SCENE 08


GM:では,今度こそ君嶋のシーンです。君は村崎さんと一緒に3番目の事件現場である青梅総合病院に来ています。
真琴:あ,その前に時計屋についての情報が欲しいのですが。
GM:じゃあ〈情報:魔街〉か〈情報:ギルド〉。UGNのデータベースには入っていないので〈情報:UGN〉は不可です。
真琴:む,では《天性のひらめき》を使おう。(ころころのころころ)よし,ひらめいた。23だな。
GM:では,上杉さんが持っているのと同じ情報が手に入りますね。
真琴:ふむふむ。とりあえず,職人気質の人物なんだな。病院を標的にするのは不自然なんだな。
GM:そうですね。
水限:えーと,ではそこで登場します。そのヘンなお姉さんと一緒に,
GM:楠木美貴です! 覚えてくださいよ!
水限:うーん。ヘンなお姉さんとしか記憶してなくってねぇ。
GM:ひでえ! あんたマジでひでえ!
水限:いや,だから……あれ? くすき? くすのき?
GM:だから楠木……。
真琴:楠山美貴じゃなかった?
GM:あ。
一同:(笑)
水限:GMも覚えてないじゃんかよぅ。
GM:すいませんねっ。で,みーちゃんは美貴さんを伴って登場するわけね?
水限:そうそう。だから,君嶋が病院内を歩いていると,反対側からすたすたと歩いてくるわけだ。それでヘンなお姉さんがそれを追いかけながら「あのさー,やっぱりさー,これも何かの縁だと思って,護衛引き受けたりしてくれないかなぁ?」とか言ってるわけ。で,私は君嶋を見つけるや否やお姉さんの手を引っ張って,君嶋に引き渡す。
GM:引き渡す!?
水限:そう。で,無表情で君嶋に訊く。あんた市警部の人?
真琴:では黙って無表情に見上げる。
GM:あんたら無表情ばっかか!(笑)
水限:そんなこと言われても,無表情なんだよ。
GM:ねえみーちゃん。あんた『マルコ○ッチの穴』とか知ってる?
一同:(爆笑)
水限:いや……知らないけど……(笑)。
GM:しまったなぁ。無口無表情同士で組ませちまったなぁ。イヤな予感がするなぁ。

 GMの予感は正しく。
 このコンビは,この後の調査でさんざん迷走することになる。
 てか,しゃべらない人同士を組ませてはならない。雨追と光を組ませて調査させるようなモンである。


真琴:それはそうと,無表情に訪ねるぞ。そういうあなたは?
水限:それには答えず,さらにお姉さんを突き出します。
真琴:この人は?
水限:……さっき,時計屋に襲われてた。保護して欲しいんだけど。
真琴:時計屋?
水限:(頷く)
真琴:そうか。
水限:…………。
真琴:…………。
GM:驚けよ!
一同:(爆笑)
真琴:いや? 無表情でお姉さんの顔を見て,そうですか,というくらいだが。
GM:いや驚くだろ! 内心ででもいいからさ! もう村崎さんが「やっぱり君嶋くんは,社会勉強が足りないよな……いや,情緒的に変なのか?」とか突っ込んじゃうよ!?
真琴:(無視)わかりました。では,こちらへいらしていただけますか。
GM/美貴:「え? は,はい」
真琴:と,いうわけで,お姉さんを連れて市警部の人のところへ行こう。
水限:で,私は黙ってそれについて行こう。
GM:か,会話がないよこの人たち!? 会話は生きていくために必要なビタミンだよ!?
真琴:いや,黙ってついてくるぶんには別に気にしない。で,市警部の人を探して身分証明書を見せる。すみません,UGNから派遣されました君嶋と申しますが。担当の方はどちらでしょう。
GM:はあ,では村崎さんの身分証明書を確認したうえで通してもらえます。責任者は猪熊さんという人ですが,30前後のいかにも体育会系っぽい兄ちゃんですね。片目眼帯だけど。
真琴:何じゃそりゃ。
GM:いいじゃないすか眼帯。オーヴァードじゃないんで,目ぇ潰されると終わりなんですよ。で,彼が状況の説明をしてくれますが,大谷からあった説明とあんまり変わりないですね。ボイラー室と,自家発電のダイナモと,あと貯蔵庫がやられたかな。
真琴:貯蔵庫? 貯蔵庫って何があったんですか?
GM:薬。あとはタオルとか医療機材とか,あと水と食料とか。
瑚唄:医療の根本が絶たれてますな。
真琴:すでに病院が機能しなくなっているのでは?
GM:いや,貯蔵庫もダイナモも,ここひとつだけってわけじゃないから,大丈夫ですが。
水限:貯蔵庫に何かがあったとかいうんじゃなくて,病院の業務を停止させるのが目的だったってことっしょ?
真琴:……に,思えるがな。
水限:ところでさ。
GM:はい?
水限:これはプレイヤーからのツッコミね。……誰もみーちゃんの素性を追及しないんだけど,それでいいわけ?
GM:いや,猪熊さんは君嶋が何も言わないので,UGNの関係者だと思ってるんですよ。
真琴:その男か? 私はそこのヘンな女の連れだと思っていたが。
GM:…………。
君嶋:…………。
水限:…………。いや,まぁそれでいいならいいけどね。私は。
GM:よくなぁい!(笑)
真琴:わかったよ。ではそのへんをカバーしておくか。えーと猪熊さんに訊きますが,その,……名前忘れた。ヘンなお姉さん。
一同:(笑)
GM:く・す・や・ま・み・き!
瑚唄:もう「ヘンなお姉さん」で固定したら?
直人:人物関連表でも書いたらどうだ。後ろにホワイトボードがあるだろう。
水限:では私が書いてあげよう。まず時計屋,と。で,時計屋がヘンなお姉さんを襲って,
GM:く・す・や・ま・み・き!(泣)
真琴:話を続けるぞ。えーと猪熊さん。こちらの方が,今回の事件の重要参考人に襲われたそうですが。
GM/猪熊:「なに,本当ですか!」
真琴:はい。詳しい事情は,そちらの彼にうかがってください。
水限:(書いている)あれ? 「くす」ってどう書くんだっけ?
GM:木に南です。……てゆーか! 「楠木」ではなく「楠山」だってば!
水限:(←素で間違えていた)あれ? あ,そうか。ごめんごめん。
瑚唄:もうヘンなお姉さんでいいじゃんか(笑)。
GM:よくないよ! まったくどいつもこいつも!
真琴:(忍耐強く)で,詳しい話はそちらの彼にうかがってください。
GM/猪熊:「はあ,で,彼は?」
水限:(書いている)…………。
直人:おーい,少年。呼んでるぞ。
水限:え? (戻ってくる)あ,ごめんごめん。何だって?
GM:だから,君は誰なの,と訊いてるわけですが。
瑚唄:と,いうか,ソレは何なの?(とホワイトボードの落書きを指差す)
直人:ドラ○もんじゃないのか。
瑚唄:ドラえ○んになりそこなった何か,としか見えんのですけどね(笑)。
真琴:ばっかだなぁ,首んとこの輪はつながってちゃいけないんだよ。
水限:うるさいな。何だっていいでしょ,ただの落書きなんだから。
真琴:よくないよ。だから○ラえもんは,(と,立ちあがってド○えもんを描きにいく)
GM:ドラえも○は何だっていいんだよ! てゆーか話を進めさせろおまえらぁ!

 ちなみに,GMと君嶋とみーちゃんが話している間に,瑚唄ちゃんがドラ○もん描きを継承していたとか……(笑)。

水限:では,君は?と訊かれたんなら名刺を出して渡します。
GM/猪熊:「はあ,バウンティハンターね……ずいぶん若いんだね」
水限:……歳より若く見えるとか,よく言われる。
GM/猪熊:「いくつ?」
水限:25。
GM/猪熊:「……ウソだぁ!」
一同:(笑)
GM:何ソレ? もう全力でダウトしちゃいますよ!?
水限:俺戦災孤児だから,正確な年齢がわからないし。
真琴:せいぜい15,6くらいじゃないのか?
水限:それは若すぎです(笑)。みーちゃんは老けて見えるタイプなんで,20くらいなら通るでしょうな。25は,いささか厳しいかもしれんが……ああ,でも尚也さんなんか,25って言っても通るでしょ。
直人:アレはまた特殊だろう。(←自分で言わんでください)
水限:ともかく,免許はあるんだし,それで信用してくださいな。
真琴:偽造だがな。
水限:(無視)……で,俺が公園で昼飯を食っていたら,このヘンなお姉さんが飛び出してきて,
M/美貴:「だからぁ,楠山美貴だって言ってるでしょぉ!?」
水限:そうだっけ。
GM/美貴:「ヒドイ! 私の名前を忘れるなんて! あんなに愛し合ったのに,そういうこと言うよこの人!」
水限:愛し合ってない。
GM/美貴:「何ぃ!? 私を捨てるっていうの!? そうなのねこのヒトデナシ!」
水限:だから?
GM/美貴:「…………」
水限:…………。
GM/美貴:「……えと。ひょっとしてジブン,調子のりすぎですか?」
水限:(無視)飛び出してきたその後から赤い肉の塊みたいなモノが追いかけてきて,それが爆発した。そうしたら,現場から茶色の髪で,これくらいの背丈で,60歳前後の男が逃げていった。
GM/美貴:「えーっと。私がお話しできるのもそんなところです。お昼買いに行ったら,急にあのバケモノに襲われたんです。それで,他の人を巻き込んじゃいけないと思って人気のない方に逃げてきたんですが,逆に彼を巻き込んでしまって……」
真琴:……ずいぶん冷静な判断ですね。
GM/美貴:「え? ああ,私ソマリアにいたことがあるんです」
一同:ソマリアぁ!?
GM:いや,本当にソマリアですよ。ほら,赤十字とかにいたんで……。
水限:せめてMSFにしない?
GM:国境なき医師団? じゃあそれでもいいです。「ともかく,それである程度の訓練は受けてるんです」
水限:でも今28歳だよね? デモンズシティができたのが15年前だから,どう考えても外から入ってきてるよねこの人。13歳でMSFに入れるわけがない。
GM:ええ,まぁ否定はしませんよ。この街,外から入るのはわりと簡単なんです。出るのはめちゃくちゃ大変ですけどね。
直人:ギルドの料金表でも,10倍くらい値段が違う。しかも失敗しても「知りません」で金は返さないしな。まるでどこぞの密入国業……。
瑚唄:ぴーっ! 教育的指導ーっ!(笑)
GM:は,話を先に進めます。猪熊さんが「そう言えば,あなたはあの事件の目撃者でしたな」とか説明ゼリフを吐いてくれます。君嶋,この人はこの病院が爆破された夜,時計屋を目撃した人ですね。
真琴:ああ,そのミサエさんが……。
GM:美貴だ! つか,どっから「ミサエ」が出た!
真琴:おや?
水限:君嶋,ちなみに今の素ボケ?
真琴:うん,プレイヤーがボケた。
瑚唄:GM,本気で覚えてもらえないようですよ,彼女の名前。
GM:くそう……やっぱり何かあだ名でも考えなきゃだめなのかな……。
水限:ヘンなお姉さん。
瑚唄:ヘンなお姉さん。
真琴:(真顔で)その「ヘンなお姉さん」さんは,事件のあった夜,どこで時計屋を見たんだ?
GM:(ジト目)地下の貯蔵庫に薬とりにいったら,見知らぬ人と階段ですれ違ったそうです。で,その夜貯蔵庫とかが爆発したと。
真琴:では彼が犯人だという確証はないんですね?
GM/美貴:「私にはわかりません。ただ見たままを市警に報告しただけですから」
真琴:そうか。では猪熊さん,そろそろ彼らにはお引取り願って,現場を見せていただけますか?
GM:(困って)は? でも,どちらにしろ病院の関係者には立ち会ってもらわないとならないんですが。
真琴:では,院長か誰かですか。
水限:(ぼそっと)じゃなくて,目撃者なんだから彼女に案内させればいいと思う。
真琴:そうなのか。
水限:そう。(素に戻る)それと,せっかく君嶋とみーちゃんの接点を作ろうとしてるんだから,わざわざぶっ壊さないでいただきたい!
一同:(笑)
真琴:でもヘンなお姉さんはともかく,部外者のみーちゃんにこれ以上関わらせるのっておかしくないですか。
水限:わかった,じゃあこうしようじゃないか。(再びぼそぼそした口調で,美貴に)ちなみに,さっき言ってた「仕事」って,なに。
GM/美貴:「え? えと,だから,私の護衛をやってくれないかってことなんだけどさ」
水限:いいよ。やる。
GM/美貴:「えっ,ホント!? マジっすか!?」
水限:うん。(真琴に)そういうわけだから。
真琴:どういうわけだ。
水限:だから,このヘンなお姉さんが案内役。俺はその護衛。だから俺もついていく。
真琴:そうなのか。
水限:そう。
真琴:…………。
水限:…………。
GM:……くっ,苦しいなあもぉッ!
一同:(爆笑)
水限:(ジト目)……じゃあ他にどうしろというんですか。
GM:い,いや,もうそれでいきましょう。村崎さんが,「そう言えば君も時計屋を見たんだったな。だったら話が早いじゃないか。よかったらUGNから報酬を払ってもいいよ」とか言ってくれます。「江藤くんと言ったね。こちらこそよろしく頼むよ。私は村崎。彼女は君嶋だ」
水限:よろしく。
真琴:…………。
水限:なに?
真琴:……いや,すまない。何でもないんだ。
水限:…………。
真琴:…………。
GM:……えーと,今のはなんですか?
真琴:いや,彼の声が師匠に似ていたので,思わず物思いにふけってしまったのだ。
GM:そうですか。
水限:…………。
真琴:…………。
GM:…………。うわ会話がない!? 会話がないよこの人たちッ!?
直人:何をいまさら……。
瑚唄:GM,そろそろこのシーン切ったらどうですか? キリがないですよ(笑)。

 

  SCENE 09


GM:では直人と瑚唄です。あなたがたは楠木さんに会いたいんですよね。
瑚唄:そうですね。
GM:では,病院のナースステーションで楠木さんはどこにいるか訊いているところです。
瑚唄:GM,楠山さんじゃありませんでしたっけ。
GM:……はううううッ!?
真琴:あーあ。GMが名前間違えてらー。
水限:もうホントに「ヘンなお姉さん」にしたらどうなの。
GM:しょうがないでしょうが! さっき考えた名前なんですから!
直人:それは言い訳になっとらんような気もするが,もはやどうでもいい。で,楠山さんはどこにいるのだ。
GM:あ,それがですね。今市警部の人が来てて,彼らに事情聴取されてるみたいなんですよ。
直人:ふむ,ならばしかたがないな。戻っていらしたら連絡をいただきたいのだが。
GM/看護士:「わかりました。たぶん5時ごろには戻ってくると思いますので……そうですね,中庭でお待ちいただけますか。今日は天気もいいことですし」
直人:楠山さんがいいならそれでかまわない。(瑚唄に)さてお嬢さん。そういうことだから,少し時間を潰していようか。
瑚唄:そうですね。では下見にでも行ってみましょうか?
GM:するとですねえ,中庭には生々しい爆発の跡とか残っていたりするわけなんですが(笑)。
直人:ちょっと待て,いったい何があったんだ。
GM:さっき美貴さんが襲われてた現場なわけですが,そんなことはあなたがたにはわかりませんわな。
瑚唄:デモンズシティって,噂通り物騒なところですわね。
直人:いやいや。こんなことは滅多にないぞ。少なくとも市内ではな。
GM:えーと〈知識:レネゲイドウィルス〉なんて,持ってませんよね?
瑚唄:ありまーす。
GM:あるの?
瑚唄:プログラムとか医学とか,何故かそういう知識が,広く浅く(笑)。(ころころ)えーと17ですが?
GM:おお,すばらしい。ではブラム=ストーカーとエグザイルのエフェクトを使っているのではないかな,と思いました。少なくとも爆弾ではない。
直人:どうかしたか,お嬢さん。
瑚唄:これは,エフェクトを使ってやったようですわね。
GM:〈情報:魔街〉〈情報:ギルド〉,もしくは〈情報:裏社会〉。
直人:(ころころ)13だ。
GM:時計屋はブラム=ストーカー/エグザイルだな。
直人:そうか。しかしヤツがエフェクトを使って爆破を行うなど珍しいな?
GM:そうですね。
直人:ふむ。お嬢さん,実はかくかくしかじかでな。私が追っているのは爆破事件の犯人と見なされている男なのだが,これもその男の仕業かもしれん。
瑚唄:この爆発は,ついさっき起こったもののようですわね。その男,近くにいるかもしれませんわ。……GM,一応〈追跡〉判定してみてもいいですか?
GM:む,一応やってみたまえ。
瑚唄:(ころころ)あ,また回った。17です。
直人:(ころころ)こちらは《天性のひらめき》を使って36だ。
GM:36!? ではしばらく地面を見ていると,血の跡があるのに気づきました。
直人:では追おう。
GM:病院裏の,とある路地です。ビルの壁にもたれかかって,時計屋が座りこんでいます。腕から血が流れています。
直人:時計屋……。
GM:その声に時計屋が顔を上げて,言います。「……逃げろ!」
直人:? なんだ?
GM:頭上に大きな黒い鴉が飛んでいますね。時計屋はそれを指差している。えー,というわけで攻撃させていただきます。不意打ちは……まぁ今回は割愛しましょう。《全知の欠片》《主の右腕》《要の陣形》《大地の牙》《 アニマルテイマー》です。(ころころのころ)34です。あと《大地の牙》でダイスペナルティが1。
直人:《天性のひらめき》《命の盾》で……避けた。
瑚唄:(カードをめくって)私は黙ってくらいますよーん。
GM:ち,従者か。ではダメージが……。
瑚唄:ちなみに従者のHPは38ですが。
GM:け,削りきれね〜っ。(ころころ)しかも目が悪い。ダメージは11点。しかし,さらに続けてトループが襲ってきます。あの歩行機械群ですね。それが3グループ!
瑚唄:(淡々と)あ,直人さん,アレですわ。
直人:(淡々と)そうか。では《ショック》で一網打尽にしてしまえばよろしかろう(笑)。
GM:持ってんの,《ショック》とか!?
瑚唄:ちなみに私は《ショート》を持っている。
GM:い,イヤらしいぞこいつら!? と,ともかくトループは2人に向かってワイヤーロープを……。
瑚唄:GM,それって「捕縛」ですか?
GM:……あ! ひょっとしてこいつら,「捕縛」されても全然問題ない!?
瑚唄:ほほほ。「素手」すら使ってませんものねえ。
水限:「捕縛」されて困るのは私と君嶋。
直人:配置を誤ったな。
GM:だーっ,ワイヤーロープやめ! チェーンガン3連射! エンゲージ攻撃だから,両方対象になります。(ころころ)達成値27だ!
直人:くらった。
GM:大口径チェーンガンですからダメージ修正は+8……18点です。
直人:では8点くらった。
GM:(すでに棒読み)わーこのひと「UGN戦闘服」とか使ってますよー?
瑚唄:従者は一応避けて,と。(ころころ)避けました。
GM:……いいもん。2体目は時計屋を狙うもん。時計屋回避できないからなー。死ぬかもしれないなー。
瑚唄:カバーリングは……あ,同エンゲージにいない。
GM:ふふふ。(ころころのころころ)わーくらったー。時計屋死んじゃうかもしれないなー。
水限:……困ったな。登場は……不可か。
GM:君嶋の行動によるな。あの後すぐに現場に向かったかどうか。
真琴:(考えている)ちなみに,私がUGNから受けた指令は,時計屋の殲滅か? それとも確保か?
GM:確保だ!(笑)
水限:殲滅してどーすんだ!(笑)
真琴:え,えっと,でも時計屋がジャーム化した場合は殺していいの?
GM:そんなのは状況によります。可能ならば別に殺さなくたっていいと思いますが。
瑚唄:ジャームの場合は,昏倒させて確保すればいいんですよ。HPが0になっても即死ぬわけでではないですから。
真琴:ふむふむ。つまり,極力人道的見地から行動しろというわけだな。
GM:人道的かどうかは知りませんが,とにかく最初から殺すの前提っつーのはやめてください。命は大切に!
真琴:あ,そう? でもこないだまでは結構バリバリ殺してたような……。
瑚唄:スズーキとかヤマーダとかタナーカとか(笑)。
GM:あれは久遠紫音の命令系統じゃ! 俺は知らん!(笑)
直人:それはともかく,だ。現段階で,意味不明に病院の裏手に来るより,現場を見に行く蓋然性の方が高いんじゃないのか。
真琴:それはそうだけど,一番の重要参考人が死んじゃったらマズイよなぁ……。
直人:なに,いざとなったら《ヨモツヘグリ》があるさ。
GM:アンタも死ぬの前提かよ!
直人:対処法が他にないんだ,仕方なかろう。で,結局時計屋は死んだのか生きてるのか,どっちなんだ。
GM:(ころころのころころ)おや? 意外とダメージが低かった。なんとか生きてます。では戻って次のターン。鴉のイニシアティブは15ですが。
直人:ではこちらが早いな。トループを全滅させよう。……おや? 《ショック》は《オウガバトル》では組み合わさらんな?
GM:無理ですね。《ファクトリー》持ってないんですか?
直人:持ってないのだ。
瑚唄:《天性のひらめき》使えばいいじゃないですか。
真琴:あれ? それって組み合わせられたっけ?
水限:ダメージさえ与えてなければいいんだよ。

 これは間違いです。《天性のひらめき》はセカンドエディションで「ダメージを与える行動に用いることはできない」から「攻撃に用いることはできない」に変更になっています。
 ソラリスには《抗いがたき言葉》《竹馬の友》《熱狂》など即「攻撃」とは断定しにくいエフェクトもありますが,まぁ《ショック》は「攻撃」でしょうね。


直人:よし,達成値28だ。これでトループは殲滅だな。
GM:え? 全グループに有効でしたっけ!?
直人:範囲内のすべて,と書いてあるぞ?
GM:がーっ!? なんだそりゃー!?
水限:あのね,「範囲内のすべて」は確かだけど,全グループが同じエンゲージにいないなら即殲滅はできないと思うのね。1つのエンゲージに存在するすべてのグループに有効ってことっしょ?
GM:おう,そうだそうだ。ちなみに2−1だぞ。
直人:じゃ,その2の方は潰れたな?
GM:……潰れましたな。では鴉の行動ですが,鳥は逃げます。何かします?
瑚唄:飛んでいくものを追いかけてもしかたありませんわね。私は時計屋さんと同じエンゲージに入ります。
GM:では3体目はぷしゅっと拳大のものを射出します。
直人:ふむ。「見つけたら1ドルやるぞ」という例のアレだな。
水限:はぁ? なんですかソレ。
GM:演習とかでですね,スタングレネードとかが草むらの中で見つからなくなったりするんですよ。で,「見つけたら1ドルやるぞ」と。
直人:アメリカ軍は基本的に撃った弾は撃ちっぱなしで放置しておくんだが,スタングレネードだけは全弾回収しないと帰れないんだ。で,よく全員で探してる。
水限:はあ。でも1ドルって安くないですか?
直人:どんどん値段が上がっていくんだ。1ドルから,2ドルとか,コーラ1リットルとか。
GM:で,いいカンジに景品がつりあがってきたところで,見つかると。
直人:ピザ1枚くらいになると,だいたい見つかるみたいだな。
真琴:だったら最初からピザ1枚を景品にすればいいのに。
瑚唄:それはアメリカ軍だけのワビサビなんですよ。
水限:なんじゃそりゃ!?(爆笑)
直人:ピザが目的なわけじゃないからな。だいたい……。
瑚唄:いや,まぁピザはどうでもいいから続けましょうよ(笑)。で,それってスタングレネードなんですね?
GM:いや,煙幕弾。
瑚唄:逃げたいのか。だったら逃げさせませんか。
直人:うむ,時計屋は生きてるんだな。では近寄って《癒しの水》をかけよう。(ころころ)7点回復した。
GM/時計屋:「ああ……すまんな,助かった。さっきの鴉に追いこまれちまってな」
直人:ではここは危ないな。場所を変えよう。そこでゆっくり事情は聞かせてもらうからな。
GM/時計屋:「そうだな。どこに移動する」
直人:ウチは……いや,マズイな。ギルドに即座に居場所を知らせることもない。あの病院へ……。
GM/時計屋:「いや,病院はまずい!」
直人:なに? どういうことだ?
GM/時計屋:「…………」
瑚唄:だったら私が泊まっているホテルはいかがでしょうか? スイートですから,みなさんが泊まる場所くらいいくらでも。
直人:そうだな。煙幕が効いているうちに移動しようか。
瑚唄:あ,念のため《血の従者》《不死者の人形》で時計屋さんの偽者を作っておきましょう。ちょっとした目くらましですわね。ご本人には,サングラスかけるとか,簡単に変装してだいて。
GM:あー,それはいいんだが,アンタら美貴さんはどーすんだ。呼び出すだけ呼び出しといてほったらかしか?
直人:ふむ,それはそうだな。
瑚唄:私が時計屋さんをホテルに連れていきますから,直人さんが美貴さんと会ってらしたらいかがです?
直人:(考えて)そうだな,そうしようか。
GM:ではいったんシーンを切ります。

 

  SCENE 10


GM:では君嶋のシーン。どうします? あなたの判断によって展開が変わります。
真琴:え? だから現場を見に行くんじゃなくて?
GM:現場を見に行く。それでいいんですね?
真琴:え? う,うん。
GM:じゃあ〈知覚〉。《天性のひらめき》で振ってみれ? みーちゃんも登場するなら振ってもいいよ。
水限:うーん,どうしようかなぁ。いるんだけど,登場してないとか。
瑚唄:私は風景と化している,というあのパターンですな。
真琴:ん? あんた,爆破現場にまでついてきてるのか?
水限:それが?
真琴:それはさすがに止めたいが?
GM/美貴:「ちょっと待てそこのミニマム!」
真琴:私のことですか。なんですか。
GM/美貴:「これは今,私の護衛! 私はあなたの案内人! よってこれもいる! アンダスタン?」
真琴:しかし,人が黒焦げの地面をじーっと見ている間,後ろにはりつかれて覗きこまれるのはやりづらいのだが。
水限:ん? ……ちょっと待て。誰が,いつ,そんなことをすると言った?
真琴:だって君嶋にはりついて護衛してるんじゃないの。
水限:誰が文字通りはりつくと言ったか。
真琴:違うの?
水限:違うよ。
真琴:あ,そう。ならいいや。(と,サイコロを振り始める)
瑚唄:……か,かみ合ってないなぁ……(笑)。
真琴:(ころころ)ともかく21だ。何かわかるか?
GM:この貯蔵庫,どうもシェルター構造になっているらしい。
真琴:は? ここがか?
GM:病院の地下には,たまにありますけどね。万が一の災害に備えてとか。
真琴:ここにはいったい何があったんですか?
GM/美貴:「ですから,さきほど言った通りですよー。薬とか水とか食料とか医療機材とか……あ,あと抗生物質とか。ホントはそんな長期間貯蔵しちゃいけないんですけどね。配給が不安定になったらアウトですし」
真琴:でもそれって,ここにしかないものじゃないよな。
GM:もちろん,そんなことはありません。
真琴:うーむ,わからん。情報が少なすぎるぞ。
GM/村崎:「そりゃ,1つの爆破現場だけ見て判断するわけにはいかないだろ。他の所にも何か手がかりがあるかもしれないし」
真琴:そうですね。では他の病院に行ってみますか。
水限:……えーと,やっぱり登場します。あのさ。
真琴:ん,なんだ。
水限:(美貴を指して)放っていくのか?
真琴:話は全部聞いたぞ?
水限:彼女は時計屋を目撃して,狙われてる。だから彼女をマークしとけば,時計屋が現れる可能性が高いと思うんだけど。
真琴:……ああ。そうか,なるほどな。
水限:気づかなかったのか?
真琴:失念していた。
水限:あ,そう。
真琴:すまない。
水限:…………。
真琴:…………。
瑚唄:かみ合ってないなぁ……。
GM/美貴:「あー,そこの少年少女。当人を無視して話を進めないでくれるかな?」
真琴:と,いうわけで捜査に同行していただきたいのですが。
GM/美貴:「だぁら勝手に決めんなぁ! それに,私には仕事があるの! し・ご・と!」
真琴:それはそうですね。失礼しました。しかし,あなたを1人にするのも危険ですし,ここは譲っていただけないでしょうか。
GM/美貴:「…………。ま,まぁ礼儀正しいのはいいことだネ。みーちゃん聞いた? これが正しい社会常識ってもんだよ? みーちゃんより人間レベルが5は上だね!」
水限:だから?
GM/美貴:「…………」
水限:…………。
GM/美貴:「……君,そういう態度よくないよ? なんつーかこう,人間として?」
水限:だから?
GM/美貴:「…………」
真琴:で,協力していただけるのでしょうか。
GM/美貴:「…………」
瑚唄:ホントにかみ合ってないなぁ……(笑)。
直人:パーティ構成にそもそも無理があるのではないのか。
GM:……俺も今本気で後悔してます。

 でも,今さらどうしようもないんだよな(笑)。

水限:どこかに行くんだったら,俺は護衛だからついて行く。でも,彼女連れてあんまりウロウロしない方がいいと思うけど。
GM/美貴:「あ,それと,私これから人と会う約束があるんだわ」
真琴:そうですか。
GM:…………。
真琴:…………。
水限:…………。
瑚唄:じゃなくて,「人」ってところに疑問を持とうよ(笑)。
真琴:どういう疑問点だ? 人は人だろう?
直人:人じゃなかったら大変だな(笑)。
GM:ちきゅうの♪ おとこに♪ あきたところよ♪ ……じゃなくて!
真琴:じゃなくて?
水限:じゃなくて,「人」って誰。
真琴:あ,そういう意味か。
GM:他にどういう意味だ! ……と,ともかく,「誰,と言われてもねえ。知り合い,としか言いようがないなぁ」と言ってます。ちなみに市警部の人がいるんで,「ギルドの人だ」とはいいにくいんですね。
真琴:わかりました。ではその会見に同行させていただきましょう。
GM/美貴:「ちょ,ちょっと待ってくれないかなあ?」(笑)
真琴:しかし,我々にはあなたを護衛する必要が。
GM/美貴:「うー,しかたないなぁ。わかったよ。そのかわり,姿見せないようにこっそり護衛してくれる? だったらいいけど?」
真琴:(村崎を見る)
GM/村崎:「じゃあこうしようか。俺と猪熊さんが他の病院を回ってくる。その間,君は彼といっしょに楠山さんを見張ってる。それでどうだ?」
真琴:……それが一番効率がいいのでしょうね。しかたがない。
GM/村崎:「江藤くんっていったっけ。君嶋をよろしく頼むよ」では,そんなところでシーンをきりましょう。