第弐話 磯 城(しき)


GM:と、いうわけで旅館「ふじさわ」につきました。少し古めかしいけど、中々立派なお宿ですね。
如月:ほう。
GM:ただし他のお客さんが泊まっている気配がありません。土産物屋なんかもあるんだけど、それはシャッターが下りてます。それはそうとおいしい夕食もいただいて、星の見える露天風呂なんかもあるしさ。
一同:おおーっ(拍手)。
GM:で、部屋割りなんだけどとりあえず2人部屋で。「お嬢様がたはご一緒ですよね?」
晴華:私はそのつもりですけど……(竜深を見る)。
竜深:(京一を見る)……ちっ。
GM:おい、何だその「ちっ」は。
竜深:え? 気のせいです気のせい♪
京一:まったくこの娘は……。
村雨:(京一に)やーい、生殺し。
一同:(苦笑)
如月:……それはともかく、僕たちの部屋わりは。
一同:(何故か議論が始まる)
GM:あの、話の筋には影響がないんで、とりあえず適当に……。
一同:(グーパーをしている)
GM:で、決まった?
竜深:(聞いていない)とりあえず京一と壬生は一緒にしちゃまずいんだ。亀さんと京一は?
如月:(嫌そうに)ええ? 蓬莱寺と?
京一:じゃあ壬生と如月。で、俺と村雨。
晴華:やっと決まりましたね。
GM:(つくづく脱線するなあ)では、仲居さんが「女将は少々臥せっておりますので、私がお世話をさせていただきますがご了承くださいませ。お夕食がお済みでしたら温泉にでも……」
竜深:やったーっ、露天風呂ぉっ♪(一同笑)

 自分から脱線のネタを提供しているあたり、松井も地雷踏みなGMである。

GM:……盛り上がってるね、竜深ちゃん。
竜深:晴華ちゃんさそって露天風呂に行くです。とりあえずお星様の見える温泉で♪ ゆったりのんびり♪ 「かっぽーん」って♪
京一:ひたってるしこの人。
竜深:ああ温泉♪(←嬉しそう)
晴華:そんなにいいものですか?
竜深:いいものなんですぅ♪
晴華:ではせっかくですから堪能してゆきましょう(笑)。
GM:で、京一。
京一:ん?
GM:覗きに行くの?(一同笑)
京一:(しばし遠い目)いやあ……なんつーか……入ってる人間わかってるからなあ……。
GM:晴華ちゃんは?
京一:アレはマジでやばそう(笑)。
竜深:でもやだよね、覗いたら「スネ毛」とか出てきたりして……。
一同:(爆笑)
京一:ここでスネ毛とかいったらこの野郎どもじゃねーか!
村雨:こっちだって見たかねーよ(笑)。
如月:どーでもいいが、宿の人に迷惑だ。さっさと入るぞ。
村雨:(ぼそっと)じーさんは長風呂だから……。
如月:(冷たく)何か言ったか?
村雨:いや別に。
GM:じーさんは長風呂だから、だって。
如月:(村雨を睨む)
村雨:と、誰が如月に言ったんだよ?
GM:うむ、天から御門の声がだね(一同爆笑)。
村雨:アイツ、どんどん人間から外れていきやがる……。
如月:(ため息)あー、もうどうでもいいからさっさとお湯をいただこう。
GM:でね如月さん、明日の朝10時に先方が船で迎えに来るって。
如月:朝食は何時くらいかな?
GM:朝の8時くらいでしょう、多分。早いかな?
竜深:若旦那は平気。朝の6時からチラシちぇーっく!な方だから(笑)。
如月:君たちは僕を一体何だと思っているんだ。
竜深:亀さん。
GM:まあまあ(笑)。それはともかく、紅葉ちゃんに電話だ。
壬生:紅葉ちゃんってねえ……館長からかな?
GM:携帯がぶるるるっと震えたかと思うと(←万年バイブだから)、ディスプレイに「なる☆なる」と表示があったり(一同笑)。
壬生:――誰だ、こんなことするのは。
竜深:はあい、多分館長御自らだと思いまあす。
晴華:やっぱり壬生さんに隠れて「なる☆なる」とか入力してるんですね。
壬生:この番号からすると館長なんだろうが……少し席を外してから電話にでます。
GM/鳴瀧:「ああ、紅葉かね」
壬生:はい。何かありましたか?
GM/鳴瀧:「追加情報だ。村橋は現在下田にはいない。沖合いの磯城島に安曇家という旧家があるが、そこに投宿しているようだ」
壬生:やっぱり。
GM/鳴瀧:「島自体が個人所有なので、渡る手段が探しにくいとは思うが、健闘を祈るよ。なお、この回線は自動的に……」
壬生:(冷たく)そのまえに切ります。
GM:あっ。
竜深:鳴瀧さんの方でちゅどーん、とか言ってたりして……。
壬生:とりあえず登録名を「鳴瀧館長」に戻しておこう(一同笑)。
GM:では、何もなければ明日の朝なんだけど。何かしたいことのある人は?
如月:はい。朝の6時に皆を叩き起こします。
一同:ええ?
GM:あの、如月さん。6時ですか?
如月:やっぱり他所様のお宅に伺う時は、余裕をもって行動しなくては。
晴華:余裕もちすぎですぅ。
村雨:これだから年寄は朝が早くて……。
如月:(無視)皆が安曇家に来るかどうかは知らないが、念のためな。
壬生:あ、如月さん。同室だから僕を一番先に起こしますよね? 安曇家に行くって話、します?
如月:えーと、まだ誰にもその話してなかったっけ?
竜深:多分。
如月:そうだな。1人で黙って行くと、「何で話してくれなかったのぉ」とか怒る連中も出てくるだろうし。
壬生:うーん。如月さんからそれ聞いてちょっと考えています。
如月:とりあえず、起こすの手伝ってくれるか、壬生?
壬生:――それはいいんですけど、安曇家に行くにしても早くないですか?(笑)
如月:本当は7時でもいいんだが、どうせ起きるのに1時間くらいかかるだろう。
壬生:はあ……。
GM:「起こすの手伝う」はいいけど、女の子たちは?
如月:それはさすがに仲居さんに頼む。
壬生:だとすると、あと1部屋だけなんですけどね(笑)。
如月:では、僕が蓬莱寺を起こすので君は村雨を頼む。
壬生:だから分担するほどのことなんですかってカンジなんですけど。
竜深:さめさんって、ある意味京一より起こすの大変そうだよね。
壬生:(ため息)まあいざとなったら蹴りこ……。
晴華:――え?
村雨:おい、ナンか今聞き捨てならないこと言わなかったか?
如月:蹴り「こ」って何、「こ」って。
壬生:いえ、いざとなったら蹴り起こす、ということです(笑)。
GM:じゃあまず京一、起きるかどうか知力で判定してみようか?
京一:(←しつこいようだが実は壬生プレイヤー)え? それひょっとして「起きるな」と言ってる?(笑)
如月:せめて直感にしてあげたら?
GM:ん? じゃあ直感でもいいけど。
如月:あ、僕は仲居さんに女の子たちを起こすように頼んでおこう。
京一:(その間にころころ)れ? 起きちゃった。
竜深:えー、それは面白くなーい。
京一:だって起きちゃったんだもん。
GM:では、如月に叩き起こされてみると朝の6時だ。
京一:ああん? ……これだからじじいは朝が早くてよぉ以下略(笑)。
如月:直感判定する前に飛水流布団返しやったろか?
GM:あら、そぉ? じゃあ器用さ判定かな?
京一:せっかく起きたのに……。
如月:(その前にころころ)ああっ?! ファンブルだ!
晴華:ええ?
京一:これは……どうなったんだ?
GM:京一と如月、ともに布団巻きこんで転げる。
一同:(爆笑)
京一:あ、あのー、それってすごくヤな状態のよーな……。
竜深:ところで私は起きたんでしょうか。
GM:女性陣は素直に起きてもいいけど? 面白いから。
竜深:面白いね。起きる。
晴華:私も。
如月:面白いから、とゆーと……。
竜深:京ちゃん京ちゃん! がらっ(襖を開けるポーズ)。
京一&如月:…………。
竜深:……京ちゃんフケツ。ぱあん(襖を閉める)。
一同:(再度爆笑)
京一:待て待て待て!(笑)
晴華:(構わず)竜深さん、今のは何だったんでしょう?
竜深:何だったかわからないけど、何かやな感じなの。
如月:誤解だ!
竜深&晴華:じゃあ何してたの?
如月:それは……。
GM:飛水流布団返しを……(笑)。

 
念のため注:飛水流布団返しとは?
 飛水流に代々伝わる寝起きの悪い人の叩き起こし方。「詩篇〜桜月夜」のボーナストラックに登場……なので具体的にどんなもんかは知らんが……。
 だいたい想像つくよな(笑)。


壬生:気をとりなおして(笑)、さめさんを起こします。
村雨:(嫌そうに)どーやって起こすんだよ?
壬生:枕元に正座して、(冷静に)村雨さん、起きてください。
如月:……それで起きるか?
壬生:もちろん、それで起きなければ肩をゆすってみます。
GM:はあ。
壬生:それでも起きなければ胸倉掴んでみます。
一同:……は?
壬生:それでも起きなければ蹴ってみます。
一同:……それでも起きなければ?
壬生:それでも起きなければ蹴りこ……(笑)。
晴華:それ永遠に起きません。
京一:(←だから壬生プレイヤー)どーでもいいけど、竜深の誤解はどーすんだよ?
如月:僕は立ち上がって、ぱんぱんと服の埃を払っておこう。で、(京一に)うん、あれはまぎれもなく誤解されたな、と。
京一:他人事のように言うな。おまえも絶対誤解されたぞ。とーぶんの間おまえも「フケツ」だぞ。
竜深:亀さんフケツ。
如月:…………。
GM:まあその辺は当人同士で解決してくれや。村雨は起きたの?
村雨:うん? (ころころ)あ、起きてる。
晴華:皆さん寝起きいいですねえ。
村雨:……あァ? まだ6時かよ? もうちょっと寝かせろよ。
壬生:起こせと言ったのは如月さんですよ。
如月:安曇家に行く気がなければ寝ていてもいいんだがな。
GM:えーと、えーかげん話を進めるよ。8時に予定通り朝ご飯食べて、仲居さんに「今日は海水浴にでも行ってらしたらどうです?」と言われたところで……10時まで時間とばしていいかな?
一同:はーい。
GM:では、10時になりました。波止場に行くと、君らより少し上くらい、20ちょい過ぎの女の人がいます。長身、ベリーショートで黒ずくめの美女である。すたすたと如月の前に歩いてきて、「失礼ですが、如月様ですか?」
如月:はい。安曇家の方ですか?
GM:「お迎えにあがりました。私は安曇汐里(しおり)と申します」
如月:わざわざありがとうございます。って、ところでここに今誰がきてんの?
GM:それなんだよなあ。確認とるの忘れてたわい(笑)。とりあえず……(と壬生を見る)。
壬生:え?
GM:え、じゃなくて。磯城島に行く交通手段ってホントにないからね?
竜深:泳いで行くとか(笑)。
GM:まあそれはアリだが。
如月:ええ?
竜深:漁船をシージャックは?
GM:まあそれもアリだが。
晴華:アリとか言わないでくださいマスター。
壬生:……えーと、如月さん。実は僕も、とある用で……。
如月:とある用?
壬生:それだけで通じるでしょ?
如月:通じるけど……極力やめてほしいなあ、他人さまんとこで騒ぎ起こすの……まあ連れていくけどさ……。
村雨:で、俺も行くから。
一同:(苦笑)

 
実は竜深&村雨、京一&壬生は最初から二手に別れることが決まっていたので、一人二役なのだった。

如月:(汐里に)あの、若干2名、同行したいと言ってるんですが。
GM/汐里:「如月さまお1人だと伺っていたのですが……こちらの方々は?」
如月:う……なんと言うか……まあ友人ですが……骨董についてはかなりの目利きなんです。
村雨:誰が、何だって?(笑)
如月:誰のためについてる嘘だと思ってるんだ(笑)。えー、まあとにかく、僕の助手のようなことをしているんですよ。
GM:うーん……まず壬生を見て、それから村雨を見て……ええ?(笑)
壬生:激しく疑わしいですよねこの人。
如月:(慌てて)いえ、こんなナリをしていてもコイツは……確かに無茶苦茶アヤシイですけど……(笑)。
村雨:こらこら。
GM:説得したかったら魅力チェックですな。
如月:いや、それはちょっと……(ころころ)あれ、成功してるわ。
一同:おおーっ(拍手)。
GM/汐里:(携帯電話を取り出すポーズ)「もしもし、お兄様? ……ええ、如月様とはお会いできたのですが、あと2名ご同行の方がいらっしゃるとかで……よろしいですか? はい、ではお願いいたします」
如月:あの……。
GM/汐里:「はい、ではご一緒にいらしてください。ですが……明日、島で神事が行われることはご存知ですよね? 失礼ですが、ご案内する以外の場には入られませんよう、くれぐれもよろしくお願いいたします」
如月:はい。こいつらはちゃんと僕が監督しますので(きっぱり)。
壬生&村雨:…………。
GM:ではそーゆーわけで、モーターボートみたいなんが泊まっておるんだが、運転席にいる男が、(壬生に)村橋だ。
壬生:…………。
如月:おい……。
GM:ここでサツるなよ、頼むから。
竜深:「館長、標的発見しました。任務遂行します」
晴華:え? それはここでシナリオ終わりってことですか?
GM:だからやめいとゆっとろーが!(一同笑)
壬生:いえ、さすがにそれは(笑)。こっそり村橋を観察しておきます。
GM:そうだね、直感を。
壬生:(ころころ)あ。成功している。
GM:今回皆さん成功率よろしいわね。後が怖いけど。それはともかく、この人、何かホルスター吊ってるっぽいわよ?
壬生:…………。
GM:さて、お留守番組に戻ります。
晴華:とりあえず海に行ってみましょうか?
GM:そうですね。そうしてロビーの方へ行くと、夕べは閉まっていた土産物屋が開いています。その一角に、貝殻の細工ものがいっぱいおいてあるのが目をひきますね。
晴華:細工物?
GM:うん、まあよくある貝の暖簾とかもあるけど、どちらかというと小作りなアクセサリー……イヤリングとかピアスとかバレッタとか、こーゆー旅館の土産物としては実によくできてます。
竜深:あ、何かいいかも。
GM:君たちがそうやって見てると、仲居さんが自慢げに、「中々よろしいでしょ? 実は女将の娘さんが作られたものなんですよ」と。ちなみにお値段も結構手ごろなので、(京一に)買ってあげてもいいんじゃないの?
如月:(ふと)そーいや朝のフケツ事件から仲直りしてないんじゃないの?
京一:えっ?
竜深:ううん、別にもう気にしてないケド。
京一:でもご機嫌はとっとかなきゃだなあ……。
GM:さて、土産物を見ていた3人。知力の威力だして。まず知力判定して、失敗したら威力が半分ね。
晴華:(ころころのころ)うーん、判定には失敗してるので7なんですが……。
GM:7ならまあいいかな? えーとね、はっきりとはわからないんですが、細工に使ってある貝殻、実に種々雑多です。ひょっとしたら日本で採れないのも混ざってるんじゃないの?とか。それも高い値段つけて飾られてるわけじゃなくて、無造作に混ざってます。
晴華:…………?
GM:(しらっと)ところで京一、何か買ってあげるの?
京一:うーん、(竜深に)欲しいのある?
竜深:お薦めとかあります?
GM:そーですねえ、小さい貝殻で花束を作ったバレッタなんかカワイイ。
竜深:でも髪短いし……。
GM:あと指輪とか……あ、ブレスレットとかもいいかな。
竜深:(京一に)あれ。
京一:じゃあ、それ(笑)。
GM/仲居:「はい、それじゃ税込みで500円になります。ありがとうございました」

 
さてさて、買い物も終えて、海水浴場へ向かう竜深、京一、晴華。
 そのころ亀さんチーム(笑)は……。

GM:船が島につきました。結構岩場の多い島ですね。で、その岩場を上っていくように道がつけられていて、見上げると純和風の立派なお屋敷が立っています。で、そこに入って、客間に通されて、しばらくすると汐里さん以外に2人の男性が入ってきます。1人は30がらみの、結構端正な顔をした男の人。で、もう1人は50過ぎのおじさん。
村雨:どんな人?
GM:残念ながらあんまりイイ男ではありません。結構スクエアな金の亡者風というか……おでーかんさまに黄金のお菓子を差し上げてるタイプというか(笑)。
如月:でっかい指輪とか金時計とかしてそうな?
GM:そうそう。で、若い方が如月に一礼します。「ようこそいらっしゃいました。安曇濤哉(とうや)と申します」
如月:こちらこそ、丁寧なご挨拶、いたみいります。
壬生:(黙って会釈)
GM:さめさんは?
村雨:ん? そりゃもう胡座かいてるよん。
如月:(ひじで小突く)村雨!
GM:ちなみに濤哉さん、2人のやりとりを見ても全く無表情。「私が一応当家の主でございます。こちらは叔父の纜(ともつな)です」
如月:は、はあ。どうも。
村雨:しかし、この若造に対してやたら丁寧だな。
GM:そうだねえ、おっちゃんの方は「何だこの若造は。何でこんなのは骨董品店の店主なんだ」ってな顔してるんだけどね。
壬生:村雨さんのアロハにも顔色変えず?
GM/濤哉:うん、ぜんっぜん。「それでは早速ですが、蔵のほうにご案内いたしましょうか?」
如月:はい、恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
壬生:大人しくついていきます。ところで村橋はどうしました?
GM:あ、ごめん。途中で別れて離れの方にいったみたいだね。
壬生:…………。
GM:話進めていいかな? そういうわけで蔵を見せてもらったんだけど、中には色んな品がある。で、壬生と村雨もついて来てるよね?
村雨:すっげ面倒くさそうな顔はしてるけどね。
GM:では、知力チェックをどうぞ。如月さんはプラス20していい。
如月:(ころころ)それなら楽勝です。
壬生:僕も成功。
GM:じゃあ2人にはわかるが、ここにある品々は程度の差こそあれ、どれもホントに価値のあるものだ。ただし、ジャンルがよーわからん。
如月:は?
GM:和洋折衷もいいとこ、とにかく何でもあり。いわゆるコレクターとしての収集ではないだろう。
如月:代々全然違う趣味の人が集めていったとか?
GM:それにしたって、青磁の壷の横に、ギリシャ風な大理石の女神像とかあったりするし。
如月:……品自体はいいものなんだね?
GM:いいものです。だから余計変なのだ。ちなみに案内する時の態度でわかるけど、濤哉さんは骨董には全く興味がなさそうだね。コレクターなら熱意をこめて自慢するところなんだが、とにかく淡々としてるし。おっちゃんの方は自慢したくてうずうずしてる感じなんだがね(笑)。ちなみにこの人、普段は京都で古美術商をやってるのだ。
如月:え? じゃあ何でこの人がひきとらないの?
GM:さあ、何ででしょうねえ。
如月:……まあいいけど……だいたいいくつくらい買えそうかな?
GM:普段あなたが仲間からどれだけ搾取しているかによる(笑)。でもそうだね、無理して2・3個というとこだな。
如月:思い出したように言うのもなんだが、僕はこっちが本来の仕事なんだ。
GM:エッチな白衣や手作り弁当を売るのでなしにな。
如月:放っといてくれ。(算盤をはじくポーズ)そうだな、多少自分の趣味もまじるかもしれないが、和風ので、それなりにコストパフォーマンスのよさそうなものを探そう。
GM:若旦那、こちらにダイヤで出来た招き猫が。
如月:…………。
GM:それは冗談だけどね(笑)。まあ時間はあるだろうから、ゆっくり考えてくれ。さて、そうやって話していると、村橋さんがやってくる。で、「安曇さん」と呼ぶと2人振りかえるわけだけど、「纜さんの方です」と。2人は「ちょっと失礼」と出ていってしまいます。
如月:(壬生を見る)
村雨:(同じく)それを壬生が目で追ってる、ってことには気づくわなあ。
壬生:さり気なく戸口近くに行ってみるけど……。
GM:直感でどうぞ。
壬生:(ころころ)それは無理です。
GM:でも会話の断片は聞こえたなあ。まず、村橋さんが纜さんに「まだわからないんですか」と。対して纜さんが、「濤哉のヤツも口が堅くてなかなか脅しにのらん」と言ってる、かな?
壬生:…………?
GM:あ、あと、「沙織のことをだせば一発だと思ったのにな」と言ってるようです。ちなみに「さおり」だよ。「しおり」ではないよ。
村雨:誰、それ?
GM:誰と言われても、まだ出てきてないのでねえ(笑)。すまんねえ、NPCが多くて。

 
と、いうよりやってる本人がつらいんだよな(笑)。
 さて、再び舞台はお留守番組へ。水着のお姉ちゃんがいっぱいの海水浴場へやってきた3人だが。


竜深:わーい。泳ぐぞ泳ぐぞ♪
GM:竜深ちゃん、水着は?
竜深:うーん、セパレートの♪
GM:スポーティーなヤツね。お嬢様は?
晴華:持ってきてませんよ。
GM:そうなの?
晴華:ディズニーランドへ行くつもりだった人間が、水着を用意してきているとでも?(怒)
GM:高い水着を街で買って、請求書をみかぴーに送りつけてやるという手も。
如月:店が回してくれませんよ。
晴華:いいですよ。復讐はあとでたっぷりやるとして、とりあえずパラソル借りてその下でのんびりしてます。
GM:そうだねえ。京一も竜深ちゃんがいちゃあナンパできないからねえ。
京一:あ、何か足かせが……。
GM:(いきなり)あ、京一はん。たこ焼き買っていかへん? ごっつうまいで! 大阪じこみや!
一同:何故いる?!(笑)
竜深:こんなとこでバイトか、あんたわ。
京一:単にマスターの個人的趣味でしょ。とりあえずたこ焼き2つね(笑)。
GM:さてさて。たこ焼きを2人のところに持って帰ってみると。誰がどん、とぶつかってきます! 落とさずにいられたかどうか、敏捷性で♪
京一:(ころころ)ああっ!
GM:では、たこ焼きをばらばらばらっとばら撒いてしまったねえ。で、「ああっ、ごめんなさい!」とぺこぺこ謝っているのは、ショートカットの8歳くらいの女の子である。
京一:いや、別に、そんな気にすんなよ。
GM:ちなみに、女の子の背後から、これは高校生くらいの男の子が「こら待てー!」と追いかけて……京一の周りを2人でぐるぐる追っかけっこをしている。
京一:あのなあ(苦笑)。このままじゃ俺、単なる馬鹿じゃん?
一同:(笑)
京一:どーするよ(笑)。
GM:なす術なく見てるなら、そのうち捕まっちゃうよ? で、「おら、返せよ!」と結構乱暴にゆすぶってるが。
京一:じゃあ男の方の手を掴んで……女の子に乱暴はいけねえなあ、と……。
GM:プレイヤー、照れるな(笑)。
京一:そんなこと言ったって(笑)。とりあえず、理由を訊こうか?
GM:「関係ねえくせに口だすなよ! そいつが俺のもんをとってったんだ!」だ、そうですが?
京一:(振り向いて女の子を見るポーズ)
GM:女の子は「だって伯父さんにばれたらまた怒られるんだよ、潮生(うしお)ちゃん!」と言ってる。
京一:おや? 知り合い?
如月:と、いうか、安曇家の関係者と見た。
晴華:海つながりで(笑)。
竜深:サ○エさんみたい……。
GM:やかましわ。
京一:うーん、しかしそう言われても事情がよくわからんのだが。
GM:そう? じゃ、そうしてると後ろからちょっちやくざっぽい黒服のおっちゃんがやって来て、「潮生ぼっちゃん、そろそろ船が出ますよ!」と呼びます。彼は「くそー、おまえら覚えてろよー!」と行って去ってゆく(笑)。
一同:いいキャラだ(笑)。
GM/女の子:「どうもありがとうございました」
京一:いや、別にいいってことよ。
GM/女の子:「あっ、たこ焼きすみません。弁償します!」
京一:いや、だからいいって。
GM/女の子:「あ、ごめんなさい。今お金持ってないんです! うちに帰れば母からもらえますので」
京一:それはいいから、人の話を聞け(笑)。お嬢ちゃん、名前は?
GM/女の子:「はい、藤沢沙織といいます」と、彼女が指差すのは旅館「ふじさわ」だったり。
晴華:彼女が旅館の娘さんですか?
京一:お嬢ちゃんはあそこの旅館の子?
GM/沙織:「はいっ。あ、ひょっとして、昨日からウチの宿に泊まってらっしゃる方ですか?」
京一:ああ、何人かと一緒にな。
竜深:えーと、2人はこっちから見えててもいい?
GM:いいっすよ。
竜深:たたたっと駆けよって、あれー……京ちゃん、ナンパ?(一同笑)
京一:何でそーなる。
竜深:じー。
京一:俺はロリコンか? いくらなんでも8歳の女の子に……。
竜深:だって朝っぱらから亀さんと抱き合ってるし。
京一&如月:違うっちゅーの!!
晴華:……とりあえず痴話ゲンカは好きにやらせておくことにしましょう。(沙織に)あなたがあのお土産を作ってらっしゃるんですか? とても素敵ですね。
GM/沙織:「はいっ。買っていただけたみたいですね。ありがとうございます」
晴華:いえいえ、買ったのは私じゃないですし(笑)。ってそうとは言いませんが、とりあえず何があったんですか、と訊いておきます。
GM:何があったと言われても……。
晴華:いえ、何かばたばたしてらっしゃたのは見えたんですけど……(少し口ごもって)単にばたばたしていただけにしか見えなくて……。
一同:ひでえ!(笑)