SCENE 6


GM:では時間を進めて,放課後ですが。松山から。
光:えっと……。
真:よし,青春だ。ラブコメだ。
光:ええー?
GM:君は今日も部活を終えて,部員連中と片づけを終えたところだ。
光:ま,おごると約束したんだから,今日こそは遅れないようにさっさと着替えます。
GM:で,迎えに行く?
光:そうですねえ。
GM:では,女子バスケ部の更衣室の前で待っててくれたまい。
一同:(笑)
泪:それはそれでアレなシチュエーションだなあ。
光:近くに木とかないんですか? そこに寄りかかって待ってます。
泪:……伝説の樹の下で……。
真二:おお,青春だなあ。
GM:では,明日香と磨亜矢が出てきましたが。
真二:ああ,登場してえ。
GM:まだ駄目(笑)。明日香が喜んで,「あ,コウくん,待っててくれたんだ!」
光:ま,まあ,昨日の今日だし。
GM/明日香:「今日はもう着替えてるんだね。じゃ,さっそく行こっか」
泪:あれ? 磨亜矢さんは?
GM/磨亜矢:「ごめん明日香ちゃん,私今日は人と会う約束があるから」
光:約束?
GM/磨亜矢:「うん,ちょっとね。だから2人で行ってきて。ごめんね」
光:いや……まあ水上さんにも迷惑かけたから,とか思ってたんだけど……。もしかして,気を遣ってくれてるのかな。これは。
泪:気を遣ってるんじゃないですか?
真:気を遣ってるんだと思うぞ。
GM:気を遣ってるんでしょうねえ,もちろん(笑)。
光:…………。え,えーと茶山さん,行こうか?
GM:磨亜矢は「それじゃあ明日ね」と去り際,明日香の肩を叩いて,「がんばってね」と。で明日香が真っ赤になってる。
光:じゃあ,一体何をがんばるんだろう,とか思ってる。
一同:このラブコメ男め!(笑)

 

SCENE 7


GM:それでは,久島のシーンです。
真二:先ほどからの光景を観察しながら,可能性は0.01パーセントまで下降!とかぶつぶつ言ってる。
真:何の可能性じゃ(笑)。
真二:しかし,あえてその低確率に挑むのが,北斗○拳の伝承者!
真:いつからケンシ○ウになったんだおまえは。
真二:(聞いてない)でもやっぱり可能性の高い方にアタックすべきだよな。磨亜矢さーん。
GM:ちなみに,君評価で磨亜矢って何パーセントなの。
真二:まだ1パーセントはきってない。明日香よりマシだ。
GM:……まあ,いいけどね。
泪:はい,ここで登場します。
GM:えっ? でもここで出てこられるとね……
泪:双眼鏡で見てるだけだけど,それでもダメ?
一同:(笑)
GM:やっぱデバガメすんのか!
真:……相模原さん……。
泪:だって上司としてあの人を野放しにできますか大谷さん!
真:いや……まあお気持ちはわかりますけどね。止めに入っときます?
泪:いえ,もう少し。考えてみてください。ああいう非常識な人を接触させれば,イレギュラーな反応が磨亜矢さんから引き出せるかもしれません。
真:わかったような,わからないような……(笑)。
真二:どうでもいいが,ひでえ言われようだ。
GM:で,結局そっちの2人は揃ってピーピングしてるわけなのね? で,真二は? 磨亜矢は帰ろうとしてるけど,声かける?
真二:もちろん。(軽い調子で)やあ,今帰りぃ?
一同:……うッ(←何かくるものがあるらしい)。
真二:奇遇だね。よかったらちょっと訊きたいことがあるんだけどさ。
GM/磨亜矢:「はい,何ですか?」
真二:ちなみに俺は男子バスケ部に入りました。
一同:おおっ!?
真二:それで今日の練習にもちゃんと出たさあ。で,力セーブしてドンくさいふりをしたのだ。
泪:何でまた。
真二:それはもちろん,シュートがうまく入らないんだよねえ,とか言って磨亜矢さんにアドバイスを貰うのだ。
真:おまえとゆーヤツわ……。
真二:(聞いてない)で,どうしたらいいのかなあ,水上さん。
GM/磨亜矢:「そうですか? 結構お上手でしたよ」
真二:そうかなあ。バスケって初めてだから,力の加減がわからないんだよね。
光:力の加減って何だよそれ。
真二:(やっぱり聞いてない)俺,小学校のバスケとか全部素通りしちゃってるからさあ。難しいよね,アレ。
GM/磨亜矢:「力の加減ですか? よくわからないけど,下手に手加減するのって他の人に対して失礼ですよ」
真二:……えっ……。
GM/磨亜矢:「私の経験上,そういうのって結構周りにバレちゃいますしね」
真二:(GMに)そんなにバレバレだったの?
GM:いえ。まあ,磨亜矢の目が並じゃない,とでも思っていてください。
真二:……うーん。別にバカにしてるとかそういうつもりじゃなかったんだ。俺は団体行動に慣れてないもので,どうも感覚が。
GM/磨亜矢:「そうですか。なら別にいいんですけど(にこにこ)」
真二:うーむ。第1ラウンドは失敗,と。
一同:(笑)
真:そろそろ助けに行きませんか,相模原さん。
泪:いえ,あと,もうちょっと。
真:……あなたも最初の目的を忘れてるような気がするんですけどね,俺は……。
真二:よし,では次の手だ。水上さん,いや,磨亜矢さん!
GM/磨亜矢:「はい?」
真二:俺が君をインターハイに連れて行く! そしたらつきあってくれ!
一同:こらこら!(笑)
真:おどれ,最初の目的を忘れとんだろコラ!?
泪:待ってください大谷さん! 磨亜矢さんの反応を見ましょう!
真:あんたも何言うとんのじゃ!
GM:と,隠れて泪と真が言いあってる間,てんてんてん……と尾をひきながら赤とんぼが横切ってるわけなんですが(笑)。
真二:返事を聞かせてくれないか,磨亜矢さん。
GM/磨亜矢:「あの,ひとつ訊きたいんですけど」
真二:なんだい?
GM/磨亜矢:「それは男子バスケ部がってことですか?」
一同:(爆笑)
光:か,かわされてるし〜(笑)。
真二:……ど,どうする俺!
真:(ぼそっと)ここいらであきらめとけ。
真二:よし,こんなときは『スラ○ダンク』を思い出すんだ!
真:おい,こら。
真二:いやダメだ! 『スラム○ンク』には恋愛の要素が全くない!
真:あのなあ。
真二:だったら『サラ○Days』を参考にすべきか? いや,あれは恥ずかしすぎて俺が読んでない!
真:いつまでやっとんのじゃおのれはッ!!
真二:(聞いてないってば)よし,これでいこう! 磨亜矢さん!
GM/磨亜矢:「はい?」
真二:俺は君のためにバスケ部に入った!
GM/磨亜矢:「はあ」
真二:だから俺のプレーは全て,君への想いの証だ!
一同:(大爆笑)
真:…………(←討ち死に)。
GM:ええと,そこで死んでる大谷には悪いんだけどねえ(笑)。そこで,背後から,「ちょっと待てえっ! それは俺が許さねえ!」という大音声が響き渡るよ。
一同:は?
GM:真二が振り向いて見ると,そこには同じクラスの男子が立っている。
真二:何だおまえは。
GM:「俺は小林誠也だ!」
真二:知らんな。その小林が何の用だ!
GM/小林:(指を真二につきつけ)「磨亜矢さんはおまえには渡さねえ!」
一同:ええ!?(笑)
GM:さらにその周りから! 「待て! おまえのぬけがけは許さん!」と新たな男子生徒が現れる。彼の名は和田大輔くんだ。
真二:……ところで何でそんなキャラにまで名前が決まってんです?
GM:今回はNPCには全員名前があるのだ。

 ……いや……だから名前つけりゃいいってもんでもないと思うけど……(笑)。

GM:さらに!
一同:さらにぃ!?
光:まだいるのか!(笑)
GM:「何言ってんの! 男子になんか渡さないわよ!」という女子の声が。
一同:こらこら!(爆笑)
GM:彼女の名は清田愛美さんという。「磨亜矢先輩は明日香先輩にこそふさわしいのよ!」
光:あああ〜。何かが間違っている〜(笑)。
GM:その他大勢が俺も私も,という感じでずらずらと。
真:…………。
泪:彼女って人気あるんですねえ。
GM:そう。彼女と明日香には隠れファンが大変多いのだ。ただし明日香は現在松山にラブラブなので。
光:え……(汗)。
GM:明日香ファンも多少,磨亜矢に流れてきているようです(笑)。ちなみに泪も隠れファンが多いんだよ。
泪:え……(汗)。
GM:「お嬢様なんだけどあの天然ボケがいいよねえ」とか「荒川のヤツ昨日裏拳で殴られてたぞ。畜生,俺もぶたれてみたいぜ!」とか(笑)。
泪:…………。
光:それは何か違う意味で人気があるような気がしなくもない(笑)。
真:ま,それはそうと相模原さん。そろそろ収拾がつかなくなった気がしませんか。
泪:ですねえ。マスター,この騒ぎに乗じて磨亜矢さんだけ連れ出すことは可能ですか?
GM:許可します。
真:それでは腕をひっぱってずるずると。
GM/磨亜矢:「あらら?」
泪:まあまあ磨亜矢さん,ちょっとあちらでお話ししましょう。ちょっと,ちょっとね(と言いつつずるずる)
GM/磨亜矢:「あら? あらら?」
真二:俺はそれに気づいていいんでしょうか?
GM:んなもん,ダメに決まっておる。君の周囲では殺気だった隠れファンたちが,「俺と勝負しろ!」「いえ私よ!」「貴様,ぬけがけは許さん!」とか何とか。
真二:何を言ってる。今まで告白もできなかったチキン野郎どもめ!
GM/親衛隊の皆さん:「……くうぅッ!」(一同笑)
真:こやつら,「ぬけがけ禁止」とかで縛りあって,手も足もでんかったに違いない。
泪:でもそういうのって破った者勝ちですよね。
GM/親衛隊の皆さん:ぐさあ(笑)。
真二:しかも貴様ら,勝負とか言ってるが,そもそも俺と勝負してどうする?
GM/親衛隊の皆さん:「何ぃ?」
真二:決めるのは磨亜矢さんだろうが。
GM/親衛隊の皆さん:「……むう,正論だ。じゃあ磨亜矢さんに決めてもらおう。磨亜矢さん!」
光:……いないし。
一同:(爆笑)
真二:…………。
光:空っ風吹いてますな。
GM:えーと,終わらせていいかね? このシーン(笑)。

 

SCENE 8


GM:では,「あらあら」とか言ってる磨亜矢を引き摺り,どこ連れていくのかな。
泪:近くの喫茶店とか,マクドナルドとか,別に何でもいいですよ。
GM/磨亜矢:「久島さんたちおいて来ちゃいましたねえ」
真二:はいっ,そこで相模原さんに電話します!
泪:あら,久島さんから電話が……。
真:切りましょう。ぷち。
泪:あ。
GM/磨亜矢:「あら。いいんですか?」
真:(平然と)ヤツが来るとうるさいです。
真二:やっぱ俺だけ仲間外れにしやがって……。
GM:というわけで登場はちょっと待ってね,真二。で,磨亜矢が「お話ってなんですか?」と言ってますが。
泪:ああ,すみません,突然ご足労いただきまして。話というのはですね,ええと……(困っている)。
真:特に何かあるわけじゃないですけどね。あの場にあなたが残ってると収拾がつかないでしょ?
GM/磨亜矢:「はあ。そうですねえ」とにこにこ。
泪:……うーん。でもどうやって確認すればいいんだろう。真面目な話,血を調べるのが一番早いんですよねえ。
真:どうやって血を採るってんですか。
泪:わかってますよ。いや,だからどうやって話を切り出せばよいかと。
真:レネゲイドチェッカー持ってませんでした?
泪:持ってます。(ルールブックを見て)あれ? でもこれってエフェクト使ってないとわかりませんよ。
真:意味がないですねえ。でも俺思うんですけど,あえてここで彼女を感染者と思うこともないのでは?
泪:そうですか?
真:俺が思うに,あの神楽って叔父さんの方がはるかに怪しいですよ。
GM:……で? 彼女の前でそれだけ話してるの?
泪:ああ,ごめんなさい。……どうしよう。
真:収拾がつかなかったら連れてきた,でいいんじゃないですかね。
GM:じゃああとは世間話?
真:そうですねえ……じゃあ,大変だったね,水上さん。いつもあんな連中がいるの?
GM/磨亜矢:「まさか,そんなはずないですよ。何だったんでしょうね,あれは」
真:変なこと訊くけど,今まで周りに変な人間がつきまとったなんてことは。
GM/磨亜矢:「ありませんよ。どうしてですか?」
泪:どうしてってことはないけど,人気あるみたいですからね,磨亜矢さん。
GM/磨亜矢:「そうですか? 明日香ちゃんはそうだと思いますけど」
真:でも今は松山に夢中みたいだからね。泣いてる男がいるんじゃないの?
GM/磨亜矢:「そうみたいですね」
泪:えっ,そうなんですか?
真:そうだよ。っていうかアンタ,気づいてなかったんかい?
泪:だって光さん,全然そんなそぶり見せませんよ?
真:アレは極端に鈍いだけや。
GM:磨亜矢も苦笑してる。すると,その時磨亜矢の携帯が鳴ります。「ちょっとごめんなさい」と言って携帯とって,「あ,ごめんなさい。今から行きます」と言って切る。
泪:ひょっとして,どなたかと待ち合わせだったんですか?
GM/磨亜矢:「ええ。申し訳ないですけど」
泪:とんでもないです。突然誘ったのはこっちですから。
GM/磨亜矢:「いえいえ。また誘ってくださいね」
真:……ひょっとして,叔父さん?
GM/磨亜矢:「そうです。よくわかりますね」
真:いや,何となくね。それじゃ水上さん,また明日。
GM/磨亜矢:「はい,それじゃあ」と磨亜矢退場。
真:相模原さん。神楽をチェックするいい機会じゃないですかね。
泪:そうですよね……。
GM:では尾行するのね。では一度シーンを切りましょう。

 

SCENE 9


GM:シーンプレイヤーはまた真二。で,あの後どうする?
真二:シラけちゃったからなあ。仕方ないんで,夕食の買い物しながら帰りますよ。
真:うぁ,わびしー。
真二:だっておまえら,俺を仲間外れにするんだもん。携帯にも出てくんないしさ。
GM:まあまあ(笑)。それで,駅前で買い物してると,君の女の子センサーが反応するぞ(笑)。
真二:ぴきーん! はっ,あれは磨亜矢さん!
GM:そうですね。ところで磨亜矢を尾行してる人。
真:はーい。
GM:あ,真ね。じゃあそこで気づいていいけど,横道から久島が出てきたね。
真:……と,止めます!
一同:(笑)
GM:距離がありすぎるぞ。そこまで近づくと,磨亜矢にもバレるけど。
真:じゃあヤツの携帯にかけます……
真二:(言い終わるより早く)磨亜矢さん!
真:だあああああっ!
泪:諦めた方がいいですよ大谷さん。私はすでに諦めました(笑)。
GM/磨亜矢:「あれ,お買い物ですか,久島さん」
真二:うん,夕食の買い物をね。
GM/磨亜矢:「ふーん,偉いんですね」
真二:一人暮しだからね。淋しいものさ。
GM/磨亜矢:「そうですか。淋しい時は,犬とか猫とか飼うといいと思いますよ」
一同:ひでえ!(爆笑)
真二:(←めげない)でも俺んとこマンションだから,ペット飼えないし。
GM/磨亜矢:「でもでも,今は電子ペットとかありますよ」
真二:あんなもん,高校生には高くて買えないって。
GM/磨亜矢:「そう言えばそうですね。でも大谷さんと仲がいいんでしょ? 彼とご飯食べるのはダメなんですか?」
真二:真のヤツは相模原さんと仲良くてさ。
GM/磨亜矢:「へえ,そうなんですか?」
真二:うん,携帯にも出てくんないし。
真:おい,こら……。
真二:(無視)いやあ,それがさ,聞いてくれよ磨亜矢さん。俺たちさ,相模原さんちの近くに一緒に越してきたんだ。だのに,最近俺をのけものにして2人だけで出かけちゃうんだ。今日だって一緒に飯食おうって言ったのにさ。2人で飯食いに行っちゃったみたいなんだ。
真:貴様,あることないことをぉ!
GM:磨亜矢は「それはひどいですねえ」と言ってる。
真:だー!
泪:大谷さん落ち着いて。あんな誤解すぐ解けますよ。
真:解けるってアンタ,相手は久島ですよっ!? 一体何を言われるか!
光:相模原って暢気だから。基本的に(笑)。
真二:しかし何を言われるかも何も,そろそろ言うことがなくて困ってるんだが。
光:素直にさっきの続きやれば?
真:おまえまで何をけしかけるか!
真二:そっかー。やっぱ俺のキャラだとそれしかないと思ってたんだ。
真:…………。
泪:だから諦めましょうって(笑)。
真二:磨亜矢さん!
GM/磨亜矢:「はい? なんですか?」
真二:さっきの返事,聞かせてくれないかっ?(一同笑)
真:やめれー!
真二:何がだ。自分ではよし,決まった!とか思ってるぞ。
GM:すると磨亜矢は首をかしげて,「実現できたらいいですよ」と微笑む。
泪:実現って?
真:男子バスケ部がインターハイ優勝したらでしょ。
光:うぁ。スパン長いよそれ(笑)。
真:それまで俺らこの学校おらんぞきっと。
泪:やんわりと断られてんじゃないですかね。
真二:でも自分では,よし,これで勝ったも同然!とか思ってる。
GM:ま,思うのは自由だが……(笑)。ところでそんな話をしてるうちに駅前に着いた。磨亜矢は「すみません,私ちょっとここで待ち合わせをしているので」と言う。
真二:そうなんだ。じゃあ俺も買い物するから。せっかくだから,本屋でバスケの本でも買っていこうかな?
GM:磨亜矢は「がんばってくださいね」と微笑んで去っていく。で?
真二:だから,バスケの本を買いに行く。俺ははっきり言って燃えている。絶対インターハイだ!
真:……こやつ……。
泪:……絶対仕事のこと忘れてますよね。
真二:忘れてませんって。ここで真に電話するぞ。
真:(暗い声で)おう。何か用か。
真二:それが,今駅前でばったり磨亜矢さんに会った。待ち合わせだと言ってたから,多分神楽と会うんじゃないか。
真:おう。そうだろうな……。
真二:俺はこれから本屋に入る。で,も少ししたらまたばったり磨亜矢さんに出会ったフリをするから!
真:やめんか!
真二:ダメなのか?
真:いいか,接触せずに尾行しろ! 俺たちも神楽を追ってるから!
真二:ちっ。
真:ちっ,じゃねえ!
GM:まあまあ,大谷くんや。神楽が出てきて,磨亜矢に接触したぞ。彼らは駅前の一流ホテルの中に入っていく。
真:ホテルぅ!?
GM:1階に高級レストランがあるのだよ。そこじゃないか。
真:……しまった。そこって,俺が入ったら,目立つよな。
泪:えーとですね,ここで私に連絡くださると助かります。
真:そうですか? じゃあ電話かけます。相模原さん,水上さんと神楽がホテルのレストランに入っちゃったんですけどね。俺学生服のままだし,入ったら目立つと思うんですが。
光:でも磨亜矢だって制服じゃん。
真二:あっちには保護者がいるからいいんだよ。
泪:保護者ですかあ……それじゃ,着替えて行きますので,ちょっと待っててくださいね。
真:着替えて?
泪:はい,そういうことでタクシーで乗り付けます。
一同:タクシー?
泪:ちなみに私はスーツ着て化粧もばっちりですから。
一同;おおーっ!?
真:さ,相模原さん,何ですかそのカッコは。
泪:え? だってこの方がレストランに入りやすいと思って。
真:だからってあんたが俺の保護者には見えませんぜ。
泪:あ,それは問題ないです。あそこの支配人は父の知り合いですから。
GM:えっ,そうだったのっ?
泪:(きっぱり)お嬢様ですから。
GM:……有利な設定つくりやがったなあ。まあ認めよう。
泪:というわけでいきましょう大谷さん。
真:え? ちょっと,相模原さん?
GM:ずるずる泪に引きずられていくわけね? ところでちょっと話はとんで,松山なんだけど。
光:はい?
GM:君に登場を要請する。君は明日香と駅前に来て,どうする?
光:そうだなあ。ファーストフードも飽きたし。
GM/明日香:「あっちに美味しいラーメン屋さんがあるよ」
光:あ,いいねえ。
真:うわっ,色気ねえ。
GM:体育会系の付き合いなんてこんなもんでしょ(←偏見)。それはそうと,君らは美味しいラーメンを食べてほくほく顔で出てきたところなんですよ。で,じゃあそろそろ帰ろうか?と言ってるところで君らが見たのは!
光:おや? あれは相模原でわ?(笑)
GM:そうです! 何と! あの相模原泪と大谷真が! 連れだって高級レストランに入ってゆく姿ではありませんか!
一同:(笑)
GM:しかもよく見ると,相模原泪の方が大谷の腕を掴んでぐいぐい引っ張っている!
光:お,おや?(笑)
GM/明日香:「えっ? あの2人ってそういう関係だったの? ボク知らなかったよ!」
光:えーとえーと。
GM/明日香:「でもあの2人従兄妹って,あ,でも従兄妹なら結婚できるんだっけ? うわーしかも泪さんの方が大谷くん引っ張ってるし! 泪さんって結構積極的? えー,うっそー ,ボクどうしよう!」
光:いや,どうしようと言われてもなあ。
真:この女メダパニしてやがる。
真二:きっとゲーセン帰りの同級生とかに目撃されてんだぜ。「おい,あれは相模原さんじゃないか? 一緒にいるヤツ,見かけない顔だけどウチの制服だよな」とか。
GM:「おい,あいつ転校生だぜ。ぬけがけしやがって,明日シメてやろうぜ」とか(笑)。
真:あのねえ!
光:(のんびりと)そっかー,あの2人付き合ってたのかぁ。
真:おまえまで何を言うかー!
光:え? だってこの状況はそう見えるよなあ。
真:俺らが仕事してるって知ってんだろ!
光:え,でもこの状況だし。
真二:だってホテルだしね。
真:違あああああう!!(一同爆笑)
GM/明日香:「えーっ! そ,そんなーっ!」
光:いやでもほら,愛のかたちは人それぞれだし(笑)。
真:そういう問題でもない!
GM/明日香:「で,でもね,ボクはねっ,ま,まだ早いと思うんだっ」
一同:何の話じゃあっ!(爆笑)
光:茶山さん,な,何の話……?(汗)
GM/明日香:「イヤだコウくんってばあっ!」(どーん!)
光:はううっ!
GM/明日香:「はっ,ボクってば! ご,ごめんなさいコウくん! しっかりしてっ」
真二:もはや収拾つかなくなってますな。
真:…………。
泪:え,えーとね。話を進めてよろしいでしょうか?(笑)
GM:ああ,そうですね。疲れるしこういう会話(笑)。
真:だったらやるなっ。
泪:え,えーと,というわけで大谷さんとレストランに入りまして,(お嬢様口調で)すみません,支配人の水野さんいらっしゃいますか?
GM/水野:(は,そういう名前だったのか支配人)「はっ,これは相模原のお嬢様じゃありませんか」
泪:お久しぶりです,水野さん。
GM/水野:ところで今日はどういったご用件で。お食事でしたら今すぐ用意させますが……。
泪:(鷹揚に)では何か軽く,2人分よろしくお願いします。それと,ご迷惑とは思いますが,あそこの席を用意していただけません?
GM:と言って近くの席を?
泪:植え込みを挟んで隣,とかが望ましいんですけどね。
GM:それはOKです。ところで,松山はどうする?
光:え? どうするって言われても……。
GM:明日香が真剣な顔で,「ねえコウくん。覗ける場所ないかな?」
光:へっ?
一同:(笑)
GM:そしてちょうどおあつらえ向きなことに! そのレストランの向かいには,2階が全面ガラス張りの喫茶店で……(笑)。
真:ちょっと待ったらんかいっ!(笑)
光:え,えーと,茶山さん,あの,覗く気なの? マジで?
GM/明日香:「えっ。やっぱはしたないかなっ。でもでも,ちょっと気にならない……?」
光:そう言われると……やっぱ俺もその気になってきたかなあ。
真:おまえまで何を言うとんのじゃ!
光:いや,でも,あの相模原が……とか思うし。
GM:(あっさり)じゃ,そういうことで,2人は喫茶店の窓から泪たちをピーピング,と(笑)。2人は和気藹々と食事してるように見えるね。
真:いい料理が出てくるんですよねやっぱ。
泪:あ,大谷さん。ナイフは外側からです。
光:楽しそうだな……(笑)。
GM:あ,ちなみに磨亜矢たちは君たちには見えないよ。
泪:見えたら私たちが困ります。
真二:ところで今電話かけたら出てくれる?
真:電源切ってるんじゃないの?
泪:いえ,バイブです。(真が止めるより早く)ちょっと中座いたしますね大谷さん。
真:あ。
泪:はい,もしもし? 久島さん?
真二:あ,どうも。実は今,スーパーで夕食の買い物しつつ本屋に寄ってたんですけど。
泪:……本屋?
真二:バスケの本買ってたんです。いやそれはどうでもよくて。今どこにいるんですか。
泪:えーと,大谷さんと一緒にホテルのレストランにいます。磨亜矢さんと神楽さんが近くの席にいるので。
真二:神楽か。ヤツも俺の敵だな……。
泪:は?
真二:いえ,何でもないです。俺はどうしましょうかね?
泪:そうですねえ。これ以上人が増えても目立ちますし……。
GM:そうして,ふと外を見た泪の目に映るのは,向かいのビルにガラス張りの喫茶店が……(笑)。
真:またそうやって煽る。
GM:で,そこのガラスに貼りつくようにしてピーピング中の松山と明日香がいたりするんだけどね。
光:いや,俺はそこまでは。
GM:でも明日香はかなりベタあっとガラスに貼りついてるぞ。
一同:(笑)
光:さ,茶山さん? その格好は,あんまりじゃないかな?
GM/明日香:「え? え,あ,あはは,ボクったら」
光:はははは……。
真:このラブコメ野郎どもめ。
真二:ではそこへ登場してやろう。見せつけるなおまえら。ひゅーひゅー。
GM/明日香:「えっ? あっ,久島くんだー」
光:おまえも何を見てるんだよ。
真二:いやちょっとな。
GM/明日香:「まさか……久島くんも覗きに来たの?」
真二:久島くん「も」ってなんだおまえ。
一同:(爆笑)
GM/明日香:「えー,あー,いやー」
真二:で? 何を覗いてるんだ。
GM/明日香:「え? 実は泪さんと大谷くんがね」
真二:(頷いて)やっぱり。
GM/明日香:「やっぱり!? 『やっぱり』ってことはやっぱりなんだー!」
真二:まあ聞いてくれよ。
GM/明日香:「うんうん」(←みのも○た調)
真二:いや実はさ。俺と真って同居してんだけどさ。前までは掃除洗濯炊事全部やってくれてたんだよなアイツ。
GM/明日香:「ふんふん。いいお婿さんになれるね。それで?」(←みの○んた調)
真二:うん,そんでさ。最近相模原さんちのそばに引っ越したんだけどね。そしたらアイツ急に俺のこと構ってくれなくなったんだ。
GM/明日香:「うんうん。倦怠期ってヤツだね。それで?」(←み○もんた調)
真二:今日は近所に越してきたお祝いに3人で飯食う約束してたのにさ。2人であーんな高級レストラン行っちまってさ。
GM/明日香:「うんうん。それは許せないねえ。それはいけないよ奥さん」(←しつこいようだがみのもん○調)
真:誰が奥さんだ。
真二:(いつもの通り聞いてない)まあ考えられることはだね。奴らはね。……ファイナルアンサー?
GM/明日香:「ふぁ,ふぁいなるあんさー?」
真二:つまりはそういうわけよ。
GM/明日香:「何だかよくわかんないけどそうなんだー。オトナって感じだー」(笑)
真:この女わ……。
泪:えーとね,光さんが素直に仕事のことを話してくれれば解ける誤解ではないかと(笑)。
真:……そう言えば,まだ話してないな,アンタ!?
光:あー,いや,何かこう,その場の勢いにのまれて(笑)。
真:話せ! というかおまえしかこの場のボケにツッこめる人間はいないんだぞ!
光:と,いう電波が飛んでくるので話すことにしよう。あのね茶山さん。あの2人は多分,仕事なんだと思うんだ。
GM/明日香:「仕事って?」
光:うん。言うの忘れてたけど,こいつと大谷って相模原の部下らしいよ。だから仕事なんだよ,あれ。
真二:でも3人で仕事すると言いつつ,俺だけ仲間外れなんだよ。ファイナルアンサー?
真:貴様ぁ!(一同笑)
GM/明日香:「でも,仕事って何やってんのぉ?」
真二:それは言えないなぁ。秘密だから。
GM/明日香:「そっかー。ヒミツの仕事なんだぁ。何だかドキドキ,ってカンジ?」
真二:それなのに,俺だけ仲間外れなんだ。ファイナルアンサー?
GM/明日香:「そっかー。真二くんかわいそうだぁ」
光:(真に)……努力はしました(笑)。
真:…………。
泪:えーと,キリがないのでシーン変えません?(笑)