| 
 
 
GM:では青い変形マシーンに乗って,3人は瀞南寺の後を追っています。 
晟:何かまだ熱っぽいの〜とか言ってうだってます。 
遙:あきちゃん,大丈夫なのですか?とか言って看病してますです。 
晟:遙ちゃ〜ん(←甘えっこポーズ)。 
遙:はいはい? どうかしたですか? 
晟:(真顔で)いやほら。ここはやっぱアレが基本でしょう。 
遙:ほえ? 何がですか? 
晟:膝枕とか膝枕とか膝枕とかぁ♪ 
遙:ほ,ほえ? 
ユウキ:(無言でぶん殴る) 
晟:な,何で殴るんですかっ!? 
ユウキ:うるせえ黙れやかましい!(さらに殴る) 
綾:キミ,殴られるとわかっていて何故やるかなそういうことを(笑)。 
真琴:おまえ実はマゾじゃなんじゃないのか? 
GM:そういう漫才はともかく,すげえスピードでがー,と走っていってます。ペダル踏みまくりで。超オフロードで200キロ走行です。……ちなみにそーゆー運転なんで,酔わないかどうか【肉体】で判定してください。 
晟:……ファンブル。 
ユウキ:自業自得だボケ(←当然失敗しない)。 
遙:うにゃあ。ちょっと舌噛んだですぅ(←失敗した)。 
GM:じゃあ晟は2,遙は1HPを減らしてください。さて,そうこうしているうちにさきほどお父さんと君嶋が判定に失敗したポイントにやってきました。というわけで,君たちにも判定をさせてあげよう。〈追跡〉で判定。実は目標値はそんなに高くないんだから,がんばってね。 
晟:しかし,僕ら誰も〈追跡〉はクリットしないですからね。 
ユウキ:そうなんだよな……(ころころ)と,7だ。そっちと一緒じゃん(笑)。 
晟:あ,回った! 19です。 
遙:同じく19なのです〜。 
GM:おお,すばらしい。ではまず,数台の車両と,それを追っている山崎のバギー,それから綾が乗ってるUGNのものらしいタイヤの跡です。先行している数台の車両の中で,特に深く跡が残っているのがありますね。 
晟:それはつまり,車両が重い? 
遙:武器弾薬が満載だとか? 
ユウキ:あるいは,武装した兵士がいっぱい乗ってるとか? 
GM:あ,えーと,その重い車両ってトラックですね。ほかはバンとかですが。 
ユウキ:……兵士かな。何かそんな感じ。 
晟:実は巨大二足歩行ロボットを運搬しているとゆー説も……。 
ユウキ:ねーよ。 
遙:とりあえず,このままタイヤの跡を追っていってほしいのですよ。 
GM:ええ,ところが19を出した晟と遙は気づきました。その少し先あたりで,1台のバンが全く別方向に向かっています。そして,その跡を急に方向転換したバギーが追いかけています。 
一同:…………。 
GM:つまり,トラックともう1台のバン,お父さんたちは先に言った通り,ゲートに向かっています。そのバンと山崎くんは……まぁ市外の中心部……とゆーとヘンだけど,とにかく何もないあたりに向かって走っているのです。 
綾:それ,つまり俺らが撒かれてたってこと?(笑) 
GM:さーて,どーでしょーねー? で,そっちはどうするよ。 
晟:……常識的に考えると,綾さんたちと合流するべきなんですけどね。 
ユウキ:そうか? どう考えても,ゆかりは逆の道にいるよーな気がするが。 
遙:もし別方向に向かってるのにゆかりちゃんがいたら,大変なのですよ。 
晟:うん,でもキャラクターの心は安全な道をとれと囁くのだ。そして,プレイヤーとしての心は綾さんたちと別行動をとれと囁くのだった。だってシーン別の方が楽しいし(笑)。 
綾:実はシーン制ですからね,このゲームは。最近忘れかけているけど(笑)。 
晟:それはそうと,もし通じるんなら瀞南寺さんに連絡しておきたいんですけど。 
GM:それはいいことにしよう。 
真琴:では瀞南寺さんは運転中なので私が出よう。もしもし? 
晟:あっ,真琴さん? 晟です,お久しぶりですー。 
真琴:おお,晟か。たまちゃんは元気か? 
晟:今回は留守番ですけど元気してますよー。 
ユウキ:(後ろから)枕はいいんだ枕は! とっとと話を進めろ! 
晟:ああ,はいはいごめんなさい。あのですねえ,今瀞南寺さんたちの後を追ってたんですがあ,車の跡が二つに分かれてるんですよ。 
真琴:何? 奴ら,途中で別行動をとったのか? 
晟:そのようですねえ。で,真琴さんたちはゲートの方へ向かうルートをとってるんですよね? 僕ら,念のため別ルートを探索します。そういう風に瀞南寺さんにお伝え願えますか? 
真琴:そうか,わかった。よろしく頼む。 
GM:じゃあ,二組は別ルートへ向かうということで。すると,少し行った先に,ユウキには見覚えのあるバギーが停まっていますな。 
ユウキ:じゃあ鵬也に車止めてもらって飛び降りる。山崎はそこにいるんですか? 
GM:今のところ誰も乗ってませんね。 
遙:何か手がかりは残っていないのですか? 後で来るゆーちゃんのために,何か……。 
晟:……ダイイング・メッセージが。 
ユウキ:殺してどーするよ! 
晟:いやいや,今のは冗談ですが。 
ユウキ:俺がんな冗談きいてられる気分だと思ってんのか,ああ!? 
晟:首しめなくったっていいじゃないですかー! 
GM:……『ユウキくん,後はまかせた』。 
一同:(爆笑) 
ユウキ:…………。 
GM:いやいや,今のは冗談ですが(笑)。えーと,バギーをよく見てみると,後部座席にメモが隠されていました。すげえ下手な地図を描きなぐって,「あっち」みたいなぁ。 
綾:急いでいたんならそんなもんだろ。 
ユウキ:で,そっちには何があるんだ。 
GM:ユウキはある程度知ってますが,まあ,廃ビル群があるばかりですよ。2話目で出てきたような。 
遙:それって何かアヤシイ施設があると言ってるのも同然のよーな……。 
GM:悪かったな。 
ユウキ:よし,とにかくそっちに行くぞ。(鵬也に)おいオッサン,アンタはここで待ってな。このバギーもよろしく頼むぜ。 
GM/鵬也:「任せておけ,何が来たってこのボクのサプンクルなら一撃必殺さぁ!」とか言って無駄に変形して遊んでたりする(一同笑)。 
ユウキ:そーゆー目立つ真似すんな! フツーに待て! 
GM:だって高さを気にしないでいいし。 
ユウキ:やめんとぶん殴るぞ,わりゃ!? 
GM/鵬也:「わー! そう言う前に,殴るしー!?」 
遙:(その背後で)ゆーちゃん,今日は特に怒りっぽいのです。 
晟:大事な彼女が待ってるからね,心配なんだよ。 
遙:やっぱりゆーちゃんはゆかりちゃんのことをとっても大切にしてるのですね……。 
ユウキ:(戻ってきた)か・の・じょ・じゃ・ね・え! 何回言わすんだおまえら! 
遙:にゃーっ!? 私はただ,ゆかりちゃんがゆーちゃんの大切な人だって言っただけですー! 
綾:……今思ったんだけど。 
GM:はい? 
綾:なんか子守り変わってもらえたみたいで,よかった。 
一同:(笑) 
ユウキ:…………。いや,いいんです俺は。 
綾:ほほう? 
ユウキ:今回はちゃんと体罰に訴えてますから,それほどストレスは溜まらない。 
晟:(妙な声音で)タイバツヨクナイ。タイバツヨクナイ。 
ユウキ:うるせえ黙れっ!(殴る) 
GM:……まぁ,進めよっか。とりあえず廃ビル群です。廃ビルぐんだが,人が隠れ住んでいる気配はあるね。集落のようだ。……で,その奥の奥へ進んでいくと,妙に真新しい建造物がある。それもフェンスに囲われて。 
晟:うわー,あからさまに怪しー。 
遙:こくこく。 
ユウキ:よし,ゆかりはこの中だな! とっとと中に入るぞ! 
晟:いや,そーと決まったわけでもないと思うんですけどねー……やっぱ,たまちゃん連れてくればよかったなー。こういう時こそ便利だわ。 
遙:でもたまちゃんはお留守番してるです。 
GM:しかし,ここでたまちゃんを再構成すれば! 
晟:(無視)でもここでこうしていても仕方ないですしね。行くだけ行ってみますか? 
遙:こくこく。そうするしかないと思うのです。 
GM:……一応言っておくけど,建物の窓には人影も見える。このままフェンスを乗り越えたりしたら,見つかる可能性は高いからね。 
ユウキ:しかし,他に方法もないだろ。 
綾:どうかなぁ。再構成はおいといて,手近な動物いれば《アニマルテイマー》は可能なんだけどな。 
晟:うーん,まぁ何かいそうではありますが,都合よく鳥とかいるかどうかは……。 
真琴:ぱぁん!(と,両の手のひらを打ち合わせる) 
ユウキ:それ,生命は作れねえよ。 
真琴:でもキメラとか作ってなかったか? 
ユウキ:だから複数の動物を合成して練成することは可能だけど,生命を「作り出す」のは無理。 
真琴:いや,でも……。 
晟:おまいら,根本が違う。私は錬金術師じゃない。 
真琴:ち,使えないヤツめ……。 
晟:……だぁら! 根本的に! あんたが! 間違っとるっちゅーんじゃ! 
遙:まーまー,落ち着くのですあきちゃん。で,どうするです? 突っ込んで行ったらゆかりちゃんが危険だと思うです。 
ユウキ:……よく考えたらだな。このへんに山崎のやろーが隠れてんじゃねえのか? あいつが一人で潜入したとは思えねえ。 
GM:そうすると,そのへんの隅っこから,「よくわかったなぁ,ユウキくーん!」とひそひそ声がする。 
ユウキ:じゃあ,近づいてって,とりあえず殴る。 
GM/イサム:「な,なんでっ!?」 
ユウキ:うるせえ! いるんなら手間かけさせてないでさっさと出てきやがれ! 
GM/イサム:「ひ,ひどいよユウキくん……(しくしく)」 
晟:……えー,とにかく無事でよかったですね,山崎さん。 
遙:怪我したって聞いたですけど,大丈夫なのですか? 
GM/イサム:「ああ,大丈夫大丈夫。こんなのいつもユウキがボクにする仕打ちにくらべれば,もーぉ屁のカッパって感じっすよ!」 
晟:いやもうまったくその通りで。 
ユウキ:(とりあえず殴る)で? ゆかりの居場所は見当ついてんのか。 
GM/イサム:「ああ,それなんだが……すまなかった,ユウキ。ゆかりちゃんを守れなくて……」 
ユウキ:ああ,それはいいんだ。戦うのがおまえの仕事じゃねーからな。 
晟:そうそう。戦うのは殴るしか能のない人に任せておけばいいんです。 
ユウキ:おまえもいいかげん黙れよっ!?(さらに鉄骨スイング) 
晟:みーっ!? 
遙:えー,まぁ……話を進めてほしいのです,山崎さん。 
 
 というわけで山崎の話を進めると……。 
 ゆかりが乗っていたのはやはり3台のうち,別ルートをたどった(つまりこちらに来た)バン。彼は撒かれずに追跡を続けることができ(通信傍受の危険性があったので,急にルートが変わった時も瀞南寺に連絡できなかった),バンが建物の中に入っていくところまでは見届けた。他の車がどこへ行ったかまではわからない。 
 
綾:こっちルート,ただの陽動だったりしたらどうしよう俺(笑)。 
GM:それはどうでしょうね〜。で,3人はどうする? 
ユウキ:とにかく,ゆかりがここにいることは間違いないわけだな。だとしたら,潜入しかない。 
晟:どうやって? 僕,〈隠密〉とか自信ないですからね? 
ユウキ:どこかで騒ぎを起こして,その隙に忍び込むしかないだろうな。 
晟:その騒ぎを,誰がどうやって起こすんですか。爆弾でも仕掛けます? 
遙:さっきのサプンクルに暴れてもらえばいいのでは? 
一同:(爆笑) 
晟:すばらしい! ナイス作戦だ遙ちゃん! 
ユウキ:よしよし,誉めてやるぞ! たしかにあれほど人目をひくものは,そうそうないな! 
真琴:それは,ストレンジャーズとかが取り締まりにくるのでは……。 
ユウキ:問題ない。追っ手を引きつけながら,逆方向に逃げてもらえばいいんだからな。 
GM:(笑い転げていた)……おっけーおっけー。では鵬也と山崎に陽動してもらって,敵がきたら反対方向に逃げるってことで,作戦は決定だな? では,ここでシーンをきります。  |