*** OPENING ***
 



「ああ,疲れた……」
 俺は呟き,3日ぶりに帰ってきた我が家のドアを開いた。

 疲れた。とにかく疲れた。疲れたと言ったら疲れた。
 どのくらい疲れてるか,もはやいちいち描写するのもイヤだが,ともかく週の総睡眠時間が15時間以下っておかしくないか。「人間らしい生活」とか言う以前に生物学的医学的にヘンじゃないのか。
 よく生きてるな俺。
 エライぞ俺。

 ……何で俺がこんなに疲れてるか,それを説明する前に一言。

 人気投票に清き10ポイントをどうもありがとうございました。
 それと,俺1位だそうです。ありがとうございます。それは素直に嬉しいです。
 嬉しいんですけどね。

「大谷さん,人気投票ダントツで1位ですよ? おめでとうございます」
「……どうもありがとうございます」
「あら? どうしたんですか,そんなしかめっ面で。嬉しくないんですか?」
「いや,それは嬉しいことは嬉しいですが……」
「皆さんからの応援コメントも山のように来てますよ? 羨ましいわ」
「そ,そうですか。ありがたいことですね」
「『楓さんとお幸せに』とか『楓×大谷もいけますね』とか」
「…………」
「……ふふっ。良かったですね」
「…………」

 そういうわけで,仕事が増えた。嫌がらせのように増えた。
 いや,「ように」も何も正真正銘徹頭徹尾嫌がらせなんだが。
 えー皆さん,コメントにはもう少し気を遣ってくださいね?
 泪さんも見てますから。

 閑話休題。
 ともかく,俺は3日ぶりに帰ってきた我が家のドアを開け,電灯もつけずにふらふらとキッチンへ向かった。とりあえず冷えたビールをお供に,今日は速攻でベッドに行こう。
 背広をそのへんに放り出し,冷蔵庫を開ける。今日はよくかんばったのでホッ○ーじゃなくてビールを飲む。1本残っていたアサ○ド○イを取り出した時,
「…………う」
「…………?」


 ⇒ 今背後で誰かが……振り返ってみる。
 ⇒ だーかーらー,俺は眠いんだ。ビール持って寝室に直行。