| 
  
GM:では,今度こそ君嶋のシーンです。君は村崎さんと一緒に3番目の事件現場である青梅総合病院に来ています。 
真琴:あ,その前に時計屋についての情報が欲しいのですが。 
GM:じゃあ〈情報:魔街〉か〈情報:ギルド〉。UGNのデータベースには入っていないので〈情報:UGN〉は不可です。 
真琴:む,では《天性のひらめき》を使おう。(ころころのころころ)よし,ひらめいた。23だな。 
GM:では,上杉さんが持っているのと同じ情報が手に入りますね。 
真琴:ふむふむ。とりあえず,職人気質の人物なんだな。病院を標的にするのは不自然なんだな。 
GM:そうですね。 
水限:えーと,ではそこで登場します。そのヘンなお姉さんと一緒に, 
GM:楠木美貴です! 覚えてくださいよ! 
水限:うーん。ヘンなお姉さんとしか記憶してなくってねぇ。 
GM:ひでえ! あんたマジでひでえ! 
水限:いや,だから……あれ? くすき? くすのき? 
GM:だから楠木……。 
真琴:楠山美貴じゃなかった? 
GM:あ。 
一同:(笑) 
水限:GMも覚えてないじゃんかよぅ。 
GM:すいませんねっ。で,みーちゃんは美貴さんを伴って登場するわけね? 
水限:そうそう。だから,君嶋が病院内を歩いていると,反対側からすたすたと歩いてくるわけだ。それでヘンなお姉さんがそれを追いかけながら「あのさー,やっぱりさー,これも何かの縁だと思って,護衛引き受けたりしてくれないかなぁ?」とか言ってるわけ。で,私は君嶋を見つけるや否やお姉さんの手を引っ張って,君嶋に引き渡す。 
GM:引き渡す!? 
水限:そう。で,無表情で君嶋に訊く。あんた市警部の人? 
真琴:では黙って無表情に見上げる。 
GM:あんたら無表情ばっかか!(笑) 
水限:そんなこと言われても,無表情なんだよ。 
GM:ねえみーちゃん。あんた『マルコ○ッチの穴』とか知ってる? 
一同:(爆笑) 
水限:いや……知らないけど……(笑)。 
GM:しまったなぁ。無口無表情同士で組ませちまったなぁ。イヤな予感がするなぁ。 
 
 GMの予感は正しく。 
 このコンビは,この後の調査でさんざん迷走することになる。 
 てか,しゃべらない人同士を組ませてはならない。雨追と光を組ませて調査させるようなモンである。 
 
真琴:それはそうと,無表情に訪ねるぞ。そういうあなたは? 
水限:それには答えず,さらにお姉さんを突き出します。 
真琴:この人は? 
水限:……さっき,時計屋に襲われてた。保護して欲しいんだけど。 
真琴:時計屋? 
水限:(頷く) 
真琴:そうか。 
水限:…………。 
真琴:…………。 
GM:驚けよ! 
一同:(爆笑) 
真琴:いや? 無表情でお姉さんの顔を見て,そうですか,というくらいだが。 
GM:いや驚くだろ! 内心ででもいいからさ! もう村崎さんが「やっぱり君嶋くんは,社会勉強が足りないよな……いや,情緒的に変なのか?」とか突っ込んじゃうよ!? 
真琴:(無視)わかりました。では,こちらへいらしていただけますか。 
GM/美貴:「え? は,はい」 
真琴:と,いうわけで,お姉さんを連れて市警部の人のところへ行こう。 
水限:で,私は黙ってそれについて行こう。 
GM:か,会話がないよこの人たち!? 会話は生きていくために必要なビタミンだよ!? 
真琴:いや,黙ってついてくるぶんには別に気にしない。で,市警部の人を探して身分証明書を見せる。すみません,UGNから派遣されました君嶋と申しますが。担当の方はどちらでしょう。 
GM:はあ,では村崎さんの身分証明書を確認したうえで通してもらえます。責任者は猪熊さんという人ですが,30前後のいかにも体育会系っぽい兄ちゃんですね。片目眼帯だけど。 
真琴:何じゃそりゃ。 
GM:いいじゃないすか眼帯。オーヴァードじゃないんで,目ぇ潰されると終わりなんですよ。で,彼が状況の説明をしてくれますが,大谷からあった説明とあんまり変わりないですね。ボイラー室と,自家発電のダイナモと,あと貯蔵庫がやられたかな。 
真琴:貯蔵庫? 貯蔵庫って何があったんですか? 
GM:薬。あとはタオルとか医療機材とか,あと水と食料とか。 
瑚唄:医療の根本が絶たれてますな。 
真琴:すでに病院が機能しなくなっているのでは? 
GM:いや,貯蔵庫もダイナモも,ここひとつだけってわけじゃないから,大丈夫ですが。 
水限:貯蔵庫に何かがあったとかいうんじゃなくて,病院の業務を停止させるのが目的だったってことっしょ? 
真琴:……に,思えるがな。 
水限:ところでさ。 
GM:はい? 
水限:これはプレイヤーからのツッコミね。……誰もみーちゃんの素性を追及しないんだけど,それでいいわけ? 
GM:いや,猪熊さんは君嶋が何も言わないので,UGNの関係者だと思ってるんですよ。 
真琴:その男か? 私はそこのヘンな女の連れだと思っていたが。 
GM:…………。 
君嶋:…………。 
水限:…………。いや,まぁそれでいいならいいけどね。私は。 
GM:よくなぁい!(笑) 
真琴:わかったよ。ではそのへんをカバーしておくか。えーと猪熊さんに訊きますが,その,……名前忘れた。ヘンなお姉さん。 
一同:(笑) 
GM:く・す・や・ま・み・き! 
瑚唄:もう「ヘンなお姉さん」で固定したら? 
直人:人物関連表でも書いたらどうだ。後ろにホワイトボードがあるだろう。 
水限:では私が書いてあげよう。まず時計屋,と。で,時計屋がヘンなお姉さんを襲って, 
GM:く・す・や・ま・み・き!(泣) 
真琴:話を続けるぞ。えーと猪熊さん。こちらの方が,今回の事件の重要参考人に襲われたそうですが。 
GM/猪熊:「なに,本当ですか!」 
真琴:はい。詳しい事情は,そちらの彼にうかがってください。 
水限:(書いている)あれ? 「くす」ってどう書くんだっけ? 
GM:木に南です。……てゆーか! 「楠木」ではなく「楠山」だってば! 
水限:(←素で間違えていた)あれ? あ,そうか。ごめんごめん。 
瑚唄:もうヘンなお姉さんでいいじゃんか(笑)。 
GM:よくないよ! まったくどいつもこいつも! 
真琴:(忍耐強く)で,詳しい話はそちらの彼にうかがってください。 
GM/猪熊:「はあ,で,彼は?」 
水限:(書いている)…………。 
直人:おーい,少年。呼んでるぞ。 
水限:え? (戻ってくる)あ,ごめんごめん。何だって? 
GM:だから,君は誰なの,と訊いてるわけですが。 
瑚唄:と,いうか,ソレは何なの?(とホワイトボードの落書きを指差す) 
直人:ドラ○もんじゃないのか。 
瑚唄:ドラえ○んになりそこなった何か,としか見えんのですけどね(笑)。 
真琴:ばっかだなぁ,首んとこの輪はつながってちゃいけないんだよ。 
水限:うるさいな。何だっていいでしょ,ただの落書きなんだから。 
真琴:よくないよ。だから○ラえもんは,(と,立ちあがってド○えもんを描きにいく) 
GM:ドラえも○は何だっていいんだよ! てゆーか話を進めさせろおまえらぁ! 
 
 ちなみに,GMと君嶋とみーちゃんが話している間に,瑚唄ちゃんがドラ○もん描きを継承していたとか……(笑)。 
 
水限:では,君は?と訊かれたんなら名刺を出して渡します。 
GM/猪熊:「はあ,バウンティハンターね……ずいぶん若いんだね」 
水限:……歳より若く見えるとか,よく言われる。 
GM/猪熊:「いくつ?」 
水限:25。 
GM/猪熊:「……ウソだぁ!」 
一同:(笑) 
GM:何ソレ? もう全力でダウトしちゃいますよ!? 
水限:俺戦災孤児だから,正確な年齢がわからないし。 
真琴:せいぜい15,6くらいじゃないのか? 
水限:それは若すぎです(笑)。みーちゃんは老けて見えるタイプなんで,20くらいなら通るでしょうな。25は,いささか厳しいかもしれんが……ああ,でも尚也さんなんか,25って言っても通るでしょ。 
直人:アレはまた特殊だろう。(←自分で言わんでください) 
水限:ともかく,免許はあるんだし,それで信用してくださいな。 
真琴:偽造だがな。 
水限:(無視)……で,俺が公園で昼飯を食っていたら,このヘンなお姉さんが飛び出してきて, 
M/美貴:「だからぁ,楠山美貴だって言ってるでしょぉ!?」 
水限:そうだっけ。 
GM/美貴:「ヒドイ! 私の名前を忘れるなんて! あんなに愛し合ったのに,そういうこと言うよこの人!」 
水限:愛し合ってない。 
GM/美貴:「何ぃ!? 私を捨てるっていうの!? そうなのねこのヒトデナシ!」 
水限:だから? 
GM/美貴:「…………」 
水限:…………。 
GM/美貴:「……えと。ひょっとしてジブン,調子のりすぎですか?」 
水限:(無視)飛び出してきたその後から赤い肉の塊みたいなモノが追いかけてきて,それが爆発した。そうしたら,現場から茶色の髪で,これくらいの背丈で,60歳前後の男が逃げていった。 
GM/美貴:「えーっと。私がお話しできるのもそんなところです。お昼買いに行ったら,急にあのバケモノに襲われたんです。それで,他の人を巻き込んじゃいけないと思って人気のない方に逃げてきたんですが,逆に彼を巻き込んでしまって……」 
真琴:……ずいぶん冷静な判断ですね。 
GM/美貴:「え? ああ,私ソマリアにいたことがあるんです」 
一同:ソマリアぁ!? 
GM:いや,本当にソマリアですよ。ほら,赤十字とかにいたんで……。 
水限:せめてMSFにしない? 
GM:国境なき医師団? じゃあそれでもいいです。「ともかく,それである程度の訓練は受けてるんです」 
水限:でも今28歳だよね? デモンズシティができたのが15年前だから,どう考えても外から入ってきてるよねこの人。13歳でMSFに入れるわけがない。 
GM:ええ,まぁ否定はしませんよ。この街,外から入るのはわりと簡単なんです。出るのはめちゃくちゃ大変ですけどね。 
直人:ギルドの料金表でも,10倍くらい値段が違う。しかも失敗しても「知りません」で金は返さないしな。まるでどこぞの密入国業……。 
瑚唄:ぴーっ! 教育的指導ーっ!(笑) 
GM:は,話を先に進めます。猪熊さんが「そう言えば,あなたはあの事件の目撃者でしたな」とか説明ゼリフを吐いてくれます。君嶋,この人はこの病院が爆破された夜,時計屋を目撃した人ですね。 
真琴:ああ,そのミサエさんが……。 
GM:美貴だ! つか,どっから「ミサエ」が出た! 
真琴:おや? 
水限:君嶋,ちなみに今の素ボケ? 
真琴:うん,プレイヤーがボケた。 
瑚唄:GM,本気で覚えてもらえないようですよ,彼女の名前。 
GM:くそう……やっぱり何かあだ名でも考えなきゃだめなのかな……。 
水限:ヘンなお姉さん。 
瑚唄:ヘンなお姉さん。 
真琴:(真顔で)その「ヘンなお姉さん」さんは,事件のあった夜,どこで時計屋を見たんだ? 
GM:(ジト目)地下の貯蔵庫に薬とりにいったら,見知らぬ人と階段ですれ違ったそうです。で,その夜貯蔵庫とかが爆発したと。 
真琴:では彼が犯人だという確証はないんですね? 
GM/美貴:「私にはわかりません。ただ見たままを市警に報告しただけですから」 
真琴:そうか。では猪熊さん,そろそろ彼らにはお引取り願って,現場を見せていただけますか? 
GM:(困って)は? でも,どちらにしろ病院の関係者には立ち会ってもらわないとならないんですが。 
真琴:では,院長か誰かですか。 
水限:(ぼそっと)じゃなくて,目撃者なんだから彼女に案内させればいいと思う。 
真琴:そうなのか。 
水限:そう。(素に戻る)それと,せっかく君嶋とみーちゃんの接点を作ろうとしてるんだから,わざわざぶっ壊さないでいただきたい! 
一同:(笑) 
真琴:でもヘンなお姉さんはともかく,部外者のみーちゃんにこれ以上関わらせるのっておかしくないですか。 
水限:わかった,じゃあこうしようじゃないか。(再びぼそぼそした口調で,美貴に)ちなみに,さっき言ってた「仕事」って,なに。 
GM/美貴:「え? えと,だから,私の護衛をやってくれないかってことなんだけどさ」 
水限:いいよ。やる。 
GM/美貴:「えっ,ホント!? マジっすか!?」 
水限:うん。(真琴に)そういうわけだから。 
真琴:どういうわけだ。 
水限:だから,このヘンなお姉さんが案内役。俺はその護衛。だから俺もついていく。 
真琴:そうなのか。 
水限:そう。 
真琴:…………。 
水限:…………。 
GM:……くっ,苦しいなあもぉッ! 
一同:(爆笑) 
水限:(ジト目)……じゃあ他にどうしろというんですか。 
GM:い,いや,もうそれでいきましょう。村崎さんが,「そう言えば君も時計屋を見たんだったな。だったら話が早いじゃないか。よかったらUGNから報酬を払ってもいいよ」とか言ってくれます。「江藤くんと言ったね。こちらこそよろしく頼むよ。私は村崎。彼女は君嶋だ」 
水限:よろしく。 
真琴:…………。 
水限:なに? 
真琴:……いや,すまない。何でもないんだ。 
水限:…………。 
真琴:…………。 
GM:……えーと,今のはなんですか? 
真琴:いや,彼の声が師匠に似ていたので,思わず物思いにふけってしまったのだ。 
GM:そうですか。 
水限:…………。 
真琴:…………。 
GM:…………。うわ会話がない!? 会話がないよこの人たちッ!? 
直人:何をいまさら……。 
瑚唄:GM,そろそろこのシーン切ったらどうですか? キリがないですよ(笑)。 
     |