第四話 哭沢女(なきさわめ)


GM:さてさて。そのナゾの生き物は京一に向かって口をかぱかぱ開け閉めしている。ひょっとしたら、何か言ってるのかもしんないけど……。
京一:なんて?
GM:のんびり観察する? じゃあまた水の中に引き込ませていただくが。
京一:だー! ひとまず桟橋の方へ戻るっ。
GM:水の中だから、行動には−10%くらいつけてもらおか。しかも泳ぎながら木刀は振るえんね?
京一:そもそも今持ってない。
竜深:はーい。預かってまーす。
京一:とにかく泳ぐ。それが一番安全とみた。
GM:えー、一応敏捷性申告してくれる? 25? それは勝負にならんな。では、桟橋に泳ぎつかれてしまったことにしよう。ナゾの生き物はあなたを追わずに、ちゃぽちゃぽ波間に浮かんでいる。で、じー……と君らを見つめてから、ちゃぽん。
晴華:あ、逃げた。
竜深:何だったんでしょうね、今の?
京一:俺にわかるかい。
GM:那美さん、そこでふっと卒倒。
竜深:危ないです危ないです。受け止めます。
GM:直感チェック。+20で。
竜深:(かわいく)それでもダメ。
GM:何ぃ? 他の2人、ボーナスなしでは?
晴華:成功しました!
GM:あ、そう。それでは、那美さんが倒れる間際、「お兄様……」と呟いたような。
晴華:は?
竜深:今のが?
GM:だから、どーしてそういう方向に話を持っていこうとすんねん!(笑)
晴華:冗談はさておき、那美さんのお兄さんって……。
GM:濤哉さんだね。
如月:それで思い出したけど、GM。僕はいつまでこうしていればいいんだろう?(笑)
GM:ご、ごめん、ちょっと待って。何としてでもここでこいつらを島へ送らねば。
京一:島送り?
竜深:島流し。
晴華:遠流。
GM:連想ゲームやってるんじゃねーつーの!
晴華:(冷静に)そうですねぇ。とりあえずボートの中を調べてみましょう。京一さんが押して戻ってきたのですよね?
GM:中にあるのは、沙織ちゃんのサンダルと貝殻。ネバネバは多少とれてるかな。
京一:そのネバネバって、さっきの奴の?
晴華:そうじゃないですか?
竜深:とゆーことは、ちゃぽんな人がネバネバなのですね。
GM:はい?
竜深:沙織ちゃんが乗ってってー、その後に貝殻とサンダルがあってー、ちゃぽんな人がネバネバ。
GM:だぁぁ! 人間の言葉をしゃべってくれぇ!(絶叫)
晴華:……(努めて冷静に)ここで考えていても仕方ありませんし、このまま島へ行ってみませんか。沙織ちゃんが心配です。

 で、その前に那美さんを宿の人に預け、準備オーライで逗留組が磯城島へと向かう。もちろん、GMが「いいから早く島へ行ってよー」と泣きついたからにほかならぬ(笑)。
 やれやれ。 
 しかし、やはりできるだけ楽をしたいのが人情というもので……。

 
竜深:では、行きましょう!
晴華:……どうやって?
京一:やっぱあのボートつかわなきゃダメ?
竜深:でもきょーちゃん、漕ぐの大変ですよ。女の子2人乗せて。
京一:あ、やっぱ漕ぐの、俺?
竜深:こくこく。
晴華:この桟橋に他に船はないんですよね? 波止場に行って、渡る船がないかどうか見てくるとかどうです?
竜深:だったら、亀さんに電話して迎えにきてもらえばいいのでわ。
京一&晴華:なるほど。
如月:(横から)頼む。壬生にかけてくれ。竜深さんと話をする場合には、どうしても通訳が必要なんだ(←マジ)。
一同:(笑)
壬生:(携帯にでるポーズ)……はい? 僕だけど?
竜深:もしもし紅葉、おはよー。
壬生:おはよう。
竜深:これからそっちへ行きたいんですけど、古いボートしかないんです。
壬生:うん。
竜深:お迎えに来てください。
壬生:(少しの間)如月さん、竜深がこっちに来たいので、迎えをよこしてくれと言ってます。
如月:……何しに来るのか訊いてくれないか。
壬生:竜深、何のために来るんだい?
竜深:あのですねー、沙織ちゃんが古いボートに乗ってったんですけど、貝殻とサンダルしかなくて、しかもちゃぽんな人がネバネバなんです。
壬生:…………。
竜深:沙織ちゃん、心配です。探しに行かねばなりません。だからお迎えよこしてください。
壬生:(また少しの間)如月さん、沙織ちゃんとやらが古いボートでこの島に向かおうとして、行方不明になったそうです。竜深たちはそれを探しに行きたいと。
如月:……沙織ちゃんって、誰だい?
壬生:竜深、沙織ちゃんというのは誰だい? 安曇家の関係者か?
竜深:(GMに)でしたよね?
GM:濤哉さんの姪っ子。
竜深:(壬生に)だそうです。
壬生:(如月に)だそうです。
如月:……よくわからないが、それはこっちから捜索隊を出せとかいう問題であって、竜深さんたちが島に来たいことの理由にはなってないぞ。第一、その沙織ちゃんって子が本当に島に来たかもわからないんだろう?
竜深:そこを何とか。
如月:そう言われても、僕は仕事でここに滞在させてもらってるんだぞ。そんな勝手な真似はだな。
壬生:と、いうことだが(←律儀に通訳している)。
竜深:でも那美さんに頼まれたんですよぉ。
如月:……わかった。とりあえず頼んではみるから、ちょっと待ってくれ。
GM:誰に頼む?
如月:やっぱ汐里さんかな。
GM:(意地悪く)「かくかくしかじか」は禁止な。ちゃんと説明してくれ。
如月:ええ? じ、実は安曇さん。姪御さんの沙織さんがボートでこちらに向かう途中、行方不明になったそうです?
GM/汐里:「本当ですか?」
如月:ええ、それで「ふじさわ」に滞在している僕の友人が、那美さんに頼まれて、沙織さんを探しているそうなんです。
GM/汐里:「ええ。それで?」
如月:(焦って)それで彼らがこちらに来たいので船をよこして欲しいと……ええい、やっぱどう考えても変じゃないか!(笑)
GM:汐里さんは怪訝そうに「何故この島を探されるんです? 沙織は確かにこちらに来たのですか?」と言っている(笑)。
如月:うーん……。
GM:さてさて。そんなことを話していると、襖がぱしーんと開く。
如月:は?
GM:立っているのは、君らと同い年くらいの男の子。
如月:えーと、僕らは知らない顔ですよね?
GM:ですね。潮生くんです。「沙織を見たのか! 本当か!」と如月さんの胸倉を掴もうとするけど……大人しく掴ませる?(笑)
如月:避けるに決まってます。
GM:ではご期待通り、勢い余ってどべしゃとすっころんであげよう。
如月:……大丈夫かい?(一同笑)
GM/潮生:「お、おう。それより沙織がどうしたって?」
如月:僕もよくは知らないが、ボートでこちらへ向かう途中、行方不明になったらしいな。
GM/潮生:「大変じゃねえか! よっしゃ、船のことなら俺に任せな!」と言うや否や、だだだっと駆けて行く(笑)。
如月:……汐里さん、彼は……。
GM/汐里:「お騒がせして申し訳ございません。あれは潮生と申しまして、私の従弟にあたります」
如月:いえ……というより、彼は本当に船を出す気なんですか……?
GM/汐里:「どうでしょう、思い立ったらきかない子ですので……私もちょっと見て参ります」
如月:……お願いします。と言って、僕は竜深に電話しよう。
竜深:はいはい。お船、出ます?
如月:よくわからないが、出るらしい。今潮生とかいう子が飛び出していった。とりあえず波止場で待機していてくれないか。
竜深:はいです! (京一たちに)波止場に船が来ます。
一同:(爆笑)
晴華:竜深さん、お願いですから前後の事情を説明していただけませんか?
竜深:亀さんがお願いしてたら、潮生くんがだーっと走っていって、船が来るそうです。
晴華:…………。
京一:……とにかく、波止場で待ってればいいんだな?
GM:では、ぼーっと波止場で待ってると、ホントに船がやってくる。船から飛び降りてきた潮生くんが、「何だてめえら、沙織の居場所知ってたんじゃねえか!」
竜深:えー、だって見てないとは言っ……た。
一同:(笑)
晴華:……竜深さん。
GM:正確には「見てないと言った」ではなく、「見たけど黙ってた」だけどね(笑)。
竜深:ごめぇん潮生くん、言うの忘れてたのぉ。
晴華:蓬莱寺さん。後は任せましたからね。
GM:潮生くんも助けを求めるような目で京一を見てるが(笑)。
京一:え? えーと、つまり、朝竜深が桟橋にいた沙織ちゃんを見たんだそうだ。その後みんなで探しに出たら、ボートが漂ってて、その中に沙織ちゃんのサンダルがあったんだって。だから、島へ行こうとした時に何かあったんじゃねーかなー、とそれくらいなんだが。
GM:船を操縦してきた男が「ずいぶん不確かな話ですなぁ」と馬鹿にしたように笑う。
竜深:おまえに言われたかないや、ばーか。
晴華:子供ですかあなたわ。
竜深:人肉商売屋のくせに……
京一:(慌てて)口ふさぎます!

 
話は混乱したまま、船はなし崩しに磯城島へ。
 基本的に「ボートで行ってもらう」をシナリオの基本軸としていたつもりだったのでこーなりました。やれやれ。
 潮生くんでは埒があかん、ということで到着そうそう怖いお姉さんの尋問を受ける3人。
 しかし竜深ちゃん強し。


GM/汐里:「で? 一体何のためにこの島へいらっしゃったのですか?」
竜深:ですからぁ、沙織ちゃんがボートに乗ってこの島へ来ようとしたらしいんですよ。それで探しに来たんです。
GM/汐里:「……それだけですか?」
竜深:捜査はアシで行うのです。可能性のありそうなところは全部調べるのです。
GM/汐里:「で、それを何故あなたがたが?」
竜深:女将さんに探してくださいって、頼まれたからです。
GM:……(頭を抱えている)魅力で判定してみてくれる?
竜深:(ころころ)おや? 99です。
一同:(爆笑)
GM:……何故狙ったように99を出す。
竜深:そう言われましても、これはどう見ても99ですよ。
京一:他人事のように言うなって……。
晴華:なんかもー、どーにでもなれってカンジですね。

 
いやはや、晴華ちゃんのおっしゃる通りです。
 結局、呆れた汐里さんは、「夕方までにお帰りくださいね」と厳しい一言を残して立ち去ってしまわれました。残された3人は、潮生ちゃんに追いたてられて離れの一室へ。


GM/潮生:「ちょっとおまえらの友達呼んでくるからよ。大人しく待ってろよ」
竜深:沙織ちゃん探さなくてよいのですか?
GM/潮生:「沙織がこの島に来るとしたら、行きそうなところ俺知ってんだ。でも汐里姉とか濤哉さんに見つかるとマズイからよ。頼むから大人しくしててくれよ」
晴華:何故見つかるとマズイんです?
GM/潮生:「行けばわかるって」
竜深:いいです。とりあえず、亀さんたち連れてきてください。
GM/潮生:「おうっ」と言ってまただーっと。では若旦那、お待たせしました。
如月:お待たせされました。おや、どうかしたのかい。
GM/潮生:「亀さん、あんたらのダチが来たぜ」
一同:(爆笑)
如月:(すんごく怖い声)君にまで亀呼ばわりされる覚えはない。
GM/潮生:「え? え? だってあんたのダチが亀さん亀さん言うもんだから、俺てっきりそういう名前なのかと……違うの?」
如月:ほほう? 誰が言ったって?
壬生:(すまして)僕は如月さんと呼んでますよ。
如月:村雨。
村雨:(そっぽを向いて)習慣ってなァ、怖えよな。
GM/潮生:「とにかく、か……じゃなかった。如月さん、だっけ? 俺あいつらの話きいたんだけどよぉ、何か要領得なくてさ。ダチだったらあいつらの言ってることも解読できるんだろ?」
壬生:解読。
如月:しかし言い得て妙。
晴華:一緒にされてるかと思うと私はすごく心外です。
如月:壬生。後は頼む。
壬生:また通訳ですか。
GM:ではようやく全員集合と言うことで。
一同:…………。
GM:黙るなよ(笑)。
如月:言いたいことはものすごーくあるような気がするんだが、何から言ったらいいものやら(笑)。
晴華:今のうち村雨に恨み晴らしとこうかなとかも思ってますし。
村雨:おい。
如月:まあいい。とりあえず話をまとめよう。その前に、潮生くん。身内の話もあるので少し席を外してくれないか。
GM/潮生:「え?」
如月:すぐ済む。それと、沙織さんのことになったらちゃんと呼ぶから。
GM/潮生:「わ、わかった。じゃあ向かいの部屋にいるからよ」
如月:すまないね。……さて、まず他人に聞かれてまずい話からいこうか。壬生、君はここに何をしに来たんだ?
壬生:いきなりそれを訊きますか。
如月:その沙織さんという娘とは関係ないんだな、ということを訊きたいんだが。
壬生:多分ね。竜深、沙織さんはボートからいなくなったっていうけど、誰かにさらわれたような形跡はあるのかい?
竜深:んーと、ねばねばでちゃぽんな人に何かされた可能性も否定できません。
壬生:……さすがに通訳不能なんですが(笑)。
晴華:ボートが漂ってたあたりで、京一さんが半魚人みたいな生き物に襲われたんです。ひょっとしたら、そいつが沙織さんをさらったのかも知れないんですけど……。
如月:何? 詳しく説明してくれないか?
京一:詳しくと言われても、半魚人?としか言いようがないような……。
竜深:亀さん、そーゆーの詳しくないんですか? 同じ水関係の人ですけど。
如月:あのねえ。見てもいないものを判断できないよ。
晴華:は。そう言えば私、「オカルト知識」なんて技能を持ってましたね。
京一:最初からそうしてください。
晴華:(ころころ)2コ回りました。威力は33です。
GM:んー、何と言ったらいいかなあ。あれはアズミと申しまして、日本在住の半魚人。
晴華:まんま、ってカンジですね。
GM:いやあ、そう言われてもなあ。他に何訊きたいの?
竜深:群れ作ってんですか?
GM:そうですね。たまに海流に乗って世界の海を回遊したりします(笑)。
如月:人間襲いたがるような生き物なんですか?
GM:人間とは特に敵対していないし、人間を食べたりするシュミもない。ちょっかいかけなければ何にもしない、というのがスタンスかな。人間とお友達になって、贈り物をくれたりするケースもあるそうな。
京一:あれ? でも昼間は……ああ、そう言えば「襲われた」かどうかはわかんないな。
竜深:足掴まれただけですもんね。
GM:他には?
晴華:あの貝殻と半魚人さんの関係は? 確か沙織さんはこの辺じゃ採れない貝殻を持ってたんですよね?
GM:そうね、貝殻ってのは彼らにとって、最も価値の高い贈り物のひとつだ。
竜深:……沙織ちゃんってば、ねばねばちゃぽんな人と仲がいいんじゃありませんか?
如月:どうもそうみたいだな。まさか彼らの商品になってるってことはあるまいが。
京一:そりゃヤバイっしょ(笑)。
GM:さてさて。そろそろ潮生くんを戻していいだろうか?
如月:そうだな。どうもこのままじゃ話が進みそうもない。
GM:では、如月さんが廊下に出ると、潮生くんが歩いてくる。
如月:あれ?
GM:ちなみに右手を抑えていて、どうも流血しているよーだ。
如月:潮生くん? どうかしたのかい?
GM/潮生:「悪ぃ、俺じっとしてらんなくて。外の様子見てきたんだけど、ちょっとドジっちまって……」
如月:ドジったって、誰かに何かされたのかい?
GM/潮生:「違うよ。金網引っ張っただけ」
如月:……は? 金網?
GM/潮生:「……うまく説明できないんだけどさ。一緒に来てくんねえか?」
如月:どこへ。
GM/潮生:「岩場だよ」
如月:僕たち全員でかい?
GM/潮生:「人手は多い方がいいんだ。もっとも汐里姉とかに見つかったらヤバイけど」
如月:君ねえ、はっきり言って竜深さんのこと言えないぞ(笑)。もう少し要領よく説明してくれないか。
GM/潮生:「え? えーと、つまり……」
如月:潮生くん。協力してほしいと言うからには、そちらもそれなりの手札を見せてくれなければ困る。わかるだろう?
GM/潮生:「う、うん、わかったよ。(声をひそめ)実は俺と沙織が行こうとしてたのって磐戸の中なんだ」
如月:何? あそこは立ち入り禁止だと聞いたが?
GM/潮生:「そうだよ。だけどあの辺妙な穴が多いだろ? 俺と沙織が偶然磐戸に通じる抜け穴を見つけたんだ」
如月:濤哉さんや汐里さんは、そのことを知ってるのか?
GM/潮生:「知らないはずなんだ。でも、今見に行ったら穴が塞がれてて」
村雨:それ、もしかして……。
如月:昨日村雨の落ちた穴?
一同:(爆笑)
村雨:それでもう行く気なくした(笑)。
如月:いない人間が口を挟むな馬鹿者。で、潮生くん。沙織さんが磐戸にいるのは確かなのか?
GM/潮生:「沙織がこの島で用のあるとこっていったら、磐戸しかねえんだ」
如月:一体何の用で?
GM/潮生:「…………」
如月:言いたくないのかい?
GM/潮生:「……行けばわかるよ」
如月:仕様のない人だな。……では、彼を部屋に連れてって、沙織さんのいる場所に案内してくれるそうだが、どうする?と訊きましょう。
竜深:沙織ちゃんがいるなら、行きましょう(きっぱり)。
如月:あのね竜深さん。他に訊くことはないのかい?
竜深:沙織ちゃんいます。助けます。連れて帰ります。何か問題が?
如月:……いや、いい。
晴華:……面倒くさいから、沙織さん助けてさっさと帰りましょう。

 
それでいいのか、君ら。
 いや、松井も面倒くさくなってたから、ここでゴネられてたら困ったけど(笑)。 


GM:ではこそこそと彼の後をついて昨日の岩場に。で、昨日村雨が落ちたまさにその穴が、金網とかで厳重に覆われてる。
竜深:……落下防止?
一同:(笑)
GM/潮生:「だからぁ! あんたらのせいで昨日汐里姉にバレて、立入禁止にされたんだけど!」
竜深:今のは冗談です。それはそーと、梯子はどうしました?
GM:撤去されてますよ。
竜深:ですよねえ。
京一:じゃあ、落下?(笑)
GM/潮生:「その前に金網外そうぜ。オイ、あんたいいもん持ってるじゃん」
京一:俺の木刀か、ひょっとして。
晴華:梃子の原理とか?
京一:折れたらどうすんだ(笑)。
如月:大丈夫だ、蓬莱寺。折れてもちゃんと僕が手配してやるから。
京一:それって「あげる」? それとも「売ってやる」?
如月:訊くまでもなかろう。生活かかってるんだから。
京一:この守銭奴亀。
如月:今、何か言ったか?
GM/潮生:「おいおい。つまんねえケンカしてねーで、とにかく早いとこぶっ壊そうぜ」
如月:ほう? 誰のためにやってることだか、わかって言ってるんだろうね、潮生くん?(←怖い)
GM:それはともかく(笑)。判定としては普通に攻撃して威力だしてもらおう。事故値以上が出たら折れるということで(笑)。
京一:(ころころ)判定は成功。威力は25。
GM:充分でしょう。じゃ、がらんがらんと大きい音をたてて吹っ飛ぶ。
京一:……げ。
GM:(たっぷり間をもたせて)……誰か来る気配はないようだ。
竜深:……さて、落下しますか。
一同:何でだ!
京一:落下じゃないの! 降下なの!
竜深:しかし、どうやって降りるですか。
如月:飛び降りるしかないだろう。どれくらいの被害が出るかはわからんが……。
晴華:試しに村雨突き落としますか。
村雨:何でだ!
晴華:冗談ですよ。
村雨:ぜんっぜん冗談に聞こえなかったんだが?
GM:と、ここでみかぴーの天の声が。「日ごろの恨みを晴らす時ですよ、晴華」
一同:(爆笑)
村雨:どっからしゃべってんだテメーは!
晴華:と、言うより! 一番恨み晴らすべきなのは誰だと思ってんですか!
GM/御門?:「は? と言われましても、私は今そちらにおりませんのでねえ。村雨を生贄、もとい代理として差し出しましょう」
一同:…………。
GM/御門?:「おや、皆さん怖い顔ですね」
村雨:用がないなら帰れ。
GM/御門?:「失敬な。せっかくこんなものを用意してあげたのに」というと天からロープが降ってくる(笑)。
一同:だから、何でだ!
GM:はい、さすがにそれは冗談です(笑)。じゃあ潮生くんが「そーいや俺、ロープ持ってきてたんだ」
京一:早く出せ!(殴る)
如月:(頭を抱えている)……わかった。もう何でもいいから、とっとと話を進めよう。まず、誰か1人力のあるのが降りる。で、もし誰かが手をすべらしたら受け止める。最後はロープを支えてる人間がいないから、一番敏捷性の高いやつが飛び降りる。これでいいな?
晴華:はっきり言って運動苦手ですよ私。
如月:だから晴華さんは二番手。壬生が最後ね。
壬生:はいはい。
如月:一番手は……蓬莱寺か、やっぱり。
竜深:でもね、上でロープを支えてる人も必要なんですよ?
京一:じゃあ村雨行けよ。
村雨:俺、強さは高くないんだが?
京一:だって俺、村雨受け止めるのだけは嫌だから。
一同:(爆笑)
村雨:どういう意味だ。
如月:そういう意味だろう。
GM:そういや一番体重重いしね、この中で(笑)。

 
と、いうわけで降りる順番でひたすらモメ続ける一行である。
 この際、汐里さんとか濤哉さん通りすがらせるべきだったかしらん(笑)。
 結局、村雨が一番手で……20%ついたにも関わらず、見事失敗。その次が晴華ちゃん。

晴華:あっ!
GM:どした?
晴華:考えてみれば、スカートなんですが!
一同:(笑)
京一:村雨、実は役得?(笑)
村雨:何でもいいから、早よ降りてきやがれ。
晴華:……では、まず錫杖投げ落とします。
京一:ひでえ!(笑)
村雨:てゆーか、そんなん持ってきてたんかい!
GM/御門?:「日ごろの恨みを晴らす時ですねぇ、晴華。ふふふ」
村雨:おまえはうるさい!
晴華:では次本人が……(ころころ)あの、村雨。88なんですが。
一同:(爆笑)
GM:村雨、恨み晴らされたくなかったら受け止め。強さで。
村雨:(ころころ)……77。
一同:(さらに爆笑)
GM:何やってんだよぉ(笑)。では、どっちかが2D6を振ってくれ。あ、いや、違うな。下敷きになった村雨の方にダメージがいくべきだろう。
村雨:(ころころ)回った。……また回った。21。
一同:(大爆笑)
GM:2人してファンブルしてるから、ダメージ倍とかいっとく? 42?
一同:(転げまわって笑う)
晴華:あの、GM。命運打消しでおっけーですか?
GM:いいことにしよう。いやぁ、しかしサイコロの神様ってば……。
京一:御門の呪いじゃねえの?
GM/御門?:「ふっふっふ……」
村雨:うるせえ! 出てくんな!
竜深:竜深落下しまーす。(ころころ)落下。
GM:たいがいにしろよ、あんたら!

 
とゆーか、ロープある場合はファンブル以外成功、とかにしとけばよかったかも……この前も同じことをやった気がするな松井……皆さん、確率計算はきちんとしましょうね(笑)。
 いや、どっちにしろサイコロ運悪すぎるぞ君ら。


竜深:じゃあ村雨さん下敷きにしたまま正座して。……ねえさめさん、ぱんつ見ました?(笑)
晴華:そこで自分もスカートだったことを思い出したので、こづいてやりましょう。げしげし。
京一:(しみじみと)村雨……哀れな。
如月:今ならとどめさせるな。(ころころ)僕は成功。
一同:おー(拍手)。
竜深:忍者ですから。こうしゅたっ、と(ポーズをとる)。
如月:……それはグ○コのマークだ!
一同:(爆笑)
晴華:よかったですねー……森○のマークで降りてこなくて。
如月:手から降りろってんですか!

 
話、進まないですね(笑)。
 結局、その次に降りた潮生は何故か成功。さらに何故か京一が失敗。


GM:で、受け止めは? 潮生ちゃんに期待するなよ。
晴華:私もですよ。
竜深:誰がやってもそれなりにイタイですが、とりあえず敏捷性の一番高い亀さん、どーぞ。
如月:(眉間に皺を刻みつつころころ)……成功。
竜深:……お姫様だっこ?
一同:(大爆笑)
竜深:やっぱりきょーちゃんと亀さんって……。
晴華:昨日もあんなことやってましたね。
竜深:あたしというものがありながら……不潔ですぅ……。
如月:(冷ややかに)蓬莱寺、君が責任をもって竜深さんの誤解を解けよ。と、言いつつ床に投げ捨てる。
京一:…………。
GM:最後壬生。ロープの恩恵なし。
竜深:ロープをクールに下へ投げ落として。
GM:それでコケたら笑うよな。
壬生:(ころころ)ふ、ボクの華麗な技を見せてあげましょう。
一同:おー。
晴華:じゃあ今度は○治ということで。
一同:すげー!(再び大爆笑)
壬生:……やりませんって。

 
だから話を進めようぜ(おまえもだ>松井)。
 しかし、グリ○、○永、明○のポーズって、年少の方わかりますか?
 ここで『エイリ○ン通り』思い出す松井も若くないなあ……。


GM:さて、こないだ村雨が落ちた時と同じで、横穴が続いております。
如月:中、暗いの?
GM/潮生:「あ、こんなこともあろうかと懐中電灯持ってきたんだ」って奥義こんなこともあろうかと!を2回も使ってしまったよ(笑)。
晴華:潮生さんが用意とかする時間くれなかったんじゃないですか。
竜深:誰が一番先頭? どれくらい広い?
GM:1人くらいしか並べない。とゆーか潮生くんが先に行くに決まってるよ、道知ってんだから。
竜深:あ、そーか……じゃあ殿は亀さんで……。
GM:……ダンジョンじゃないんだから、そんな厳密に並び順決めなくったってと思うんだけど。
一同:いや、ついいつもの癖で(笑)。
GM:気持ちはわかるけどね。では、背の高い人たちは少々苦労しながら横穴を進んで行く。だんだん潮の香りがきつくなってきて、奥の方から波の音が聞こえてくる。
如月:奥の方から?
GM:そう、奥の方から。で、光が差しこんでいるところを曲がると、かなりひらけたところにでます。天井も高い。で、奥の方がぽっかり穴になってて、そこから海が見える。
如月:ひょっとして、崖の途中にあるの、この洞窟。
GM:そうですね。さて、周囲を見まわして見ると、確かに何やら神事を行うってな注連縄だとか紙四手とかあって、その奥が垂れ幕でしきられてる。潮生くんがそっちの方向に駆けてって、「おーい、沙織ー! 佐和女ー!」と。
竜深:……さわめ?
晴華:いたっけ、そんな人?
GM:いや、初出場。で、垂れ幕の向こうから、沙織ちゃんがぴょこっと顔を出す。
竜深:あ、沙織ちゃん。
GM/沙織:「皆さんどうしてここに?」
京一:沙織ちゃん探しに来たんだって。 
GM:沙織ちゃんは困ったような顔で潮生くんを見る。で、彼女が垂れ幕をまくると、向こうにもう1人、女の子の姿が覗いている。これがまあ、すっごい美少女。真っ黒な長い髪に真っ白な肌の、いわゆる和風美人。
如月:……あなたが佐和女さん?
GM:反応なし。
如月:は?
GM:ちなみにこの人、すっごい目が虚ろで焦点あってないんだわ。
如月:……潮生くん。説明してもらおうか?


 
若旦那、目が怖いんですけど……。
 さて、やっとヒロインその2が登場したところで、次回に続く。