GM:では君嶋。君は一度UGNに帰るんだよね?
水限:あ,ゴメン。その前に,ちょっと君嶋に言いたいことが。
真琴:何?
水限:いや,それがさ。ヘンなお姉さんがロボットの絵を見て妙な反応をしてたじゃない? それを君嶋に言ってなかったんだよね。
真琴:そうだっけ?
水限:そうなんだよ。
GM:しゃべらないのはいいんですが,肝心なことすらしゃべりませんなアンタ。
水限:というわけで登場していいかな?
GM:はいはい,わかりましたよ。じゃあ美貴さんの部屋の前まで一緒に帰ってきて,そこで「おいおいみーちゃん,女の子なんだからそこまで真琴ちゃん送ってあげなさいよ」とか言われたことにしましょう。
真琴:必要ありません。それに,彼はあなたの護衛なのですから,
水限:いいから来て。話があるから。
GM/美貴:「そうだ! 行け,犬のごとく!」
瑚唄:ここはオオカミのごとく,じゃないの?(笑)
GM&瑚唄:男はオオカミなのよ〜♪ 気をつけなさい〜♪
GM/美貴:「そういうわけだからさ!」
真琴:どういうわけなのでしょう。さっぱりわかりませんが。
GM/美貴:「人間,暴走した方がいいこともあるってことだよぅ! ほら,今日は満月だしネ! みーちゃんガンバだよっ」
水限:何を。
GM/美貴:「いやん,わかってるくせにぃ♪」
真琴:(ジト目)彼はすぐに戻らせますのでご心配なく。では美貴さん,私はこれで失礼します。
GM:あ,そうだ。ちなみに部屋の中がちらっと見えるんですが,そこには大きな鳥かごがあって,中には黒い大きな鳥がいますね。
水限:(白々しく)それって九官鳥ですよね。
GM:いえいえ,れっきとした鴉ですよ〜?(笑)
真琴:……かわいい鴉ですね。
一同:カワイイか!?
真琴:いや,だって私は動物好きなのだ……。
瑚唄:部屋で鴉を飼ってるあたり,疑問を持とうよ(笑)。
水限:……じゃあそうやってうっとりしているところを,腕をつかんでひきずっていく。
真琴:え? 待て,何をするのだ。
水限:頼みがあるんだが。
真琴:何だ?
水限:これからUGNに帰るなら,さっきのロボットが何だか,調べてきてくれないか?
真琴:美貴さんがあの男に見せられていたものか?
水限:「知らない」とか言ってたけど,反応が妙だったから。
真琴:そうだったのか。
水限:そう。
真琴:今のところ手がかりもないし,調べておいてもいい。しかし,あなたは彼女の護衛だろう。そんなことを調べてどうする?
水限:護衛対象のことは,ある程度知っておいた方がいいものだから。
真琴:わかった。では美貴さんのことをよろしく頼む。
水限:君嶋。
真琴:何だ?
水限:充分気をつけろよ。
真琴:え? 何にだ?
水限:今夜は満月だから。
真琴:……美貴さんもそう言っていたが,それって何か関係があるのか?
水限:満月の日は,人の感情が高ぶるらしい。殺人が一番増えるのも,満月の時らしいな。
真琴:それ,本当か?
水限:さあ。でも,血の匂いがしないか?
真琴:いや……。
水限:(肩をすくめて)ならいいけどな。
真琴:それに……ならばなおさら,私は戻らねばならない気がする。よくわからないが。
水限:そうか。じゃあ気をつけて行けよ。
真琴:ああ。私のことなら心配はいらない。
水限:(頷いて)えーと,では私はここで退場します。
GM:えと,みーちゃんは本当に残りますか? 君嶋についていくという手もありますけど。
水限:うーん,本当は君嶋を見てないといけないんだけどね。楠山美貴の方が気になるから。
GM:お,もしかして好感度大?
水限:全然。あまりにも疑わしいだけ。
一同:確かに。
GM:…………。ではそういうわけで君嶋はUGNに戻りました。かなりバタバタした雰囲気ですね。
水限:(にやり)ほら,血の匂いがしないか?
一同:(笑)
真琴:そういうことかー!?
GM:しませんよ,そんなの。
真琴:しないの? 床に血痕が残ってたりとかは?
GM:しません。……そのために,ちゃんと奥まった会議室使ったんだし。
瑚唄:びみょーに黒いですね大谷さん。
GM:ともかく,あなたが入ってくると,顔見知りの1人が声をかけてきますね。「あっ,君嶋! 今帰ったのか。大変なんだよ」
真琴:何かあったのですか。
GM/UGN職員:「それが,相模原さんと久遠さんと伊達さんが,揃って役員をおろされたって」
真琴:……そんな。
GM/UGN職員:「しかも,直後に防衛隊が乗りこんできて,連行されちゃったんだよ」
真琴:どこへですか。何故防衛隊などが。
GM/UGN職員:「さぁ,そこまでは知らないよ。しかも,まだ続きがあってさ。松山さん,いるだろ。あそこの家が爆破されたって」
真琴:…………。
GM/UGN職員:「まったく,今日は何て日だよ……」彼はふいにぐったりと口を閉ざし,座りこんでしまいます。
真琴:……すぐに所長室に向かいます。所長はいるんですか?
GM:はい。所長室に入るとですね,大谷が仕事をしています。いつにも増して疲れ切った表情でうすね。「ああ……君嶋か。何か用か」
真琴:所長。お話は伺いました。いったい何があったのですか。
GM/大谷:「紫音たちのことか? ああ……本部から指令がくだったのさ。あいつらを解任しろってね。組織に対する背任行為が立証されたそうだ」
真琴:……それは確かなのですか。
GM/大谷:「残念ながら,ね。俺も信じたくはないが……証拠は全てあがってる」
真琴:重ねてお聞きしますが,その証拠とは確かなものなのですね。
GM/大谷:「ああ……」
真琴:……信じられない……紫音さんたちが……。
GM/大谷:「それと,松山もな」
真琴:松山夫妻はご無事なのですか。家が爆破されたと聞きましたが。
GM/大谷:「……2人とも焼死だそうだ」
真琴:…………。
GM/大谷:「……いっぱい死んだよ。あっという間に,な……」
真琴:所長……。
GM:さて,そこで村崎さんが「所長,例の件調べがつきました」と言って入ってきます。大谷は「ああ,参ったな……」とか言いつつ,彼が持ってきた書類を広げ始めます。「ああ,君嶋。もういいかな」
真琴:え?
GM/大谷:「悪いが,まだやらなきゃいけないことが残ってるんだ」
真琴:……わかりました。私は例の調査を続行していてよろしいのですね?
GM/大谷:「ああ,頼むよ」
真琴:……所長。
GM/大谷:「うん?」
真琴:あまり,気を落とさないように……というのも変ですが……。
GM/大谷:「……ああ。ありがとうな」で,村崎さんが「ほら,行くぞ」と君を促します。では,退出するということでいいですね?
真琴:…………。
水限:(ぼそっと)そして,扉が閉まった後に……。
真琴:かっかっかっか!と笑う大谷が?
一同:(爆笑)
GM:しません! 何じゃそりゃ!?
真琴:いや,だってわかりませんよ? あの大谷さんはマフラーの色が違う偽者かもしれない。
瑚唄:せめて「にやり……」にしましょうよ。ねえ。にやり。にや〜り。
GM:せんわ! 話を続けますよ! 所長室を出ると,村崎さんが話しかけてきます。「君嶋,他の病院のことだがな」
真琴:はい。何かわかりましたか。
GM/村崎:「爆破事件が起こった病院には,いずれもシェルター機構があった。爆破されたのはボイラー室と電気系統,そしてシェルター。なるべく人のいない時間帯を狙っているため,死傷者は少ない。青梅総合病院とまったく同じだな。十中八九同一犯だろう。
真琴:「時計屋」ですか。
GM/村崎:「おそらくな。デモンズシティには大きな病院があと3つあるが,シェルター機構を持っているのは水上記念病院だけだ。そして,水上記念病院で時計屋らしい男を見かけたという証言がある」
真琴:…………。
GM/村崎:「急いだ方がよさそうだな。これからすぐに向かおう」
真琴:その前に,ひとつよろしいですか?
GM/村崎:「なんだ?」
真琴:これこれこういうものです,と例のロボットを描写してですな。こういうロボットに見覚えはありませんか?
GM:うーん。〈知覚〉。
真琴:何!? また〈知覚〉か!?
水限:この人もね。信用しちゃいけない人なんだよね(笑)。
直人:PC以外は全て敵だと思え。
瑚唄:そうですか? PCの中にも敵がいるかもしれませんわよ?(笑)
真琴:とにかく《天性のひらめき》を使って17だが。
GM:(ころころ)ふっふ。27!
真琴:何ぃ?
GM:そういうわけで何にもわかんなかった,と。では水上記念病院に向かうってことでOKですか?
真琴:ロボットについては,何も調べられませんか?
GM:UGNのライブラリには存在しませんね。ギルドとか防衛隊関係の人にあたらなければなりませんが,村崎さんは「そんな時間はないぞ?」と言いますよ。
水限:……まぁ,ウチらがあえて知らなくてもネタはだいぶ上がってるんだ。ほっといてもいいんでない?
GM:うーん。PC同士の情報交換ができてませんからねえ。どうしよ,このままずっと出会わなかったら(笑)。
瑚唄:そろそろ水上記念病院で合流すると思いますから,大丈夫ですよ。
GM:じゃ,その前にもうちょい情報を渡しておきますか……とりあえず,君嶋のシーンはこれできりますね。
|