SCENE 14


GM:で,直人さんのシーンですが……。
直人:……その頃市内では。
GM:は?
直人:どかーん。「……くっ,2人と1匹がかりでやっとか。なんだこいつらは」
一同:(笑)
真琴:ちなみに,その「1匹」というのは孝太郎のこと?
直人:そう。ブラックドッグ=ブラックドッグ。
水限:ウナギイヌかい。それ以前にマジでオーヴァードだったんですか?
直人:(頷いて)昔,尚也と和也にいじめられている時に反撃で噛みついたら,レネゲイドウィルスに感染してしまったのだ。
一同:ひでえ。
水限:やっぱ上杉兄弟って情緒的に問題がありませんかね。
直人:そんなことはない。そもそもだな,
GM:……いや,どうでもいいですから。中継やってないで戻ってきてください。直人さんのシーンです。
直人:ふむ,爆弾が到着するまでにはまだ間があるのか? それならば購入判定をしておきたい。
GM:いいですけど,何をですか?
直人:防衛隊守備部の制服だ。潜入するなら当然必要だろう。もちろんサイズが合うやつをな。
GM:守備部,ですか……この場合何に相当するんだ?
瑚唄:「UGN戦闘服」か「GPO制服」じゃないですかね。
GM:いや,一種の偽造証明書にあたるんじゃ?
瑚唄:でもそれでは購入判定不可ですよ? そこまで難しくはないでしょう?
GM:ふーむ……えーと人数ぶん入用なんですよね? では目標値30でお願いします。
直人:む。では《天性のひらめき》を使って,(ころころ)よし,成功だ。
GM:はいはい,防衛隊の制服ね。「抗レネゲイドスーツ」のデータを使いましょう。装甲値5点,着用者をエフェクトの対象とした場合,2個のダイスペナルティを負います。イニシアティブ−2,回避修正−2です。
水限:……それって,むしろ損じゃないの?
直人:しかたあるまい。戦闘を避けられるなら避けられた方がいいだろうが。
水限:ふーん? ……あ,俺も「応急手当てキット」買わせてください。(ころころ)成功です。
直人:そうそう,守備部の教範事項とかもあらかじめ調べておかねばな。〈知識:軍事〉でいいかな?
GM:目標値20ぐらいで……成功ですか? ではかなり詳しくわかりますよ。
直人:水限くん,ちょっとやってみたまえ。敬礼はこうだな。
水限:こう?
直人:君はどうも姿勢が投げやりだな……ま,何とかなるとは思うが。
GM:そんなところであなたの元に資料が届きます。どうも目標は移動しているようです。トレーラーとかに積んでいるんじゃないでしょうか。
直人:当時は小型化が困難で運搬ができなかったはずだが,時代は変わるな。
水限:15年もたてばね。
直人:まぁいい,作戦は決まった。ヤツらだって出入りは激しいだろう。制服を着て夕刻か朝方,部隊の動きに合わせて移動し,潜入する。そしてトレーラーを爆破して即逃げる。いいな?
瑚唄:わかりやすい作戦ですわねぇ。
水限:ちなみに,盾って持ってっていいわけ?
直人:問題なかろう。鎮圧部隊が盾を持っているのはよくあることだ。
GM:ちなみにですね,トレーラーを警備している部隊の情報もある程度入ってきてます。指揮官はみーちゃんと直人さんに聞き覚えのある名前ですね。
水限:むねむね?
GM:久我原宗明だってば。みーちゃん,ボケてないで衝動判定してください。
水限:あいよ。(ころころ)判定は成功だけど,これって侵蝕値は問答無用で上がるんだよね。
GM:それくらいのトラウマはあるはずでしょう?
直人:ふむ,何か浅からぬ因縁でもあるのかね。
水限:……それなりには。
GM:ちなみに直人さん,彼はあなたが防衛隊にいたころの先任仕官で,色々面倒を見てもらった覚えがあります。「おまえらが俺の最後の生徒だ! 俺は修行しに山に帰る!」が口癖でしたが。「おうおまえら,最後に1人くらい俺に殺させてくれんか!? おら死ね! そんなところに這いつくばってるなら死ね!」みたいな。
水限:GM,また口調がイッちゃってますけど……。
直人:いやいや,軍隊式教練というヤツだな。そうやって鍛えられるのだよ。
水限:そうかなあ……(笑)。
GM:けっこう面倒見とかはよかったですよ。なお,あなたが訓練を終えたあとに一度だけ会ったんですけれど,そのころはすでに袈裟着てましたね。
直人:……ふむ。あの人はまだ軍人をやっていたのか?
GM:「これで俺も静かに生きていける」とか言ってたんですけどねえ。
水限:……こいつ,昔ファルスハーツだった。
直人:ファルスハーツ? それは初耳だな。
水限:でも元々防衛隊だったんじゃないか。スパイだったって聞いた。
直人:それは何年前の話だ?
水限:2,3年前じゃなかったかな。脱走したのはついこないだ。
瑚唄:おそらくファルスハーツの人員構成を知りたかったんじゃないですかね。
直人:一概に防衛隊のスパイと決めつけたものでもない。ダブルという可能性もあるしな。
水限:二重スパイ?
直人:そうだ。
水限:その場合,結局どこに所属するスパイなの。
直人:そこまではわからんよ。だが,彼が混じっているのは厄介だな。
あとアイオーン参式がいたって情報もあります。
瑚唄:どの参式かが問題ですけれどね。
水限:シナリオの展開上,赤いヤツのような気はするが……。
GM:そんなことキャラクターにはわかりません。そこまで情報ないですからね。
水限:おや? しかもよく考えたら私は「参式」自体知らないじゃん(笑)。
直人:参式というのは,こないだいた大きい白い機体の同機種らしいな。オーヴァードの脳を使い,エフェクトを使用するのが特徴だ。何でも,リザレクトを阻害するヤツまでいるらしいぞ。
水限:ふーん。
直人:とにかく戦闘になったら,まず参式をつぶせ。いいな。
GM:あ,瑚唄さん。〈情報:?〉を振っていただけますかね。目標値は12。
瑚唄:では《マインドエンハンス》を使いましょう。今回は使いどころがなさそうですからね。(ころころ)18。成功です。
GM:ではアイオーンに関する全情報をさしあげましょう。アイオーン壱式は強力なパワーアシストアーマーです。弐式は多脚戦車の小さいヤツで通称は「アイオーンの指」。
水限:(ぼそっと)それは「通称」か?
GM:(無視)特記事項は特にありませんが,これにも人間の脳は使われている。参式は全部で3機しかありません。使用された脳によって使えるエフェクトも異なります。1つはこないだ戦ったKタイプ,正式には「K−29」で,これは白兵戦型。もう1つはLタイプで射撃戦闘型。
真琴:うわ……。
GM:ちなみにLタイプの使用エフェクトはブラックドッグとノイマン。あとこいつは主砲が二門あります。
直人:なしてそんな効率の悪いことを?
GM:なしてでしょうねえ。
真琴:二丁拳銃だからでしょ?
GM:……何で言っちゃうかなぁ,そういうことを!
一同:(笑)
GM:こういうのはねえ,登場時まで隠しておいてみんなに「ばーか!」と言ってもらうのがイイんですよ! 戦車で二丁拳銃! どうよソレ!
瑚唄:ばーか。ばーかばーか。
GM:今言われても嬉しくないのっ。
瑚唄:ま,それはいいとして,残る参式が赤いのですよね?
GM:はい。これの被験者は茶山揺香といいましてですね。
水限:遙のおばあちゃん? でもあれ発症者じゃないよ?
GM:因子を引き継いでいればいいということで。だから名称はHタイプ。炎華だから。能力は「一般エフェクト」をすべて阻害すること。
水限:セイクリッド・フレイム・ガーデンか。
GM:そうそう。これのすごいところはですねえ,5キロ離れたところから目標を狙えるということなんですよ。だからその場所に遠距離から砲撃を加えればオーヴァードに効果的。
瑚唄:なるほど。では今の情報を皆さんに提供します。
水限:その楓だとかリヒターだとか揺香さんについてはどれくらい知ってるの?
GM:〈情報:魔街〉でどうぞ。
直人:たまには素振りで……7だな。
水限:あ,こっちが回りました。19です。
GM:わかるのはリヒター・グリュンシュトルムくらいですかね。彼は……。
水限:……今思ったんだけどさぁ。
GM:はい?
水限:その名前って,グリーンリバーライトやリョクセンコウと同レベルなんじゃ?
GM:うるせえ! 俺がつけた名前じゃねえッ!
一同:(爆笑)
真琴:すいません,つけたのは私です。わざわざドイツ語の辞書も調べました(笑)。
瑚唄:ほほう。あなたも指を指して「ばーか!」と言ってほしいと。
真琴:……ああいいさ,バカと言うがいいさ!
瑚唄:ばーか。ばーかばーか。
GM:まぁそれはともかく,ですね。元UGNの腕利きエージェントでしたが,数年前から行方不明になってます。
水限:元君嶋の師匠,ということはわからない?
GM:わからない。射撃の名手で,敵に回すと非常に危険な人物だそうです。
真琴:容赦がないですから。何せ元ネタがアレですから。
水限:ポジティブとかネガティブとか言う人ね。
真琴:そうそう。コードネームは「死神の猟犬」。
直人:まぁよかろう。どちらにせよ,アイオーンとは極力戦わない。それが私たちの基本方針だ。
瑚唄:ちなみに,ルートは特定できてるんですよね? それって市外?
GM:市外です。
瑚唄:(考えて)今,住民の避難ってどうなってる?
GM:あまり芳しくはありませんな。人員も物資も不足してますし。
瑚唄:……直人さん。
直人:何かね?
瑚唄:直人さん的には,何か策はないわけですか?
直人:何に対してだ?
瑚唄:逃げまどう市民に対してですよ。彼ら,襲われたらひとたまりもないですよね。
直人:ない。
瑚唄:ない,ですか。
水限:というか今のところ俺たちには関係ないんじゃ?
直人:そうだな。市民を避難させるなら,各所が連携して行動せねば話にならん。通信の確保が最優先で,我々の任務はまずそれだ。
瑚唄:でも,彼らをオトリにして作戦を実行するわけですし?
直人:ふむ,あながち間違ってはいないがな,
瑚唄:手だしできないものはできないと。そういうことですね。
GM:……ちなみに市街の方からは砲声が聞こえてきますね。戦闘は続いているようです。
瑚唄:…………。
直人:……尚也,和也……。
真琴:やっぱり心配ですか?
直人:ああ。……あんまり殺しすぎてくれるなよ。
一同:そっちかいッ!?(爆笑)
GM:えー,オチがついたところでこのシーンはここで終了させていただきます(笑)。

 

  SCENE 15


GM:では次のシーン。シーンプレイヤーはとりあえずみーちゃんで。爆弾が到着したということで,3人は出発してください。
直人:爆弾の形態はなんだね?
GM:ごくフツーにプラスチック爆弾ですよ。ちゃんとリュックに詰めてくれます。
瑚唄:というわけでお願いできますでしょうか。
水限:え? 俺?
瑚唄:はいはい。私たち非力なものですから。
GM:瑚唄さん,キミ今従者じゃなかったの?
瑚唄:何のことです? 私かよわい15歳の少女ですわよ。
水限:……何となくジト目で見つつ黙ってリュックを背負います。
直人:ちょうどいいじゃないか。君の制服についているのは二等兵の階級章だ。
水限:二等兵って,何。
直人:つまり一番の下っ端ということだね。
水限:ふーん。
直人:ちなみに瑚唄くんは軍曹。私は大尉だな。
水限:あのさぁ,つまり軍隊のフリをしろってこと? どういうしゃべり方をすればいいわけ?
瑚唄:簡単ですわよディアフレンド。最後に「サー」をつければよいんですわ。
水限:ふーん?
GM:って嘘を教えるな! アンタも信じるな!(笑)
直人:いやいや水限くん。いいかね,まず私を呼ぶ時は「上杉隊長」,もしくは「隊長」と呼ぶんだ。で,彼女を呼ぶ時は「軍曹どの」と呼びたまえ。
水限:……あのさ。
直人:何だね?
水限:何で「軍曹」に「どの」がつくんだ? 「軍曹」って役職じゃないのか? それにさらに敬称つけるのか? で,何で「大尉」には「どの」がつかないんだ? 「大尉」の方が偉いんじゃないの?
直人:……あー,それはだね。君みたいな二等兵から見ると,「大尉」は雲の上の人で滅多に会うこともないんだ。実際に育ててくれるのは軍曹とかなんで,だから「軍曹どの」。
水限:…………?
直人:こーゆーのは慣例なんだからあまり細かく考えないで従いたまえ。……ああそれと君,語尾に「であります」をつけるといいぞ。
水限:で,あります?
直人:そう。
水限:ふーん……(←と手のひらにメモしている)。
瑚唄:……大丈夫ですかしらね。
直人:あの階級章を見ればまだマトモに訓練されていない,で通るだろう。
GM:てゆーかしゃべらせなきゃいいんだ,コレは(笑)。
瑚唄:じゃ,私は?
直人:君も黙っていればよろしい。
瑚唄:わかりました隊長……デアリマス。
直人:よろしい。
真琴:……なんだか2人とも無力化されただけのような気がするんですが……。
直人:あと偽装を解くタイミングは私が指示する。いいな?
GM:えーと,ではそんなところで……えっちらおっちらと出かけた3人組なのですが,途中で誘導部隊がアイオーンに襲われているのに出くわしますね。
瑚唄:…………。
水限:で,どうするの……で,あります。
直人:残念だが,ここで彼らにかまっているわけにもいくまい。素通りする。
瑚唄:それでいいんですの?
直人:ではどうしろと?
GM:あー直人さん,誘導部隊の中には和也くんがいらっしゃるみたいですが?
直人:何だと?
GM:本当にいいんですか,素通りして?
水限:……なおさら放っておいても大丈夫って気もしますが。
一同:(笑)
GM:い,いやそれがですね。彼は病み上がりのうえ,小さな女の子をかばって戦っているようでして。
直人:あの馬鹿者が……。
GM:どうします?
直人:放っておくわけにもいくまい。……これが尚也だったら放っておくところだが(笑)。
瑚唄:では隊長,ご指示を?
直人:市民を保護する。あと行動は迅速に。援軍を呼ばれる前にカタをつけるぞ。
GM:では戦闘開始します。よろしいですか?
水限:エンゲージは?
GM:敵は2つのグループに分かれていますね。ちなみにアイオーンの弐式。すべてトループです。片方のグループが下,もう片方はワイヤーを使って降下している最中ですね。
直人:私が最初だな? では降下中のグループに《ファクトリー》《ショック》で攻撃だ。(ころころ)おや? 回らんな。16だ。
GM:ではファンブルしなければ回避しますね。弐式は〈回避〉と〈射撃〉を20レベルで有しておりますので。
真琴:またそういうことを……。
GM:(無視)はいはい,回避しましたよ。
瑚唄:で,私ですねえ。接敵するしかないので接敵しましょう。下にいるグループにはマイナーで
接敵できますか?
GM:20メートルは離れてますね。
瑚唄:うーん,じゃ接敵して終わり。
水限:で,俺は? 接敵した方がいいわけ?
直人:現状では攻撃力が足らんな。君も攻めに回ってくれ。
水限:20メートルだったっけ? ではこっちも移動して終わり。
GM:和也はNPCですので子供もかばって退避ということで……ではトループの攻撃です。瑚唄とみーちゃんのいるエンゲージに向けてチェーンガンを撃ちこみます。(ころころ)おや,回った回った。39。
水限:(瑚唄に)はい,じゃあ先避けて。失敗したら言って。
瑚唄:(ころころ)惜しい,37です。
水限:じゃあ《炎陣》《灼熱の結界》《業炎》《氷盾》《魔人の盾》でカバーリングします。
GM:《炎陣》だけ使ってリザレクトするって手もありますよ?
水限:うーん,それでもいいんだけど……。
瑚唄:例のリザレクト封印が本当に赤い参式だけなのかどうか確証が持てませんわよね。このGMウソツキですし?(笑)
水限:そういうわけなんで,やっぱりちゃんと受けます。
瑚唄:よろしく。
真琴:……しかしさぁ。水限ってそうやってるところを見ると,なんだか従者っぽいよね。
瑚唄:あら,あなた私の従者なんですの?
水限:いや,君嶋の。
一同:……はい?
水限:(無視してころころ)
真琴:……おーい,今のは何だぁ?(笑)
水限:(無視)えーと57。受けた。ただし《重力の城》使ってないからなー。33点までしか受けられん。
GM:(ころころ)お,目が走った。39点。
水限:じゃあ6点の,2倍して12点……じゃなかった,装甲値2点も引いていいんだよね? では全部で8点のダメージ。
GM:かったいなー。ではもう1グループは直人さんに撃ったれ。(ころころ)おお,よく回るなぁ? 今度は46だ。
直人:《命の盾》《天性のひらめき》で……ダメだな。
GM:24点。
直人:おや,死んだ。
水限:……や,ちょい待ち。結局リザレクトはできるの?
GM:できます。てゆーか《聖炎の庭》を使う時はちゃんとそう言いますので。でないと不意打ちでみんな死んじゃうからね。
直人:ふむ,ではリザレクトして,と……改めて奥のグループを狙おう。(ころころ)……おや。17?
GM:アンタ君嶋病が感染ってませんか。
瑚唄:かわりに今日の君嶋は出目がいいかもですよ。
水限:吸われたな。吸われたんだなパパン。
瑚唄:返してー,返してくださいー(笑)。
真琴:……おまえら。黙って聞いていれば……。
GM:はいはい,ファンブルはしませんでしたよー。瑚唄さんどうぞ。
瑚唄:はいはい殴りまーす。イミはないんですけど何となく獣の姿に変身してみたりして。《血族》《亡者の爪》《かりそめの剣士》《渇きの主》で(ころころ)あらま。15?
水限:君嶋病……(笑)。
瑚唄:感染してますわねえ。またファンブル以外で回避ですわねぇ。
GM:ひらり。
水限:……厳しいな。
直人:このターンで倒せなかったら撤退も検討しよう。とりあえず攻撃してくれ。
水限:じゃあ《漆黒の拳》《業炎》《魔王の腕》ね。(ころころ)うわー,またしても君嶋病だー!?
真琴:だから,おまえら……。
水限:(聞いてない)あ? でもこのへん回ってはいるか……46です。
GM:(ころころ)37だ。くらった。
水限:ダメージは33点,装甲値無視で。
GM:じゃあこのグループはそれで落ちました。
直人:そうか,トループだから通れば弱いんだ。
瑚唄:あくまで「通れば」ですけどね。
GM:そして今度はこちらの攻撃だ。(ころころ)28で2人にチェーンガン。
水限:(瑚唄に)例によってお先にどうぞ。
瑚唄:はいはい。《意志なき者の舞い》《血族》で……。
GM:あれ? ちょっと待って。そこの従者,HPは?
瑚唄:40でーす♪
GM:……あんたがみーちゃんをカバーリングしたらどうなんだ(笑)。
瑚唄:や,それやると瑚唄本体がダメージ受けて死にますよ。
水限:つーかみーちゃんはそれがレゾン・デートルなので,どうか奪わないでやってください。あと古傷えぐらないでください(笑)。
GM:あ,そうか。アンタ誰かにかばわれるたびに衝動判定だな(笑)。
瑚唄:ほほう,そういうことならば是非この私めがカバーリングを?
水限:やめいっついーに。ただでさえさっくり人の存在意義を奪ってるヤツもいるのによ。
真琴:誰?
水限:おまえだ,おまえ! 《破邪の瞳》なんぞ持ちおって!
一同:(笑)
瑚唄:ずるいよねー変異種は(笑)。
GM:てゆーかこの人,どうして前回《破邪の瞳》を使わなかったんでしょう。
真琴:いや,それは……。
GM:忘れてたな!? 忘れてたんだな!?
瑚唄:はいはい,そこらへんはツッコまないであげるとして。……27は当たりますよねえ?
水限:じゃあカバーリングして,私はそのままリザレクトします。
GM:はい,では次のターン。
直人:《ショック》いまいち使えん。作戦変更,オリジナル・ブレンドを使用。
GM:……なんすか,それは?
直人:《痛みの水》《オウガバトル》《シューティングシステム》のコンボだな。「北風」特製強酸コーヒーをくらえ!
GM:つかそれコーヒーじゃねえしよッ!?
一同:(爆笑)
水限:さ,殺人コーヒー……(笑)。
直人:(ころころ)よしよし,38だ。

 そんなわけで戦闘終了。隠れていた和也くんと再会を果たした一行ですが……。

直人:和也,こんなところで何をしている。
GM/和也:「何って,見てわかんないのかよ? 誘導だよ,誘導。ちなみに兄貴は別の部隊」ちなみにこの部隊は誘導だけじゃなくて,ダイナモとかの機材を運んでますね。「これ,大谷さんに頼まれたんだ」
瑚唄:これをとりに行くように?
GM/和也:「そうだけど?」
瑚唄:……直人さん。ものは相談なんですが。
直人:何だね。
瑚唄:これ,ちょおっと放っておくには危なくありませんか?
直人:そうは言っても,ではどうしろと言うのだね。
瑚唄:私,実はいささか心当たりもございますので。今回はここでお暇させていただきますわね。
直人:……ふむ。ならばしかたあるまい。
瑚唄:あ,応援は呼んでおきますから。そういうことで。
GM:え,退場ですか?
瑚唄:退場でーす。じゃっ。
水限:…………。だ,そうだけど?
直人:何か事情があるらしいな。好きにさせておこう。……いいか和也。
GM/和也:「え?」
直人:男にはな,命を賭けてもやらねばならないことがあるのだ。父さんはこれから命を賭けた戦いを挑みに行く。
GM/和也:「なんだよ,らしくないな」
直人:らしくないか?
GM/和也:「いつも行って帰ってくる。それが父さんだろ」
直人:……そうか。そうだな。
GM/和也:「…………」
直人:……いいか和也。私は必ず帰ってくる。
GM/和也:「……ああ」
直人:だから,それまで母さんと尚也を頼むぞ。
GM/和也:「や,あの2人は放っておいても大丈夫なんじゃ?」
直人:…………。
GM/和也:「ごめん。俺,むしろ父さんの方が心配かな,とか……」
直人:じゃ,「心配しないでください」と伝えておいてください。
一同:(爆笑)
GM/和也:「ま,まぁがんばってね,父さん」
直人:うん,がんばる……。
真琴:ぱ,パパンがおかしなことに?
瑚唄:いや,最初のコンセプトは「ちょっとダメな親父」だったそうですから。目標達成ということで(笑)。
GM:えー,ではいっぺんシーンを変えまして,留守番組へ戻します。

 

  SCENE 16


GM:では,君嶋のシーンです。和也たちが戻ってきたところあたりから始めましょう。かなりボロボロですね。
真琴:何かあったのですか。
GM/和也:「……敵,すごい数だったよ。父さんたちに助けられたんだけどね。あ,知ってたっけ。うちの父さん」
真琴:上杉直人さんでしょう。承知しています。
GM/和也:「そうか。……しかし,どうやってあんなに揃えたのかな。待ち伏せされてたのかもしれない」
真琴:それは,どういうことですか。敵にこちらのルートが漏れている?
GM:瑚唄やパパンあたりも気づいてるかもしれないけど,どうもおかしいなぁと。こちらの行動があらかじめわかっていなければ,相手もあんなに部隊を集中できませんよね。
真琴:和也たちってのは,大谷に頼まれて物資の運搬をしてたんですよね?
直人:ふむ,では大谷氏が指定したルートが敵に漏れているという可能性があるなぁ。
瑚唄:…………。
GM/和也:「そういえば父さんたち,何であんな服着てたんだろ」
真琴:いや,それは……。
瑚唄:それは企業秘密ですわよ,和也さん。
GM:と言って,登場するの?
瑚唄:そりゃそうですわよ。私和也さんと一緒に戻ってきてますもの。
真琴:……上杉さんたちと行かれたんじゃなかったんですか?
瑚唄:ちょっと問題がありまして,戻ってきてしまったんです。今のお話にもありました通り,どうも情報が漏れているようなのですが……私,少々心当たりがありますの。
真琴:どういうことです。
瑚唄:申し訳ないけれど,詳しくは申せませんわ。
真琴:と,言われても……。
GM/和也:「いや……だから,服のことなんだけど」
瑚唄:ですからそれも企業秘密ですわよ。
真琴:和也さん,作戦に関わることですから……。
GM/和也:「作戦? あんな昔の制服を着てか?」
瑚唄:……は?
GM/和也:「知らなかったのか? 今誘導部隊を襲ってる歩兵は,みんな制服を新調してるぞ。微妙なデザインの変更だから,すぐにわからなかったかもしれないけど……」
瑚唄:…………。
真琴:…………。
瑚唄:真琴さん。
真琴:え?
瑚唄:と,いうことですから。
真琴:……それはつまり,私に彼らを助けに行けということか。
瑚唄:そうですねえ,是非あなたの力をお借りしたいですわね。
真琴:……それは,私もできるならそうしたい。だが……。
GM:あ,ちなみに君嶋に対する命令は未だに拠点防衛です。いや,というか誘導部隊がここを目指してるんですから,当然防衛隊もここに近づいてきています。防衛の重要性は増していますね。
真琴:…………。
瑚唄:でもこのままですとねえ。直人さんも水限さんも何もご存じないわけですから,きっとノコノコでかけていって……ほろり(笑)。
真琴:…………。
瑚唄:……つらい立場ですわねディアフレンド?
真琴:…………。
GM/和也:「とにかく,俺は行くぞ」
瑚唄:あら,どちらへ?
GM/和也:「父さんのところだ。知らせに行く」
瑚唄:あなた1人で? だいぶ満身創痍のようですけど……。
真琴:無理だ,和也さん。
GM/和也:「でも,このままじゃ父さんたちが……くそっ,何も知らなかったなんて……!」
水限:じゃあさっき会った時に言えよな。
直人:まったくだ。
一同:(爆笑)
直人:何故わざわざ戻って来て言わねばならんのだおまえは。
GM:え? いや,まぁ,気が動転してたのと,「何かワケがあるんだろうな」とか思ったんじゃないですか?(笑)
瑚唄:私もそのアタリ激しくツッコミたいのですけど,ま,とにかくあの2人が大変だってことには変わりないわけですしねえ?
真琴:…………。
GM:えー,そんなところに美沙ちゃんがてこてこと歩いてきます。「あ,お姉ちゃん」
真琴:あ……。
GM/美沙:「? お姉ちゃんどうしたの? お腹痛いの?」
真琴:え? いや……違う。何でもないんだ。心配することはない。
GM/美沙:「……そう?」
真琴:大丈夫だ。だから,みんなと一緒にいるといい。
GM/美沙:「お姉ちゃんは,みんなと一緒にいないの? あのお兄ちゃんとか」
真琴:お兄ちゃん? ああ,水限のことか。彼はちょっと用事が……。
GM/美沙:「お姉ちゃん,あのお兄ちゃんとお友達なんでしょ?」
真琴:友達……うん,ああ,そうだな……。
GM/美沙:「だったら,一緒にいなきゃダメなんだよ。ね?」
真琴:……うん。そうだな。
GM/美沙:「ねえお姉ちゃん。お姉ちゃんって『せいぎのみかた』なんだよね?」
真琴:せ,正義の味方? い,いや,それは,ちょっと違うのではないかと……。
GM/美沙:「でもお母さん言ってたよ? お姉ちゃんはがんばって美沙たちのこと守ってくれてるって」
真琴:それは……そうだ。少なくとも,君たちを守りたいとは思っているが……。
GM/美沙:「だったら,お姉ちゃんはやっぱり『せいぎのみかた』なんだよ。ね?」
真琴:…………。
GM/美沙:「でもお姉ちゃん,あのお兄ちゃんに言ってたよね? 誰かを守るなら,自分のことも大事にしてあげなきゃダメだって」
真琴:……え? あ,いや,何故それを……。
GM/美沙:「えへ。聞いちゃった」
真琴:…………。えーと。
GM/美沙:「えと,それと今の話も聞いちゃった。お姉ちゃん,お友達のこと心配なんでしょ? だったら,お迎えに行ってあげなきゃ。ね?」
真琴:……そうか。そうだな……うん。私は,友達を助けに行くことにするよ。
GM/美沙:「うん。行ってらっしゃい」
真琴:その,……ありがとう。
GM/美沙:「どういたしまして。お姉ちゃん,またチョウチョの捕り方教えてね?」
真琴:ああ。約束する。
瑚唄:……ええと,よろしいですかしら? 時間もないことですし,はい真琴さん。これが地図です。たぶん速度からするとこのあたりですね。何か乗り物を使った方がよろしいかと。バイクとか。
真琴:バイク? ああ,まぁ乗れないこともないだろうが。
瑚唄:と,いうわけで,そのへんに猪熊さんいませんか? バイク貸してくださーい。
GM/猪熊:「って俺いつの間にバイク持ってることにされてるッ!? 勝手に決められてるよ俺の人生,っていや,持ってるんだけどさ! で,なに? てゆーか俺のZちゃんを使いたいって? え,そうなのかそこの美少女ッ!? てゆーかどっちの美少女が使うんだキー貸すからとっとと言えええええッ!?」
一同:…………。
水限:(ぼそっと)ヘンな人。
真琴:おまえに言われたらおしまいという気もするが……。
瑚唄:(咳払い)あー,ちなみにバイクをお借りするのはこちらの美少女ですので,よろしく。
GM:(←息をきらしている)……はい,では君嶋はバイクを借りて出発ということで,シーン変えますよー。
水限:てゆーかおまいはオヤジ版巫女子ちゃんかい(笑)。