフを残して自室に閉じこもってしまってます。
キルスティン:そうなの? 泪ちゃんにもお願いしたかったのに。
GM:キミ,それはちょっとムシがいいとか言わんかい?
キルスティン:どして?
GM:…………。
一同:…………。
GM:いや,いい。とりあえず話を進めてくれたまへ。
だからキルスティン,キミはそういうトコが……。
私的にはキミのそういうとこは好きだが……。
キルスティン:あのね。みんな霧谷さんから,ユージン叔父さんの抹殺指令って,出されてる?
紫音:……いや?
真:とりあえずそういう話は聞いてないが……何でだ?
キルスティン:あのね,桂子さんが言ってたんだけどね。もし千葉を倒したいなら,一度薬で叔父さんに戻すのがいいんじゃないかって。
真:それでまた千葉に戻る前に殺す,か。なるほどな。
キルスティン:そういう話って,聞いてる?
紫音:聞いてない。聞いてないが,あり得ない話じゃないな。
キルスティン:やっぱそうなの?
紫音:知らね。てゆーかむしろ,UGNに千葉をどうしても倒さなきゃならない理由はないんだぜ?
キルスティン:あ,そうか……。
紫音:だからやっこさん次第だろうな。このまま遠いアメリカのお空へ行っちまうかも知れないし,逆に俺たちに敵対してくることも充分あり得るわけだから。で,もし戦うことになった場合は……。
真:悪いが,俺でも桂子さんの案を採るだろうな。
キルスティン:…………。
紫音:あの薬がそんなに便利かどうかは別だけどな。
真:でも一度ユージンに戻してるだろ。試してみる価値はある。
キルスティン:ちょっと待って。あんたたちも,千葉を倒すためなら叔父さんを殺してもいいと思ってるの?
一同:…………。
キルスティン:私はどうしても叔父さんを救いたいのよ。父さんが死んだのは私のせいだし,こないだはママも助けられなかった。私はこれ以上,家族を死なせたくないのよ。
真:どうやって?
キルスティン:え?
真:ユージン・エヴァレットを助けたいというおまえの気持ちはわかる。でもどうやって? 少しでも方法があるんなら,俺も考えてやらんでもない。何か考えがあるか?
キルスティン:…………。
真:ないだろうな。俺にだってない。皆目わからん。
紫音:とゆーか,ユージンはすでに生きてないと思う。俺は。
キルスティン:それ,どういうイミ?
真:あいつは「自分」ってものを理解できなくなってるんじゃないか,ということさ。それは人間として「生きている」とは言わないだろ?
紫音:確証はないんだけどな。
キルスティン:(GMに)そうなの?
GM:さあ,そういう推測ができるほどユージンと接してないからね君ら。
紫音:接触する前に消えたじゃないか(笑)。
GM:そうとも言うが(笑)。まあキルスよ,ユージンについて聞きたきゃ,千葉にきいてくれ。UGN側にその情報を求めるな。霧谷さんも桂子さんも知らないから。
キルスティン:うーん……。
GM:千葉の真意はさておき,GMとしてはそのために千葉とキルスのからみって作ってるんだわ。今回。
キルスティン:と,いうことは? 一応叔父さんが助かる可能性はあるわけ?
GM:ゼロではない,としか言えんな。
真:(ちらりとGMを見る)ま,そういう手も使えなくはないですが……。
紫音:例の話か? 俺は反対だな。リスクが高すぎる。
キルスティン:……何の話よ。
紫音:それはまだ言えない。口止めされてるんでね。
GM:あー,ちなみに霧谷さんが口止めしてるのは,別にいぢわるとかじゃなくて。
真:わかりますよ。キルスって演技できませんからねえ。どう考えてもコイツから千葉に漏れる。
キルスティン:な,何? 何なの? 何の話?
真&紫音&GM:…………。
キルスティン:だー! 何だコイツらー! 気になるじゃないかー!
咲耶榎:ちなみにキルスティンさん。私も何のことかさっぱりわかりませんから大丈夫です。
キルスティン:何が大丈夫なんだー!?
真:(ため息)話を元に戻すぞ。とにかくおまえがユージンを助けたいというのは,止めない。できる限り協力もする。ただし,優先順位ってものがある。
キルスティン:優先順位?
真:俺と紫音の最優先目的は,ファルスハーツから光や茶山たちを守ること。それから千葉がちょっかいかけてくるようならそれを阻止する。
紫音:アンタの叔父さんは優先順位としてはかなり低いよ。だいたい,ユージンを助けることは,イコール千葉と完全に敵対することなんだからな。
キルスティン:…………。ごめん。
真:千葉に関して言えば,一番いいのはヤツの企みだけつぶして,ヤツ自身には手は出さないってことなんだ。リスクはでかいし,だいたい倒してもたいして意味はない。
キルスティン:でもアイツが諸悪の根源ってわけじゃないの?
紫音:いや? 違うだろ。
咲耶榎:やってることは愉快犯的ではた迷惑ですけどね。諸悪の根源かどうかは……。
キルスティン:え? でもさぁ,歩ちゃん使って“フィーヴァー・ドリーム”まいたりしてるし……。
GM:ま,千葉についてはGMだってよくわかっていないので。
一同:おい!
GM:そうは言うが,アナタだってちゃんと設定考えてなくない?
紫音:(←しつこいようだが前回GMの人)多少は考えてあったぞ。
GM:ホントに「多少」じゃないかあんなん。
紫音:とゆーか俺は千葉をラスボスとして使うつもりはなかったぞ。ラスボスは神楽のつもりだったんだ(笑)。
GM:ぐ……。
真:なんかそういう先行きの不安を煽るようなこと言わないでください(笑)。
紫音:ま,話を元に戻すとだ。千葉はもちろん放っておくとロクなことしない。ただし,UGNとしては,こうむるリスクを計算にいれれば,どうしても叩いておかなきゃならないってことでもない。あんだすたん?
キルスティン:……つまりUGNとしては,叔父さんを助ける気はないってわけ?
紫音:そりゃそうさ,UGNは組織なんだから(と真を見る)。
真:おまえの友達としての俺らは,おまえを助けるぞ。やれる限りはな。
キルスティン:……ありがと。
紫音:一応釘はさしとくぜ。俺たちがユージンを助けるのはあくまで「おまえの叔父さん」だからであって,本人には何の義理もないからな。もし咲耶榎や松山たちがそのせいで危険にさらされるようなことになったら,俺はあっさりユージンを見捨てる。わかったな?
キルスティン:そんなことになったら,私が千葉を殺すよ。
紫音:“フィーヴァー・ドリーム”を使ってか? それもオススメしないけどな……。
真:(咲耶榎に)あんたとしてはどうなんだ?
咲耶榎:(肩をすくめて)さあ? これからその当人とデートする立場の人間としては,どうなんでしょうね。
キルスティン:…………。
咲耶榎:ここで考えてたって仕方ないですよ。私も,あの人と話してみなけりゃ,自分がどうするのかわかりません。
GM:(苦笑)というか予想外に長くなったな,このシーン。そろそろ変えるぞー。いい?
キルスティン:いいんだけど,うーん……。
GM:とりあえず,考えていてくれ。シーン変えます。 |