GM:では最後,みーちゃんのオープニングです。あなたはいつもの夢から目を覚まします。あなたの目の前で,死んでいく彼女の夢ですね。
水限:……とりあえず起きて顔洗って着替える。で,ここはそもそもどこだろう。
GM:ファルスハーツの施設ですよ。あなたの自室。
水限:一人暮しではないんだな。で,朝食はどこへ行けば食べられる?
GM:食堂ありますから,そこへ行ってください。
真琴:食堂って,食堂? 食堂のオバさんとかおるのか。いきなり庶民的だなぁ。
GM:うーん,というかみんな家族みたいなものですよ。小さい頃から共に育つし,暗い道を歩まなければならない者特有の連帯感もあるしね。ただ,みーちゃんはちょっと浮いてるかもしれない。
水限:暗いし,しゃべらないしな。
GM:あと,みーちゃんて他の施設から移ってきたんですよ。
水限:あ,そうだったの。
GM:そう。その中でごくフツーに接してくれた数少ない人間のひとりが,けーちゃんだったわけです。あなたは,その彼女を1ヶ月前に亡くしたわけだ。
水限:……うん。とりあえず朝食を食べてる。
GM:あなたが味の感じられない食事を摂っていると,仲間の1人が側に立って,「先生が呼んでるって」と言います。
水限:先生って誰。
GM:あなたがたの指導員と言いますか,わかりやすく言うとママ先生と言いますか(笑)。名前は一之瀬リカさんです。
水限:どこで?
GM/FHチルドレン:「えーと,指導室だって」
真琴:学校みたいだなぁ。
GM:だから,保護施設なんですよ。スラムのストリートチルドレンとか,戦災孤児とか集めてきてるから。
水限:わかった。とりあえず行く。
GM:では,指導室に入るとリカ先生がいます。いつもニコニコしているとウワサの先生です。37か8くらいで,目じりにちょっとシワがあるかなー,ないかなー?くらいの年齢です。
瑚唄:それを指摘すると笑ったまんまモップを振りかぶります(笑)。
GM:しません。てゆーか,暴力はあくまで最後の手段ですよキミ。それは相手を確実に殺せる時にだね。
水限:(そっけなく)で,何の用ですか。
GM/リカ:「……あのね,水限くん。ちょっと調べてほしいことがあるんだけど」
水限:いいけど,何を?
GM/リカ:「ポ○モンの98匹目以降が見つけられなくてね,じゃなくてっ,」
水限:俺,それやったことないです。
GM/リカ:「…………」
水限:…………。
GM/リカ:「……えと,子供たちに頼まれてるんだけどね? 先生とっても困ってるのよぅ」
真琴:学園○ブンのエンディングもコンプリートできないのよぅ(笑)。
水限:俺,そのゲームもやったことないです。
GM/リカ:「…………」
水限:で,用ってそれだけですか。
GM/リカ:「水限くん,冷たいよ?」
水限:だから?
GM/リカ:「…………」
水限:…………。
直人:寒いな。
瑚唄:てか,そろそろ本題入ってやれよGM(笑)。
GM/リカ:(咳払い)「あのね水限くん。最近病院が連続して爆破されたって事件,知ってる?」〈情報:魔街〉で振ってください。
水限:(ころころ)回った。20。
GM:では,とってもよく知ってますね。かなり大きい病院ばかり,もう3件目爆破されてます。
水限:それは知ってるけど,だから?
GM/リカ:「あのね,その犯人が私たちじゃないかって水向けられちゃったの。でも,私たちはそんなことやってない。身の潔白は晴らしておきたいのよ」
水限:で,俺に何をしろと? 捜査だったら他の人間にさせた方がいいと思うけど。
GM/リカ:「他って誰? だって死んじゃったでしょ,けーちゃん」
水限:…………。
GM/リカ:「もちろん,情報探して街をうろつきまわるなんてあなたにできるわけがないしね。あなたにやって欲しいのは護衛よ。それならできるでしょ?」と,彼女は2枚の人物写真をあなたに渡します。1人は君嶋。1人は村崎ですね。「えーと,まずこの子。君嶋真琴っていうんだけど,知ってる?」〈情報:UGN〉か〈情報:魔街〉,もしくは〈情報:噂話〉で振ってください。
水限:〈情報:魔街〉で10。
GM:じゃあだいたいのことは知ってますね。
真琴:……そんな噂話にあがるほどの人間か私は。しかもエージェントなのに。
GM:その能力ならトップエージェントですよ。
水限:……デザートイーグルの二丁拳銃でクロス撃ちするとか。
真琴:それか!
水限:しかも何故かクロスしてから撃ち始めるとか。
瑚唄:クロス撃ちは,女の子のたしなみよ♪とか?
真琴:うーん。わかんないけど,ト○スくんもクロスから撃ち始めてるんだよなぁ。何でだろう。
GM:はいはい,ともかくそんな情報です。チルドレンあがりのUGNエージェント。射撃の名手で,「魔弾の射手」という二つ名で呼ばれています。
水限:で,それが?
GM/リカ:「うん,彼女を守ってあげて欲しいの」
水限:…………。
GM/リカ:「で,彼女に協力して。ファルスハーツだと知られないようにね」
水限:俺1人でやるんですか?
GM/リカ:「だってあなた,誰かと組める?」
水限:…………。
GM/リカ:「そしてこの男。村崎純介っていうんだけどね。こいつ,防衛隊の人間なのよ。何で今UGNにいるかわからないんだけどね。……私の勘では,この男,どうも怪しい」
水限:それで?
GM/リカ:「彼は今,君嶋とコンビを組んで仕事をしているわ。君は君嶋に協力して。村崎に注意しながら,ね」
水限:……それは,村崎から君嶋を守れということですか? それとも,君嶋の隙をついて村崎を殺せと?
GM/リカ:「あなたに殺しはできないでしょ?」
水限:専門外だけど,できなくはないと思う……。
GM/リカ:「ああ,違うの。けーちゃんが死んだのを見た後で,人が殺せる?」
水限:え? それは関係ないけど。
GM/リカ:「本当に?」
水限:うん。
GM/リカ:「彼女の死に顔思い出したりしない?」
水限:うん。だって,もう過ぎたことだし。
GM/リカ:「……そう」
水限:…………。
GM/リカ:「…………」
水限:…………。どうでもいいが暗いなオイ!?
一同:(爆笑)
真琴:いや,それでいいんだ。今回はその路線でいくと決めたんだろう。それならば貫き通せ!
瑚唄:がんばれー♪ ふぁいとー♪
水限:だって暗いよー。怖いよー。シリアス嫌だよー(泣)。
真琴:弱音を吐くな。それを持続しろ。最後まで持続したら誉めてやる。がんばろうよ。な?
水限:だってぇ。
真琴:だってじゃない。「…………」を多用してがんばろう。な?
水限:(←突如晟化)……所長! ダメなんです所長! 僕には! 僕にはもう無理なんです!
真琴:甘えるな! びしい!
GM:(←大谷化)まぁまぁ君嶋。晟くん,君はお父さんやお母さんと違う。やればちゃんとできる子だ。な?
遙:(←さらに通りすがりの人)あきちゃん,がんばるのですー。
水限:あ,ありがとう遙ちゃん! がんばるよ僕!
遙:何だかよくわからないけどふぁいとなのですよー!
真琴:(←さらにキルス化)晟,今回最後までがんばったら冷凍バナナを100本あげるわよ。
水限:いりません。
直人:……だんだん,誰が誰だかわからなくなってきたな。
もっともだ。
GM:みーちゃん,そろそろ戻ってきてくれませんか? てか,アンタ今回「しゃべらない人」を目指すんじゃなかったんですか。
水限:そうですよ。だからがんばってますよ。私はしゃべらない。私はしゃべらない。私はしゃべらない。……よしいこう。
GM:なんだかなぁ……えーと,では続き。「あのね,君にやってもらうのは,あくまで君嶋の護衛なの」
水限:じゃあもう一度確認するけれど,君嶋を守ってればいいんですか?
GM/リカ:「そうそう。で,君嶋は例の病院爆破事件について調べてるから,彼女に協力して」
水限:さっき調査はしなくていいって。
GM/リカ:「言ったわよ。君嶋が,調査をするのに,協力して,彼女を護衛すればいいってことなの」
水限:……要するに,彼女を守ってろってこと?
GM/リカ:「まあね,要するにそういうことになるわね。あなたにさせるのもなんだから,とりあえず調査のことは考えなくていいわ。ただし,村崎には気をつけること。それから,ファルスハーツだってことを知られないこと。この2つには充分注意してね。どう? 引きうけてくれる?」
水限:(無言で頷く)
GM/リカ:「じゃ,これを渡しておくわね」と彼女は名刺の束をくれます。えーと,名前どうします? 特に決めなくてもいいと思うんですけど。
水限:「江藤光彦」とかでいい? 仕事中はけーちゃんと姉弟のフリをしてたって設定なんで。
GM:じゃあ,そういう名刺ね。あと職業は,一応数少ない民間の探偵事務所に所属してるということで……。
水限:え? 無理だろ,それは。あっと言う間にボロがでると思うぞ(笑)。せめて警備保障会社の社員とか,そういうのないの?
GM:民間保険会社とか? いや違うな。保険会社はこの街にはなさそうだ。
水限:(設定を読んで)あ,単純にバウンティ・ハンターじゃダメですか?
GM:あ,そうですね。じゃあそれでいきましょう。じゃあリカ先生が,免許を渡してくれます。
水限:免許なら,もう持ってるけど。
GM/リカ:「車じゃないの。バウンティ・ハンターの免許」
水限:え? ああ,そうか。
GM/リカ:「……だいじょぶ,君?」
水限:多分。
真琴:本当に大丈夫か? こっちを欺きつつ,私の護衛をするんだろ?
水限:……あれ? ちょっと待って。UGNから護衛の依頼があった,とかじゃないの?
GM:誰がそんなことを言いました。あなたは適当に君嶋に近づきつつ,しかし身分は隠し,その状態で彼女の信用を得て護衛しなければならないんですよ。
水限:え? あ,そうなの? 相良○介くんみたいやな。
GM:そうですよ。
真琴:それってかなり難しいんでは?
GM:難しいでしょうねえ。
水限:それをみーちゃんにやらすの? 大丈夫なの?
GM:あなたが今大丈夫って言ったんじゃないですか!(笑)
水限:あー……いやすまん,プレイヤーが素でボケていたようだ。
GM:……だいじょぶですか?
水限:多分(笑)。
真琴:本当に?
GM:……えーと,ではこんなところでシーンきります。
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