SCENE 9


GM:というわけでキルスティンのシーンなんだけど……。
キルスティン:はい。
GM:……ロクなことになりそうもないな。
キルスティン:何で。
GM:だって,まず,何する気?
キルスティン:とりあえず楓改造計画。
一同:はい!?
キルスティン:あたしとしてはね,楓をまったく違うキャラに変えてやりたいなあ,とか。かわいくてかよわくて素直で従順で……。
紫音:「さあ,何をして遊びましょうか?」(笑)
真:気持ち悪いからやめれ! マジで!
キルスティン:ふっふっふ〜♪
GM:ま,大谷くんや。がんばってキルスの魔の手から楓ちゃんを守ってあげてや。
真:……ううう……(←やはり今回も貧乏籤)。
村瀬:しかし,何だね。いっそ病院に入院させるって手はなかったの。
GM:でも一般の病院になんか入れたら,何かあった時大変だからね。
紫音:記憶が戻った時が大変(笑)。
GM:しかしUGNとなると,今みんな忙しいんでそれどこじゃないと。まあほら,大谷に任せておけば安心と思ってるんだよ。泪も霧谷さんも。
真:そういう問題ですか!? 面倒なことはみんな俺におしつけようとしてませんか!?
GM:…………。
真:何で黙るんですかあんたわ!
キルスティン:さあ楓ちゃん,こっちが教室よ♪
GM:楓はおとなしくあとをついて行きますが(笑)。
キルスティン:迷子になるといけないから,手ひっぱって歩きます。ほらほら,いい子ね楓ちゃ〜ん♪
一同:(爆笑)
真:はい登場します登場します! そこ,何をやっとるか!
キルスティン:ん〜? 教室まで案内してあげようと思って〜。
真:手つなぐ必要ないやろが。
キルスティン:あらあ,スキンシップって大事よ。ねえ?
GM/楓:「…………? はあ」
真:おいキルス! ツッコミと正拳とふざけんなコノヤロ,3択だ。どれがいい?
キルスティン:あん? 何よ。何だってのよ。
GM/楓:「あの,すみません。僕が迷惑をかけてるみたいで……」
真:ああ,いいんだ。おまえさんのせいじゃないから。
キルスティン:いい子ね楓ちゃんは〜。なでなでなで。
真:やめんかいおまえわ!
GM:ではクラスに入っていくと,おおーッ!?とどよめきが。
キルスティン:どよめくんかい。
GM:そりゃどよめくでしょ(笑)。
キルスティン:でも全然気にしなぁい。さーあ楓ちゃん,こっちよぉ〜♪
真:…………。こいつわ……。
GM/クラスメイト:「あれ,大谷,もう病気はいいのか?」
真:ああ,何とかな。
GM/クラスメイト:「(声をひそめて)なあ,アレ,一体なんだ?」
真:ああ,アイツは新条楓といってだな。俺の従弟なんだ。
GM:またイトコ(笑)。
真:(投げやりに)ああ,親が兄弟多かったんでな。
GM/クラスメイト:「で,あれ,もしかしてキルスさんの彼氏なのか?」
真:違う。あいつな,ちょっと事故にあって,記憶喪失なんだ。で,俺があいつの両親から面倒みるように頼まれてるんだが,それをキルスに話したらあの始末でな。
GM/クラスメイト:「なるほど……つまり,毒牙?」
一同:(爆笑)
真:そう思ったら,フォローしてやってくれ……。
GM/クラスメイト:「いや,でも俺,キルスさん怖いし」
真:殴れば平気だ,あんなの。
GM/クラスメイト:「いや,でも殴り返されそうだし」
真:ところで,茶山さんと水上さんは?
GM/クラスメイト:「ああ,何か病気で……どうしたんだろうな。そう言えば,相模原さんも休んでるな」
真:あ,相模原さんは親戚の方で危篤の人がいるとかで。
GM/クラスメイト:「何でそんなこと知ってるんだ? なあおい,おまえ,相模原さんとつきあってるって噂は本当だったのか?」
真:嘘だ。
一同:(笑)
村瀬:ああ,ここに久島がいれば即座に「ホントだ!」って言えたのに!
真:だから,おまえは出てこんでいい! そんなことより,ホントに楓のこと,よろしく頼むよ。
キルスティン:ちなみにあたしはどっかから椅子を持ってきて,自分の隣に置きます。ほーら楓ちゃん。ここがあなたの席よ〜♪
真:そこ! 人の席をずらすんじゃない!
キルスティン:んー? ずらしてないよぉ。椅子を持ってきてるだけ。
GM/楓:「あのぉ,机がないんですが……」
キルスティン:細かいことは気にしなぁい! いいからここに座んなさい!
真:(クラスメイトに)……悪いんだけどさ。おまえら協力してくんないか? あいつ,俺の隣でいいか?
GM/クラスメイト:「やっぱ毒牙か?」
真:毒牙だから。
GM/クラスメイト:「毒牙だよな」
真:毒牙だ。
GM:ところでそろそろ朝礼なんだけど……。
キルスティン:さーあ楓ちゃん,朝礼行きましょうね〜。ここに並ぶのよ。それで,転校生が紹介されたら歌って踊らなきゃならないのよ♪
紫音:曲はやっぱり『学園天国』(笑)。
真:てゆーか,建設的に話を進める気があんのかいアンタわ!

 いや,ないわけではなかったらしい。
 彼女は彼女なりに,千葉桂子のことをクラスメイトや(生物の授業を受けている)3年の先輩などに訊いたりしている。
 ただし,この時点で,というか一般生徒が千葉先生の何を知っているわけでもなく,有益な情報はゼロ。
 結局,彼女がゲットしたのは,友人に頼んでとってもらった楓とのツーショット写真であったという……。

キルスティン:デジカメ持ってきてんのよ。でね,楓にはにっこり微笑んでもらってね。あたしは楓と腕くんでね,ぴーす!
GM:……いいけど,その写真何に使うのさ?
キルスティン:あとで正気に戻ったら笑い者にする。
真:だぁら! 建設的な方向に話をもっていかんかい!(笑)

 というわけでちっとも建設的じゃなかったので,省いたぞキルスよ。
 文句はないな。
 もっとも,松井もそれに乗じて遊びまくっていたのだが,そんなのはリプレイに収録しないのである。
 はっはっは(←おい)。

 

SCENE 10


GM:では久遠紫音にシーンをまわすのであーる。朝礼の間どうしてた?
紫音:保健室で寝てた。でもちゃんと千葉桂子の動きはチェックしてたよ。
GM:そっちには特に動きはない。で,朝礼が終わって校舎に入っていくけど。
紫音:先生って,生徒より先に撤退するよね?
GM:んー? か,どうかは知らないけど,千葉先生は担任ないし。先に引き上げるかもね。どうして?
紫音:今のうち,目立たないように会いにいってみようと思う。俺は授業サボるけど,あちらさんは?
GM:朝いちの授業はないようです。現在は生物準備室におるそうな。
紫音:ではノックして入ります。先生,ちょっとよろしいですか?
GM/桂子:「はい,どうぞ? ……あら? あなた……」
紫音:ちわーす。2年B組の久遠といいますがー。
GM/桂子:「……2年生が私に何か用? 授業のことじゃないでしょう?」
紫音:実は先生,ボク深い悩みがあるんです。聞いてもらえませんか?
GM/桂子:「(そっけなく)私はカウンセラーじゃないわよ」
紫音:いえ,いいんです。できれば年上の美しい女性の意見が聞きたくて!
GM/桂子:「私,忙しいんだけど?」
紫音:まあそう言わずに。ねえ先生,あなたによく似たカワイイ男の子ってどう思います?(笑)
GM/桂子:「……それはあなたがたの恋愛関係の話? いいんじゃないの? 私,そういう方面に偏見はないから。興味もないけど」
紫音:うーん……。
真:直接名前だしちゃっていいんじゃないですか?
紫音:うーん……ところで先生,さっきから何やってんですか?
GM:「新しい論文の準備よ。授業の準備がない時は,ここを使わせてもらってるの」ちなみに彼女は,パソコンつけて,分厚いファイルをめくっている。それと傍に立ててある試験管の中身,妙に毒々しい緑色である。
紫音:…………。
鷹村:それ,例のスライムの……。
GM:それっぽいカンジはするね。
紫音:パソコンの画面とか,どうです?
GM:化学式……というか塩基配列ですな。でも久遠紫音には理解できないと思うけど。あ,いや,ノイマンだからいいのか。じゃあ《天性のひらめき》かなんかで,内容が理解できたことにしてもいいけど。
紫音(ころころ)……6。
GM:ダメに決まってるだろ,そんなの(笑)。「それで,何の用なの。悩み相談なら悪いけど他でやってちょうだい。何なら,担任の先生に連絡してあげましょうか」
紫音:うーん。とりつくシマもないなあ……じゃあちょっと賭けになっちゃうけど,訊いてみます。先生,新条楓って生徒は知ってます?
GM/桂子:「さあ,そんな生徒ウチにいたかしら?」
紫音:昨日転校したきたらしいんですけど,そいつがね……(声をひそめて)先生にソックリなんですよ。
GM/桂子:「そう。世界には似た人間が3人はいるっていうからね」
紫音:…………。あれ。
真:まったく,何の反応もなし?
GM:いや,反応はあるんじゃないか? やっぱり一瞬,ぴくっと手が震えるとか。
紫音:なるほど。それで充分だ。それじゃ先生,どうもお邪魔しました。
GM/桂子:「……あなた,いったい何しにきたの?」
紫音:うーん……(笑)。

 実は皆忘れてるぞ。
 千葉桂子=新条桂子を証明したところで何の進展もないということに。
(GMも忘れてた)

紫音:(困って)じゃあ,霧谷さんに連絡とります。
GM/霧谷:「何だ,久遠か。今授業中じゃなかったのか?」
紫音:自主休講したさ。そんなことはどうでもいいんだけどさ。千葉桂子って,他にもっと資料ないの? 情報少なすぎなんだけど。
GM/霧谷:「うーん……今,端末持ってるか?」と,いって,ある映像が送られてくる。今とあんまり変わらない,20歳くらいの千葉桂子の写真ですな。
紫音:こいつが,どうかしたの。
GM/霧谷:「その学校にいる千葉桂子は,やっぱりそういう顔だよな」
紫音:は? 何言ってんの?
GM/霧谷:「実は,それは13年前の写真だ。彼女は当時32歳。今は45歳になるはずだ」
紫音:……彼女は,不老長寿とかなのかい。
GM/霧谷:「さあ,わからん。とにかく,それが君たちの見た千葉桂子だということは間違いないんだな?」
紫音:そうだけど,どういう意味?
GM/霧谷:「すまん,ちょっとこちらでも調べたいことができた。後で村瀬にでも連絡しよう」と,いうわけでちょっとここでシーンをきらせていただきます。

 

SCENE 11


GM:それじゃ,村瀬のシーンで……やっぱ情報量が少ないよな。村瀬に電話がかかってきます。霧谷さんから。
村瀬:はい?
GM/霧谷:「マズイ事態になったよ。松山くんの容態が急変した」
村瀬:本当ですか?
GM/霧谷:「ああ。それでだ。今回の指令は千葉桂子を『監視しろ』だったが,事情が変わってきた。君は彼女を何としても我々に協力させてくれ」
村瀬:すみません,話が見えないんですが,千葉と松山くんにどういう関係が?
GM/霧谷:「うん,それは少々複雑な話になる。……さきほど久遠に確かめたんだが,『千葉桂子』の容姿が我々のファイルにあったある人物と一致した。
村瀬:それ,千葉京介の件と別件ですか?
GM/霧谷:「そうだ。13年前,“スリーパー”と呼ばれるオーヴァードを日本に亡命させた男女がいる。ひとりは神楽。もうひとりが千葉桂子だったというわけだ」
村瀬:神楽って,あの神楽ですか。
GM/霧谷:「そう,前回の事件の主犯だよ」
村瀬:その“スリーパー”というのはいったい……。
GM/霧谷:「私も詳しくは知らないんだ。わかっているのは,アメリカ人男性で,“フィーヴァー・ドリーム”が検出された最初の例。“スリーパー”は何でも国防省だかユーサムリッドだかがつけたコードネームらしいな。それはともかく,彼女はその時点から“フィーヴァー・ドリーム”の貴重なサンプルを得ている唯一の研究者だ」
村瀬:なるほど。松山くんを治療するために,彼女の持っているノウハウが欲しいというわけですな。
GM/霧谷:「その通りだ」
村瀬:しかし,大人しく協力するタイプには見えませんが。
GM/霧谷:「だろうな。だから,彼女の持っている研究データを奪うなり,いっそのこと彼女を拉致するなり,方法は君に任せるよ」
村瀬:……いいんですか,それ。
GM/霧谷:「我々も全力を尽くしているが,松山くんを救うためには少しでも確実な方法をとりたい」
村瀬:了解しました。まあ,今回は人員も豊富なことですし,やってみますよ。
GM/霧谷:「ああ,頼む」
真:しかし,素直に頼むって方法は考えんのかね(笑)。
村瀬:(無視)ところで,今時間は?
GM:まだ昼休み前ってとこでしょ。特にすることないならシーン変えるよ。
村瀬:一応全校生徒の名簿とか,千葉桂子の授業時間とかのデータは揃えておきますが。
GM:そんなもんだね。それは了解。では,シーンきります。

 

SCENE 12


GM:じゃあシーンプレイヤーは鷹村だな。
鷹村:え?
GM:少し動こうね! 昼休みだよ!
一同:(笑)
鷹村:うーん。でも,動けって言われても,実際することないし。
真:それじゃダメだ! することは見つけるんだ!(笑)
鷹村:うーん。じゃあ保健室に行ってみます。
GM:では村瀬は登場してくれ(笑)。
村瀬:やあ。生理痛はもういいのかい?
鷹村:そのネタはもういいから。
村瀬:そうか。
鷹村:…………。
村瀬:…………。
GM:…………。
真:はいはい,登場します! あれ,何だ,鷹村か。どうかしたのか?
鷹村:その後,何か動きはなかったかな,と思って。
真:ああ,俺もそれを訊きに来た。
村瀬:うん,動きはあったんだよ。ちょっと説明するのが大変そうだけど。
真:千葉桂子について,何かわかりました?
紫音:はーい,情報第一弾〜と言ってベッドから起きあがってきます(笑)。
鷹村:いつの間に?(笑)
村瀬:君も,生理痛はもういいのかい。
真:はいはい,生理痛はもういいから!
紫音:うんうん,それでね。写真をぴっと出して,このネタ買わないか〜い?
真:何だ,それ。
紫音:で,表を向けると,今とまったく変わらない千葉桂子の顔があったりするわけだな。
真:千葉桂子だろ。
村瀬:これがどうかしたのか?
紫音:これが13年前の写真だとしたら,どうする。
真:…………。
村瀬:……オーヴァードやジャームって成長や老化が止まるってあったっけか。ないかな。
紫音:俺の知る限りではないけどねー。でもフィーヴァーなんたらとかいうわけわかんないウィルスもでまわってることだし,何あってもわかんないじゃん。
鷹村:それは確かに。
真:でも別人じゃなければな。
紫音:いやあ,俺の女の子レーダーが本人だと告げているのだよ。
真:あんたねえ。
鷹村:(あっさりと)で,それどこで見つけたの。
紫音:んー? いや,さっき霧谷のオヤジが送りつけてきたんだけどさ。そいで,まだ調べてみたいことがあるとか言っててさ。村瀬さんに連絡するっていってたけど?
村瀬:そうそう,こっちにも霧谷さんから連絡があったぞ。何でも松山くんが……。
真:ヤツに何かあったんですか!?
村瀬:ああ。容態が急変したそうだぞ。
真:って,落ち着き払って言わないでくださいよ!
村瀬:まあ聞け。例の“フィーヴァー・ドリーム”に彼も感染しているというのは話したろ? UGNのスタッフもがんばっているらしいが,ことは刻一刻を争う。専門家の知識が欲しいんだそうだ。
鷹村:専門家?
紫音:ふーん。それが千葉桂子ってわけ。
村瀬:そうそう。何でも,“スリーパー”という“フィーヴァー・ドリーム”の感染者第1号を神楽と一緒に日本に連れてきてるらしいぞ。
真:神楽と? 神楽って,あの神楽?
鷹村:クロじゃん。
紫音:クロだな。
村瀬:(あくまでのんびりと)ともかく,それで本部から指令がくだったんだが,千葉桂子を何とかして協力させろということだ。
真:どうやって。
村瀬:それはもちろん,彼女が持っている研究データを奪うもよし,拉致って無理やり言うこときかすもよし,だ。
真:あんた平然とひでえこと言ってますな。
村瀬:霧谷さんがそう言ったんだよ。何せ,時間がないからなあ。
紫音:そうそう,ちなみに彼女は何か論文書いてたぞ。
村瀬:そうか。それが研究レポートかな?
紫音:さあ,そこまでは。でも,アヤシイ緑色の液体片手だったぞ。
鷹村:クロじゃん。
真:クロじゃねーか。
村瀬:うーむ。クロだな。しかし,彼女はこの写真を見てもわかる通り,恐らく強力で,しかも今までにない力を持ったオーヴァードと考えられる。迂闊な接触は控えなければな。
GM:(あ,いや,そうじゃないんだが……)
紫音:しかも超美人。
鷹村:それに何の関係が。
真:美人NPCは強い場合が多い(笑)。
紫音:そうそう。
村瀬:なおさら慎重にあたらねばならんな。
GM:…………。
紫音:しかも似てるしな。
真:楓にか。
紫音:あそこまで似てると他人とは思えないねえ。いやぁ実はね。さっきちょっと探りいれてみたんだわ。でもダメだね。あそこまでカタクなってる女は扱いづらくて。
鷹村:何の反応もなかったのか?
紫音:いや。楓の名前だしたらちょっと顔色変わったよ。
真:おい,そこまでやったのかよ。
紫音:だって,他に突破口もなくてさ。まずかったか?
真:キルスの話じゃ,楓の暴走の原因は母親みたいだぜ。あんまり下手につつかない方がいいんじゃないのか?
紫音:じゃあどうすんのさ。
真:うーん……。
GM:で,鷹村どうする?
鷹村:え?
GM:え,じゃなくて。
村瀬:あ,そうか。シーンプレイヤーは鷹村だった。
一同:(爆笑)
真:だからしゃべれ! 動け! 働け鷹村!
鷹村:やってるよ。だから,とりあえずこのままじゃ動けないだろ? 分担して情報収集を続けるしかないんじゃないのか?
真:…………。
鷹村:何。
真:いや,いきなり建設的になったな鷹村,と思って……。
鷹村:…………。

 でもやっぱりしゃべらない鷹村(笑)。
 そして,話し合いの結果,4人の分担は紫音=千葉桂子のマーク,大谷=楓の面倒,村瀬=アンナに桂子のことを聞いてみる,鷹村=泪に楓と桂子のことを聞いてみるとなったのだった。
 でも何故泪だろう。
 他に情報ソースが少ないからか(笑)。

鷹村:では泪さんに電話しますよ。
GM/泪:「はいっ,現在非常に多忙の相模原です! これから不通になりますよー。ご用件をどうぞ」(笑)
鷹村:……やあ。
GM/泪:「あら,鷹村さんですか? お久しぶりです」
鷹村:うん,久しぶり。
GM/泪:「それで? あの,今日はちょっと忙しくて」
鷹村:松山の容態がおかしくなったって?
GM/泪:「そうなんですよ。どうも,あの薬がきかないみたいなんですよね」
鷹村:そうか。大変だな。
GM/泪:「そっちの様子はどうです? あの,楓は?」
鷹村:ああ,まあ変わりはないよ。
村瀬:ある意味変わっちゃったけどな。
一同:(笑)
真:あれ「変わりはない」というのか?
紫音:つーかすげえヘンだって(笑)。
鷹村:そんなこと言われても,だってモトの楓を知らないもん。そんなことよりさ相模原。その楓のことを聞きたいんだけど。
GM/泪:「え? どうしてです?」
鷹村:まだわかんないんだけど,今回の事件の重要参考人が楓の母親かもしれないんだ。
GM/泪:「え? 桂子さんが?」
鷹村:知ってるのか?
GM/泪:「うーん,あんまりよくは知りませんよ。私も数えるほどしか会ったことないし。もともと研究が忙しかったみたいで,家に居つかない人だったんですよね。それで楓はしょっちゅうウチに遊びに来て……」
鷹村:楓ってどんな子だったの?
GM/泪:「どんなって,昔は大人しい子でしたよ。優しくて」
鷹村:今でも大人しいじゃん。礼儀正しいし。
一同:(笑)
キルスティン:だまされてる……。
村瀬:だまされてるな。
GM/泪:「いや……ホントはあんまり大人しくないんですけどね……」
鷹村:それはそうと,他に知ってることは?
GM/泪:「知ってることはと言われても……ああ,7年前に楓が失踪した時のこととか……」
鷹村:何それ。教えて。
GM/泪:「いえ,でも私もたいしたことは知りませんよ? いきなりいなくなって,私もずいぶん探して……」
鷹村:で,7年前,何があったんだ?
GM/泪:「それが,今でもよくわからないんです。楓の家が誰かに襲われて,お父様が亡くなって,楓もずっと行方不明だったんです。ついこないだ,ひょっこり現れましたけどね。7年前何があったかなんて,むしろ私が訊きたいですよ」
鷹村:楓と,両親と……その時他に誰かいなかったか?
GM/泪:「誰って,誰ですか」
鷹村:いや,訊いてみただけだけど。
GM/泪:「……ああ,待ってください。思い出しました。時々,桂子さんが家に男の人を連れてきてたんです。楓がいなくなった日も,その人が来てて,楓は家に居づらいってうちに遊びに来てました」
鷹村:……居づらいって,何。そういうことなわけ。
GM/泪:「さあ……私から見ると桂子さんってそういうタイプの人じゃなかったですけどねえ。でも男女のことばかりは,わからないですから」
真:……あのさ。それって“スリーパー”なんじゃないのか?
紫音:俺もそう思う……。
鷹村:その男ってのがどんなヤツだったかは,覚えてる?
GM/泪:「ちらっと見ただけだけど,目立つ人でした。金髪に,青白い肌の,典型的に『外人さん』だって思って……」
村瀬:やっぱ,それっぽいよな。
鷹村:わかった……また何かあったら電話するから,頼むわ。
GM/泪:「いえ,あの……私これからICUに入るんですけど」
鷹村:ああ。そっか。
GM/泪:「『そっか』じゃありませんよ! ICUですよ! ICUといっても,国際基督教大学じゃありませんよ!」
鷹村:誰もそんなこと聞いてないし。
GM/泪:「……鷹村さん,相変わらずマイペースですね」
鷹村:てゆーか,おまえも急ぐんじゃないの?
GM/泪:「わかりましたよ。……この電話不通になりますからね! もう知りませんからね!」がしゃん。
鷹村:…………。
村瀬:で,どうだった?
鷹村:相模原も相変わらずボケだなと。
真:そうじゃないだろ!
鷹村:ん? だから「かくかくしかじか」。
一同:鷹村……(笑)。
真:まあ話を元に戻すとしてだ。村瀬さん。やっぱりアンナさんには詳しく事情を聞いた方がいいかもしれませんよ。
村瀬:何故だ?
真:まだ言ってませんでしたっけね。アンナさんは,千葉桂子に「弟が世話になってた」んだそうですよ。
村瀬:……それが“スリーパー”だと?
真:もちろん確証はありませんよ。ただアンナさんの弟が金髪の白人男性だとしても,違和感は何もないですね。
村瀬:うん……。そうか,アンナさんがね……。
GM:まあそこらへんは後でやってください。そんなとこでシーンをきらせていただこうと思います。