決 戦 篇  I don't care what follows.


★さて大ボスだ!

GM:では4人が中に入ったと。では、目の前に立派な植木鉢。そこからぶっとい蔓が伸びています。薔薇はうねうねと天井まで〜♪
紫暮:うむう。やっぱり今までのはダミーか。
雨紋:やっぱそうだよなー。
美里:やっぱですって? ……何のために筋肉痛になったのかしら、私?
一同:(笑)
京一:はうう。ガンさまがお怒りだ。
龍麻:大丈夫だ。アイツは今上にいるから、俺たちには聞こえてないはず(笑)。
壬生:でも背筋は寒いと思うケドね……。
美里:何のこと? さ、みんながんばって敵を倒すのよ。
一同:は〜い!

 
と、いうわけでガンさまの指令のもと(←嘘)最終ボス戦に挑む7人!
 12月、夕方、吹きさらしの公園、しかも湿った海風!
 ダイスの目すらまともに見えない悪条件の中、7人のプレイヤー&GMの戦いが今始まろうとしている!
 そしてその前には今回のヒロインがお目見えだ。


GM:さて、その隣には、おなじみ榊くん。そして背後には、白い薔薇をからませたガラスの棺に、白いドレスを着た長い黒髪の美少女が横たわっていたりするぞ。
京一:やたっ、ゆりほちゃん発見!
紫暮:(ぼそっと)さて、人質交換といこうか。
GM:はいぃ?(一同笑)
龍麻:……ちょっと待てや。交換対象は?(笑)
京一:そりゃアナタ、言わずもがなデス(笑)。
GM:……今のは聞かなかったことにしておくよ紫暮さん(笑)。んじゃ戦闘入っていいかな? それとも榊くんの口上聞きたい人ー? いないね。では、ここにいる中で一番早い人から……あ、榊くんか。
京一:げ。負けた。
GM:大丈夫。榊くんはそんなに強くないんだ。
龍麻:……強いのは薔薇?
GM:そうね。でも相原くんたちを助けたから、弱体化はしてるんだよ。
マリィ:はーい、助けなかったらどうなったんですか?
GM:向こうが血を吸って再生し続けます。血がなくなった時点で再生は止まるけど。
雨紋:あのさ、それってさ。
壬生:……僕の任務が失敗だった?
一同:(笑)
GM:中にいるのは4人で、マリィ後衛だね? じゃあ3人をランダムに狙って、と……雨紋にレイピアで華麗な突きだ。でもフェンシング技能は持ってない(笑)。
龍麻:おいおい(笑)。
GM:だから弱いって言ったじゃん。(ころころ)あたったよん。「醜いものは消えろぉ!」
雨紋:(ころころ)08! 避け。
GM:んじゃ、壬生は上あがって終わりということで、京一。
京一:へい! 敵って薔薇と榊だよね。榊くん殴っちゃっていいかな。とりあえず様子見で……(ころころ)外れ。

 
さて、最終戦闘はかくのごとく地味に始まりました。
 マリィは相性のいい「アーカーシャ」で、オードリーに合計32点のダメージ。
 雨紋はオードリーに攻撃するも、避けられる。
 龍麻はオードリーに「掌底・発剄」を放って魔法防護点の低さを攻め、手堅くダメージ。
 まだ全員様子見という感じである。
 それに対し、今回の大ボスである吸血薔薇のオードリーちゃんは……。

GM:さあて、だれに魔法いこうかなー。
京一:ええ? 魔法?
GM:(ころころ)ふふふ。狙ったように京一だな。
京一:え? え?
GM:(かわいく)さ、私の味方になってね♪ そっれいけっ♪ まりんかりんっ♪
壬生:よりによって魅了かい!(笑)
雨紋:しかし、何せ蓬莱寺のダンナのことだから……。
京一:(ころころ)……ふらふら〜(一同爆笑)。
龍麻:大馬鹿者ぉ!
マリィ:さすがキョウイチおにいちゃん(笑)。
壬生:狙ったように魅了されやがんの(笑)。
京一:わかったよぉ。命運つかって打ち消します。
GM:俺にはひーちゃんがいる。
京一:そうそう。
龍麻:え?(笑)
一同:え?(笑)
美里:……京一くん、今何て言ったかしら?
京一:冗談ですって! 冗談です!
GM:(しらじらしく)で、紫暮なんだけど……。
紫暮:分身、力ずく(どきっぱり)。

 
……つくづくこの人って……。
 また5個対8個なんですね……暗くてダイス見えないっちゅーのに。
 そして結果はまたもや紫暮の圧勝。
 誰かこの人を止めてくれ(笑)。

紫暮:とおりゃあ!とマリィのすぐ後ろから現れました(一同笑)。
マリィ:いやあ、怖いぃ!(笑)
GM:はい、次ターン。壬生。
壬生:普通に跳び蹴り、当たり。19点。
GM:ちこっと。んじゃ榊だけど、コイツ攻撃しかできないし……しかも外れてるし(笑)。
京一:マスター、旋やったらゆりほちゃんまで巻き込む?
GM:ん? どうだろうなあ。寒いからマスター裁量で巻き込まないと言っておこう(←えーかげん)。
壬生:だけどさあ、拡散だから榊は巻き込むよ?
京一:それは別にいい(笑)。いきまあす! 「剣掌・旋」!
GM:(ころころ)おう、ダメージくれや。
京一:うわ、駄目。低っ。21です。
GM:オードリーちゃんの方にはまたしてもちこっとで、榊に拡散のダメージが10点か。はじくっていうかな?(笑)
京一:でも、相性風ですし、魔法防御点ですよ。
GM:あ、そっか。じゃあこっちもちこっときたかな。HP低いからなあ。一桁ダメージでもつらいな。
マリィ:馬鹿の一つ覚えですが、薔薇に「アーカーシャ」。
GM:(ころころ)避けた。何か地味な戦闘だなおい。もっと技とか使えば?
雨紋:おう、そのつもりだぜ。「ライトニングボルト」いきます!
壬生:榊を狙うんだよ。うまくいけば感電させられる。
雨紋:薔薇は感電しないよな(笑)。こっちは当たりッス。
GM:うーん、駄目だ。後は感電しないように祈るだけだが。
雨紋:(ころころ)6、6、2。
GM:がび〜ん!(←6が出ると技の「副効果」が起こりまして、「ライトニングボルト」だと感電して動けなくなるのです)
雨紋:(ころころ……ころころ)
GM:お、おい? ひょっとして感電以前の問題?
雨紋:51ダメージでえす。
GM:ぐはあ! ……悪運を使いたいが、寒いからやめよう。
一同:(爆笑)

 
悪運とはボスなどが持ってる命運のことです。メガテンのボス戦は「とにかく悪運消費わせろ」が合言葉なのです。だってボスは死んだと見せかけて生きている。お約束ですよね。
 が、今回は……いや、ホントに寒かったので、とにかくはやく終わらせたくて……。
 何せ、みんな(GMも)自分の番が終わると、その辺走りまわって寒さしのいでましたもん。
 榊&オードリーだって本当はもっと強かったんだよ?
 ……本当だってば。信じてぷりーず(←嘘くさい)。

京一:さて、榊はぼろぼろみたいだけどな(←龍麻を見る)。
GM:方陣技使えば?
龍麻:んじゃ壬生と……。
GM:ぶーっ。壬生はこのターン、もう行動しちゃってるよ。
壬生:あ、そっか……。
美里:……うふふっ(←地の底から響く笑い)。
一同:(爆笑)
GM:おお、美里とならおっけーだぞ(にやにや)。
龍麻:ま、待て。美里はまだ飛び降りてないだろ。
美里:あれ? やっぱり近くにいなきゃ駄目ですか? 天井からのぞきこみながらやろうと思ってたんですが(笑)。
マリィ:そんなアホな……。
紫暮:それか、方陣技と同時に飛び降りる(笑)。
マリィ:さらにアホやん!(笑)
GM:……面白いから、それでいこか?
龍麻:ますたあああああぁっ!(一同爆笑)
GM:この際面白いのと手っ取り早いのが全てだ。寒いし(笑)。いいんじゃないの? 菩薩の光に包まれて降りてくる美里と方陣技(笑)。
壬生:ガンさま降臨!て感じ?
雨紋:いいかあ?
GM:(無視)で? どうすんの? やるんならひーに行動遅らせてもらって、オードリーの行動順なんだけどさ。
龍麻:(ぶつぶつ)友好値が上がっちゃうのが嫌なんだよね……。
一同:(笑)
美里:龍麻は私が嫌いなのぉ?!(笑)
龍麻:え? それはほら、ねえ(笑)。
美里:(派手な身振り)何で? どうしてなのッ?!(笑)

 
何でと言われても、そりゃアナタ(笑)。
 しかし、ごねるひーをなだめすかし、2人で方陣技かますことで方針決定。でもってその前に……。


GM:薔薇は……全員に射撃回避してもらおうかな〜♪
一同:射撃回避ですかあ?!
GM:そうだよーん。とにかく色々飛んでくる〜♪ 葉とか棘とか飛んでくる〜♪
マリィ:あのー、後列もですか?
GM:全員攻撃なので飛んでくる〜♪(←嬉しそう)
美里:射撃回避ってどれですか?
龍麻:直感。それって俺、すごい低いんだけどさー。
壬生:直感って全員軒並み低いはずだよ(笑)。
GM:成功した人いる?
一同:しーん(笑)。
GM:(ころころのころ)んじゃ、全員に35点、物理防護点は有効だよ。
一同:(どよどよ)
美里&マリィ:あのー、死んでるんですが?
GM:命運をお使いなさい。メガテンの戦闘なんて、命運使ってなんぼよ。
京一:ううー、俺も命運で消しますう。
GM:じゃあ美里か紫暮ズだけど。
紫暮:方陣技先いっていいすよ。
GM:えーと、お互い宿星いくつふってたっけ?
龍麻:2です。
美里:こっちは4つでーす(笑)。
GM:なるほど(笑)。じゃ、ひーは4つ、美里は……6つ振れるのか。
一同:おおーっ(笑)。
龍麻&美里:(薄暗がりの中、揃ってころころ)サイコロが見えない……(笑)。
GM:(同じく必死にサイコロを見ようとしている)うーん……結局いくつ?
龍麻:合わせて35。結構低いな。
紫暮:さっきの雨紋の方が強かったじゃないか。
GM:追加ダメージがないので、そーゆーこともあるね。
壬生:じゃ、セリフですな。
龍麻:(低音で)「いくよ……」
美里:(かわいく)「はい、私の力、あなたに預けます!」
龍麻&美里:「破邪顕正! 黄龍菩薩陣!」
GM/榊:「ぐはああああああっっ! 葵さん、どおしてえええっっ!」
一同:(笑)
雨紋:……どうしてと言われてもなあ。
美里:(さらにかわいく)ああ、ごめんなさい、榊くん。結局あなたを救えなかった……。

 
どの口でそゆこと言うかな、この人は(笑)。
 かわいそうな榊くんはこれで撃墜でした。
 紫暮ズのダブル正拳突き(笑)は1回だけヒット。
 さて、3ターン目。
 寒さがシャレにならないので、後は方陣技で蹴りをつけろ!とばかりに、壬生は紫暮、京一は龍麻の行動順まで行動遅らせ。

★トドメは友情の方陣技(←これも大嘘)

GM:で、マリィの番だけどな。頑張って燃えて。寒いから。
マリィ:(冷静に)マリィは燃えない。
GM:ええい、早くやれい(笑)。
マリィ:(ころころ)……おや?
京一:これ、ある意味「いっつふぁいなる」?(笑)
GM:え? ファンブったの?
マリィ:(こくこく)
GM:魔法の時のファンブルって……。
京一:味方直撃(笑)。自分含む。
GM:じゃあ私が決めるぞ。みんな動くなよー(←寒いので動き回っていた)……6!
雨紋:(←6番目に座っていた)……軽く頼むぜ(笑)。
マリィ:誤爆〜、16て〜ん。
雨紋:魔法防御引いて14点……さっきの棘飛ばしがあったから、これで死んだな。
一同:(大爆笑)
マリィ:ああ〜、ごめんなさい〜。
雨紋:(淡々と)命運使って打ち消します。ま、いいってことよ。
マリィ:ああ〜、ライトはいい人だあ〜。これがおねえちゃんだったらどうなってたことか〜(笑)。
龍麻:一体何回ご飯を抜かれることか〜(笑)。
GM:まあ雨紋、いつぞやひーを刺しかけた報いがきたということで(笑)。
雨紋:そこまで巡り巡ってきたッスかー(笑)。反撃! ライトニングボルト!
GM:(ころころ)うーん、かなりきたな。んじゃ、ひーと京一、方陣技いっちゃってください。お互い宿星3点ずつだったよね? じゃあ5個振って。
京一:(ころころ)わっ、低い! 18! ごめん、ひーちゃん!
龍麻:(ころころ)…………。
マリィ:おや?(笑)
京一:ひーちゃん、その沈黙は何?(笑)
壬生:……暗くてよく見えないけど、1が多くない?
GM:何のための方陣技だ、おい。
マリィ:やる気なさすぎ〜。
龍麻:(とか皆が笑っている中で)……8。
京一:えっ?
美里:嘘?!
GM:だって5つ振ってて……。
龍麻:1、1、1、1、4だもん。
一同:……はいぃッ?!(大爆笑)
雨紋:何じゃそりゃ?!(笑)
GM:……ひーが京一のことをどう思っているか、よくわかったよ。
龍麻:(京一に)悪い、ごめん。
京一:…………。
マリィ:ちょっと友情にひびはいったね。
壬生:とりあえずセリフ言っちゃったら?
GM:これ、オリジナル考えてきたんだよね。
一同:おおー(拍手)。
龍麻:ここにメモしてあります。「よし、やるぞ京一!」
京一:「おう、その言葉待ってたぜ、ひーちゃん! 行くぜ!」
龍麻&京一:せーの、「剣聖黄龍陣!」
GM:ってゆー名前だったらしいよ(笑)。
一同:(笑)
GM:でもまだ薔薇生きてるもんね。だって26ダメージだよ。低いよ。
壬生:セリフまで考えてきたのにねえ。
京一:(小声で)ひーちゃんの馬鹿……。
龍麻:悪かったね!
GM:と、ゆーわけで薔薇の行動だね。(ころころ)壬生に攻撃当たり。
壬生:(ころころ)避けてる。
GM:悲しいなあ。薔薇ここまでか。武神(龍撃陣)と(双龍)螺旋脚が先にまわってくるんだよな。
雨紋:あとアレも残ってますよ。
GM:アレ? ああ、美里のアレね(一同笑)。
壬生:とりあえず紫暮さん、いっておきますか?
紫暮:(のプレイヤー、攻略本を広げながら)……ちょっとこれ(←方陣技のセリフ)暗くて見えないっすよ。
壬生:(のプレイヤー)俺もセリフちゃんと覚えてはいないけど……。
龍麻:武神覚えてる人ってわりと少ないよね?
GM:あそこの街灯のとこ行って叫んでらっしゃい。
一同:(爆笑)
紫暮:叫ぶっすか!
壬生:やるっすか?! マジ馬鹿みたいっすよ!
龍麻:我々に聞こえるように(笑)。
マリィ:怪しいよう〜(笑)。
GM:(冷たく)何を今さら。

 
と、いうわけで10メートルばかり離れた街灯の下に行き、セリフを朗読する紫暮と壬生(のプレイヤー)。
 鬼マスターの指示により、他の人間に聞こえなければダメージ無効、というおまけつき。
 つまり大声で叫べ。
 まあいるけどね。演劇部の練習とかで、公園で叫ぶ人たちって(松井は高校時代にやったし)。
 ただ、

壬生:「いきますよ、紫暮さん」
紫暮:「おうッ!」
壬生:「ボクの華麗な技を見せてあげますよ」
紫暮:「ふんッ、いくぞ、壬生!」
壬生:「では……」
紫暮&壬生:「必殺! 武神龍撃陣!」

 
……などというセリフを使う劇があるとは思えん……(特に「ボクの華麗な技」云々。怪しすぎ)。
 つくづく、人通りがなくてよかったよね。
 一同の大笑い&拍手の中、走って戻ってくる2人。
「あー、恥ずかし……」などと言いながら戻ってくる2人に、GMは即座に「おら、いいからとっととダメージのダイスを振れい」と冷たく命じるのであった。
 それはともかく、武神のダメージは39点。

GM:(計算して)うーん、あとちょっと。
京一:と、いうことは?
雨紋:アレの出番か?
美里:――うふふっ(一同笑)。
GM:男性に対する「ダメージ2倍」ってのはないけど、一応普通にダメージは通るからね。
美里:(ころころ)成功してます。では……「我に眠る菩薩の力よ! この菩薩の力で……びいぃぃぃむっっ!!」
一同:(爆笑)
壬生:すごい、かっこいー(笑)。
GM:ってーかそのセリフは今考えたんかい!(笑)
紫暮:(笑う一同の中、ぼそっと)アンタがやると魔貫〇殺砲だよ。
一同:(さらに大爆笑)
美里:ほっといてちょうだい(笑)。ダメージは29点です。
壬生:これが男性相手だったら54点?(笑)
GM:個人的には榊に撃って欲しかったねえ(笑)。あれ……(計算して)うわあ、1点残った!
龍麻:誰かとどめさせ、とどめ。
GM:あんたがさせよ、主人公(笑)。もーこうなったら方陣技いったれい。
壬生:螺旋脚っすかー。
龍麻:これならセリフも覚えてます。
GM:あと1点だからね。もう技だせば終わり。寒いから、これで締め。では、張り切っていきましょう!
壬生:では、「陰たるは、空昇る龍の爪……」
龍麻:「陽たるは星閃く龍の牙……」
壬生:「表裏の龍の技、見せてあげましょう……」
龍麻&壬生:っせーの、「秘奥義! 双龍螺旋脚!」
GM:ひゅお〜ん……どどどどど……終わり。
一同:(数瞬の沈黙)……おい。
GM:――だってさあ、薔薇だよ! 死にセリフも吐けないよ! これで終わりか! 終わりなのか、薔薇!
京一:(なだめるように)まあ、寒いからね。
壬生:撤退しましょうか?
一同:ま、寒いしね……。


 
と、いうわけでなんと!
 あまりにもあっけなくこのリプレイは終わってしまうのでした。
 何故かと言われれば、「寒かったから」としか答えようのないこの悲しさ(笑)。さすがにこれではあんまりなので、後日談を用意してございます。
 できればこのまま、後日談へお進みくださいませ。