| 
 
 
GM:じゃあ晟のシーンです。まず,侵蝕値から。 
晟:(いっころ)えーと,45になりました。 
ユウキ:(ぶつぶつ)いいよな,45に「なりました」とか言ってるヤツは。 
遙:私,まだ41なのですよ? 
GM:ユウキって基本侵蝕値いくつだっけ? 
ユウキ:46ですよ。つーか何ですかソレ!? 
晟:いいじゃないですか,どうせ231までリザレクト効くんだし(笑)。 
ユウキ:だぁら,帰って来られなくなるっつっとんに!? 
GM:いいじゃん,最終回なんだし。どうせ終わったらNPCだし(笑)。 
ユウキ:NPCはいいがジャーム化はイヤだっつーねん!? 
晟:心配いらん。おまえがもしジャームになったら,俺が責任をもって殺してやる。 
遙:もしもし? そういうアナタも,その危険性が大なのでわ? 
晟:まぁな。しかし,「もし俺がバケモノになったら俺を殺してくれ」とかお互い約束し合うほど信頼関係がないしな。 
ユウキ:これっぽっちもないな。そんなどっかのゲームのどっかのシーンみたいなことはしません。 
遙:それ,どのゲーム? 
GM:(咳払い)それはともかく。で,君はどうするね。 
晟:そうだな。……俺は鉄砲玉体質なので,考え事をしているうちに,いつの間にか外に出てしまっているんだろう。 
遙:それ,鉄砲玉というよりフーテン体質なのでは。 
晟:そうとも言うな(笑)。 
GM:では,廊下に出たところで,ばったりと蒼に会います。「何だ,晟か。帰ってきてたのか?」 
晟:……それは,さすがにぽかんと口を開けている。 
GM:一応,蒼のことも説明したよ? 
晟:うん。ではしばらく硬直して……そうか。おまえが蒼か。 
GM:それじゃ向こうも「?」って顔をする。「どうした晟。何か悪いものでも食べたのか?」 
晟:いや,そういうわけじゃないんだが……かくかくしかじか,なわけで,「晟」と言われても俺は困るのだが……。 
GM/蒼:「デタラメな身体だな」 
一同:(笑) 
晟:好きでこういう身体になっているわけじゃない!(笑) 
遙:デタラメな身体というか,デタラメな性格と言うか。 
ユウキ:デタラメな設定だろ。 
GM:デタラメな人格じゃないの? 
晟:やかましわっ。 
GM:ちなみに蒼はにこりともせず,「そうだな,その気持ちは俺にもわかる」と言います。「ちなみにおまえ,こんなところで何をしている? 外へ出る気だったのか?」 
晟:いや,そこまで深く考えてなかった。この部屋だと落ち着かないので,他でゆっくり考え事をしようと思っただけだ。 
GM/蒼:「そうか。悩み事があるなら,聞こうか?」 
晟:え? 
GM/蒼:「戦いに手を貸してやることはできないが,悩みを聞いてやるくらいならできる」 
晟:あ,いや……そう言ってくれるのは,非常にありがたいのだが……。 
GM/蒼:「何だ?」 
晟:おまえの顔を見ていると,その,何だか非常に落ち着かないんだが……。 
一同:(笑) 
GM/蒼:「そうか,まぁそうだろうな。正直,俺もそう思う」 
遙:(ぼそっと)これさぁ……3人揃ったら,うっとぉしいだろうねえ。 
晟:ほんとにねえ。いや,自分で言うのもなんだが(笑)。 
ユウキ:んで,3人揃ったら泪は誰を選ぶだろうねえ。 
晟:それは楓でしょう。 
GM:そんなもん? 
晟:そりゃそうさ。だって晟と蒼なんて,泪にとっては楓の身代わりでしかないもん。 
一同:ひでえ。 
GM:(咳払い)それはともかく,蒼は「そうか,あまり離れなければ咎められはしないだろう。好きにするといい」と言って,それきり興味を失ったように歩いていきます。 
晟:あ……すまない,ちょっと訊いてもいいか? 
GM/蒼:「何だ?」 
晟:泪はここにいるのか? 
GM/蒼:「まだ会っていなかったのか? 上の階にいるが」 
晟:そうか。……あ,いや。そうか。彼女は今,俺の母親でもあるんだよな。 
GM/蒼:「そうだが,それは表現がおかしくないか?」 
晟:そうだな。その,つまり,どうしたらいいかよくわからなくて……一度会っておくべきなのか,会わない方がいいのか……。 
GM/蒼:「俺の個人的な意見を言わせてもらえれば,会わない方がいいと思う。混乱するだろう,お互いに」 
晟:そうか。そうだな。 
GM/蒼:「そんな顔をするな。俺も悪気があって言っているわけではないんだが」 
晟:いや,悪気があるとは思っていない。気を遣わせたならすまない。 
遙:……はい。お話中,ちょっとすみませんが。 
晟:はい? 
遙:楓ちゃん,そんな性格だった? 
晟:楓って,もともと自分に好意を以って接してくる人間には素直ですよ。大谷とか。 
GM:基本的には甘ちゃんだしな。お坊ちゃまだし。 
晟:別に晟みたくひねくれてるわけじゃないですからね。 
遙:そうかぁ〜? 
ユウキ:ひねくれすぎて,一回転して元に戻ったとかじゃなくて? 
晟:どんなんだよ。 
GM:一見まっすぐだけど,よく見るとネジ状にひねくれてるとか。 
晟:だからひねくれてないって。楓はひねくれてなさすぎるから,ああなるんだよ。ほら,目だってこんなに澄んでるし? 
GM:その話題には触れるなと言っとろーがっ。 
晟:それはともかく,俺はそのまま歩いて外に出るぞ。 
遙:すると今度は光たちが! 
晟:それはイヤだ!(笑) 
GM:俺もイヤだ! 
ユウキ:ついでに言うと俺もイヤだ! 
遙:むー? 
晟:というわけで松山夫妻には会わない,と。じゃあ誰と会うんだろうなぁ。一応,本人は大谷を探してるんですけど。 
GM:大谷ここにはいないからねえ。 
晟:そうだよな。で,キルスと会っちゃったりしたら,一番収拾がつかないよな。 
GM:そうなんだよねえ。今いるんだよねえここに(笑)。 
晟:会うの? 
GM:いや,それとは会わないが……(ダイスを振って)あ,ユージン千葉が来た。ということはセットで咲耶榎も来たな。「おや,晟くん。こんなところで何をしているのです? 先ほど,山崎くんの火葬は終わりましたよ」 
晟:そうか。あー,俺もいいかげん説明するのが面倒なんだが……。 
GM/ユージン:「……なるほど。あなたは今,晟くんじゃないのですね? すると,今は楓くんかな?」 
晟:ああ,どうやらそうらしい。いや,俺にとって俺は俺であってそれ以外の何者でもないんだが,他の人間にとってはどうやら俺は「晟」のようで,しかも鏡とか見るとどうもそれが事実らしく……あー,それで今ちょっと困っているところだ。 
GM/ユージン:「そうですか。それなら,私が手助けして差し上げましょうか?」 
晟:紫音にも同じことを言われたんだが,具体的に何をするんだ? 
GM/ユージン:「私がするわけじゃないんですが」と言って,後ろの咲耶榎を指差し, 
晟:その瞬間に,くるっと後ろを向いて去ります。 
一同:(笑) 
ユウキ:おまえも往生際が悪いヤツだなぁ。そのへん晟と変わんねえなぁ。 
晟:い,いや,だって咲耶榎の方がナニするかわかんないし?(笑) 
GM/ユージン:「別に大したことはしやしませんよ。記憶の混乱を解消するだけです。つまりですね,あなたがたは今,完全に分離しています。それをひとつに融合させるんです」 
晟:融合ということはないだろう。俺はそもそも「晟」だったんだし,晟に戻るだけじゃないのか? 
GM/ユージン:「さて,そうとも言いきれませんよ。晟くんの中にはそもそもあなたがいたはずだ。ただし晟くんの主体はあくまで晟くんで,本来あなたが表に出てくることはなかった。それが何故か今,あなたが晟くんをのっとってしまっている。それで……」 
晟:ちょっと待て。それはやはり,俺が「晟」に戻るということだと思うんだが……。 
GM/ユージン:「完全に今まで通りの晟くんとは限らないという意味です。だから,あなたと晟くんの性格がミックスされるということもあり得るわけで」 
晟:(思わず)どんなんだ,それは。 
GM:どんなんでしょう(笑)。まぁ,多少は頼り甲斐のある晟とか? 
晟:(渋面)……すまんが,少し考えさせてくれないか。 
GM/ユージン:「あなたがおっしゃるなら,私は別に構いませんよ。気が向いたらいつでも声をかけてください」と言って二人は退場します。 
晟:……思うんだが,それはつまり,今ここにいる俺に「消えろ」と言ってるようなものじゃないのか?とかぶつぶつ言ってますが。 
遙:ぶっちゃけて言えばそうだなァ。 
晟:まぁそれは仕方ない,俺の存在そのものが確かに不自然なんだからな。……とかぶつぶついいながら,まだ歩く。ちなみにGM,このシーン適当に切ってくれていいですよ。ワタシはただひたすら,てこてこと歩いてますから。なんつーの? 
「楓ちゃん,はじめてのおつかい」みたいな? 
ユウキ:まともな買い物できそうにねえなぁ。 
晟:アンタに言われたかないわい。 
GM:えー,ではすでにUGNの表門まで達しました。するとですねえ(にやり)。 
晟:すると? 
遙:だだんだんだだん♪とか? 
GM:そっちだったら先に効果音が入ります。そうじゃなくて,かっかっかっ……という,それはもう! これ以上はないってくらい,エラッソー!な足音が! 
晟:…………。うわぁ。 
GM:一番会いたくなかったでしょ。 
晟:会いたくない,というかホンマに収拾つかんというか……まぁいいや。では立ち止まって,相手の顔を見ます。で,何となくわかるんだよね。似てるから。 
GM:だって自分だし。つーか,年くった自分。 
晟:ではものすごーくイヤなものを見る目で見返します。 
GM:では向こうも一瞬「おや?」という顔をしますが,すぐにこれ以上はないくらいイヤっそー!な顔をします。で,「誰だ貴様は」 
晟:貴様こそ誰だ。 
一同:(爆笑) 
遙:(ぼそっと)息子と父親。 
ユウキ:このへんに「注:」とか赤い文字が出てるぞ,きっと。矢印で「↓息子」「↓父親」みたいな。 
GM:うーん,ダメっぽいなー(笑)。楓はしばらく黙って晟を睨みつけた後で,「新条楓だが,貴様は誰だ」と返してきます。 
晟:む。それを言われるとちょっと困るな。 
ユウキ:「新条晟´だ」とか「新条楓´だ」とか。 
晟:違うだろそれは!(笑) 
GM/楓:「どうした,自分の名前も名乗れないのか?」 
晟:……今貴様にはものすごく名乗りたくなくなった。 
GM/楓:「そうか,俺は今断腸の思いで名乗ってやったんだがな。貴様は最低限の礼儀すら知らないらしいな」 
晟:…………。 
GM/楓:「…………」 
遙:(その横で)ただいま,睨み合いが続いております。しばらくお待ちください。 
ユウキ:思うんですけど,これ「不器用な親子」とかそういう範疇じゃないですね。 
遙:ねえ。 
ユウキ:欠片も心暖まらない親子ですね。 
GM:親子じゃないからね。自分どうしで会話してるわけだから。 
晟:(咳払い)そうか。今よくわかった。 
GM/楓:「何をだ?」 
晟:つまり「俺」は,15年間まったく精神的成長を遂げなかったわけだな。貴様を見ていてそれがよくわかったと言ってるんだ。 
遙:それ,自分で言っちゃおしまいなんじゃ……。 
晟:だからうるさいよ外野!(笑) 
GM:では,楓はゆっくりと腕組みしながら言います。「それで,おまえが誰かはだいたいわかった。今すぐ晟の身体から出ていけ」 
晟:…………。 
遙:出ていけって……出ていけるの? 
晟:いけないよ(笑)。いかん,今怒りのあまりうまい返答が思いつかなかった。 
ユウキ:やっぱりこいつムカツクー。わかっちゃいたが,激ムカツクー(笑)。 
GM:言い返さないんなら,もう大上段から見下ろすみたいにしてあげますけど? せっかく身長差もあることですし。 
晟:ちょっと待て! 絶対言い返してやるから……ああ,ではこう答えます。好きでこうなったんじゃない。第一,誰のせいだと思っているんだ? 
GM/楓:「俺のせいだとでも言いたいのか?」 
晟:ああそうとも。おまえがいつまでもふらふらして泪を放っておいたからこうなった,と俺は聞いたがな? 
GM/楓:「…………」 
晟:よし,一本とった(笑)。 
遙:それはいいんですが,いつまでやってんですかこの2人。 
晟:そうねえ。誰かが止めてくれるまでやってるような気がするわ。 
ユウキ:じゃあ俺が出ましょうか。 
遙:それはもっと収拾つかなくなるんじゃないの?(笑) 
GM:たぶんユウキが来ると,2人でハモって「貴様は黙ってろ!」となるのがオチのような……。 
ユウキ:いいんですよ,そこでケンカになるのが王道ですから。(いっころ)そんなわけで登場しました。おい晟ァ! 
晟:何だ貴様は。 
ユウキ:何だじゃねえ。てめえに今出て行かれると困るんだよ。 
晟:別に出て行くつもりはない。勝手に決めつけるな。 
ユウキ:じゃあここはどこだ? 外じゃねえか。逃げ出すつもりだったのか,この負け犬! 
晟:何だと!? もう一度言ってみろ! 
ユウキ:おう,何度でも言ってやる! 
遙:(慌てて)あ,すみません。私もここで登場します。あのー,すみませんが, 
GM/楓:「ちょっと待てユウキ。ここの馬鹿息子に何を言おうと勝手だがな,貴様は俺まで侮辱する気か?」 
ユウキ:ああ!? うっせえ,ジジイはすっこんでろ! 
GM/楓:「ジ……」 
遙:あのー,ちょっといいでしょーかー? 
ユウキ:30過ぎてフラフラしてんじゃねえよバァカ! 
晟:その点に関してだけは同感だな,この甲斐性なしが! 
GM/楓:「このガキども! ここでまとめて相手してやろうか!?」 
晟:やかましい! ロートルがでしゃばるな! 
ユウキ:ガキに殴られてへこんで寂しいオヤジになる時が来たようだな,このクソジジイ! 
遙:あのー。 
ユウキ:おい晟! いつまでもこんなクソオヤジと遊んでねえで,さっさと行くぞ! 
晟:うるさい! そういう貴様は何なんだ!? いきなり出てきて勝手なことばかり言うな! 
ユウキ:てめえこそぐだぐだイイワケしてんじゃねえよ! 
遙:あのー? 
晟:いつ誰が何を言い訳した!? 人に何らかの要請をする場合にはまず事情を説明しろ! その程度のこともわからん馬鹿か,貴様は! 
GM/楓:「こいつに筋道だって物事を説明するような脳味噌があるようにも思えんがな」 
ユウキ:うるせえ! てめえは黙ってろって言っただろ,このバカオヤジ! 
遙:あの。 
GM/楓:「何だと,この拳馬鹿が!」 
晟:じゃあそういう貴様は何だ,この精神年齢幼児並みのとっちゃん坊やが! 
遙:……というわけで3人の頭に氷水を降らせます。 
一同:(笑) 
GM:氷水なんだ。冷水じゃなくて(笑)。では,ざばーっと水が降ってきたあとに,こんこんこん,と氷が頭に当たります。 
遙:(小首をかしげて)あのー,ちょっとよろしいでしょうかぁ? 
GM:とりあえず皆でしーん,って感じですね(笑)。 
ユウキ:……けっ。バカらしくてつきあってられっか。 
晟:それはこっちの台詞だ。見境なくつっかかってきたくせに。 
ユウキ:ああ,何だと? てめえのせいじゃねえのかよ,この腰抜け! 
晟:何だと,このゴロツキめ! 
ユウキ:誰がゴロツキだってぇ!? 
晟:貴様の他に誰がいる。鏡でも見たらどうだ!? 
遙:あのー。 
GM:ちなみに楓は2人が言い合いしている間をすっと通りぬけながら,「ガキどもの相手はしてられん。馬鹿らしい」と呟きます。 
ユウキ:ああ!? どっちがガキなんだ,てめーなんざ30過ぎてソレだろうが!? 
GM:とか言い合いながら,ユウキは楓と中に入っていくわけですね? 
ユウキ:いや? 別にそれは……。 
GM:そーでもしないと収拾つかないでしょ〜!? 
一同:(笑) 
ユウキ:じゃあそれで退場でいいです(笑)。 
晟:私はちょっと呆然としています。で,我に返って言います。……つまり何か。俺は将来ああなるわけか。 
遙:さぁ……それは時の流れによると思いますです。つまり,彼は残念ながらああなってしまったわけですが, 
GM:「ああなった」ったってアンタ。 
遙:(無視)あなたがああなるかどうかは,これからどういう人生を送るかによると思いますし,私には何とも言えません。で,これ使ってください,とタオルを渡すのです。濡れたままだと風邪をひくのですよ。 
ユウキ:いや,アンタが水かけたんだろ?(笑) 
遙:(無視)風も冷たくなってきましたし,中に入りませんか? 
晟:あ,ああ。 
遙:水かけてしまってごめんなさいなのです。でも,表であれだけ騒ぐと迷惑になるのです。 
晟:ああ,そうだな。(GMに)ちなみに,晟が遙のことを好きだってあたりまで話されてるわけですか? 
GM:ええ,そのへんも事細かに。 
晟:そうか。……どうも今回,君に一番迷惑をかけたようだ。すまない。 
遙:いえいえ,そんなことはないのです。気にしないでください。 
晟:そこでまったく気にしないというのもあきちゃん悲しいです。 
一同:(笑) 
晟:でも今は楓だからなぁ。うーん,じゃあまともな子供に育ってよかったなぁ,とか思っていよう。 
遙:何でなのですか。 
晟:だってほら,あの2人の娘なのに!とか。 
ユウキ:もうどうしようもなくおバカな家庭で育ってますからね。 
晟:楓と泪よりはましだけどね。 
ユウキ:あれはすでに家庭じゃないですからね。 
晟:やかましわ!(爆笑) 
GM:と,オチがついたところでシーンきりましょう。 
遙:今きるですか? 
GM:そうですね,長くなっちゃったんで。 
晟:長いつーか,怒鳴りすぎて喉痛ぇ……(笑)。  |