SCENE 17


GM:では瑚唄のシーンです。アブドルさんが向こうから歩いてきます。
瑚唄:あらアブドルさん。何かお気づきの点でもございましたか。
GM/アブドル:「ああ,大谷氏? ……そうネ,あの人健康診断を何デそんなニ嫌がるンでしょうネ? いくら忙しいたっテ,いつかは受けずにはいられないものを。何かバレちゃったりするのかナ?」
瑚唄:(肩をすくめて)バレちゃったりするんでしょ。
GM/アブドル:「バラしちゃってイイのかなぁ。そうすると,UGNは一切合財メチャクチャヨ?」
瑚唄:そうでしょうねえ。ですから私がこそーりと,ね。
GM/アブドル:「ならいいですけどねェ」
瑚唄:でも,もしもの時はよろしくお願いしますわね。えーと,これで大谷さんのところに向かってよろしいんでしょうか?
GM:よろしいでしょう。行き交う人々に聞いたところ,大谷氏は2階の生物室にいるようです。
瑚唄:変なところにおいでですわねえ。あ,GM。従者1体作っておきたいんですけど?
GM:1体ならばOKです。
瑚唄:では自分とそっくりの血の従者を作っておきます。で,それと腕を組んで(笑),中に入ります。
GM/大谷:「……あれ? えーと瑚唄くん……だっけ?」
瑚唄:ええ。大谷さん,こんなところで何を?
GM/大谷:「いや,ちょっとね……あんまり忙しいから,逃げ出してきたんだ。ただの息抜きだよ」
瑚唄:静かで人の来なさそうなところですものね。……あらまぁ,かっこいいスケルトンが。
GM/大谷:「それはいいんだけど」
瑚唄:はい?
GM/大谷:「そっちの子は……」
瑚唄:同じく瑚唄です。
GM/大谷:「……ふむ。血の従者か」
瑚唄:いえいえ。双子ですわよ(にっこり)。
GM/大谷:「…………。えーと……それで君,何の用だい?」
瑚唄:糾弾しに来ました。
GM/大谷:「は? 糾弾って?」
瑚唄:内通者のおかげで本部も色々と大変になって参りまして。その内通者であるあなたを糾弾しに来たわけなんです。
GM/大谷:「内通者。……俺が?」
瑚唄:はい。
GM/大谷:「面白いことを言うね。内通だかなんだか知らないが,そんなことをして俺にいったい何の得があるっていうんだい?」
瑚唄:そうですわねえ,あくまで私の推測ですけど……あなたは「大谷真」ではありませんから。
GM/大谷:「……その根拠は?」
瑚唄:「大谷真」という人物はですね,すごく用心深いんです。こと,自分のことに関しては,ですが。……あなたはご存知でしたか,彼が結婚していたことを?
GM/大谷:「…………」
瑚唄:ちなみに奥様はアメリカ在住で,彼女の元に大変かわいい娘さんが1人いるそうですよ?
水限:(思わず)どこがどうかわいいって?
一同:(笑)
瑚唄:…………。しくしくしく。めそめそめそ。
水限:あ。……いえまぁ。今ちょっと本音が。
瑚唄:しくしくめそめそ。
水限:(土下座)……すみません,続けてください。
GM:(咳払い)えーと,彼は黙って君を見つめています。
瑚唄:はじめまして偽者さん。大谷真と姫宮咲耶榎の娘,大谷瑚唄と申します。
GM:では彼はため息をついて,身体の力を抜きます。すると,その姿がみるみる崩れて,人のよさそうな青年に変わります。エグザイルのようですね。「あと少しだったのにな……あと2日でお役御免だったのに。大変だったんだよ。ずっと嘘をつき続けて。それを半年も我慢して」
瑚唄:大変でしたわね。だったら何故我慢なさったんです?
GM/青年:「しなきゃいけなかったからさ」
瑚唄:そうですか。
GM/青年:「……何故,君はこの街に来た? 金……じゃないよな。復讐か? それとも戦うのが楽しいかい?」
瑚唄:あなた,心理学者か教誨師の真似事がお好きですか。私があなたにそんなことを話す必要がどこにありまして?
GM/青年:「そうだな……」
瑚唄:さあディアフレンド。このくだらない茶番に,よりくだらない終幕を。
GM/青年:「わかった。ではそうしよう」彼がそう言うと同時に,光学迷彩で隠れていたアイオーンが4グループ,窓から突入してきます。
瑚唄:どこまでも用心深い方ですわねえ。
GM/青年:「負けるわけにはいかないからね。君こそ,わかってここに来たのか? 君を消せば,あともう少しは茶番が続けられるんだよ」では,戦闘を開始しましょう。イニシアティブは?
瑚唄:11でーす。
真琴:ちなみに1対1なんですか?
水限:みたいだね。よかったねえ,あれだけ望んでいた高レベルタイマンだよ(笑)。
真琴:さぁ行け! 瀞南寺の恨みを晴らすんだ!(笑)
直人:恨み? 瀞南寺って負けてましたっけ?
真琴:いや,戦闘自体をさせてもらえなかったんだ(笑)。
瑚唄:そう,何と言うか……世間に負けた?
一同:(苦笑)
GM:はいはい,それはいいとして。こっちのイニシアティブは何故か6です。そしてですね。彼は……背中からチェーンソーを2本出しますからあッ! チェーンソー二刀流ーッ!
一同:(顔を見合わせる)
水限:……はい,みなさんご一緒にー?
一同:ばーかばーかばーか!
GM:…………。
真琴:何? なんかモンクある? 言って欲しかったんでしょ?
水限:それが貴様の望みだろう。涙を流して感謝するがよいわ。ほれほれ。
GM:……いや,なんつーか。実際にやられると結構ヘコみますね。
直人:冷静になって考えると,悲しいだけだな。
一同:(爆笑)
直人:いや,いいんじゃないか? 一瞬ちょっぴり嬉しさがこみあげてきただろう?
GM:…………。いえ,もういいです。とにかく戦闘始めましょう。生物室はそれなりに広いです。エンゲージは大谷氏,トループのアイオーン2体,同じくアイオーン2体,の3エンゲージです。
瑚唄:では従者の2体目を作ります。今度は獣型で。あ,よければ作っておいた従者も混乱しないように姿を変えたいんですけど。
GM:いいですけど,だったら同じ姿にしなけりゃいいのに(笑)。
瑚唄:ではそちらは王冠をかぶった髑髏です。
GM:マイナーは? 従者に命令しないの?
瑚唄:待機! 前に出したらそちらの思うツボでしょーが。(ころころのころ)HPは56です。
GM:それでは次,偽大谷氏だ。まだ余裕をカマしておこう。《伸縮腕》《貪欲なる拳》《マルチウェポン》《オウガバトル》《達人の業》で,君本体を狙う。(ころころ)34。
瑚唄:はーい,回避しませーん。両手広げてにっこり受け入れてあげましょう。
GM:(ころころ)ダメージは34発ですが。
瑚唄:はいはいリザレクト。
GM:次。トループのアイオーンたちが機銃掃射です。……いや? そこで乱入だな。窓から何かがずるりと這いあがってきます。で,そのずるりと這いあがってきた「何か」はアイオーン1グループを飲みこんで,窓の外へ引きずり出します。ちなみに《エンタングル》《妖の招き》《忌まわしき砲弾》《血族》です。
水限:……つか大谷先生? 今さら何しに出てきたの?
瑚唄:何のことですか? 先生,私ちっともわかりませーん。
GM:つーかそれ,一体誰ですかぁ?
水限:……おまえら……。
GM:(しらっと)で,巻き込んで自爆,と。これで3対3になりましたね。
瑚唄:ごめんなさい,私嘘つきました。私が死んでも2日保ちそうにありませんわね?
GM/青年:「…………」
瑚唄:(にっこり)どちらにせよ,あなたの命日は今日でした。
GM/青年:「……こんなところで,死んでたまるか!」残りのアイオーンが撃ちます。まず,1エンゲージに29。
瑚唄:えーと,HP37の方の従者を,瑚唄本体がカバーリング。もう1体は普通に避けてみますけど……避けました。
GM:(ころころ)27点。
瑚唄:本体さらにリザレクト。ああ,100パーセントまではまだ遠い〜♪
GM:セカンドは? ない? では次のターン。(メモ:アイオーンのもう1グループが行動していない気がするが……)
瑚唄:マイナーアクションで従者2体は偽大谷さんのところに接敵。で,攻撃……していいんだろうか。
GM:まぁ,いいことにしましょう。
瑚唄:では《血族》《亡者の爪》《渇きの主》《かりそめの剣士》《ブラッドバーン》《バリアクラッカー》で……光学迷彩の可能性もありますから,《忌まわしき砲弾》もいれときましょう。(ころころ)65です。
GM:あ,そう。では笑って受け入れよう。
瑚唄:はあ? 死ぬんですか?
GM:いや,だから笑って受け入れてリザレクト。
瑚唄:ち。ではもう1体の従者が《血族》《亡者の爪》《渇きの主》《かりそめの剣士》で(ころころ)41です。
GM:それも食らってリザレクト,だな。現在侵蝕値は97です。
瑚唄:こちらの侵蝕値は100超えましたね。私は通常移動で同じエンゲージに入ります。
GM:《抜き打ち》《オウガバトル》《マルチウェポン》《達人の業》《踊る髪》《エンタングル》で本体を攻撃。ちなみに《抜き打ち》でチェーンソー3本目ですからッ!
水限:……で,口にくわえるとか言うんだろ?
GM:当然です!
直人:当然なのか。
真琴:まぁとりあえずばーかばーか。
GM:うるせえ黙れ! 《マルチウェポン》3つ目(←侵蝕値100超えてるから)は,口にくわえるのが基本なんだ!
直人:基本だったのか。
水限:え? パンツに縦に差して,「これが俺の3本目だ!」じゃないの?
GM:つかアンタの言ってることの方がはるかにバカじゃッ!?
一同:(爆笑)
瑚唄:(冷たい目)えーととりあえず達成値出してくれません?
GM:はい。(ころころ)41です。
瑚唄:じゃ,カバーリングするのでダメージください。
GM:39発,ずしゃっ。
瑚唄:はいはい,食らいました。
GM:……従者死なないの?
瑚唄:HP56の方の従者でカバーリングしましたから。残りHP17です。
GM:ぐふう。しかしまだアイオーンがおるわい。ちなみにアイオーンのチェーンガンは高性能なので敵味方識別できます。ただのサブマシンガンとはわけが違うのでした。(ころころ)まず37発。
瑚唄:HP37の方が本体カバー。もう1体が普通に回避。(ころころ)回避しました。で,ダメージは?
GM:ダメージは20発,もう1グループのアイオーンもチェーンガンを……いや違う! 移動,終わり!
瑚唄:さすがに2度同じ間違いはしませんわね。ではセットアップで《フルインストール》! ダイスが20個になりました。
一同:(笑)
GM:…………。
瑚唄:で,従者には攻撃を続けてねーと命令するとして,本体はカバーに入ったアイオーンに《マインドエンハンス》《ショート》と言いたいんですけど。
GM:ヒキョー者ーッ!(笑)
瑚唄:(ころころ)27ですけどー?
GM:うう。ではアイオーンは動けません。
瑚唄:では従者が攻撃です。《血族》《亡者の爪》《渇きの主》《かりそめの剣士》《忌まわしき砲弾》《闇夜の呪い》《ブラッドバーン》《バリアクラッカー》。あと100パーセント超えたので自動的に《始祖の血統》が入っておりますです。(ころころ)65ー。
GM:はぁーん!? (ころころ)おらダメージかもーん!(笑)
瑚唄:ダメージは61点ですぅ。
GM:それ,粉みじんとか言いませんか。
瑚唄:ほほほ。戦闘終了ですわね。
直人:偽大谷の最期か。
水限:で,偽大谷って名前なんだったの? 訊きもしなかったけどさ。
瑚唄:名前? ありませんありません。
真琴:我輩は偽大谷である。名前はまだない。
GM:違うううううッ! ちゃんと名前はあるーッ!
水限:アミバ?
GM:だぁら違うっつとろーにッ!? ともかく! そのへんはエンディングでやりますのでシーン変えます。

 

  SCENE 18


GM:では直人さん&みーちゃん組です。とりあえずトレーラーを発見しましたよ。普通に検問も通れましたよ。
直人:うむ。ご苦労。
水限:……ちなみに様子がおかしい,とか気づかれてるみたいでは,とかそーゆーのはないんだろうか。
瑚唄:相手の制服が確認できるんですから,自分たちと違うことがわかるんでは?
GM:それほどわかりやすい違いじゃないんですよ。エンブレムがちこっと違うとか。えー,でそんなところで「久しぶりだな,上杉どの」とか。
直人:……久我原か。何故おまえがこんなところに。
GM/久我原:「貴君こそここに何を? あれを爆破しに,というところですかな」
直人:ふむ。知っていたのか。
GM/久我原:「あなたがいらっしゃるとは知らなかったが……制服を直前に変えておいた甲斐がありました。村崎二佐の発案でしてな」
水限:……ああ。そう言えばいたんだったな,そんなヤツが。
直人:なるほど,それはうかつだった。で,それが噂のアイオーン参式か?
GM/久我原:「さよう。……そこまでつかんでおりましたか」
直人:中身は誰なんだ。
GM/久我原:「哀れな老女です。業の深いことで」
直人:確かにな。元僧侶のしわざとも思えん。
GM/久我原:「……ならば,この街はなんだ!? この街が何をしているか,あなたも知っているだろう!」
直人:…………。
GM/久我原:「もし誰かが手を下さねばならぬならば,俺がやる。例えいかなる業を背負おうとも」
水限:……だから。そういう理屈さえ吐けば何やってもいいと思ってる人間が,一番タチ悪いと思うけど。
GM/久我原:「……ほう。また来たのか。性懲りもなく」
水限:一応。仕事だし。好きで来てるわけでもないけど。
GM/久我原:「あの女はおまえの命乞いをして死んだぞ。……『水限』と言ったか。よくも名乗ったものだ」
水限:だから名乗ってないんだけど。
GM/久我原:(無視)「過去から学ばず,未来から目をそらし,ただそこに在るのみの木偶人形め。貴様は無意味などではない。現在過去未来において常に害悪。周囲の善意を食いつぶす蛆虫のごとく,大地の上に横たわり,天の恵みを妨げ続ける石の如き生涯。まさにこの街の申し子よ。あの娘に命を助けられ,なお学ばぬか」
水限:……あんたやあの美貴って女から学ぶくらいなら,何も学ばない方がまだマシだ。
GM/久我原:「ほう,言い返すだけの口があったか。貴様は木偶の如く,ただ立ち尽くすのみの存在かと思うたぞ」
水限:別に俺のことはどうでもいいけど,あんたの口から慧の人生を云々されたくない。というか,あんたまるで自分の行動は有害じゃないみたいな言い方だな?
GM/久我原:「己の意思において行動せぬ者よりマシだ。ただ自分さえ死ねばすべてが終わると考えているものよりは」
水限:信念さえあれば何をやってもいいと思ってる人間が一番有害だろ。だいたい,それで済むなら俺たちテロ屋は誰も苦労しないんだよ。
真琴:(ぼそっと)そう。ブッ○ュさんも苦労しないんだよ。
瑚唄:大量破壊兵器が「あるかもしれない」という理由だけで,
水限:ピーッ! そのネタは却下するーッ!
一同:(爆笑)
直人:何かまずいんですか。
水限:文部科学省検定教科書検定意見通知的に教育的指導です(笑)。
GM/久我原:(咳払い)「……上杉どの」
直人:ん,なんだ?
GM/久我原:「こちらに来る気はありませんか」
直人:は? 何をいまさら……。
GM/久我原:「あなたとあなたのご家族を助けることを,私が上に掛け合いましょう。あの脱走の件に関してもです」
直人:また古い話だな。私は私の信念を以って隊を抜けた。戻る気は毛頭ない。
GM/久我原:「これは失礼。侮辱でしたか。……では,あなたも調伏するのみです」
直人:今の会話で久我原のロイスをタイタスに変える。もはや相容れる余地はない。
GM:了解しました。えー,ではエンゲージを発表しましょうね。まずトレーラー。それから敵本隊が久我原,赤い参式,弐式3グループ。さらに歩兵部隊1号2号。弐式3グループが別エンゲージ。これら3エンゲージは,すべて射撃距離にいるものとします。
水限:(メモしつつ)……ごめん,紙に書くかコマ使ってくれる?
GM:んーと,じゃあコマ使いますか。何かあります?
真琴:これ使わない? ジョバンニとカムパネルラ。
GM:それは大きすぎるからダメですよ(注:チョコエッグのオマケと思しきアカガメとミドリガメであった)。ダイスでいいんじゃ?
瑚唄:(嬉しそうに)生茶パンダ〜。使ってください〜。
直人:スライムべ○もどうぞ。
水限:ここにトロとこげぱんもある。……あ,私これ使おう。コミケのお土産で買ってきてもらったタイガーストラップ。(直人に)で,接敵する? どうする?
直人:当然接敵。
水限:でも赤い参式いるってことはリザレクトできないってことじゃないの?
GM:もちろんです。あ,言い忘れてましたが参式はセットアップで《聖炎の庭》を起動しました。
直人:しかし,だからと言って私1人が攻撃してても仕方ないしな。
GM:あ,こちらのイニシアティブは15ですので。まずは直人さんからどうぞ。
直人:ふむ。……久我原,私の本当の戦い方を見せてやる。本当の戦争というものをな。目標は当然トレーラーのアンテナ。
GM:そこですか?
直人:《シューティングシステム》《痛みの水》《オウガバトル》,またの名をオリジナル・ブレンドで攻撃だ。トレーラーを爆破しに来たと思っただろうが大きな間違いだ。
瑚唄:では何をしに?
真琴:溶かしにきたんだ(笑)。
直人:なお強酸性なので当然コップも溶ける。
一同:ダメじゃん!(笑)
直人:それはともかく,(ころころ)27だ。
GM:27ですか。しかし残念でした。光学迷彩で隠れていたアイオーン弐式がカバーリングします。
直人:む……ダメージは15点,装甲値無視だが。
GM:えーと行動不能にはなりましたが,機体自体は残っております。遮蔽とられましたね。
瑚唄:つまりGM命令,これは壊すなと?(笑)
GM:いや,もう一度打撃を加えれば壊せることにしましょう。
直人:……しかし,そんなことをやっていてはこちらが保たないということだな。
GM:えーと次,久我原さんね。従者作ります……(ころころ)HPは43。それからアイオーン参式は,そちらのエンゲージに向かって砲撃。6連装の榴弾砲でっす。(ころころ)32!
直人:では《命の盾》《天性のひらめき》で回避を……(ころころ)ふう,避けたぞ。
水限:じゃあこっちは《炎神の怒り》《ブレインコントロール》で避けます。(ころころ)こっちもOKです。
GM:あとはトループなので,みーちゃんの番ですが。移動して終わりでいいですか?
水限:うーん。(直人に)ねえ,本当に離れていいの? リザレクト効かないんだが?
直人:だからって攻撃要員を減らすわけにはいかんだろう。
水限:そうじゃなくて,ターン終了時までここでガードして,それから一気に接敵した方がいいんじゃないかってこと。
直人:あ? あ,そうだな。じゃあそうしてくれ。
水限:というわけなので,行動遅らせで。
GM:ではこっちの攻撃ですね。えーと……。
瑚唄:GM,よろしければ何体か担当しましょうか?
GM:え? ああ,そうしてくれる?
真琴:……え,ちょっと待て。振るの?
瑚唄:振るよ? 私ヒマだし,GM大変だし。
真琴:やめてください。私が代わりに振りますから。
GM:それは俺がお断りします!(笑)

 君嶋プレイヤーのダイス目の悪さはだいたいご存知でしょうが,瑚唄プレイヤーはそれと対照的にダイス目がいいです。
 「だって結局乱数でしょ?」と言いつつ,ありますね如実な差というのが。……何でだろう。

 と,いうわけでアイオーン3グループに歩兵2グループ,すべて範囲攻撃というアレな連携。
 対するPC側は直人さんが素避け(←念のため注:エフェクトをまったく使わずに避けること)時々《天性のひらめき》でひたすら避けまくり,失敗したら水限がカバーという戦法。ここで直人さんの目が走り,4体までほぼ素避けでしのいだものの,


GM:(ころころ)ラスト一体,43!
直人:43!? それは無理だ!
水限:リザレクトなしでこれはちょっと……。
GM:(にやにや)《時の棺》使っとけばよかったですね?
水限:さすがにトループでそれはやりたくないよ(泣)。
直人:いざとなったらタイタスもあるんだが……《天性のひらめき》《命の盾》で(ころころ)ああ,さすがに無理です。
水限:じゃあ《炎陣》《灼熱の結界》《業炎》《氷盾》《魔人の盾》で……32の12足して44!
GM:ダメージは36発。
水限:じゃあ1点通ってダメージは2点。ふー。
直人:何とか乗り切れたか。しかし,トループでこれは厳しいな。
GM:(にこにこ)今回はですね,トループの怖さを思い知っていただこうと思いまして。
瑚唄:嬉しそうだなァこのGM……(笑)
GM:えー,ターン最後,みーちゃんは接敵して終わりですね? ではセカンドアクション! 久我原が動いて《夜魔の領域》《炎神の怒り》《ブレインコントロール》でショットガンを直人さんに撃ちます。
一同:きったねー!
GM:はっはっは,隙を見せましたな上杉どの。というわけで43です。
直人:なんの,まだまだ! (ころころ)48で回避だ!
GM:む,やりますな。
水限:《停滞空間》《斥力の槌》《漆黒の拳》《業炎》で参式狙います。……ん? あ,ちょっと待った。直人さん侵蝕値いくつ?
直人:116だな。
水限:ということは参式狙ってもイミがないな(←こちらも侵蝕値100パーセント超えている)。変更,《斥力の槌》外して久我原を攻撃。(ころころ)56……でも,カバーリングするよなー。
GM:しますよ。アイオーン弐式がカバーリングして終わり。そういうわけで次のターン。そこの君嶋さーん?
真琴:はい?
GM:お待たせしました。登場していいですよ。
瑚唄:というか君嶋入れないとマジでヤバくありませんか,この戦闘バランス(笑)。
GM:そう? それでは特別にボーナスをあげましょうか。君嶋はメジャーとマイナーを1回ずつ行ってかまいません。まぁマイナーで《破邪の瞳》,メジャーで接敵以外にないと思いますが。それでよろしいですね?
真琴:では無言のままバイクで突っ込む。
GM:ハーレーでアイオーンに体当たり,ってなとこですね。
真琴:ちなみに《破邪の瞳》を使っているので目が光ってて怪しいぞ。ほとんど種割れ状態だ(笑)。
水限:えーと,一応「なんで来た!?」とか言ってみますけど。
真琴:水限。……おまえは私が死なせない。
水限:……え?
真琴:…………。
水限:…………。
真琴:…………。あ,ちなみに今のお父さん抜かした発言で申し訳ありません。
一同:(笑)
GM:(←ヤケになったように歌う)あんなーにいっしょだーったのにーッ♪
瑚唄:まぁここは,「2人の世界」を構築していただくということで?
真琴:いえ,本当に悪気はないんですが。でもここで「おまえたちは」と言うのもどうかと……。
直人:(ひらひらと手を振って)いやいや。後は若い者同士で仲良くやりなさい。
一同:(爆笑)
瑚唄:ぱ,パパン素敵ッ!(笑)
真琴:あ,ありがとうございますお父様!(笑)
水限:僕たち幸せになります!(笑)
真琴:結納の際には是非仲人をお願いいたします!
GM:こらこら,話が先に飛びすぎじゃ。
瑚唄:もう別エンゲージで熱く語ってください,みたいな勢いで?(笑)
直人:うむ。(水限に)そういうわけだから。
水限:…………。あー。(←何故か咳払いしている)

 はい仕切り直し仕切り直し。

水限:……誰かを守りたいなら,まず自分の身から守らなきゃならないんじゃなかったのか?
真琴:ああ。確かにそう言った。
水限:だったら何で? ここで俺をかばって死ぬ気か?
真琴:安心しろ。私も死ぬ気はない。考えたいと思う。
水限:考える?
真琴:そうだ。2人とも助かる道をな。
水限:…………。
真琴:…………。
水限:…………。
真琴:…………。
GM:…………。しゃべれ,あんたら。
一同:(笑)
水限:いや,そう言われても……(笑)。
GM:あーもー,ではお若い2人の語らいはそんなところでよろしいですね? ではターン頭! みーちゃん《重力の城》使います?
水限:使います。
直人:では私の番だな。歩兵部隊がいるエンゲージに入る。これで味方を巻き込む攻撃はできまい。
瑚唄:でもパパン,範囲攻撃は対象選べますよ?
直人:グレネードは撃てまい?
瑚唄:ライフルもチェーンガンも撃てますよ? みーちゃんと同じエンゲージに入った方がいいんじゃ?
直人:でもそれってタコ殴りにならんか。
水限:相手射撃攻撃ばっかだからどこにいたって同じなんじゃ……。
真琴:えーと次いいですかー? マイナーで《シャインブレード》,《レーザーファン》《マルチウェポン》《小さな塵》《抜き打ち》《ピンポイント・レーザー》《達人の技》《シューティングシステム》……全部ぶっこんでみました。
GM:ダイスペナルティなんぼ?
瑚唄:全部2レベル? じゃあ3の4で7だね。(←即答!?)
真琴:(ころころ)うッ,低い。27です。
瑚唄:アイオーンはダイス1個振りだね? それは回避される可能性があるな……。
水限:ファンブルする可能性もあるけど……。
GM:参式が久我原をカバーリング。それからアイオーン弐式のうち1体が従者をカバーリング。で,もう1体が回避を試みます。(いっころ)お,7だ。避けた避けた。
真琴:しくしく。(ころころ)ちなみにダメージは35点装甲値無視。
GM:じゃあカバーリングしたアイオーン弐式は潰れました。
瑚唄:参式は? ダメージは2倍して70点ですが?
GM:HP高いんですよこいつ。さすがにボロンボロンですが。えーと,じゃあ参式の行動なんだけど……。
水限:ここでパパンを狙うと鬼GMとして嫌われるぞー(笑)。
GM:はあ,じゃあご期待にこたえて若い2人を共に狙ってあげましょう。一応範囲攻撃なんで,そゆことで。
真琴:はっ。偉そうなこと言ってここでいきなり死んだらどうしよう(泣笑)。
水限:アンタには《破邪の瞳》があるやろが。
真琴:私のダイス目はそれでも心配なんだよ〜。
GM:そこまでは知らんわ。というわけで先生,どうぞ。
瑚唄:はーい。では機銃撃ちまーす。
水限:あーちょっと待って。君嶋このターンは《カウンター》使えないんだよね? じゃあ《孤独の魔眼》を宣言。今回使いどころないんで。
瑚唄:了解でっす。(ころころ)うーん,3つしか回らない。35。
水限:3つ回れば充分だ(笑)。(ころころ)62ー。受けたー。ダメージかまん。
瑚唄:(ころころ)30点ですが,これは弾かれますよね。じゃあ次。歩兵部隊がパパンに攻撃ね。
水限:そこが一番危ないんだよなァ……同じエンゲージに来てくれた方が……。
GM:でも抜け出すためには〈運動〉で対決ですからねー?
直人:それは厳しいなァ。
水限:うーむ……。
真琴:(その横で何やら気合を入れている)はあああああああ……!
直人:……何しとるんだね,君は?
真琴:君嶋の呪いをかけているのだ。
直人:何それ。
水限:感染するとテキメンにダイス目が悪くなるという……(笑)。
瑚唄:(ころころ)あれっ,回らねえ。
一同:(笑)
瑚唄:11の7。さすがに避けるか,これは。
直人:しかしてここで避けそこなうと笑えないので11の方だけ《天性のひらめき》を使っておこう。(ころころ)よしよし,避けたぞ。
GM:では本番。従者自爆! 《血族》《闇夜の呪い》《渇きの主》《白熱》《炎神の怒り》と,《終末の炎》!
水限:《終末の炎》? ……ねえ,アレいっといた方がいいと思う?
瑚唄:アレ? ……そうですねえ,これで従者死んでくれますしね。いいかもしれない。
水限:ということでそれナシで。
GM:ええ? 《時の棺》ですか?
瑚唄:(ひらひら手を振って)チャイチャイ。
水限:停時旛とも言う(注:自動失敗なのでホントはちょっと違う)。
GM:ちっ,わかりましたよ。じゃあ従者死亡。本体は従者作って,と。(ふと)……あ。
水限:何?
GM:いや,何でも……。
瑚唄:なるほど,さっきのコンボと今の従者ですからね。間違いなく100いきましたね?
GM:そうなんだけどさ。でも《聖炎の庭》は全キャラクターに有効なのでどのみち関係ないよ。(ころころ)クリティカル値も7になったからな。HP66の従者ができたよーん。はい,ではセカンドアクション!
真琴:ちなみにこれ,私もやった方がいいんだろうか?
直人:当然です!(笑)
瑚唄:あと必ず《レーザーファン》使うように。とにかく周りを片付けないとどうしようもないからね。
真琴:では《シャインブレード》を除いてさっきと同じ組み合わせ。あ,それと《デュアル・デュエル》ね。(ころころ)37。それでダイスペナルティは10個。
GM:10個!?
瑚唄:(←アイオーン担当)で,どうするよ。カバーリングする?
直人:いや,こいつらもう行動済みだろう。カバーリングはできないはずだ。
GM:うーん,じゃあとりあえず避けて?
瑚唄:じゃあ参式ね。とりあえず2個は振れるから(ころころ)あら? 避けたわ。
水限:ふざけるなー!?(笑)
真琴:あ。そう言えば呪いかけるの忘れてた。
直人:ダメじゃないか君嶋くん!(笑)
瑚唄:あはは。(さらにころころ)さすがに弐式は全部くらってますんで,これで消滅です。で,久我原本体は?
GM:マイナス10個ってのはなー。すでに避けられないの確定なんで,従者でカバーリングするしかないな。
水限:装甲値無視で,ダメージ2倍だから……えーと,何点ダメージだせば従者消せるんだっけ?
直人:33点だな。少しキツイか?
真琴:(ころころ)……34点,装甲値無視!
一同:(拍手)
直人:よしよし,よくやったぞ君嶋くん。
GM:(渋面)こっちのセカンドアクションなんだけど……しかし,セカンドじゃ従者作れないしなァ。では君嶋に攻撃。《夜魔の領域》《ブレインコントロール》《炎神の怒り》でショットガーン!(ころころ)お? おお? 何だこりゃ。(さらにころころ)97!
一同:何それッ!?
真琴:しかしこちらも今はクリティカル値4だ。《破邪の瞳》あるから。
水限:それはそれでヒキョーだなぁ。
真琴:そうでないと私のダイス目はカバーできないんだよぉ!
瑚唄:はいはい,逆ギレてないで早よ避けて。……まぁクリティカル値4で20個振れればふつー避けられると思うけど……。
真琴:フツーはな(笑)。
GM:数値計算してみようか?
真琴:いや,いいから……(ころころのころ)あー……。
水限:はいはい手伝いね。ちょっと待ってね。(と計算機を持って覗きこむ)

 かつて32個振りにさんざん「アホかーッ!?」とか言った私ですが。
 よく考えてみれば,「クリティカル値4で20個振り」もけっこーな世界だよな……(笑)。


水限:(指折り数えている)8回……9回……よしよし,あと1回回れば……。
真琴:(ようやく計算を終え)117だ! 種が割れてるだけのことはあったぞ!(笑)
GM:えーと次……あ。もう1人いたか。
水限:いたよー。久我原殴るよー。
GM:(渋面)殴るか……。
水限:そりゃ殴るよ。他におトモいないし,今が絶好のチャンスじゃんか。
瑚唄:あれ,だって参式は……あ,行動済み? ひょっとして今カバーリングできる人いないの?
直人:おお。確かにいないな。
水限:というわけで慧ちゃんのタイタス使います。
GM:ああっ!? この人殺る気だ!?
水限:殺る気だよ。当然だろうが。えーと殺る気なので《魔王の腕》はいらないな。《漆黒の拳》《業炎》の,クリティカル値6で殴り。(ころころ)67だす。
GM:むう。しかたないので《炎神の怒り》《ブレインコントロール》で避けます。ちなみにアイオーン壱式を着てるのでボーナスついて全部で11個!
真琴:呪いレーザー照射よーい(笑)。
水限:頼むぞ君嶋。
GM:やめなさいって(笑)。(ころころのころ)って,全然回らねえ!?
一同:(笑)
真琴:どうだ,私の呪いは偉大だろう。
水限:ありがと君嶋。今ちょっと愛を感じた(笑)。
直人:ヤな愛だなぁ……。
水限:それはそうとダメージは38点,装甲値無視。
GM:む? それは《ショックアブソーブ》を使えば何とか……。
瑚唄:だって参式まだ生きてるでしょーが。
GM:……うう。では久我原昏倒です。
水限:よしよし。行動で示したぞ。
直人:ちなみにまだ生きてるのはどれとどれだっけ。
瑚唄:参式。あと歩兵部隊も一応ですが健在です。
直人:あ,そう。では「おまえたちは死ぬな! 生きて郷里(くに)へ帰れ!」とか言いながら,《ショック》。
一同:(笑)
直人:対象はもちろん歩兵部隊2グループだ。(ころころ)33。
瑚唄:それは無理でしょう……(ころころ)はい,無理無理。昏倒しました。
GM:いいもん。アイオーン参式がまだ生きてるもんね。
瑚唄:やっぱり直人さん狙いますか? それとも君嶋とみーちゃん狙います? 君嶋狙うと例のアレがきますよ?
水限:例のアレ? ……ああ,《破邪の瞳》《カウンター》《小さな塵》ね(笑)。
GM:「大谷のチキンコンボ集」にも載っていたアレです。
水限:ほほう? で,それどうしたの?
GM:作ってみてあまりにアレなので掲載断念したという(笑)。雨追と桂子さんと大谷というアレなメンバーだったんですけどね。
瑚唄:イヤですねー(笑)。
水限:見てみたい気もするけどなぁ(笑)。
GM:……いやともかく,ストーリーの美しさを追求するならそっちの2人だろうな。
瑚唄:いっそ逃げるって手もありますけどね。そうすると私たちもGMも次回がとっても大変♪
真琴:やめんか!(笑)
GM:どっちにしろ逃げるのは無理。〈知覚〉でリアクションできるからやっぱり《破邪の瞳》がくるんだよ。
瑚唄:じゃ,ストレートに機銃ということでよろしいですね? (ころころ)そちらのお2人,36でリアクションをどうぞ。
真琴:んだらば,《破邪の瞳》《カウンター》《小さな塵》《天からの眼》《シューティングシステム》《ピンポイント・レーザー》《マルチウェポン》でいきまーす。一応このコンボは「クロスファイア」とか名をつけてみたんですけど。
水限:クロスしてから撃ち始めるんだろ。基本だな。
真琴:そーゆー意味じゃなくてー!?
直人:はいはい,いいからとっとと振る。
真琴:うーっ。(ころころのころころ)うわい,しかも低いよ。87。
GM:ええい,もうとっととダメージ来いや!(笑)
真琴:(ころころ)49発装甲値無視。
GM:うがー。では完全破壊です。
瑚唄:みーちゃんは?
水限:(ころころ)こっちも受けた。装甲値有効なら64点まで止める。
瑚唄:その時点で最大ダメージ以下です。というわけで戦闘終了ですね。
GM:ではエンディングに入るんですが……その前に。
一同:その前に?
GM:例の収容施設の方で,どぉんと爆発が起こります。
一同:…………。
瑚唄:……やっぱりなぁ。
真琴:急いで戻ろうとしますが。あれ,そう言えばバイクは?
GM:そんなのとっくに大破ですよ(笑)。
直人:心配するな君嶋くん。防衛隊の車輛がいくつか転がってるんだから,適当に見繕っていけばよかろう。
GM:それはいいんですが,直人さんはその前にエンディングをやるんでちょっと待ってくださいね。ではシーンを変えます。

 

  SCENE 19


GM:はい,皆さん「帰ってくる判定」はよろしいですね?
一同:問題ないでーす。
GM:では直人さんのエンディングです。ただし君嶋とみーちゃんも登場しといてください。で,久我原が「さすがですな……負けました」と。
直人:久我原……。
GM:久我原はポケットから小さな仏像とカードを取りだし,あなたに差し出します。
直人:これは?
GM/久我原:「これを使って……ゲートを抜けることができます……今だけだと,思いますが……どうか……」
直人:しっかりしろ,久我原!
GM/久我原:「…………」
直人:すまない。私は隊長として何もしてやれなかった……。
GM:彼は何も答えません。普通でしたら昏倒のはずですが,ここで何故か死亡します。
直人:何故だ。
GM:それはアレですね,“フィーヴァー・ドリーム”ですね。
水限:……ちょっと待て。まだあの設定は健在だったんか?(笑)
GM:何のためにユージン捕らえて研究したと思ってんです。色々アリますよー♪ それはともかく,ここで3人にお聞きしておきます。今だけならデモンズシティの外部に逃れることができます。
直人:……ふむ。どうする,2人とも?
真琴:愚問です。それより早く戻らないと……。
直人:水限くんは?
水限:俺もいい。したいこともできたんで。
直人:したいこと?
水限:……貸しが2つもできたからな。返さないと。
直人:そうか。では久我原の死体に手を合わせて言います。すまん久我原,俺はまだこの街でやることがある。何,心配するな。いつか出てやるさ。自分の力でな。……あ,ちなみに仏像って持っていってもいいか?
GM:直人さんなら許可しましょう。実は久我原はですねー,今まで殺した人間の数を記録してるって設定があるんですよ。
真琴:ヤな趣味だな。
GM:違うわっ。そうじゃなくて,
水限:キサマは今まで食べたパンの数を覚えているかーッ!?
一同:(爆笑)
GM:さらに違うわああッ! 供養するためじゃっ!
水限:だから頼んでねえつってんだよ,そんなことは。
真琴:手前勝手だよなー。
GM:ダメですか! 何でですか!
直人:(淡々と)はいはい,いいからいいから。そういうわけで私のエンディングはこんなところかな。
GM:その前にひとつだけ。施設に連絡とったりします?
直人:ん? そうだな,電波も回復したことだし……。
GM:してないんですよ,これが。
直人:何?
水限:何で?
GM:さぁ,何ででしょうね。とにかく携帯その他無線機はまったく作動していません。どうします?
直人:……考えていても仕方ない。2人を連れて施設に戻る。
GM:わかりました。ではここで直人さんのエンディングは終わりです。

 

  SCENE 20


GM:では瑚唄のエンディングです。あなたの前には彼が倒れているわけです。わずかに息はあるようですね。助からないとは思いますが。
瑚唄:ではしゃがみこんで声かけてみましょう。……無様ですわね,ディアフレンド。
GM/青年:「……ああ……無様だな……この街を,滅ぼすために来たのに……彼らに,同情してしまったんだからね……」
瑚唄:同情?
GM/青年:「ああ,でもこの半年……本当に楽しかった……あと数年しか生きられない身だったけど……」
瑚唄:あら,どうしてですの?
GM/青年:「先天的な遺伝子欠陥だよ……生まれつきさ……ああ,でも……ユウキくん,そんなに暴れるな……晟くん,何で君はそう……ああ,どうしてみんな……紫音もいいかげんに……」
瑚唄:…………。
GM/青年:「楽しかっ……た,な……」ここで青年はがっくりと頭を垂れ,動かなくなります。
瑚唄:そうですか。自己陶酔の挙句,満足な死を得た,というところでしょうね。
GM:……厳しいですね。
水限:厳しいか? ごく当然の意見だと思うが?
真琴:……手前勝手だよなぁ,やっぱり。
水限:すさまじく手前勝手だよ。勝手に大谷に化けてメンバー殺しまくって,今さら「実は愛着あったんですぅ」みたいなこと言われたってな。
GM:…………。
水限:(ふと)あれ? で,結局偽大谷って名前なんだったの?
GM:もういいです。データ渡しますから,後でNPCリストにあげといてください。

 と,いうわけでNPCデータアップしましたので,そちらをご覧下さいませ(嗚呼,ひっでえ扱い♪)。

瑚唄:それはいいんですけど,これでエンディング終わりですか?
GM:いや,その前に……すぐ近くでどぉん!とすごい爆発音がします。ビリビリとガラスが震え,次の瞬間砕け散って室内に飛び散ります。ではそんなところで……。
瑚唄:先生。
GM:え? 何?
瑚唄:今から美沙ちゃんのところに行くってのはなしでしょうか。そうすればカバーリングで!
一同:(笑)
GM:ダメ。
瑚唄:そんな,むざむざあの娘を殺すなんてっ!(笑)
直人:殺すの決定なんだ。
真琴:決定みたいですね。
GM:外野は黙っててください。とにかく,そこであなたのエンディングはここで終了です。で最後に……。
瑚唄:先生,大谷さんがいぢめます。
GM:最後に……。
瑚唄:いぢめだいぢめだ。
GM:ええい,黙っとらんか!(笑)

 

  SCENE 21


G M:では最後。君嶋とみーちゃんは一緒でいいですね。君たちが戻ってくるとですね。まぁすごい惨状ですね。建物はほとんど焼け落ちています。砲撃ですね。ここの座標がバレたようです。
真琴:しかし,今はそんなことまで頭に入っていない。瓦礫に駆け寄って生存者を探す。
水限:……おい,君嶋。むやみにいじるとかえって危ないぞ。
真琴:聞いていない。とにかく皆を探す。
GM:いくつか見つかります。死体がいくつか。
真琴:……生存者は……。
GM:いなくはありませんよ。かすかにうめき声や泣き声が聞こえます。
真琴:…………。
GM:で,あなたが必死に瓦礫をひっくり返していると,鉄柱の隙間から女の子の腕が突き出ているのが見えます。見覚えのあるウサギのぬいぐるみをつかんでいますね。
真琴:鉄柱を持ち上げる。
GM:あなた【肉体】2でしょう?
真琴:しかしそんなことは気にしない。夢中で持ち上げる。
水限:……だからちょっと待て。俺が支えてるから,おまえは下に潜って引っ張り出せ。
真琴:……すまない。頼む。
水限:…………。
真琴:…………。しかしなぁ。
GM:なんですか?
真琴:……GMのやりたいことが,もうすでにわかってしまったんですけど。
一同:(爆笑)
瑚唄:いやいやアナタ,そんなことじゃいけません。
直人:わかっていても,やらないといかんな。
真琴:引っ張らなきゃダメ? ダメだよなぁ……。
水限:気持ちはわかるが,ダメだろそりゃ(笑)。
真琴:うう……ではそういうことで,その手をつかんで引っ張りますが……。
GM:では皆様のご想像通り。非常に軽い手応えとともに,ずるりと腕が引きぬかれます。……そう,腕だけが。
真琴:…………!
GM:君の脳裏に,彼女の声が蘇ります。「……お姉ちゃんって『せいぎのみかた』なんだよね?」……では,そんなところで第2話「上昇原理,下降原理」を終わらせていただきます。

(次回予告というかおまけが思ったより長かったので別ページにしました。意味不明な上に面白くないですが,それでもよろしい方はこちらからどうぞ)