SCENE 9


GM:では,遙のシーンです。そろそろゲートについてもいい頃ですね。マトモにゲート越えしますか? 警備にはおなじみスズーキとタナーカがいると思いますが。
遙:うーん,それは困ったのです。
GM:ちなみに今回ヤマーダもいます。
晟:(妙な口調)ヘイ,ヤマーダ。キョウハ,チョットサムーイネ!
GM:(妙な口調)オー,コンナヒハナベモーノガイイデスネー。
遙:……どうしよう。別のルートとかはないですよね。
GM:あるかもしれんが,別の警備がいるのは確かだ。
遙:上から行くのは……。
晟:《氷の回廊》はそこまで届かないし,だいいち目立つっつーねん。
遙:では仕方ありません。正面突破しますです。
GM:ちなみにたまちゃんはどうしてるの?
遙:ん? もう解凍して肩にのっけてますよ。
GM:そのわりには静かだね。
晟:黙ってろって言われたから黙ってるんですよ。遙怖いし。
一同:(笑)
晟:余計なことをしゃべったらまた凍らせられるかもー,くらいには思ってます。生存本能が叫んでます。
ユウキ:命の危険が危ない,くらいな感じですな。
GM:結局,なんでたまちゃんをついて行かせたの。
晟:いや……別にたまちゃんでなくてもよかったんだけど……プレイヤーとしては,たまちゃんの存在によって,遙ちゃんがあることを思い起こしてくれないかなぁと。
遙:何をですか?
晟:何をって……あのさ遙ちゃん。遙ちゃんは,何でひとりで行こうとしてるの?
遙:それは,ちーちゃんが心配だからなのです。
晟:ほほう。
遙:だってゆーちゃんもあきちゃんも,ちーちゃんのことちっとも考えてないですし。
晟:いや……あのさ。ちーちゃんのことをそこまで心配して,晟のことは心配じゃないわけ?
遙:だってあきちゃんは存在薄いんだもん。
晟:…………。

 一同,さすがに絶句。

晟:(しばしの沈黙の後)……ちょっと,聞きました,今の。
GM:……すげえ。すげえぞこの人。
ユウキ:悪女だ。とうとう本性を現した。
遙:あーくじょーになーるならつきよはおよしよすなおになりすぎーる♪
晟:って素直になりすぎなんだよっ!?
一同:(爆笑)
遙:あははははー。
ユウキ:しかも,素直になった結果が悪女ってのがかなりヤバイ。それ,根が悪女ってことじゃん。
GM:ヤバイよね。
遙:そですか?
晟:ユウキさん……もぉぼかぁどうしたらいいのか……(泣)。
ユウキ:だから言ったろ? この女は悪魔だ。とっととあきらめて他の女を探せ。
遙:あははははー。
晟:…………。
GM:……え,えっと,たまちゃんはともかく遙はどうする? 本当に正面突破しますか?
遙:そですね。ふつーに歩いて行きますよ。
GM:すると3人が銃を構えて,「ヘイ,ガール! ココハアブナイネ。サッサトオウチニカエルネ」
遙:ご心配ありがとうございます。でもこの先に用があるので,私は行くです。
GM/タナーカ:「オー,オジョーサン。ボク,ヨクキコエナカッタヨ。ボクハカエレトイッタネ。カエラナイト,コノヤマーダガほーむらんウッチャウネ」とか言ってるその隣で,ヤマーダがバットをぶーんぶーんと振りまわしている。
ユウキ:それでヤマーダなわけか……。
GM/タナーカ:「ボクタチ,コノマエノジケンデさらりーヘラサレタネ。ダカラ,コンドハヨウシャデキナイネ」
遙:うーん……。
GM/タナーカ:「デキレバイッパンジン,マキコミタクナイネ」
遙:一般人ではないのですが。
ユウキ/スズーキ:「イッパンデナクテモダメーネ。ソレカンケイナーイ」(笑)
GM/タナーカ:「ソウソウ。トニカク,ココハトオシチャイケナイトイワレテルネ」
遙:うーん。困りました。
GM:そうするとスズーキが「ホラ,ハヤクカエルネ」と無防備に近づいてきて肩に手を置きますが……。
晟/たま:「アブナイ,アブナイ,キケン! イノチガアブナイ!」
遙:それはわかってるのですけど……。
晟/たま:「ソウジャナイ! ソコノオマエ! オマエガキケン! ハヤクニゲロ!」
GM/スズーキ:「エ? ボク?」
一同:(笑)
遙:ではごめんなさい……とか呟きつつ,《ブリザードブレス》です。
GM:カキーン。死亡しました。
遙:あら? そうなんですか?
GM:だってエキストラだったから。
遙:あ,あら?
ユウキ:ひでえヤツだ……。
晟:ついに大量虐殺に手を染めたか……。
GM:彼らは最後にお互いの手を取りつつ,「オー,タナーカ……ボク,トッテモサムイネ……」とか言いながら死んでいきます。
晟:ボク,とっても眠いんだ……。
GM/スズーキ:「オー,パトラーッシュ……」(笑)
ユウキ:あーあ。かわいそうに。
遙:え? だって私,オーヴァードだと思ったからやったのに。
ユウキ:もう遅いね。殺しちゃったね。キルマーク3つだね。
晟:みな〜ごろし♪ みな〜ごろし♪ ひとりものがさねえ〜♪
GM:すでに通った後にはペンペン草も生えねえ,って感じになってきたな。
遙:え? え?
晟:らららるら〜♪ じぇの〜さいど〜♪ りりるりる〜♪ ちの〜おーしゃーん〜♪
遙:えーと。
晟:れっつびぎんさきりんーぐた〜いむ〜♪ ……というわけで,遙ちゃんのテーマソングは,これ。
一同:(爆笑)
GM:な,なんてヤな歌声なんだ……(笑)。
ユウキ:サイテーだ。ヴァッシュが思いつきで歌った歌なのに。
晟:ぴったりでしょ。
ユウキ:ぴったりなところがヤバイちゅーねん。
遙:えーと……ではひとこと「ごめんなさい」と呟いて去ります。
ユウキ:すでにごめんなさいすればいいと思ってやがるっ!?
一同:(再度爆笑)
ユウキ:スーパーにタチ悪ぃぞこいつ!
遙:あはははー。そんなことは思ってませんよ?
晟:本当か? 本当に思ってないんだな?
GM:(遠い目)とにかく,見張りはいなくなったね。周囲が騒がしくなったりもしていないようだ。行くなら今のうちだが。
遙:はいはい。ではてこてこと先に進むのです。
GM:いや,でもゲート自体は閉まってるんだけどね?
遙:溶かせないかなあ。
GM:毎度毎度それが通用すると思うなよっ。ちなみにカードスロットとタッチパネルがありますが。
遙:暗証番号はわからないですねえ。
ユウキ:まるでカードは持ってるような言い方だな。
遙:ああ,それもそうですねえ。
ユウキ:そうですね,じゃねえ。
晟/たま:「ハルカ,ケイカクセイガ……」
遙:うん,ないねぇ。
晟/たま:「…………」
ユウキ:悪女なうえにバカだよこいつ……どうするよ……。
GM:ど,どうすんだろうねえ。とりあえず,このへんでシーンきっとく?(笑)
晟:これでなしくずしに全員合流したら,どうすんだろうなあ。
遙:困りましたねえ。

 困ったというか,タナーカやスズーキやヤマーダはそれじゃまったくの無駄死にである。
 みなさん,気の毒な彼らに励ましのお便りをお願いいたします(もう死んでるけどネ)。

 

SCENE 10


G M:ではかわってユウキと晟。栄吉っちゃんの車に乗りこみ,スタートです。「というわけで伊達栄吉,がんばりまーす! みなさーん,シートベルトの準備はよろしいですかぁ?」
晟:ああ,もうこの際だ,思いきりやれ。
ユウキ:とっとと行け,とっとと。
GM/栄吉:「えー,ではご要望もあったことですし,フルスロットルで参りまーす!」
晟:わーお! ふぁんたすてぃーっく!くらいな勢いで。
GM:そうそう。さて,猛スピードでかっ飛ばしている最中に,晟の端末に連絡が入ります。
晟:誰だ,こんな時に……もしもし?
GM:「ああ,もしもし?」
晟:? 誰だ?
GM:「私ですよ。おわかりでしょう?」
晟:……「私」というのは誰のことだ? 名も名乗れん男の電話に出てやる気はないぞ。
GM:「そうですか。お互い知らぬ仲でないでしょうに」
晟:知らぬ仲だな。ぴっ(←切った)。
一同:(笑)
GM:……えー,ではもう1回電話がかかってきます。「相変わらず冗談の通じない人ですね」
晟:貴様の冗談は笑えない。それでいったい何の用だ。
GM/千葉:「第3ゲートに遙さんが来ているようなのですが」
晟:遙が? そうか,それは初耳だな。教えてくれて助かった。
GM/千葉:「これは保護してしまって構わないでしょうか? あなたがたが揃って来なかったということは……彼女に,別の用件があったと考えてよいと思うのですが」
晟:貴様,彼女に何をする気だ?
GM/千葉:「いえいえ,別に何も? ただ単に保護して差し上げるだけですよ」
晟:保護? 保護とはどういう意味だ。
GM/千葉:「言葉通りの意味でしょう。あんなところをうろついていては,危ないですからね。それに,彼女は私に話があるのでしょう。だったら,その話を聞いて差し上げないとね」
晟:わかった。彼女と話をつけたければ好きにするといい。そのかわり,俺たちもこれからすぐに行ってやる。だからそれまで彼女に危害を加えるな。
GM/千葉:「もちろんですよ。お待ちしてます」
ユウキ:……ああ,そうだな。待ってろ。今ボコりに行ってやる。
GM/千葉:「ああ,そうそう。彼がもう1ステージ用意してしまったようです。せいぜいがんばって,急いでくださいね。では」
晟:彼? 彼とは誰のことだ? おい?
GM:すでに電話は切れている。
晟:(ユウキに)……だ,そうだ。
ユウキ:ああ,さっさと行こうぜ。
晟:もう1ステージ用意しているそうだが?
ユウキ:何だろうと,蹴散らしてきゃいいだろ。
晟:……この単細胞が。
ユウキ:てめえに言われたかねえよ。
GM/紫音:「だからぁ,いがみあってる場合じゃないだろー? ……手伝おっかー?」
晟:「1ステージ」の方を引き受けてくれるとありがたいが。どうせくだらん余興だろう。
GM/紫音:「ええー? 面倒だなぁ」
晟:だったら何しについてきたんだ。だいたい,遙が危ないんだろう?
ユウキ:いや,危なくねえと思うけどなぁ。あいつの場合。
GM/紫音:「それに,俺がやらなくても,ほら」と指差すと,松山夫妻が燃えている。
晟:(嘆息)アレに戦わせるのも,どうかと思うがな……。
GM/紫音:「楽でいいじゃん」 えー,とか言ってる間に前方に検問がありまして,栄吉っちゃんもしぶしぶ車を止めようと,
晟:止まるな。そのまま行っていい。
GM/栄吉:「え? でもライトで前がよく見えませんし……」
ユウキ:ぶつかるまで前に進めばいいだろ。
GM/栄吉:「ええっ? ぶつけちゃうんですか? アクセル踏んじゃうんですかぁ?」
晟:踏め。そのまま進め。
ユウキ:栄吉が踏まないなら,隣の俺ががぁんとアクセルを踏みこんでやる。
GM/栄吉:「ひーっ!? たぁすけてえええっ!?」
晟:心配するな,向こうもプロだ。死ぬ前に避ける!
GM/栄吉:「そういう問題じゃないですぅ! 撃ってきますよーっ!?」 ちなみに,警告もなしにどぉん!という音がしたかと思うと,何かが急速に接近してきます!
ユウキ:ちっ,飛び道具かよ。
晟:えーと,空中で迎撃できませんか?
GM:ええ? どうやって?
晟:一応,《サイレンの魔女》とか使えますが。
GM:う,まぁやってみてください。
晟:ちなみにシーン攻撃なので,この車を除く全ての敵車輛を対象にします。よろしいですな?
GM:破壊魔だこの人。
晟:でも〈RC〉は低いんだけどね(笑)。《サイレンの魔女》《主の右腕》《全知の欠片》で34。ダメージは29点。
GM:うーむ,それはさすがに空中で爆発するなぁ。つーかトループ全滅だっつーねん。
晟:よし,これで走りやすくなったな。
GM:だがしかし! ライトが破砕され,光が消えたその向こうには,黒々とした装甲車の影が! 栄吉っちゃんが,「勝てませーん! 止めていいですかー!?」と泣いてますが。
晟:おい。
ユウキ:何だよ?
晟:少しはお前も働け。といって後ろから手を伸ばしてユウキの横のロックを外します。
ユウキ:けっ。というわけで飛び降りた勢いで飛びかかって,《ピンポイント・レーザー》《全知の欠片》で殴ります。いまいち低いな。ダメージ12点,装甲値無視。
GM:それは確かにちょっと低いような気がするな。でも装甲値無視だしなぁ,エンジンとかやられればひとたまりもないしな。というわけで装甲車は行動不能になりました。
ユウキ:そんなところで,車に戻ります。
晟:……中途半端な壊し方だな。
ユウキ:うるせえな。まだ本気じゃねえんだよ。
晟:ほう?
ユウキ:つーか,こんなところで《完全獣化》とか使ってられるか! もう侵蝕値70超えてんだよ!
一同:(笑)
晟:それは私に言われてもなぁ(笑)。
遙:大変だねえ。
GM:そのぶん,ダイスボーナスがつきやすくていいじゃん。
ユウキ:あんまり嬉しくないんですけどね!
GM:あ,ちなみにこのあたりイベントなんですが,装甲車の蔭とか,上から銃弾が降り注いでくる。栄吉っちゃんはしばらくはふんばるが,やがて前輪がパンクして,停止するね。
ユウキ:じゃあ停車する前に飛び降りる。
晟:同じく。とりあえず,伊達は逃げていろ。
GM/紫音:「え? 逃げていいの?」
晟:おまえは駄目だ。しっかり働け。
GM/紫音:「ええー。面倒だなー」
晟:だから,何しについてきてるんだ貴様は!
GM:じゃあ「わかったよ」とか言いつつ皆で車を降りると,またライトがカッとあたりを照らします。その後ろに浮かび上がるシルエットは,まぁ10人くらいです。
ユウキ:また全員オーヴァードとか言わないでしょうね?
GM:全員オーヴァードですが?
ユウキ&晟:ははははははは!
晟:ってふざけんなよっ!?
ユウキ:またかよ! 面倒くせーんだよ!
GM:知らないよーん。敵は10人。はい,というわけでイニシアティブ。こちらは全員15です。
晟:25。
ユウキ:19。
GM:速いなぁ(泣)。
晟:私は《先手必勝》を使っているからです。尚也さんと一緒。というわけで……うーん。〈RC〉の方が成功確率は明らかに低いんだけど,どうしようかなぁ。
GM:ジャイアン・リサイタル?
ユウキ:でも,オーヴァードが10人ですからね。確かに効率はいいですよ。
晟:じゃあそれでいってみよう。マイナーで《主の恩恵》使って,《サイレンの魔女》《主の右腕》《全知の欠片》です。(ころころ)うおー! これはひでえ! 15しかいかねえ!
GM:それはひでえな。
晟:すまん! 申し訳ない!
ユウキ:いえ,それでも《サイレンの魔女》使ってもらった方がいいわけですから。
GM:(ころころのころ)あっ? 避けられんぞ?
晟:そうなの? でも《サイレンの魔女》はダメージもな……13点で装甲値無視。
GM:それではまだ死なないな。
ユウキ:じゃあマイナーで《ハンティング・スタイル》《完全獣化》《一角鬼》,それから《ピンポイント・レーザー》《全知の欠片》! (ころころ)達成値40です。ダメージは29点。
GM:うーん,それで1体死んで……むっくりと起き上がります。
一同:…………。
晟:ねー。リザレクトするのー?
GM:しますよー。
ユウキ:侵蝕値がヤバイんですけどー?
GM:それが目的ですからー。というわけで次に紫音,敵,明日香,光の順です。(ころころ)紫音の攻撃で3人ばかし死んで,またリザレクト。それからユウキを20,23と言って殴ります。

 侵蝕値の温存をはかるユウキはまたも素で避けようとし,1回攻撃をくらう。ダメージ25点,しかしまだ死なず。それ以外の敵の攻撃は当たらず。
 光は例によって(?)不調で攻撃を外し,「母は強し」明日香がコンスタントに敵を3体リザレクトさせる。

 第2ターン。
 晟は戦法チェンジ,《光の剣》(←すげえ似合わない),《ピンポイント・レーザー》《全知の欠片》で攻撃。またもや1体リザレクト。
 ユウキが同じ敵を攻撃し,ようやく昏倒させる。

ユウキ:つーか,しっつこい! あと何体いるんだ!?
遙:あと9体です。
晟:やっぱり《サイレンの魔女》の方が効率いいか……侵蝕値くうんだけどなぁ。
ユウキ:侵蝕値いくつになりました?
晟:んーと,73。
ユウキ:こっちは81です。シャレになりませんよ。
遙:大変ですねえ。
ユウキ:何が「大変ですねえ」だ! そもそもアンタが単独行動するから今こういうことになってんでしょうが!
遙:だってしかたないでしょ。炎華がそういう行動とりたがってたんだから。
GM:そういう問題!?(笑)
ユウキ:どうかと思うなぁ,俺は! だいたい,遙が《ブリザードブレス》で晟が《サイレンの魔女》を使う,という戦闘バランスだったと思うんですよ。そもそもは。
GM:うーん,まぁね。
晟:ただ,これ一応シーン制のゲームだからなぁ。いっつも全員がまとまって行動するシーン制のゲームっつーのも,どうかと思うわけよ。
ユウキ:それはそうです。だから俺もとめなかったんですけど。
晟:けど?
ユウキ:だけどこっちはおかげで大変だっちゅーねん!
遙:あははははー。

 とか何とか言いながら,だらだらと戦闘は続く。
 GMの目が走らず,敵の攻撃は全てスカ。
 紫音,明日香はそれなりにダメージをたたき出すが,相変わらず光は不調である(笑)。

 さらに第3ターン。
 《サイレンの魔女》戦法に戻った晟はそれなりのダメージを出し,敵の大方を殲滅。
 最後にユウキが止めを刺して,ようやく戦闘終了である。

晟:侵蝕値81……。
ユウキ:もう86だぞー! シャレならんわー!
GM:だってこれがその戦闘の目的だしなー。
ユウキ&晟:…………(←目が殺気だっている)。
GM:ちなみにあともう一匹残ってるんだけどね?
ユウキ&晟:ああ!?(怒)
GM:散らばる死体を乗り越え,すげえ大男がのっそりと。
遙:そう言えば,例の筋肉男さんは生き残ってたのでした。
GM:おう,そうともさ。今度は完全武装でお出ましだ。
晟:……で,何だ。あの頭の悪そうな男は。
ユウキ:てめえほどじゃねえよ。
晟:珍しいな,貴様より頭の悪そうな男とは。
ユウキ:何だそりゃ。誉めてんのかよ?
晟:誉めてるように聞こえるか? それは末期症状じゃないのか?
ユウキ:てめえ!
GM:あー,キミタチキミタチ。話を聞いてくれ。ちなみに彼は今登場したので,シーン攻撃は効いていなかったというオチで。で,ユウキにびしぃ!と指をつきつけて言います。「そこの男ぉ!」
ユウキ:あ? 何か用かよ。
GM/筋肉男:「俺はおまえとの,一対一の勝負を希望する!」
一同:ええ?(笑)
ユウキ:……ああ,いいぜ。やってやろうじゃねえか!
晟:おい,馬鹿を言うな。遙を助け出す方が先だろうが。
ユウキ:あの野郎は山崎の仇なんだよ!
遙:(ぼそっと)それは違うのではないかと……。
ユウキ:うるせえ! 間接的に仇なんだよ!(笑)
晟:……付き合いきれんな。俺は先に行く。
ユウキ:ああ,好きにしろよ。後で追いついてやるからよ。
晟:別に貴様なんぞはついて来なくてもいいんだぞ?
ユウキ:はん,せいぜい千葉にやられないように気をつけるんだな!
晟:誰に向かって言っている?
ユウキ:てめえの他に誰がいるってんだ,この腰抜け野郎!
晟:誰が腰抜けだと!? だいたいその場合,貴様の「彼女」が危なくなるだけだが,構わないんだな!?
ユウキ:誰が彼女だ,この野郎!?
綾:(←通りすがりの人)わー,仲間割れだー。
キルスティン:(←同じく通りすがり)仲間割ればんざーい。
一同:(笑)
晟:こんな奴は最初から仲間じゃない!
ユウキ:あったりまえだ! こいつと仲間になった覚えは一度もねえ!
GM:まぁまぁ。いいかげんにしなさいよアンタら(笑)。
綾:何だか大変そうだね。
遙:今回はずっとこの調子なのですよ。
キルスティン:あーあ。こんな調子じゃ,お先真っ暗だよね〜。
一同:だから,アンタにだけは言われたくないんだよっ!?(大爆笑)

 またもや高笑いしながら去っていくキルス。
 つーか,アンタ本当に何しに来てるの!

GM:じゃあ晟は先に行くということで,ユウキは筋肉男と一対一です。「礼を言うぞ! よくぞこの俺との勝負を受けてくれた!」
ユウキ:やかましい! いいからとっととかかってきやがれ!
GM/筋肉男:「そうだな! 男の勝負に言葉は無用! この拳が全てを語るのみ!」
晟:オー,ベイベーっ! 私の心はオープン24時間っ!(笑)
ユウキ:おまえもうるさい! つーかこの男,いつの間にか性格違うぞ!?
遙:熱い男が帰ってきた。
GM:暑苦しい男とも言うな。
晟:私の胸に飛び込んでこーい! ゴルァ!
GM:ゴルァ! ゴルァ! ゴルァ!
ユウキ:だからガマ師匠はもういーつーねん! いつものパターンでとりあえず殴ります! (ころころ)38!
GM:むうう,避けられん!
ユウキ:22点装甲値無視!
GM/筋肉男:「うぐう! ……しかし,私はこの程度では倒れん! 今度はこっちから行くぞ!」と言って,(ころころ)28で殴り〜。
ユウキ:侵蝕値90超えたからなぁ……いいや,素で避けてみよう。(ころころ)だめだ,さすがに当たった。
GM:ではダメージ39点。
ユウキ:じゃあリザレクトします。
GM:ちなみに,彼はパワードスーツみたいなのも着てます。今のはパンチを繰り出す瞬間に,ばきゅん!と音がして拳から薬莢が飛んだりして(笑)。
晟:……肩赤い?
GM:はい? いや,そんなことはありませんが。
晟:せっかくだから赤く塗らない? 敵の血潮で濡れた肩〜,地獄の部隊と人の言う〜♪
GM:パイルバンカーは使いません。
晟:ベルゼルガちゃう! そうじゃなくて,やっぱり王道はスコープドッグのレッドショルダーカスタムなんだ!(←握り拳)
ユウキ:それはどうでもいいですから。で,ターン変えていいんですか。どうもデンジャーゾーンに突入しそうなので,マイナーでジェネシフトします。今侵蝕値が97だから3つ振って……7ぁ?
遙:ありらりら。
晟:エフェクト使いまくればいいのでは?
ユウキ:(計算して)しかし,侵蝕値104だから,デンジャーゾーンを突破するには一気に18上げなきゃいけないわけですよね。無理っぽいな。どうやっても118までしかいかない……。
GM:手加減のしすぎだな(笑)。
遙:ここで昏倒しちゃったら笑えるのです。
ユウキ:笑えねえ。それは笑えねえ。んーと,セカンドアクションができるんですが,やっていいでしょうか。
GM:ん? 別にいいけど。
ユウキ:じゃあマイナーで《奥の手》で《全知の欠片》《ピンポイント・レーザー》《狼牙》《神獣撃》。これで侵蝕値が120超えました(←読者様に突っ込まれる前に言っておくと,《奥の手》とジェネシフトは同時に使えません)。
GM:そうか。それではお待ちかねの裏設定コーナーなのだが。
一同:(笑)
ユウキ:またかー!
GM:ちなみに,山崎の拳銃は使わないよね。
晟:こんなとこで使わないでしょ。それは千葉の時に使うんだよね。
GM:じゃあ,ここでくっつく設定はひとつだけにしておいてあげよう。
ユウキ:ひとつ「だけ」ときたよこの人!(笑)
GM:だってあとふたつ設定あるんだもの。
ユウキ:いらねえ!
GM:(無視)というわけで今回の能力〜。いつも持っている《虚無の力》のバージョン3。技能は〈白兵〉と〈射撃〉。侵蝕値は5。ただし目標値15があり,成功時には単体。失敗すると周囲。もちろん攻撃対象は選択できません。
一同:(笑)
ユウキ:どっちにしろ攻撃ができるってことですね。
晟:迷惑な……。
GM:ちなみに装甲値無視で防御行動不可。要侵蝕値100パーセント。使用後にも目標値10で〈RC〉判定。これに5回失敗すると,力の逆流により自分が消滅します。
ユウキ:今さらのような気もするが,デンジャラスだなぁ。
GM:あ,一応もうひとつの方も聞いておく? 《完全装甲化》ってんだけど。
晟:つまるところが獣○ライ○ーだろうが。
GM:そうとも言う。タイミングがセットアップで宣言。ちなみに宣言したターンから5ターン持続。その後使用するには1ターンのインターバルが必要です。効果だけど,防御力が10/10。装甲値が60。
一同:あー……。

 だんだん突っ込む気が失せてくる一同。
 麻痺しているな。

GM:ちなみに獣○ライ○ーは使わない?
ユウキ:使わない。《虚無の力》とやらも使わない。
GM:ええー,そうなの?
ユウキ:使わないったら使わない。(ころころのころころ)38でダイスペナルティが7つ。
GM:みーっ。避けられないーっ。
ユウキ:《完全獣化》解いちゃったんだからここで死んでくれなきゃ困るんですよ。(ころころのころ)51点装甲値無視です。
GM:そらダメだー! では男の着ていた黒いパワードスーツが粉々にふっとびます。
晟:は,まさかまっぱか?
GM:大丈夫,黒いビキニパンツくらいは履いてるから。
一同:(爆笑)
ユウキ:アホか! 下にまともな服くらい着てろよ!
晟:オゥイエ!
ユウキ:私の心はオープン24時間,って違うんだよ!

 ユウキさん,とうとうノリ突っ込み。

晟:(歌うように)心開けば身体も開く,悩みはすぐに解決だ♪
GM:ではマッチョさんは「やはり私では無理だったのか……」,ガク。
遙:けっこーあっけなかったですね。
ユウキ:けっ。ザコがでしゃばってくるんじゃねえよ。
GM:いいのだ,ここで侵蝕値を上げさせるのが目的なのだから(泣)。というわけでシーンを変えるのだー。


 

SCENE 11


GM:ではお待たせしました。遙です。結局どうする?
遙:やることないので,もう見つかってもいいや,くらいな勢いで,ずーっと門扉を溶かしているのです。
ユウキ:で,見つかったらその時は皆殺しなんだ。
晟:怖い子だわ。
遙:(無視)これ,どれくらいやったら溶けるのでしょうか。
GM:まぁお待ちなさい。すると「そんなことをしなくても,ちゃんと通して差し上げますよ」と後ろから声がかかります。
遙:じゃあ振り向きます。
GM:いつの間にか,あなたの後ろには千葉が立っています。
遙:では悲しげに目を細めて見ています。ちなみにほとんど炎華モードに入ったと思ってください。
GM/千葉:なるほど,そっちか。すると千葉も少し眩しげに目を細めて言います。「私に会いに来たのでしょう? よろしければ,ご案内しますよ」
遙:頷きます。
GM:ではちーちゃんが指を鳴らすと,次の瞬間には,見知らぬ場所に出ています。そこはやたらにだだっ広くて頑丈そうで,上にはドーム状の屋根があって,
遙:は。東京ドーム。
GM:そのまんまではありませんが,似たような建物ですね。
晟:これをライトが特注で作らせたと?
GM:そう思ってください。どこに建てられたかとかあんまり突っ込まないで(笑)。「で? 確かにあなたらしいとは思うのですが,たったひとりで私のところにやって来たわけは?」
遙:あなたと話したかったから,じゃいけないんですか。
GM/千葉:「話すだけならいくらでも。それだけですか。あなたは私を滅ぼしに来たんですか。それとも……」
遙:私は……あなたを救いたいと。
GM/千葉:「あなたにいったい何ができると?」
遙:それは……わかりません。でも,もしこれが私の罪なら……償わなければならないと,思っただけです。
GM/千葉:「罪? 罪とは何です?」
遙:私が,あなたをたったひとりで残してきたことが……。
GM/千葉:「ずいぶん傲慢なことをおっしゃるんですね。あなたひとりが死んだところで,私がどうにかなったとでも思ってらっしゃるんですか?」
遙:そうは思いません。ただ,私はあなたのために,私にできることをしたいだけです。……GM,そういうわけで異界の力とやらを解放します。
GM:ほほう。何だか「一緒に死にましょう」みたいな感じになってきたなぁ(笑)。
ユウキ:いや,そういうことなんでしょ。
遙:まぁ,そうですね。
ユウキ:もうあきちゃんのことは完全にどうでもいいらしいですね。
一同:(爆笑)
GM:あーあ(笑)。
ユウキ:晟,本当に弄ばれてますなぁ。
遙:いやいや,それはですねえ。
晟:もういい。もういいよ。ふーんだ,僕だってもう遙ちゃんのことなんか知らないから!(泣)
GM:拗ねるなよ(笑)。で,遙は結局どうすんだ? 千葉ごと異界にいっちゃおう,みたいな感じ?
遙:いや,どっちかというと,異界の力を自分の中に取り込んで,向こう側で焼き尽くしてしまおうというか。
GM:え? そ,それはまさに「あなたを殺して私も死ぬわ!」だと思うんですが……。
ユウキ:そういうのを無理心中って言うんだけど,知ってる?
遙:まあそういうことで?
晟:認めてるし……。
ユウキ:つーか,マジで晟の立場ってどうなるわけ?
晟:(しくしく)もういいですよ。遙ちゃんにとってどうせ僕なんか……。
ユウキ:だから,おまえも拗ねてねえでさっさと捨てろよこんな女!(笑)
晟:いや,何と言いますかね? 私が甘かったんですかね。
遙:え?
晟:私は少しぐらいはそういう展開あると思ってましたよ!? 楓になっちゃった晟に対して,元に戻そうとか! だから紫音や咲耶榎の力を使って元に戻るのは嫌だったんですけど!
GM:ああ,そうだったのね(笑)。
晟:そういう試みはまったくなしですか?
遙:…………。あー。
晟:あー,じゃねえ! せめて「元に戻って欲しいなぁ」とほんのちょっとでも思ってくれるとか! そういうのを遙ちゃんに期待した私が甘かったのか!? そうなのか!?
ユウキ:甘かったみたいだな。ひとっかけらも心配してねえからな。まぁいいや放っとけ放っとけ,どうせそのうち元に戻るだろ,くらいな勢いだよな。
遙:いやいや,そんなことはないですよ?
ユウキ:嘘をつけ! ヨアヒズムと同じよ,くらいには思ってただろ!
遙:よ,ヨアヒズムって何ですか?(笑)
GM:戦闘回数によって透明化したり黄金コウモリになったりグラン・パピオンになったりする人のことです。だから,今日は晟の日ー,今日は楓の日ー,みたいな?
遙:ああ,なるほど。
晟:なるほど,じゃねえ!(号泣)
ユウキ:……さすがの俺も晟がかわいそうになってきました。
GM:ねえ。
ユウキ:ちょっと脈はあるかな,ぐらいには思ってはずなのに,実は全然眼中になかったことが最終回にして判明したという!
一同:(笑)
遙:いやいや,そういうわけではないんですけど。
ユウキ:じゃあどういうわけだよ! 今までの行動を見ていると,おまえが晟のことを気にかけているような素振りはまったく見られない!
遙:そですか?
ユウキ:…………。
晟:…………。
GM:……まぁいいや。一応判定してみますか?
遙:わかりました。では,《極大消滅波》なのです。
GM:それってリアクション不可だったよね? じゃあとりあえずダメージどうぞ。
ユウキ:(ルールブックを見て)あれ? それ以前に《極大消滅波》って侵蝕値120%必要なんじゃ?
遙:はう。
ユウキ:ジェネシフトして届くか? ……いや,7つしか振れないんじゃ無理だな。
GM:あ,いや? 炎華モードだっていうんなら,その時点で侵蝕値が150なんじゃないか?
ユウキ:そんなもんですか?
GM:俺もよくわからなくなってきた(笑)。まぁ,ここで《ブリザードブレス》に格下げってのもマヌケだし,それでいくことにしよう。
ユウキ:だからと言って,ここでちーちゃんが大人しく死んでくれるとは思えないけどね。それで済むなら俺らがこんなデタラメーズになる必要もなかったわけだし?
晟:早く人間に戻りたーい(笑)。
GM:それはそのうち,ということで?(笑)
遙:(ころころ)ちなみにダメージは34なのです。
GM:そうですか。では千葉は身動きもせずにそれをくらいます。
ユウキ:(小声で)とかカッコつけてますけど,このエフェクト,そもそも避けられないじゃないですか。
晟:(小声で)しっ。それを黙っていてやるのが武士の情けというものだ。
GM:……えー,そういうわけでちょっと黒焦げになったり,お気に入りのコートがズタズタになったりするんですが,みるみるうちに火傷が治っていきます。
晟:それだけ?
GM:うん。それだけ。
晟:コートズタズタになったんでしょ? 脱がないの?
GM:脱がせたいんかい。
晟:私は男を脱がす趣味はないけど,きっとごく一部のファンの方は待ってるよ?
ユウキ:待ってない待ってない。
GM:ちーちゃん脱いでもすごいんですけど。っていやそーじゃなくて!(笑) 
遙:……やはり無理のようですね。
GM/千葉:「そう,普通のやり方では私は倒せない。そんなことは,あなたはとっくにご存知のはずでは?」
遙:…………。
GM/千葉:「それで,あなたがしたかったことはそれだけですか。もしそうならば,私がこれ以上お付き合いする必要もないでしょう。二人が来るまで,おとなしくしていていただきましょうか」 と言って,遙の頭にぽん,と手を置きます。すると,あなたの思考はそこで停止してしまいます。
遙:ほ,ほえ?
GM:一種の演出なので,どうしてもしたいことがなければ,これでシーンを変えますが?
遙:うーん。しかたがない,変えてください。
GM:ではそういうことで。


 

SCENE 12


GM:で,えーと晟のシーン。
晟:現在,ユウキをおいてさっさと先行しているわけだが……ユウキは追いついてくるのだろうか。
ユウキ:適当に登場しますんで,先に進めといてください。
晟:ヒーローは遅れて現れるってヤツ? では私は遙を探して走っている。
GM:ではあなたの前にはゲートが次々と立ちふさがるわけだが……面倒くさいので中略。
晟:ほほう?
GM:ゲートのところで1人ずつ,「ここは俺に任せて先に行け!」「ここは私が!」「ここは俺が!」状態?
一同:(笑)
晟:ま,まぁ手間が省けるのはありがたいが……あ,そう言えばこのへんにたまちゃん飛んでたりしないの?
GM:え? 結局たまちゃんってどうしたっけ?
遙:さぁ。
GM:さ,さぁ?
ユウキ:……もういちいち突っ込むのもバカバカしいが,この女,マジで極悪非道。
晟:いや,さっきの移動は千葉のせいだから,たまちゃんがおいてきぼりになったのは遙のせいじゃない。
ユウキ:そうか?
晟:それ「は」遙のせいじゃない。
一同:(爆笑)
ユウキ:ここいらで何か見せ場がないと,もう晟踏んだり蹴ったりじゃないですか?(笑)
晟:果たして晟としての見せ場があるかどうか……(笑)。
GM:ちなみに晟,たまちゃんとコンタクトとかとらないの?
晟:とらないじゃなくて,とれないの。《ハンドリング》も《アニマルテイマー》もないから。
GM:あ,なるほどね。それじゃ,たまちゃんホントに飛んでるだけじゃないか。
晟:だから,あれは遙ちゃんに対する哀しいメッセージだったんだけどね。
ユウキ:マジで哀しいな。
晟:だからもういいよ,それは(笑)。というわけでたまちゃんを見つけます。
GM/たま:「ハルカ,サラワレタ! サラワレタ!」
晟:そうか。遙がどこにいるかわかるか?
GM/たま:「アッチ,アッチ!」とたまちゃん先導してくれます。もう操られてないのに,何て賢いオウム(笑)。
晟:その方が話が早いからいいとしよう。
GM:例によってのご都合主義です。さて,第5のゲート前。装甲車が8台くらい並んでます。
晟:しつこいな……。
GM:で,問答無用で「撃てー!」と。
晟:じゃあ仕方ないな。飛びかかって《光の剣》でも突き刺しておこう。
ユウキ:それじゃダメだ!
晟:はい?
ユウキ:戦車はたたっ斬るもんだ! 突き刺すなんてそんな!
晟:よくわからないが,そう言うならば叩き斬っておこう。で,先に砲弾避けなきゃいけないんだよね? 達成値だして。
GM:くそー,能力値変わった途端に余裕になりやがって。(ころころ)15,は避けられるよな。
晟:(ころころ)平目で避けるわな,それは。ではこっちの番だな。マイナーで接敵して,《ピンポイント・レーザー》《全知の欠片》と。(ころころ)43。ダメージは32点,装甲値無視。
GM:うう,では1台真っ二つになりました。
晟:ちょっと待て。もしかして,8台全部独立しとんのか? トループじゃなくて?
GM:腐っても装甲車!(笑)
晟:ああもぉ,うっとぉしいなぁ! 通せよ!
GM:やだよーん。ただしこっちも7台ぶん攻撃するの面倒だから,そのぶん達成値上乗せでいい?
晟:トループにしてくれればそんな手間は省けるものを。
GM:そんなことしたら,あっという間に倒されて終わりじゃないか。(ころころ)あ,でもたったの14……。
晟:(ころころ)だから,それはノーマル晟でも平目で避けるぞ(笑)。では一応警告はしておこう。黙って通してくれれば何もしない。だから……。
GM:「撃て撃てー」
晟:というか,いい加減うっとうしいと言っているんだ! 道を開けろ!
GM:「撃て撃てー」(笑)
晟:こ,この……ねえ,強行突破しちゃダメなんですか!?
GM:だって門があるもの。
ユウキ:扉を叩き斬ればいいことじゃないですか。
GM:……ええっ!?
ユウキ:《ピンポイント・レーザー》使ってれば大抵の物質はさっくりいけるはずですが?
晟:おお。まさしくその通りだな。
GM:え? で,でもかなり分厚い扉ですからね。40ダメージはだしていただかないと。
晟:ようし,その言葉忘れるなよ。というわけでマイナーで《光の剣》使って,《主の恩恵》《ピンポイント・レーザー》《全知の欠片》で……(ころころのころころ)達成値80! ダメージが61点!
GM:うわー,あっさり斬られたー!?
晟:と,いうわけで「貴様らなぞにつきあっていられるか」とか鼻で笑ってやろう。突破しまーす♪
GM:うわー! 全然侵蝕値上げられなかったー!
晟:毎度毎度人海戦術が通用すると思ったら大間違いなんだよ! つーか,ついにやったぞ! あのうざったい雑魚ーずを無視してやったぞー!
GM:く,くそー!
晟:はっはっは,きぃもちいーなー!(笑)
ユウキ:大人気ないなぁこの人たちは……。
GM:ううっ,ではまんまと逃げられたので,晟のシーンはここで終わりです。

 

SCENE 13


GM:では遙のシーンです。
遙:…………。
GM:遙さん?
遙:あ,すいません。ちょっと作戦を。
ユウキ:作戦?
遙:んーと,というかちーちゃんに言うべき言葉を考えているのです。
ユウキ:やめとけよ。あれはもう何を言っても無意味だ。
遙:うーん。
ユウキ:そんなことより,今のうちに晟に対する言い訳でも考えておくんだ。ここで優しい言葉のひとつでもかけてやれば,あいつのことだ,すぐにころっと騙されて「遙ちゃーん」とか言ってくれるぞ。
遙:いや,それは全然考えてなかったのですけど,
晟:考えてないんだ! 全然!
一同:(爆笑)
遙:て,てゆーかそーゆーフォローは言葉じゃなくてですねえ。
GM:ほほう。つまりご褒美を用意しているということ?
ユウキ:亀仙人に対するパフパフ,みたいな。最悪だな。
遙:いや,そういうんでもなくて……あきちゃんはこの戦いが終わったら戻ってくると純粋に信じているのですよ。
晟:そんなの全然わかんないじゃないか。何で戻ってくるなんて思うんだよ。
遙:え? だって今回のことがあるから,楓モードに入ったのではないのですか?
晟:これは前からです。対千葉だからではありません。
遙:あ,そうなのですか?
晟:だいたいその言いかただと,戦力が欲しい時だけ楓ちゃんモードで,あとはバイなら〜と言ってるように聞こえるんですけど(笑)。
ユウキ:そう言ってるんだろ。で,結局どうすんの。
GM:でも遙は今思考停止状態なので。いや,違うな。沈黙しているのは炎華の方だな。遙としてのあなたは,ちゃんとものを考えることができます。それと,ただ身体が動かないけど。
遙:にゃっ。
GM:いや,にゃ,じゃなくて(笑)。
遙:とりあえず炎華に語りかけてみますけど。
GM:でも,どうしようもないですよね。すると千葉さんが気づいたようで,「おやおや驚いた。こんなこともあるんですね」
遙:えーと,しゃべることはできますか。
GM:それもダメ。うーっ,うーっ,とかうなるくらい。
晟:遙ちゃんだからにゅーっ,にゅーっ,にゅーっ,にゅにゅ?とか(笑)。
GM/千葉:「炎華のかわりにあなたが起きたのですね,遙さん」
遙:にゅにゅ?
GM/千葉:「つまり,あなたはノコノコ1人で来られたので,ユウキくんと晟くんが来るまで私がお預かりさせていただいてるんですよ」
遙:にゅっ。
ユウキ:ハムスターかおまえは。
晟:げっ歯類だから。
遙:にゅーっ,にゅーっ!
GM/千葉:「そう騒がなくても結構。すぐに2人がやって来てくれますよ」
晟:えーと,私は登場してよろしいのかな。じゃあ扉をしゃきーん!と切り裂いて登場しよう。遙,無事か!
遙:にゅーっ,にゅーっ。
ユウキ:しか,言えないようです(笑)。
晟:貴様,遙に何をした! 行くまで手をだすなと言っておいただろうが!
GM/千葉:「拘束させていただいているだけです。危害は加えてませんよ」
晟:そういう問題じゃないだろう。早く自由にしてやれ。
GM/千葉:「まだです。後1人足りない」
晟:あの馬鹿ならどこかの筋肉馬鹿と楽しく殴り合ってたな。すぐに来る。そもそも,あの男を待ってやらねばならない必要などあるのか?
GM/千葉:「ありますよ。あなたがた3人が揃っていなければ意味がない」
晟:それは貴様の都合じゃないのか?
GM/千葉:「さて,どうでしょうかね。あなたがたも困るのではないですか? 3人揃っていなければ私には勝てないのだから」
晟:何だと……。
ユウキ:えーと,そこで壁をぶっ飛ばして登場します。おう,待たせたな。
晟:遅い!
ユウキ:てめえじゃねえ,千葉に言ってんだよ。だいたい,てめえがあんなとこに戦車なんか残しとくから俺に余計な手間がかかったんじゃねえかよ!
晟:俺は貴様と違って,あんな奴らの相手をいちいちしているほど暇じゃないんだ。とにかく15分の遅刻だぞ。
ユウキ:ああ!?
晟:時間を守るという最低限の礼儀も知らないのか。
ユウキ:けっ,なぁにが礼儀だ! だいたいてめえは,
遙:にゅーっ,にゅーっ,にゅーっ!(←やめてください〜,と言いたいらしい)
一同:(笑)
GM/千葉:「ああ,約束は約束ですから,ちゃんとお返ししますよ。遙さん,どうぞ」と言ってまた頭に手を置くと,動けるようになります。
遙:にゅにゅっ?
ユウキ:いや,だから動けるししゃべれるんだって!(笑)
GM:で,ちーちゃんはぽん,と遙の背を押しますが。
遙:押されるけど,2人の方には行かずにじーっとちーちゃんの方を見てます。
GM/千葉:「何か?」
遙:あなたのしたいことって,何ですか?
GM/千葉:「あなたたちと戦うことですよ」
遙:それだけ? 何故戦いたいの?
GM/千葉:「何故? だから言ったでしょう,私には私なりの目的があるんです」
遙:目的って?
GM/千葉:「それは言えません。さあ,お行きなさい。もう時間があまりありません」と,君の背をかなり強く押しやります。
遙:にゅ……。
GM/千葉:「ふー,やれやれ。あなたがたのおかげで壁がめちゃくちゃだ。一応,防音のためもあったんですけどね」と,彼はまた指を鳴らします。すると,あたりの風景が変わります。すごく精神的に嫌になるような場所です。
晟:具体的には? まさか泪の部屋じゃないよな。
GM:それで嫌になるのはあんただけだ!(笑) じゃなくて,一面に十字架が突き刺さっている……つまりは墓場です。
晟:くだらん手品だな。
ユウキ:まったくだ。
GM/千葉:「おや,そうですか?」とすぐ側の十字架を指差すと,そこにはユージンの名前が刻まれている。
ユウキ:もう殺したってことか?
晟:これから殺して入れてやる,ということだろう。
GM/千葉:「ほら,そちらにも」 他には光とか明日香とか泪とか,とにかく君たちがよく知っている人物の墓が並んでいる。そして3つほど,名前の掘られていない十字架が。
晟:一応訊いておいてやるか。それはいったい誰の墓だ?
GM:彼は黙っています。そしてすっと身体をずらすと,その背後にひときわ巨大な十字架が見える。それにも名前は彫られていない。
ユウキ:……面倒くせえなぁ。全部ぶっ壊したろか。
晟:ああ,やるなら止めないぞ。
GM/千葉:「やめた方がいいですよ。壊してもすぐ再現しますから」
ユウキ:そうかよ。で? この茶番はいつまで続くんだ?
GM/千葉:「もちろん,私たちの戦いが終わるまでです」
ユウキ:そうか,好都合じゃねえか。とっとと始めて,とっとと終わらせようぜ。
晟:遙,おまえも早く戻れ。
遙:…………。
晟:遙?
遙:……私は戦えないのです。
ユウキ:そうかよ。じゃあ引っ込んでろ。
遙:…………。
GM/千葉:「もちろん,戦う戦わないはあなたがたの自由ですよ。もちろん,だからと言って私が遠慮する謂れもありませんが」
晟:俺も遠慮する気はないぞ。ああ,多分この単細胞馬鹿もな。
ユウキ:けっ,3対1ってのは気にくわねえがな。
晟:2対1だろう,このままいくと。
ユウキ:けっ,まぁいいや。じゃあ始めようぜ。
晟:遙,一応言っておくが,あんな奴に遠慮してやる必要はないんだぞ。
遙:だって……。
晟:だって?
遙:炎華が泣いてるんだもん……。
晟:だから何だ? ユージンが言っていたが,おまえは炎華じゃないぞ。
遙:…………。
ユウキ:それでいいなら勝手にさせろよ。その代わり,おまえが死んでも俺は面倒みねえぞ。
遙:…………。それでも動かないのです。
GM:じゃあここから戦闘に入ります。遙も自分の行動順になったら何か行動してください。ではシーンを変えます。