GM:で,直人さんのシーンですが……。
直人:……その頃市内では。
GM:は?
直人:どかーん。「……くっ,2人と1匹がかりでやっとか。なんだこいつらは」
一同:(笑)
真琴:ちなみに,その「1匹」というのは孝太郎のこと?
直人:そう。ブラックドッグ=ブラックドッグ。
水限:ウナギイヌかい。それ以前にマジでオーヴァードだったんですか?
直人:(頷いて)昔,尚也と和也にいじめられている時に反撃で噛みついたら,レネゲイドウィルスに感染してしまったのだ。
一同:ひでえ。
水限:やっぱ上杉兄弟って情緒的に問題がありませんかね。
直人:そんなことはない。そもそもだな,
GM:……いや,どうでもいいですから。中継やってないで戻ってきてください。直人さんのシーンです。
直人:ふむ,爆弾が到着するまでにはまだ間があるのか? それならば購入判定をしておきたい。
GM:いいですけど,何をですか?
直人:防衛隊守備部の制服だ。潜入するなら当然必要だろう。もちろんサイズが合うやつをな。
GM:守備部,ですか……この場合何に相当するんだ?
瑚唄:「UGN戦闘服」か「GPO制服」じゃないですかね。
GM:いや,一種の偽造証明書にあたるんじゃ?
瑚唄:でもそれでは購入判定不可ですよ? そこまで難しくはないでしょう?
GM:ふーむ……えーと人数ぶん入用なんですよね? では目標値30でお願いします。
直人:む。では《天性のひらめき》を使って,(ころころ)よし,成功だ。
GM:はいはい,防衛隊の制服ね。「抗レネゲイドスーツ」のデータを使いましょう。装甲値5点,着用者をエフェクトの対象とした場合,2個のダイスペナルティを負います。イニシアティブ−2,回避修正−2です。
水限:……それって,むしろ損じゃないの?
直人:しかたあるまい。戦闘を避けられるなら避けられた方がいいだろうが。
水限:ふーん? ……あ,俺も「応急手当てキット」買わせてください。(ころころ)成功です。
直人:そうそう,守備部の教範事項とかもあらかじめ調べておかねばな。〈知識:軍事〉でいいかな?
GM:目標値20ぐらいで……成功ですか? ではかなり詳しくわかりますよ。
直人:水限くん,ちょっとやってみたまえ。敬礼はこうだな。
水限:こう?
直人:君はどうも姿勢が投げやりだな……ま,何とかなるとは思うが。
GM:そんなところであなたの元に資料が届きます。どうも目標は移動しているようです。トレーラーとかに積んでいるんじゃないでしょうか。
直人:当時は小型化が困難で運搬ができなかったはずだが,時代は変わるな。
水限:15年もたてばね。
直人:まぁいい,作戦は決まった。ヤツらだって出入りは激しいだろう。制服を着て夕刻か朝方,部隊の動きに合わせて移動し,潜入する。そしてトレーラーを爆破して即逃げる。いいな?
瑚唄:わかりやすい作戦ですわねぇ。
水限:ちなみに,盾って持ってっていいわけ?
直人:問題なかろう。鎮圧部隊が盾を持っているのはよくあることだ。
GM:ちなみにですね,トレーラーを警備している部隊の情報もある程度入ってきてます。指揮官はみーちゃんと直人さんに聞き覚えのある名前ですね。
水限:むねむね?
GM:久我原宗明だってば。みーちゃん,ボケてないで衝動判定してください。
水限:あいよ。(ころころ)判定は成功だけど,これって侵蝕値は問答無用で上がるんだよね。
GM:それくらいのトラウマはあるはずでしょう?
直人:ふむ,何か浅からぬ因縁でもあるのかね。
水限:……それなりには。
GM:ちなみに直人さん,彼はあなたが防衛隊にいたころの先任仕官で,色々面倒を見てもらった覚えがあります。「おまえらが俺の最後の生徒だ! 俺は修行しに山に帰る!」が口癖でしたが。「おうおまえら,最後に1人くらい俺に殺させてくれんか!? おら死ね! そんなところに這いつくばってるなら死ね!」みたいな。
水限:GM,また口調がイッちゃってますけど……。
直人:いやいや,軍隊式教練というヤツだな。そうやって鍛えられるのだよ。
水限:そうかなあ……(笑)。
GM:けっこう面倒見とかはよかったですよ。なお,あなたが訓練を終えたあとに一度だけ会ったんですけれど,そのころはすでに袈裟着てましたね。
直人:……ふむ。あの人はまだ軍人をやっていたのか?
GM:「これで俺も静かに生きていける」とか言ってたんですけどねえ。
水限:……こいつ,昔ファルスハーツだった。
直人:ファルスハーツ? それは初耳だな。
水限:でも元々防衛隊だったんじゃないか。スパイだったって聞いた。
直人:それは何年前の話だ?
水限:2,3年前じゃなかったかな。脱走したのはついこないだ。
瑚唄:おそらくファルスハーツの人員構成を知りたかったんじゃないですかね。
直人:一概に防衛隊のスパイと決めつけたものでもない。ダブルという可能性もあるしな。
水限:二重スパイ?
直人:そうだ。
水限:その場合,結局どこに所属するスパイなの。
直人:そこまではわからんよ。だが,彼が混じっているのは厄介だな。
あとアイオーン参式がいたって情報もあります。
瑚唄:どの参式かが問題ですけれどね。
水限:シナリオの展開上,赤いヤツのような気はするが……。
GM:そんなことキャラクターにはわかりません。そこまで情報ないですからね。
水限:おや? しかもよく考えたら私は「参式」自体知らないじゃん(笑)。
直人:参式というのは,こないだいた大きい白い機体の同機種らしいな。オーヴァードの脳を使い,エフェクトを使用するのが特徴だ。何でも,リザレクトを阻害するヤツまでいるらしいぞ。
水限:ふーん。
直人:とにかく戦闘になったら,まず参式をつぶせ。いいな。
GM:あ,瑚唄さん。〈情報:?〉を振っていただけますかね。目標値は12。
瑚唄:では《マインドエンハンス》を使いましょう。今回は使いどころがなさそうですからね。(ころころ)18。成功です。
GM:ではアイオーンに関する全情報をさしあげましょう。アイオーン壱式は強力なパワーアシストアーマーです。弐式は多脚戦車の小さいヤツで通称は「アイオーンの指」。
水限:(ぼそっと)それは「通称」か?
GM:(無視)特記事項は特にありませんが,これにも人間の脳は使われている。参式は全部で3機しかありません。使用された脳によって使えるエフェクトも異なります。1つはこないだ戦ったKタイプ,正式には「K−29」で,これは白兵戦型。もう1つはLタイプで射撃戦闘型。
真琴:うわ……。
GM:ちなみにLタイプの使用エフェクトはブラックドッグとノイマン。あとこいつは主砲が二門あります。
直人:なしてそんな効率の悪いことを?
GM:なしてでしょうねえ。
真琴:二丁拳銃だからでしょ?
GM:……何で言っちゃうかなぁ,そういうことを!
一同:(笑)
GM:こういうのはねえ,登場時まで隠しておいてみんなに「ばーか!」と言ってもらうのがイイんですよ! 戦車で二丁拳銃! どうよソレ!
瑚唄:ばーか。ばーかばーか。
GM:今言われても嬉しくないのっ。
瑚唄:ま,それはいいとして,残る参式が赤いのですよね?
GM:はい。これの被験者は茶山揺香といいましてですね。
水限:遙のおばあちゃん? でもあれ発症者じゃないよ?
GM:因子を引き継いでいればいいということで。だから名称はHタイプ。炎華だから。能力は「一般エフェクト」をすべて阻害すること。
水限:セイクリッド・フレイム・ガーデンか。
GM:そうそう。これのすごいところはですねえ,5キロ離れたところから目標を狙えるということなんですよ。だからその場所に遠距離から砲撃を加えればオーヴァードに効果的。
瑚唄:なるほど。では今の情報を皆さんに提供します。
水限:その楓だとかリヒターだとか揺香さんについてはどれくらい知ってるの?
GM:〈情報:魔街〉でどうぞ。
直人:たまには素振りで……7だな。
水限:あ,こっちが回りました。19です。
GM:わかるのはリヒター・グリュンシュトルムくらいですかね。彼は……。
水限:……今思ったんだけどさぁ。
GM:はい?
水限:その名前って,グリーンリバーライトやリョクセンコウと同レベルなんじゃ?
GM:うるせえ! 俺がつけた名前じゃねえッ!
一同:(爆笑)
真琴:すいません,つけたのは私です。わざわざドイツ語の辞書も調べました(笑)。
瑚唄:ほほう。あなたも指を指して「ばーか!」と言ってほしいと。
真琴:……ああいいさ,バカと言うがいいさ!
瑚唄:ばーか。ばーかばーか。
GM:まぁそれはともかく,ですね。元UGNの腕利きエージェントでしたが,数年前から行方不明になってます。
水限:元君嶋の師匠,ということはわからない?
GM:わからない。射撃の名手で,敵に回すと非常に危険な人物だそうです。
真琴:容赦がないですから。何せ元ネタがアレですから。
水限:ポジティブとかネガティブとか言う人ね。
真琴:そうそう。コードネームは「死神の猟犬」。
直人:まぁよかろう。どちらにせよ,アイオーンとは極力戦わない。それが私たちの基本方針だ。
瑚唄:ちなみに,ルートは特定できてるんですよね? それって市外?
GM:市外です。
瑚唄:(考えて)今,住民の避難ってどうなってる?
GM:あまり芳しくはありませんな。人員も物資も不足してますし。
瑚唄:……直人さん。
直人:何かね?
瑚唄:直人さん的には,何か策はないわけですか?
直人:何に対してだ?
瑚唄:逃げまどう市民に対してですよ。彼ら,襲われたらひとたまりもないですよね。
直人:ない。
瑚唄:ない,ですか。
水限:というか今のところ俺たちには関係ないんじゃ?
直人:そうだな。市民を避難させるなら,各所が連携して行動せねば話にならん。通信の確保が最優先で,我々の任務はまずそれだ。
瑚唄:でも,彼らをオトリにして作戦を実行するわけですし?
直人:ふむ,あながち間違ってはいないがな,
瑚唄:手だしできないものはできないと。そういうことですね。
GM:……ちなみに市街の方からは砲声が聞こえてきますね。戦闘は続いているようです。
瑚唄:…………。
直人:……尚也,和也……。
真琴:やっぱり心配ですか?
直人:ああ。……あんまり殺しすぎてくれるなよ。
一同:そっちかいッ!?(爆笑)
GM:えー,オチがついたところでこのシーンはここで終了させていただきます(笑)。
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