SCENE 14


GM:ではイニシアティブですが,ちーちゃんは18ですね。
ユウキ:遅いな。
晟:遅いか?(笑)
遙:そーとーに麻痺してきてるですな。
晟:とりあえず攻撃してみていいのかな。マイナーで《光の剣》使って,
ユウキ:いや,それはちょっと。どうせそんなのじゃ効きませんよ。必殺技とかいっちゃった方がいいんじゃないですか?
晟:だってまだ侵蝕値が120いってないんだもの。とりあえず攻撃してみて,全く効果がないようだったらジェネシフトするよ。ってなわけで《ピンポイント・レーザー》《全知の欠片》。(ころころ)うーむ,42。低くはないが,相手が千葉だからなぁ。
GM:(ダイスを振りながら)いや,千葉相手でも別に低くはないですよ。
ユウキ:でも,どうせ効かないとかすぐ治るとかゆーんだろ。
晟:いいよ。1回殴ってみて「何ぃ!?」とか言うのも一種のお約束だから。
GM:(ころころ)あ,いや。それ以前に避けたわ。というわけで「まだまだですね。もっと力を見せてください」とか言ってる。
晟:(ユウキに)だってさ。
ユウキ:もうすでに侵蝕値が150近いんですけどね俺は。……《完全獣化》《一角鬼》《ハンティング・スタイル》で……早めに使っておくか。まず《ピンポイント・レーザー》《全知の欠片》に《虚無の力》なるものを使います。(ころころ)達成値は29ですが,これって自動命中ですよね?
GM:目標値さえ超えていればね。
ユウキ:ではダメージが31点装甲値無視。(ころころ)ちなみに〈RC〉判定は成功です。
GM:じゃあこっちの番ね。2人とも接近してるんだよね? では彼は手の中に日本刀を創り出します。見た目は普通の刀ですが,刀身には雷がまとわりついている。遙,というか炎華さんは知っているが,名を御神槌という。
ユウキ:よかった,ヒノカグツチじゃなくて。
晟:でもあれって実は夢想正宗とかの方が強いよね。
ユウキ:そうですか? まぁ属性が炎なとこで損してますけど,攻撃力としてはメガテン最強武器なわけですから。
GM:……おまいら,落ち着いとるなー。
晟:麻痺してるだけだよ。で? 今度は何の特殊能力だ?
GM:たいしたもんじゃないよ。「周囲」に攻撃するだけである。
晟:と,いうことは攻撃範囲に遙は入らないよな? ならいいや。へい,攻撃かもん。
遙:ダメなのです! その剣に近寄ってはいけないのです!
ユウキ:(そっけなく)無視。
晟:近づかなければ殴れんだろうが。
遙:はうう〜!?
GM:(ころころのころ)ってなわけで達成値は62だが。
晟:実は今侵蝕値99なのね(笑)。下手にエフェクト使って避けられないと目も当てられないのでリザレクトします。
ユウキ:俺もそうしよ。ダメージください。
GM:(ころころのころ)じゃあ52点ね。それと,雷の剣なのでくらった人は目標値10で〈耐性〉の判定をしてください。
ユウキ:平目で成功。
晟:同じく。
GM:……だよな。では遙ですが……。
遙:では彼らが攻撃された時点で,「あきちゃん,ゆーちゃん!」と叫ぶです。
ユウキ:……それだけ?
遙:うーん,そうですねえ。
ユウキ:おまえも手伝えよ。
遙:うーん。
晟:ま,戦いたくない気持ちはわかる。ロールプレイとしては正しい。正しいんだがな。
ユウキ:たぶん,3人がかりでねーと全滅するぞ。てか,その前に俺らがジャーム化して自滅するっちゅーの。
遙:うむぅ。……何か,もうひと押しっ。
晟:「このままじゃ俺たちが死ぬ」というだけでは不満かね君。
一同:(笑)
遙:いやいや。そんなことは(笑)。
晟:いや,もういい。ってなわけでデンジャーゾーン脱出のためにジェネシフトしまぁす。(ころころ)えーと,侵蝕値127ですが,これってまた何かつくんだよね?
GM:そうそう。お待ちかねの必殺技。
晟:待ってねえ。
GM:あ,いらない? ないと千葉が倒せないと思うけど,いらない?(笑)
晟:…………。
ユウキ:色々含むところはあると思いますが,ここは素直に受け取ってください(笑)。
GM:ってなわけでまずそのいち。なまえはシサツ。
晟:(渋面)……視察? 見てまわるの?
GM:違います。死ぬに殺すと書いて《死殺》なり。
晟:貴様日本語というものを何と心得る。
GM:(無視)技能はもちろん白兵。タイミングはメジャー。目標値は対決,対象は1体。で,侵蝕値なんだけど……10上がって,さらに基本が5上がります。
晟:(しばし沈黙)……ああ!?
一同:(笑)
ユウキ:使うたびに侵蝕値が上がってくんだ。もはや帰ってくるなってことだな(笑)。
GM:もちろん,特殊能力はすごいよー。この技で与えられたダメージは,回復できまっしぇん。
晟:ん? でもそれって対千葉専用なのでは?
GM:んにゃ,オーヴァードのリザレクトにも有効っす。強いですよ。ただし侵蝕値150が前提だから,普通の戦闘にはまず使えないだろうけどね。あ,あとユウキと同様使用後に〈RC〉の判定が必要。失敗したら即発狂さよならね。……で,そのに。えーと《獣の脚》という能力がありまして,これは回避用。〈回避〉にダイスボーナスが10個つきます。
晟:……ちなみに,何故ここにきてクーガー兄貴だ?
GM:足に何かくっつくわけじゃないよ。単に人間離れした動きをするだけなのだ。そう,まさしく影すら補足できないスピードで!
晟:わかったよ。もういいよそれは!(笑)
ユウキ:つか,だったら何で「獣」なんですか?
GM:姿勢が超前傾姿勢になるから。膝より身体かがめて走るよ〜?(笑)
ユウキ:わぁかっこわるぅ。
晟:何でやねんっ。何でそんなカッコせなならんのやねんっ。つーか,往年の舘ひ○しかよっ!?
GM:それはちょっと違うと思うが……えー,そんなとこで戦闘再開してくださいな。
晟:うむ,しかしだな。もうジェネシフトはできないし,普通に攻撃するしかないのだわな。
GM:あ,もちろんさっきユウキにくらったダメージは復元してるからね?
ユウキ:ええ,まぁ,やると思ってました。
GM:倒すなら一気に倒さないとね。そのかわり,ハマれば結構簡単に終わると思うけど?
ユウキ:(考えて)つまり,晟が攻撃してHP減らしたところで俺がぶん殴ればいいってことですよね。
晟:そうだな。とりあえず侵蝕値150になってからが勝負とゆーことで。……と,いうわけで遙ちゃん?
遙:ほえ?
晟:ワタシらはすでに殺る気マンマンだから,そのつもりでね(笑)。
遙:ほえぇ……。
ユウキ:覚悟を決めろよ。いいのか,このままだとお父さんもお母さんも殺されちゃうぞ?
GM:ちゃーんと彼らのお墓もあるからねー。あ,あと何故かライトの墓とかも。
晟:ふむ,まぁ奴がどうなろうと俺には関係ないが。
GM:もちろん,キルスも紫音も咲耶榎も大谷も泪も,挙句に霧谷とかもあるからね。
晟:わかってる。大谷と泪は殺させないさ。
GM:大谷が先かよ。
一同:(爆笑)
晟:げほごほげほ! いや,そこはそれとしてだな!(笑)
ユウキ:てめえも相当,語るに落ちてるな。
晟:いやいやいや。今のは本当に意識してなかったっスよ?
遙:無意識でそうだからマズイんじゃないですかね。
晟:そうとも言うが,君に言われたかぁないわ!(笑)
GM:そこらへんは追及しないでおいてやるから,とりあえず攻撃してくれ。

 いやぁ大谷,愛されてるなぁ。
 ……閑話休題。
 侵蝕値を上げるために《ピンポイント・レーザー》《全知の欠片》《疾風剣》《主の右腕》《さらなる波》とエフェクトの大盤振る舞いをする晟。攻撃は命中したものの,やはり致命傷にはほど遠い。
 いや,それでも52点ダメージ装甲値無視なんですけどね?

GM:だってちーちゃんのHPって3ケタあるんだもんなぁ。
ユウキ&晟:…………。
GM:いいじゃん。リザレクト自体はしないんだから(笑)。

 リザレクト「自体」はな。

 続いてユウキは,千葉の再生能力以上のダメージを与え続ける方針。再び《虚無の力》を使うが,ダメージは28点とふるわない。
「効〜か〜ん〜なぁ〜」とはGMの言。
 千葉の反撃。「突然消えて背後に現れた」ちーちゃんはダイスペナルティを4つ与えつつ攻撃するが,「もはやダイスがいくつあるかわかんないんですけど〜!?」とわめいている2人にとってはあまり痛くなく,回避される(この時点で34個とか……むしろ減らしてくれた方が助かる……)。

遙:(のんきに)本当に何のゲームだかわからなくなってきましたねえ。
ユウキ:とか言ってねえで,マジでてめえはどうすんだよ。
遙:えーとですね,皆が戦っている間に「耶魔斗」と書かれた墓があるかどうか探したいんですけど。
GM:それはありません。ありませんが,君には彼の背後の巨大な十字架が気になってならない。
遙:じゃあそっちに走っていきますです。
GM:それは可能ですね。ここは広いですから,回りこんでいけます。
ユウキ:……いやそうじゃなくて。俺らが必死に戦ってるわきを,てけてけ走ってくわけかよ?
晟:もぉいいさ。君はそのままでいてくれよ,遙ちゃん(笑)。
遙:(すでに聞いてない)で,そのお墓に何か変わったところはないですか?
GM:ぱっと見たところではわかりません。あなたの背丈よりもはるかに高い十字架です。先ほども言った通り,何も墓碑銘もない。ただし,その足元に宝石が埋まっているようだ。
遙:え? 色は? 形は?
GM:形は球。色は赤で,透き通っている。……で,炎華が知っているんだけど,これは耶魔斗と彼女がはじめて「石」を作ったとき,元にした宝石だ。それが埋めこまれている。
遙:…………。
GM:で,どうするよ。何もしないんだったら戦闘続行するよー?
ユウキ:腹をくくろう。いいかげんに。
遙:くくってるのですよ。くくってるから,何もしないのです。
GM:むー,ではちーちゃんはまた復元,と。戻って,晟。
晟:んー……(計算している)。
ユウキ:どうかしました?
晟:いや,ジェネシフトせんでも150行けるかな,と思って……達成値よりも《マシラのごとく》使ってダメージアップを計った方がよさそうだな。(計算しつつ)あれ,これでいったい侵蝕値いくつになるんだよ……ああ,もういいや帰って来られなくたって!(笑)
ユウキ:も,がんがんいきましょうよ。俺も覚悟は決めましたよ。
晟:そら,このキャラはもう使わんだろうがなぁ。
GM:安心しろ,どこのコンベンションでもこんなキャラ使わせてもらえないさ!
一同:(爆笑)
遙:そらそーだ。
晟:ふっ。では基本侵蝕値を46に上げまして……マイナーで《クロックアップ》,《ピンポイント・レーザー》《全知の欠片》《疾風剣》《主の右腕》に《死殺》と《マシラのごとく》を加えまして,これで侵蝕値188! えーとダイスがこれで+7の……あれぇ? もしかして,エフェクトレベルが+2になるの!?
ユウキ:(レコードシートを見て)ああ,確かにそうですね。
晟:わーっ,ちょっと待ってくれ! エフェクト+2までメモしてねーよ! 計算しなおさなきゃじゃん!

 そら,ふつーはエフェクト+2になるまで戦闘しなーい(泣笑)。

晟:(ざらざらざらっ)うーむ,イマイチ。52点でダイスペナルティが4。
GM:(ころころ)うむ,避けられん。
晟:早く死んでくれないとこっちがジャーム化するというのだ。つーかダメージの計算も大変だよぅ。《光の剣》で7の,《クロックアップ》で8の,《主の右腕》で8の,《マシラのごとく》で40の……うがー! 誰か計算機をよこせー!(←暗算ができない人)
ユウキ:+63です。つか,40ってなんすかそれは。
晟:だって今エフェクトレベル4で,《マシラのごとく》ってレベル×10だから。
遙:わー。
晟:(計算して)というわけで最終的には96点装甲値無視で回復禁止,ってなとこで。
GM:うむぅ,いっきにHP半減しちまった。
晟:だから半減してくんなきゃこっちが死ぬっつってんのよ!(泣)
ユウキ:で,俺はどうしよう。俺の攻撃は避けられないけど,HP回復は有効なんですよね。
GM:ただちーちゃんの回復量ってのも決まってるから,ダメージさえでかければ累積ダメージは上がってくよ。具体的には最大HPの半分が回復するのだ。
晟:その「最大HP」がいかなるものかは,聞きたくもないがな……。
GM:あ,言い忘れてた。《死殺》って最大HPを削る技だから。
ユウキ:え? そうなんですか?
GM:うん。だからちーちゃんもオーヴァードも回復できないのだ。
晟:あー,なるほど。最大HPが0になったらリザレクトもへったくれもないもんな。無茶苦茶なことすんな。
ユウキ:わかった。……しかし,どーかなぁ。ここで《虚無の力》使ったら侵蝕値が190だろ? 次に使ったら200超えるなぁ。
晟:リミット231は変わらないからな。てか,マジでそこまでいくとは思わなかったけどさ……。
ユウキ:……いや,いいです。《ピンポイント・レーザー》《全知の欠片》《虚無の力》で攻撃して,(ころころ)31点装甲値無視です。
GM:(計算して)ふむふむ。
晟:ここまできたら次で倒せるかな。私が削るだけ削っとけば,ユウキの攻撃は避けられないんだから……。
GM:うん,「倒せ」はするけどね。
晟:は?
ユウキ:いや,だからきっと倒した時点で遙がなんかしないと,また生きかえってくるってオチだと思うんですよ。
遙:ふむふむ。
ユウキ:ふむふむじゃなくて。いいかげん手伝おうよ。腹くくろうよ。腹くくれる要素はたくさんあると思うんだがなぁ?
遙:うむぅ……。
晟:(歌うように)私,侵蝕値188〜♪ ユウキくんは〜?
ユウキ:190で〜す。
遙:む,むむぅ。
GM:えー,そんなところで千葉の攻撃ですが先ほどのように,
晟:あ,もうやんなくていいから。もうどうせ避けないからぁ。
ユウキ:黙ってくらってリザレクトした方が効率いいからぁ。
GM:……君ら,もしかしてヤケになってる?
ユウキ&晟:あははははははは!
GM:(微妙に目をそらす)……えー,で,遙さんはどうします?
遙:宝石に触ってみますけど,何かあります?
GM:別に光ったり動いたりはしません。ただの想い出の品だから。
遙:そうなの?
GM:うん。別にフラグがたったりしないし。
遙:あ,そう。
GM:うん。
遙:じゃあ千葉に攻撃します。
GM:またそんなあっさりーっ!?
一同:(爆笑)
遙:そんなこと言ったって! 説得も受けつけてくんないし,だったら他にできることないじゃないですかぁ!
ユウキ:だーからぁ,最初から攻撃しろって言ってんだろぉ!?(笑)
晟:い……いや,まぁ,ここで何らかの展開を期待する,ってのもわかるよ。うん(笑)。
GM:一応,最後に残った想い出をも葬り去った,という描写なのよ。うん。そして,それがまだ消えずに残っているとゆー。
晟:遙ちゃんの行動で何かフラグがたって,それで千葉を倒せるとかじゃないわけ。GM好きでしょそういうの。
GM:うーん,いや,この時点ではねー。
ユウキ:てゆーかこれだけメチャクチャな能力で戦わせておいて,またさらにフラグが必要なんて言われたらたまったもんじゃありませんよ。

 ……正論である。

遙:では,どうしたらいいんでしょうね? 《聖炎の結界》ですか?
晟:いや,それはたぶん私らが止めを刺した後に使ってくれないとあかんのだな。だからそのぶんの侵蝕値は残しといてね。
ユウキ:たぶんそうしないと,こいつ生きかえってきてまた戦闘のやりなおし。
晟:その前に私らがジャーム化するって(乾いた笑い)。
遙:ではジェネシフトしまして(ころころ)189まで上がりました。で,《ブリザードブレス》《ブレインコントロール》で攻撃するのですよ。
晟:《極大消滅波》じゃないの?
遙:そこはそれ,色々あるのです。(ころころのころ)36ですね。低っ。
ユウキ:いや,低くねえ。
晟:36で「低い」という感想がでるあたり,色々と間違ってるんだよね。
ユウキ:間違ってるな。
GM:(ころころ)うん,でも避けたな。では次のラウンド……。
晟:あ,ちょっと待った。私セカンド宣言していい?
GM:え? もちろんいいよ。つか,何でやらないのかなー,と思ってた。
ユウキ:そんなの侵蝕値の問題に決まってるでしょうが(笑)。
晟:うん,単にね,《クロックアップ》の効果がまだ持続してるからなのよ。しかし,どうするかな。これで200は完璧に突破するなー……えーとまず,《死殺》使うから基本侵蝕値が51。
一同:おおー(笑)。
晟:あっはっはー。いいんだ,どうせこのキャラもう使わないもーん。
GM:うん,それくらいの割りきりは欲しいねぇ。
ユウキ:(ぼそっと)いや,NPC化はいいとして,231のリミットがすでに目前なんですけど。
晟:もういいさ。みんな,ジャームになったらマジで殺してねー。恨まないから。
遙:ホントに恨まないの?(笑)
晟:プレイヤーは恨まないし,楓もたぶん恨まない。晟は恨むかもしんないけどね(笑)。というわけで晟,いっきまーす! 先ほどの組み合わせに《光速の剣》を加えまして,侵蝕値上昇が32! 現在侵蝕値は228でーす! ユウキくん,あとは任せたよー(笑)。
ユウキ:あー,そうですねえ。俺も覚悟を決めました。次でセカンドアクションいきます。
晟:(ざらざらざらっ)達成値52の,ダイスペナルティが4!
GM:うむぅ。それはくらうとツライので千葉も本気で避けるが,
ユウキ:避けるな!
晟:こっちはマジでもう何もできんぞ!?
GM:いやそんなこと言ったって,(ざらざらざら)くーぅ,42! 避けられん!
晟:ダメージは96点装甲値無視。
GM:うわぁ,さすがに追いこまれた!
晟:では先生,後はよろしくお願いします(笑)。
ユウキ:えー,そういうわけでこちらも先ほどの組み合わせに《狼牙》を加えます。それから千葉のロイスをタイタス化して,千葉と山崎のタイタスを昇華,クリティカル値を5に下げます!
GM:おおっ,それはもしや!
晟:拳銃投げろ,拳銃投げろー!
ユウキ:ええ,もうここで使わんと後がないですから。と,いうわけで拳銃を投げた上で装甲もまといます!
一同:おおー!(拍手)
晟:あ,先生。セリフもお願いします。
ユウキ:え,アレ,やっぱり言わないとダメですか?
GM:当然だろう。
ユウキ:えー,ではいきます。……山崎ぃ! これが,俺と,おまえの,
一同:輝きだあああああっ!(爆笑)
ユウキ:ダイスは31個の,クリティカル値が5! (ざらざらざらっ)えー……。
一同:えーと……。

 その後,計算が終了するまで約3分。カップラーメンも作れます。
 ……何て疲れる戦闘なんだ(笑)。

ユウキ:(ようやく終わった)達成値は78です。ダメージは41点装甲値無視。これで死んでくれないと後がないんですが?
GM:(こちらも計算中)えー,そうですね。それでは君の黄金に輝くパンチをくらって,ちーちゃん吹っ飛びます。
晟:よし!
GM:彼はすぐには起き上がれない。ただし,ゆっくりではありますが,その傷が再生を始めています。
ユウキ&晟:よし,今だ!
遙:ほえ?
ユウキ:ほえ,じゃねえ! ここで《聖炎の結界》を使うんだよ!
晟:でないとこいつ,マジで復活してくるぞ!?
遙:…………。
晟:おい。まだ迷ってるんじゃないだろうな。いつまでもこんなことを繰り返すわけにはいかないんだぞ。
遙:いや,そういうわけじゃないですけど……。
GM:そうやって迷っているならば,千葉はまたここで空間転移を使用する。出現するのは晟の背後だ。彼はゆっくりと剣を振りかぶるが……。
晟:では動かない。
遙:ほえ!?
晟:ついでに目を閉じたりなんかしてみよう。
遙:な,何でなのですかー!?
晟:そら,ここはやっぱり追いこむだけ追いこんでやらんとな(笑)。
遙:……ううー。いや,やりますよ? セリフを考えてただけなんですけど。
GM:考えれば考えるだけ事態は悪化するぞ? と,いうわけで千葉は無防備な晟の背に御神槌を振り下ろそうと……。
遙:うう。ではあきちゃーん!と叫んで《聖炎の結界》を使います。……えと,それはいいんですけど,これって判定いりましたよね?
GM:うん。〈RC〉で判定して……千葉と対決かな(笑)。
ユウキ:(小声で)タイタス使った方がよくねえ?
遙:ですねえ。えーと,炎華姫をタイタスにして,昇華します。で,クリティカル値を1下げます。
晟:おお。どらまな展開。ナイス選択。がんばれ遙ちゃん。
遙:ご声援ありがとうございます。《聖炎の結界》《ブレインコントロール》で……(ころころのころころ)えー,48なのですが……。
GM:……ここで抵抗したら,殺されるだろうなぁ。
一同:殺ス。
ユウキ:いや,俺の侵蝕値は210ですから,まだ戦えます。若干の余裕は残してございます!(爆笑)
晟:そらよかった。私はリミットまで3しか余裕がないから,どうにもならんのだわ。
GM:(ころころのころ)うおー,危ねー! 46ー!
一同:(爆笑)
GM:おめでとうございます。そういうわけで,千葉は剣を振りかぶった状態で,ぴたっと動きを止めます。「やっと決断してくださいましたか」と遙に向かって呟くと,そしてその身体がかしいで,ゆっくりと倒れていきます。えー,ちなみにまだ存在はしていますが,だんだんその姿が薄れていく感じですね。と,いうわけで皆さん,言いたいことがあったらどうぞ。特に遙さん,何かないの?
遙:えー……(考えている)。
晟:あ,すいません。遙は展開上最後にしてもらうとして,こちらも一言訊いておいてもいい?
GM:どうぞ?
晟:ふむ。で,おまえは結局何がしたかったんだ? ただ死にたかっただけなのか。
GM/千葉:「……そうですね。私はこの運命から逃れ,消えたかっただけなのかもしれません」
晟:はっ,迷惑な自殺願望だな。付き合いきれん。
ユウキ:(小声で)それを言っちゃいけませんっ。
晟:そう? みんなそう思ってると思うよ?
ユウキ:そうだとしても,言ってはなりません。武士の情けというものです。
GM:……えー,それで,ユウキくんは?
ユウキ:あ,俺? じゃあ訊いとくか。確か,おまえと似たようなのが何人かいるんだよな?
GM/千葉:「そこまで覚醒なさったんなら,ご存知でしょう。世界を隅々まで探せば,まだ10人ばかりいるはずですよ。もっともあなたの相手になるかはわかりませんけどね」
ユウキ:おーし。それを聞きたかったぜ。
晟:おい,ちょっと待て。まだやる気なのか,貴様は?
ユウキ:たりめーだろ。結局今回も3対1だったしな! サシでやらなきゃ気が済まねえんだよ。
晟:……馬鹿か,貴様は。付き合いきれんな。
ユウキ:誰が付き合えって言ったよ。てめえは家に帰って大人しくしてりゃいいんだよ。
晟:なんだと,この拳馬鹿が! 貴様はその馬鹿のひとつ覚えしか知らんのか!?
ユウキ:ああ!? てめえにバカと言われたかねえんだよ!
GM/千葉:えー,すると千葉が横たわったまま忍び笑いをしています。「ふっ,あなたがたは最後までその調子ですか? 仲のいいことだ」
ユウキ&晟:断じて,仲は良くない!(爆笑)
GM/千葉:「おや,そうですか? 知らぬは本人ばかりなり,とも言いますよ?」
晟:やかましい。俺やこいつがいかに馬鹿だろうとな,間違いなく貴様はそれ以上の馬鹿だ。
ユウキ:まったくだ。てめえがキング・オブ・バカだ。
GM/千葉:「……まぁ,そういうことにしておきましょうか。ちなみにユウキくんは敵を探しにいくとして,あなたはどうするんです,晟くん」
晟:何がだ?
GM/千葉:「元に戻る気があるかと訊いてるんですよ」
晟:それを貴様に答えねばならん義務はないが?
GM:まぁそうだが。えーと,ぶっちゃけどうするの?
晟:うん。……それなんだよね。どうするかね。
GM:そのままってのも,アレじゃない?
晟:そう思うよ。ただねえ。この時点で,晟に戻ってきてほしいと思ってる人が,1人もいないからねえ(笑)。
ユウキ:いや,そんなことないですよ。きっと泪は戻ってきてほしいと思ってますよ。
晟:個人的に泪の愛情は重いからいらねえ(笑)。
GM:アンタなぁ(笑)。
ユウキ:で,結局遙はどうなのよ。戻ってきて欲しいとか思ってるわけ?
遙:ごめん,今炎華だから。
一同:(爆笑)
晟:ほらね。この調子だもんよ。
GM:今んとこ泪だけだね。あ,いや。きっと楓本人が元に戻ってほしいと思ってるよ。こんなのが目の前にいたらうっとうしいだけだもん(笑)。
晟:……な・ん・で。俺があいつの言うことを聞いてやらねばならんのだ?
ユウキ:楓の意見は無視するとして,蒼もそう思ってるんじゃねえ?
GM:うん,戻った方がいいんじゃないか?くらいには思ってる。
晟:それは聞いてやらないこともないんだが,まぁ,成り行きに任せるさ。
GM:そんな無責任な。アンタはどうしたいのよ。
晟:いや,だからね? それは俺の決めることじゃない,と思ってるわけよ楓は。だって楓なんだもん。
GM:まぁね。(遙を見る)
ユウキ:確かにね。(遙を見る)
遙:うん。だから今炎華だから。
一同:(再度爆笑)
晟:ああそうだよ,アンタはそういう人だよ! ……いや,てか私のことはエンディングでやってくれればいいよ。話を元に戻してくれ。
GM:そうですな。では,千葉はなんだか楽しそうに笑ったあと,静かに遙を見ます。「さて,遙さん。そして,炎華」
遙:…………。
GM/千葉:「あとのことは,よろしく頼みますよ」
遙:では,黙って近寄って,その頭に手を置きます。……おやすみなさい。あなたが眠るまで,ここでこうしていてあげますから。
GM/千葉:「……ふん。あなたも変わらないな。最後の最後まで甘いお方だ……」と,彼はかすかに微笑んで,消えていきます。で,炎華としての意識もここで眠りにつくわけなのだが。彼女は最後に,「そうですね。私は甘いままでいいんです。……だって,あなたはあの石をちゃんと持っていてくれた」と優しく微笑みます。なお,例の一番巨大な墓ですが,そこには「耶魔斗」と名が刻まれました。
遙:ではもう一度,おやすみなさい,と呟くのです……。
晟:(小声で)艦長,MIAと認定されますか?
GM:だから! ヤマト少尉じゃねえつーんだよ!(怒)
晟:いや,やっぱりさぁ。その名前はさぁ。
GM:では! そんなところでエンディングに入りたいと思います!

 

SCENE 15


GM:うーん,で,誰のエンディングから始めるかなぁ。とりあえずは脱出するところからいきましょう。当然ですが,千葉が消滅したのと同時に墓場も夢のように消えています。かわりに,今にも爆発炎上しそうなドームが。
ユウキ:じゃあとりあえず出るぞ。
遙:(手を挙げる)はい。その前に,あきちゃんに言いたいことがあるです。
晟:はい?
遙:お疲れ様なのです。だからあきちゃん,もう戻ってきてもいいのですよ。
晟:…………。は?
一同:(笑)
晟:いや,すまんが,何を言っているかわからんぞ遙。
遙:えと,だからあきちゃんに戻ってほしいのですが。
晟:と,言われてもな。任意に戻れるものでもないのだが。
遙:きゅ? そうなのですか?
晟:そうなのだ。……いや,その,遙。こういうことはあまり言いたくはないが。
遙:きゅ?
晟:君の言い方だと,「脅威は去ったから,もう戦闘要員は必要ないです」ともとれるぞ?
ユウキ:明らかにそう言ってるんだよ。
一同:(爆笑)
ユウキ:(投げやりに)だから,俺は何度もこんな女早くあきらめろって言ったろ。もう知らねえよ。勝手にやってろよ。と言って俺はずんずん先に行きますので,後は好きにやってください。
晟:(渋面)好きにやれ,と言われてもなぁ。
遙:いや,遙の中ではですね? 晟と楓が,自分と炎華と同じようなもんだと思ってるんですよ(笑)。
晟:……じゃあ,そうか,悪気はないんだろうがな,と眉間にシワを寄せていよう。
ユウキ:悪気がなきゃいいってもんでもないけどな。
晟:目が澄んでいればいいというものでもないしネ。
GM:アンタもしつこいなっ!
遙:あわあわ。え,違うのですか? あきちゃんと楓さんはすぐに入れ替われるのではないのですか? じゃああきちゃんはどうなるのですか? 戻ってこられないのですか?
晟:ああ,だから,おまえが炎華の意識を感じ取れるようには,俺は晟の意識を感じ取れないんだ。それ以前に,俺は「晟」という男のことを何一つ知らないんだが。
遙:…………。
晟:…………。
遙:(首をかしげる)にゅ?
晟:いや「にゅ」じゃなくて。
遙:え,だって,じゃああきちゃんは?
晟:だから,俺に訊かれても困る。
遙:にゅっ!?
ユウキ:だから「にゅ」じゃねーつんだよ!(笑)
GM:……えー,そんなことをやっている間にも,ドームは崩壊の一途をたどってるんですがねー。じゃあユウキが開けた巨大な穴から「おーい,終わったかー? 3人とも無事かー?」と面倒くさそーな声がする。
晟:無事は無事だが,ジャーム一歩手前だな。ああ,ここで暴れて貴様を殺してやれたらどんなにいいだろう。
GM/紫音:「おい」
晟:冗談だ。いや,半分は本気だがな。
遙:(その横から)紫音さん紫音さん紫音さん紫音さん。訊きたいことがあるのです。
GM/紫音:「んー,何だー? ああ,それはいいが,そろそろ爆発するぞー?」
晟:ならば「話は後だ」とか言いつつ,ここはベタに遙を抱き上げて走ろう。
遙:にゅ!?
GM:うぉ,晟じゃ絶対やらないことを。
ユウキ:そもそも抱え上げるだけの腕力がないでしょ。
晟:そうなのよ(笑)。ま,せっかくの機会だからね。
遙:にゅう。
GM:では,4人が慌てて逃げ出したところで,ドームが大爆発を起こします。で,紫音が静かに「悪かったな」と。
遙:え? 何がですか?
GM/紫音:「火薬の量,間違えちまってさ」
一同:貴様かー!(笑)
晟:……ユウキ。俺は見ての通り手が塞がっているんだが。
ユウキ:おう。というわけで,美形だから顔は勘弁してやる!とボディーブロー。
GM/紫音:「ぐはぁ!」と吹っ飛びます。
ユウキ:はっはっは。3日は飯が食えないようにしてやるからな。覚悟しやがれ。
GM/紫音:「ひどいよぅ。顔の方が良かったのにぃ」
晟:そうなの?
GM:うん。だって顔の傷はすぐ治るから。だって美形だからネ。それくらいの治癒力がないと。
晟:貴様はどこぞの寮長様かっ。
遙:(紫音の袖を引っ張っている)紫音さん紫音さん紫音さん紫音さん。
GM/紫音:「ん? そうだったな。で,遙,何が訊きたいって?」
遙:あきちゃんが元に戻れないのです。大変なのです。
GM/紫音:「いや? 戻れないってことはないぞ」
遙:本当なのですか!?
GM/紫音:「ああ,俺か咲耶榎の力を使えばな」
晟:…………。
ユウキ:で,どうすんだ? さっさと決めろよ。
晟:……決めろって,俺が決めるのか?
ユウキ:他にいねえだろ。
GM/紫音:「それとも,あと1週間ばかりこの世界を満喫するか?」
遙:え? えと,ちょっと待ってくださいなのです。1週間したら,あきちゃんは消えちゃうですか? ど,どうしましょうなのです。
晟:? ちょっと待て,おまえは何を言ってるんだ。消えるのは晟じゃないぞ?
遙:じゃなくて,今のあきちゃんです。あなたはそしたらもう消えちゃうですか?
晟:ああ,そういうことか。そうだな,たぶんそうなんじゃないか?
遙:ほえー!? そうなのですかー?
晟:だから,そう言ってるだろうが……(嘆息)。
GM/紫音:「とりあえず,おまえと炎華ほどは便利な能力じゃないんだ。晟を目覚めさせれば,コイツは消えてなくなるな」
遙:ほえー!? えと,えとえと,楓さんなあきちゃん。
晟:ん?
遙:あなたは,あきちゃんの新しい人格さんではないのですか?
晟:おい!
一同:(爆笑)
GM:あ,「新しい人格さん」って……(笑)。
晟:遙。おまえはいったい俺のことを何だと思ってるんだ。
遙:だから,新しい人格のかたでは?
晟:違う。そういう問題じゃない。
ユウキ:問題だぞ。それはそれで,問題だぞ。乖離性同一障害って知ってるか?
晟:そういう問題でもないだろうが!(笑)
GM:じゃあ紫音はにやにや笑いながら「ま,とにかく帰るまでにはどうするか決めろやー。完全に消えてなくなるかどうかはわからんしな」と呟きます。
晟:(眉間にシワ)じゃあ遙に訊こう。つまり,元に戻ってほしいんだな?
遙:え? えと,だってこのままだと,あきちゃんずっといなくなっちゃうのですよ。それはイヤなのですよ。
ユウキ:ま,俺としても殴りやすいのがいなくなるのはつまんねえしな。
晟:貴様の意見なぞ訊いていない。
ユウキ:あ? 何だと?
晟:だいたい,何で俺が貴様を喜ばせるために消えてやらねばならんのだ。
ユウキ:ああ? 引っ込みたくなるようにして欲しいんなら,そう言えよ。
晟:馬鹿馬鹿しい,勝手に誰かを殴っていればいいだろう。誰が貴様のような拳馬鹿に付き合うか。
ユウキ:誰がバカだとこのヤロウ? ああ,そんならやってやろうじゃねえか! もう二度と出てこないようにな!
晟:やれるものならやってみろ! だいたい貴様は,
遙:(ぼそっと)嫌なのです。
晟:……は?
遙:あきちゃんがいなくなっちゃうのは,嫌なのです。もう会えなくなっちゃうのは,嫌なのです……。
晟:……う。
遙:……嫌なのです。
晟:…………。
遙:…………。うー。
晟:う……わかった。わかった。わかったから。
遙:うー。
GM:じゃあ紫音がにやにやと笑いながら,「で,決心はついたかー?」
晟:うるさい,貴様は余計な口を出すな。……まぁいいだろう。戻れる方法があるというなら好きにしろ。どのみち俺がここにいるべき人間じゃないのは確かだからな。
GM/紫音:「ほーぉ。本当に,いいんだなー?」
晟:だから貴様は黙っていろというんだ。あー,遙。そういうわけだから。
遙:……あきちゃん,戻ってくるですか。
晟:そうなるだろうな。だから,もう泣くな。
遙:……うきゅ。
ユウキ:話は済んだか? じゃあこのげっ歯類を連れて帰るぞ。
一同:(笑)
遙:ハムスターじゃないのですよー!(泣)
ユウキ:黙れこのげっ歯類。
GM:え,えーと,じゃあUGNに帰るというところでいいのかな? 他に何かある人?
晟:ああ,できたらその道中夢を見るとか何とかして,秋の記憶を辿りたいのだが。
GM:なして?
晟:この宝石を取り出す方法を,秋が知っているはずだとか言っていただろう。
GM:ああ,それは簡単です。《死殺》を使って切り出せばいいんです。それだけ。
遙:でも何か痛そうなのです……。
晟:いや,それ以前に今あんな技使ったら,間違いなくジャーム化なんだが?
GM:ああ,いいよエンディングだし。イベント扱いで。
晟:いいかげんだなぁ。
遙:でも,取り出せないと困るのですからしかたないのです。
ユウキ:じゃあ遙はすぱっと取り出してもらいなさい。
晟:そういうユウキは?
ユウキ:俺はいいんだ。このままで。千葉のお仲間とやらを倒すには,この力が必要だしな。あー,どうせならおまえらが取り出した宝石を俺が吸収してやってもいいぞ?
GM:それはダメ。吸収不可。つーか,あまりに反則すぎるだろそれっ(笑)。
ユウキ:ちっ。じゃ,俺は行くぜ。
遙:ほえ?
ユウキ:UGNに帰ったら,また壁越えんのが面倒なんだよ。俺はこのまま旅にでも出てくるわ。
晟:は? ゆかりって子はどうするんだ?
ユウキ:だから「ゆかりは頼んだ」って言って行くんじゃないですか?
一同:ひでえ!(笑)
ユウキ:何がひどいんだよ! そういうことだろ,スク○イドの最終回は!
晟:バカモノ,せめて別れを告げてから行かんか! もっとこう,「カズくんが好き」「わかってる」みたいな感じで!
GM:いやアンタそれもちょっとどうかと……。
晟:(聞いてない)違うのかそうじゃないのか!? ゆかりちゃんに申し訳ないとか思わんのか!
ユウキ:いや全然? だって俺カズマじゃないしぃ。
晟:そこまでやっといてソレか貴様ーっ!(爆笑)
遙:ひどいです! 山崎くんが死んだ直後で傷心の彼女を置いていくなんて!
晟:ひっでえ! かっわいそー! さいってー!
GM:最後の最後にびみょーに株落としてるなぁユウキ(笑)。
ユウキ:…………。いや! ここはあえてゆかりを振りきって旅立つのも男でしょう! ってなわけで,最後に紫音に「ゆかりを頼む」と言って車から飛び降ります。
GM/紫音:「……いいけどなぁ。おまえ,早く帰ってこいよぉ?」
ユウキ:ああ。残った連中とカタつけたら,すぐに戻ってくるさ。
晟:(ジト目)いいんですかね。こんなのに任せて,本当にいいんですかねユウキさん。
遙:大丈夫なのですよ。ゆかりちゃんは松山家で責任をもって面倒を,
ユウキ:頼むからやめてくれそれだけはああああッ!!
一同:(爆笑)
遙/光:「大丈夫だぞユウキ! ゆかりちゃんは必ず俺たちがいい子に育ててみせる!」(笑)
GM/紫音:「だってさー。マジで早く帰ってきた方がいいんじゃねー?」
ユウキ:帰る! 極力早く帰る! 千葉の仲間を倒したら速攻で帰る! あんな家で育てられたら確率200%でマトモな人間にはなれねえ!
遙:ヒドイことを。
ユウキ:おまえを見てりゃよくわかるっちゅーねん!(爆笑)
GM:じゃあ,とにかくゆかりちゃんは当座紫音が預かるってことで。「早く帰ってこないと,もらっちゃうぞー」とか行ってますけどね(笑)。
晟:……まったく,どうしようもない馬鹿だな貴様は。
ユウキ:けっ。てめえにだけは言われたかねえんだよ! っと言って,今度こそ飛び降ります。で,どかーんと壁をぶち破って去っていくとゆーことで。
GM:えーと,それでいいかな? じゃあユウキのエンディングはこれで終わりです。

 

SCENE 16


GM:では,2人はそのままUGNに帰ってきました。すると,入り口に咲耶榎が立っています。彼女はいつもとまったく変わらない調子で「お帰りなさい」と言います。で,紫音が通りすぎざまにその肩を叩いて,何も言わずに中に入っていきます。
晟:……姫宮。ユージンはどうした?
GM/咲耶榎:「別に,ご想像の通りです」
晟:そうか。
遙:……にゅ?
晟:いや,いいんだ。おまえには関係ない。(GMに)……えーと結局,ユージンに戻ったってことかな。
GM:そうだな,擬態なちーちゃんが消えちゃって,残るはユージンばかりなり,と。
晟:あー。アレはアレでどうしようもない男だからなぁ。そもそも自我が残ってるかどうかも定かではないし。
GM:現在昏睡状態です。
晟:ふん。あいつは喜ぶかもしれんがな。
GM/咲耶榎:「そうですね,そうかもしれません。キルスさんが帰ってきたら伝えておきます。……あ,私は今日の午後ここを発ちます」
晟:そうか。短い間だが,世話になった。
GM/咲耶榎:「いえ,お気になさらず。それでは,バカ兄をよろしくお願いいたします」と言って,咲耶榎は去っていきます。
晟:……アレだけは,よろしくされたくないんだがな。
一同:(笑)
晟:さて。遙,ところで例の石はどうする?
遙:えーと……質問なんですが,アレって壊すことはできるんですか?
GM:基本的にはできないと思ってください。特に赤いのはね。
ユウキ:どっかに封印するしかねえんじゃねえの? また実家に戻すって手もあるぞ。
GM:ただ,石の存在を消したいというなら,手はないこともない。
遙:そうなのですか?
GM:そう。君はもともとそういう力の持ち主だから。
遙:あー。ひょっとして,異界に封じてしまえばいいということなのですね。ならばそうするです。
GM:異界ちゅーか,あんた自体が異界の門だから。
遙:なるほど。つまり,体内から送ることもできるですか。
GM:可能ですね。
遙:では,あきちゃんに言うのです。……これは,永遠に私の中に封じます。
晟:永遠に,か。
遙:はい。あの人がいない以上,もうこんなものは必要ないですから。
晟:そうだな,俺もそう思う。……ふん,もっともあの戦闘馬鹿にとってはまだ利用価値があったらしいがな? いったい何に使うんだか。あの単細胞のことだ,どうせロクな使い道は思いつけまい。
ユウキ:……くそぉこの場にいねえと思って好き勝手なこと言ってやがる!?
一同:(爆笑)
晟:はっはっは。悔しかったら帰ってきてみろってんだ。
GM:3日坊主で帰ってくるってか?(笑)
晟:で,帰ってきたら帰ってきたでまた「はっ,あれだけ大口叩いておいてもう逃げ帰ってきたのか?」とか言ってやるからな。
ユウキ:かー! ムカツクー!
晟:(無視)さてと。では遙,ここでお別れだ。
遙:え?
晟:確約はできんが,まぁ紫音だけでなく姫宮もいることだしな。晟のことは心配ないだろう。
遙:え? えーと。困ったな。これって本当に二者択一とゆーか,どっちがか消えなきゃならないんですか。
GM:まぁ,現段階では。つか,もともと二重人格とかじゃないしな。
遙:う……ではしばらく黙ったあとで,無理に微笑みます。えと……ありがとう。
晟:ああ。
遙:えと,それと……。
晟:うん?
遙:えと。……あー,やっぱりなんでもないのです。
晟:ああ。では元気でな。
GM:では,晟はそこで去るということで……遙のエンディングはこれで終わりでいいですか? では,シーンを変えます。

 

SCENE 17


GM:で,最後。晟なんだが。
晟:で,紫音の馬鹿はどこにいるんだ。
GM:ふふふ。診・察・室♪
一同:(笑)
晟:…………。(←すっげえ渋面)
ユウキ:いや,大丈夫なんじゃないですかね。今は楓なんだし?
GM:何がどう大丈夫だとゆーのだね(笑)。ちなみに紫音は「あー,それじゃそこに座ってー」とか言ってます。
晟:紫音。ひとつ訊くが。
GM/紫音:「んー?」
晟:その白衣とマスクは,何の真似だ。
GM/紫音:「ん? カッコイイだろー? 似合ってるだろー?」
晟:正気の程を疑うな。
GM/紫音:「そういうなよ。ほら,やっぱお医者さんって言ったら,これだろー? いかにもこれから手術しまーす,な感じだろ?」
晟:……「手術」?
GM:ちなみに,紫音の背後には何故か帰ったはずの咲耶榎とかいたりして。それもナース服。
一同:(爆笑)
晟:貴様ら正気かッ!?
ユウキ:こいつら,きっと形から入るタイプのバカだ。ダメすぎる。
GM/紫音:「ほら,やっぱナースさんだと気分が出るだろ? はい診察しまーす,服脱いでー,みたいな☆」
晟:無言でぶん殴る。
GM/紫音:「ぐはあっ!」 ……って,今回よく殴られるなぁ紫音(笑)。
晟:ふん,殴られるようなことをするからだろうが!

 よく考えてみると。
 コレをよりによって晟に言われた紫音,もうかなりダメダメな感じ。

ユウキ:ちなみに今度は顔面だな。ボディはさっき俺が思いきりくらわしてやったからな。
GM:ふーんだ,いいんだ顔面なら。3秒で治るから。なにせ,下まつげを全部引き抜かれても3秒で生え変わる。
晟:30秒。
GM:あ,そうだったっけ?(笑)
晟:そう。3秒で生え変わったらさすがに気持ち悪いだろ。……ってそうでもなく!
GM:はいはい。「じゃあいいかげん始めるかー。そこの寝台に横になってー」
晟:(ぶつぶつ)微妙に身の危険を感じるな……。
GM:で,紫音と咲耶榎が君の上に手をかざすと,丹田のあたりがだんだん熱くなってくる。最終的には体の中心線がすべて熱くなってくる感じです。で,君の意識は次第に薄れていくわけですが……さて,晟くん。
晟:はい?
GM:こっから先は,君に選択させてあげよう。目覚めた時,果たして君はどうなっているかな?
晟:…………。
GM:その1,元の晟に戻る。その2,楓バージョンのまま。その3,晟と楓がびみょーにブレンドされた性格になる。さぁどれだ。
晟:(考えて)うーん。3だろうな。楓のままでいるってことはないだろうし,だからと言ってそのまんまの晟に戻ってしまってはそれはそれでバカみたいだ。……たぶん,今回あったことを覚えてるなら,多少晟も変わるでしょう,みたいな。
GM:なるほど。少しはたくましくなったわけだ。
ユウキ:若干前向きになったんだな。
晟:そうそう。ってかね? 世の無常を感じたというか,色々と吹っ切れたというか,いつまでも遙ちゃん遙ちゃん言ってても自分に明るい未来はないなぁと悟っちゃったというか。
一同:(爆笑)
GM:あーあ……(苦笑)。
ユウキ:それで今度は女たらしになったりしてな。幸いカオもいいし?とか言って。
晟:ふっ,これでも一応美少年ですよそれがナニか。
GM:ああ,ロン毛にさえしなければな(笑)。
晟:しません。絶対に。
GM:まぁ,それはそれとして目を覚ましてもいいですよ。紫音が「どうだ,気分は?」とか言ってくる。
晟:紫音さんが変態プレイをしているように見えます。
GM/紫音:「おお,これはまさしく晟だな。無事に戻ってこられたようで,よかったよかった」
晟:……無事って言うんですかね,こういうの。まぁいいですけど。
GM/紫音:「なんだ,どうした?」
晟:いえ。……えーと,遙ちゃんはどこですか?
GM/紫音:「さぁ? どっかそのへんにいるんじゃないのか?」
晟:では,咲耶榎さんにお礼を言って医務室をあとにします。
遙:では,そこで登場します。えーと,……あきちゃんですか?
晟:え? ああ,うん。ただいまと言うのも変だけど,ただいま。
遙:…………。
晟:ん? どうかした?
遙:……よかったのです。
晟:え?
遙:このまま,あきちゃんが戻ってこないと思ったのです……だから,だから,戻ってきてくれて本当によかったのです……。
晟:…………。
遙:あきちゃん,もう大丈夫ですか? どこにも行かないですか?
晟:…………。つーかさぁ。
遙:ほえ?
晟:つーか……くーっ! やっぱかわいいなぁ遙ちゃんは!
一同:(爆笑)
ユウキ:おまえ,ダメだろ。ダメだろそれは!
晟:だってぇ。
ユウキ:だって,じゃねえ。ようやく少しは前向きになったと思いきや,それじゃまた元のダメ男に逆戻りだろ! つか,それでいいのか!? おまえ,一生をこの女に騙されて終わる気か!?
遙:そんな,騙してなんていないのですよ〜。
ユウキ:嘘をつけ! そんな,いきなり「私はずっと心配だったのですよー」みたいなこと言っても騙されねえぞ! そんな嘘に騙されるバカはこの男ぐらいだ!
晟:放っといてください。これが惚れた弱みというものなんです。どーせユウキさんにはわかんないんですよ(泣)。
ユウキ:わからねえ。つか,わかりたくもねえ。
GM:あーあ。これでへたれーな人生が確定したようなもんだな。
晟:(しくしく)いいんだ。少なくとも僕は,とーさんのように妻をほっぽらかして飛び回るような男にだけはならんのです。
ユウキ:でもクローンだからな。
GM:とか言いつつ同じ道を辿ったりしてな。
晟:みーっ。何さいじめっこーっ(泣)。
遙:あきちゃんあきちゃん。ちなみにあきちゃんは,ここで何をしているのですか?
晟:何って,遙ちゃんを探してたんだけど。
遙:それはよかったのです。それでは行くのです。
晟:は? どこに?
遙:もちろん,お家に帰るのですよ? お母さんがこーんなおっきい,「お帰りなさいケーキ」を焼いてくれるのです!
一同:(笑)
晟:…………。あ,そう。
遙:そうなのです! 楽しみなのですよ! ね!
晟:そうね。楽しみね。
遙:はいなのです! ほらほらあきちゃん,早く行くのですよ〜。
晟:ではその後ろ姿を見送ってぼそっと呟きます。俺って,いったい何なんだろう……。
GM:……「何なんだろう」もなにもなぁ。
ユウキ:自分からわかってて,へたれーの道を選んでるもんなぁ。
GM:ま,がんばれや(笑)。えーと,ではそんなところでこのシーン終わらせていいのかな?
ユウキ:ん? ところで石はどうしたんだ?
晟:……あ。いけね。
一同:(笑)
晟:しっかし,もうどうしようもねーわなぁ。もはや《死殺》なんて使えないんだから。
GM:じゃあまたピンチの時はひっくり返る可能性があるということだね(笑)。
ユウキ:もしかして,晟の時は石って使えないんですか。
晟:それはそうでしょう。
ユウキ:それってただの弱体化では?
晟:ふっ。戦いだけが人生じゃないんですよユウキさん。
遙:それに,そもそもこのキャラ使ってプレイすることは,
一同:もうぜっっったいに,あり得ないから(爆笑)。
GM:えー,というわけで最終回,これにてお開きにさせていただきたいと思います。お疲れさまでした。
一同:お疲れさまでしたー。

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